私の観点からすれば、存在とは、自分の内側にある喜怒哀楽、あるいは、他人の感情他と喜怒哀楽を自分にも感じるという事かもしれない。もちろん、私たちの存在が存在する上では、そのように存在を感じる事は、他の人から助けを求め、また自分から慈悲を世間に捧げる過程によって、私たちは自分の存在を感じ、他人の存在を感じ、他人の中の私を見て、自分の認識を確かめる。こういったような存在はハイデガーのいう他人からの私の存在かもしれない。また喜怒哀楽と言うものは、古代から先人のいったようなものであるかもしれない。こういったようなものを除外して、自らの存在を自分しか感じないという事は、自分を認めない、慣れないもの、他人の目線からそれが存在してはいけないもの、または理解できないもの、それが私の存在である。これ以外に私なりの見解から説明すると、他人と私、自分と自分以外といった関係的な論点から出発しない方法をとりたい。私がいうには、人と言うものは、他のあらゆる生命を傷ついたりする事は、少なくとも1ミリの悲しみを持ち、それを他人の内の上に投影する。その時私たちの心理に影響及ぼす事は何であろう?私たちは生まれてから、誰でも少なくとも病気を抱えることがある。その時記憶を回想すれば、それはフロイトのいう、無意識的な存在が感情的に内なる心にあるかもしれない。それが他人の身の上に起これば、私たちはそれを感じてしまう。人間に限らず、他の命のあるものにもそう感じる。さもなければ、大変巨大な憎しみしか、その人の心にあり、暫定的にその他のすべてのものを、そしてすべての葛藤を忘却している状態に、精神的な危機に陥っているといえる。なぜなら、人は生まれつき、生命を愛する力を持っている。各人の表現する方式と感じる量が異なるだけである。これは、歴史的な長いスパンを経過しても観察できる事実なのである。もしこれに反論する人がいれば、その人は事柄を、あるいはある独自性のある生命に、全般的な理解をしていないからである。つまり私の感覚から感じたのは、すべての人に共通的な存在という感覚を持つ。それを言語的に解釈する、あるいは哲学的に思考をこなすことは未だ誰でもできないようである。しかし、はるかに昔から人々はそういった共通点を感じている。哲学者たちは、そのものを人間の言葉で解釈できないものとする。そして私もそう感じるしか言えない。
#健康身体 健康地球 健康生活#
ニュースリリース
2023.04.12
微細藻類ユーグレナと海藻のカギケノリの混合飼料が反芻家畜のメタン排出を軽減することを確認
反芻家畜の健康とメタン排出量軽減に配慮した飼料原料としての可能性
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、国立大学法人北海道国立大学機構帯広畜産大学の生命・食料科学研究部門・西田武弘教授と共同で行った研究において、微細藻類ユーグレナ(以下、「ユーグレナ」)と海藻のカギケノリ※1の混合飼料が、反芻家畜※2の健康を損なうことなく排出されるメタン※3の量を軽減することを確認しました。なお、この研究成果は学術雑誌animalsに掲載されています※4。
※1 カギケノリ:紅藻と呼ばれる海藻の一種
※2 反芻家畜:牛や羊、ヤギなどの反芻動物の家畜。一度飲み込んだ食べ物を再び口に戻して咀嚼し、胃が4つあるのが特徴
※3 メタン:CH4。二酸化炭素に次いで気候変動への影響が大きな温室効果ガス。湿地や水田、家畜および天然ガスの生産など、その放出源は多岐に渡る
※4 https://t.cn/A6NqoXAN
リリースTOP(カギケノリ)
左・ユーグレナ粉末(イメージ)、右・カギケノリ(赤紫色の海藻、イメージ)
【背景】
畜産業は人間のタンパク質の供給源として人間活動にかかせない産業ですが、近年ではその環境負荷や飼料原料の不足・高騰などの課題に直面しており、代替となる環境負荷の少ない持続可能な飼料原料を見つけることが急務となっています。なかでも、牛をはじめとする反芻家畜が、飼料を消化する過程で胃から放出する大量のメタンは、温室効果ガス全体の約5%を占めるとされ、気候変動に及ぼす影響が大きく、その抑制・軽減は喫緊の課題です。
その対策として近年、反芻家畜からのメタン排出量を削減する飼料原料の選択肢の一つとして、藻類が期待されています。これまでの研究により、カギケノリは、ブロモホルムという含有物質を通じて反芻家畜の消化器官で生成されるメタン量を軽減する効果で知られています。しかしながら、カギケノリの飼料への含有量が多くなった場合、家畜がエネルギー源とする揮発性脂肪酸(VFA)の組成への影響などの懸念があることなどが挙げられています。
一方、ユーグレナでも、反芻家畜への給餌がメタン排出量を軽減させることが確認されています※5。ユーグレナは、タンパク質や脂質、炭水化物のほか、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいることから、大豆やトウモロコシ、小麦などの従来の飼料原料と同等かそれ以上の素材となる可能性も期待できます。
本研究では、ユーグレナとカギケノリの混合物を飼料と部分的に置き換え、家畜の健康とメタン排出量軽減との両方に配慮した飼料の可能性を検討しました。
※5 2017年4月5日のニュースリリース「反芻家畜への飼料の一部を微細藻類ユーグレナで代替することによりメタン発生量を減少させる効果を確認しました」https://t.cn/A6NqoXAC
【研究の内容と結果】
本研究では、
①カギケノリを1%添加した飼料
②一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
③カギケノリを1%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
を作製し、牛から採取した胃液に浸した後で発生するガスの成分の変化を観察することで、メタン発生量への影響などを評価しました。
その結果、通常飼料と比較して、①では胃から出るメタンの量が21%減少することが確認され、②ではそれぞれ4%(ユーグレナ10%)および11%(ユーグレナ25%)減少することが確認されました。③では29.9%(カギケノリ1%、ユーグレナ10%)と40.0%(カギケノリ1%、ユーグレナ25%)と、メタンの量が有意に減少することが確認されました(図1)。
図1 牛の胃液への各配合飼料添加時のメタン発生量
また、反芻家畜の主要なエネルギー源は、第一胃内で産生される揮発性脂肪酸(VFA)で、その組成は飼料により影響されることが知られています。
④カギケノリを添加(1%、5%)した飼料
⑤一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
⑥カギケノリを1%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
⑦カギケノリを5%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
を作製し、胃液に各配合飼料を添加した際の揮発性脂肪酸を測定、牛への健康影響の評価を行いました。
その結果、揮発性脂肪酸(VFA)の減少は、⑦の25%ユーグレナに代替したものにて有意に確認され、それ以外の条件では牛への悪影響は、ほとんどないことが明らかになりました(図2)。
図2 牛の胃液への各配合飼料添加時のVFA発生量
本研究成果は、反芻動物の飼料において、カギケノリ1%添加にユーグレナ25%まで配合した組み合わせが、牛の健康に悪影響を及ぼさず、メタン排出量の軽減に寄与し、新たな代替飼料の原料としての可能性を示しました。
今後も当社では、微細藻類ユーグレナの飼料としてのさらなる安全性を確保するとともに、飼料として活用した際の付加価値の向上等に関する研究を推進し、飼料利用の事業化を目指します。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」の対象商品を、継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://t.cn/RhdnZg9
― 本件に関するお問い合わせ先 ―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課
ニュースリリース
2023.04.12
微細藻類ユーグレナと海藻のカギケノリの混合飼料が反芻家畜のメタン排出を軽減することを確認
反芻家畜の健康とメタン排出量軽減に配慮した飼料原料としての可能性
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、国立大学法人北海道国立大学機構帯広畜産大学の生命・食料科学研究部門・西田武弘教授と共同で行った研究において、微細藻類ユーグレナ(以下、「ユーグレナ」)と海藻のカギケノリ※1の混合飼料が、反芻家畜※2の健康を損なうことなく排出されるメタン※3の量を軽減することを確認しました。なお、この研究成果は学術雑誌animalsに掲載されています※4。
※1 カギケノリ:紅藻と呼ばれる海藻の一種
※2 反芻家畜:牛や羊、ヤギなどの反芻動物の家畜。一度飲み込んだ食べ物を再び口に戻して咀嚼し、胃が4つあるのが特徴
※3 メタン:CH4。二酸化炭素に次いで気候変動への影響が大きな温室効果ガス。湿地や水田、家畜および天然ガスの生産など、その放出源は多岐に渡る
※4 https://t.cn/A6NqoXAN
リリースTOP(カギケノリ)
左・ユーグレナ粉末(イメージ)、右・カギケノリ(赤紫色の海藻、イメージ)
【背景】
畜産業は人間のタンパク質の供給源として人間活動にかかせない産業ですが、近年ではその環境負荷や飼料原料の不足・高騰などの課題に直面しており、代替となる環境負荷の少ない持続可能な飼料原料を見つけることが急務となっています。なかでも、牛をはじめとする反芻家畜が、飼料を消化する過程で胃から放出する大量のメタンは、温室効果ガス全体の約5%を占めるとされ、気候変動に及ぼす影響が大きく、その抑制・軽減は喫緊の課題です。
その対策として近年、反芻家畜からのメタン排出量を削減する飼料原料の選択肢の一つとして、藻類が期待されています。これまでの研究により、カギケノリは、ブロモホルムという含有物質を通じて反芻家畜の消化器官で生成されるメタン量を軽減する効果で知られています。しかしながら、カギケノリの飼料への含有量が多くなった場合、家畜がエネルギー源とする揮発性脂肪酸(VFA)の組成への影響などの懸念があることなどが挙げられています。
一方、ユーグレナでも、反芻家畜への給餌がメタン排出量を軽減させることが確認されています※5。ユーグレナは、タンパク質や脂質、炭水化物のほか、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいることから、大豆やトウモロコシ、小麦などの従来の飼料原料と同等かそれ以上の素材となる可能性も期待できます。
本研究では、ユーグレナとカギケノリの混合物を飼料と部分的に置き換え、家畜の健康とメタン排出量軽減との両方に配慮した飼料の可能性を検討しました。
※5 2017年4月5日のニュースリリース「反芻家畜への飼料の一部を微細藻類ユーグレナで代替することによりメタン発生量を減少させる効果を確認しました」https://t.cn/A6NqoXAC
【研究の内容と結果】
本研究では、
①カギケノリを1%添加した飼料
②一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
③カギケノリを1%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
を作製し、牛から採取した胃液に浸した後で発生するガスの成分の変化を観察することで、メタン発生量への影響などを評価しました。
その結果、通常飼料と比較して、①では胃から出るメタンの量が21%減少することが確認され、②ではそれぞれ4%(ユーグレナ10%)および11%(ユーグレナ25%)減少することが確認されました。③では29.9%(カギケノリ1%、ユーグレナ10%)と40.0%(カギケノリ1%、ユーグレナ25%)と、メタンの量が有意に減少することが確認されました(図1)。
図1 牛の胃液への各配合飼料添加時のメタン発生量
また、反芻家畜の主要なエネルギー源は、第一胃内で産生される揮発性脂肪酸(VFA)で、その組成は飼料により影響されることが知られています。
④カギケノリを添加(1%、5%)した飼料
⑤一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
⑥カギケノリを1%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
⑦カギケノリを5%添加し、一部(10%、25%)をユーグレナに代替した飼料
を作製し、胃液に各配合飼料を添加した際の揮発性脂肪酸を測定、牛への健康影響の評価を行いました。
その結果、揮発性脂肪酸(VFA)の減少は、⑦の25%ユーグレナに代替したものにて有意に確認され、それ以外の条件では牛への悪影響は、ほとんどないことが明らかになりました(図2)。
図2 牛の胃液への各配合飼料添加時のVFA発生量
本研究成果は、反芻動物の飼料において、カギケノリ1%添加にユーグレナ25%まで配合した組み合わせが、牛の健康に悪影響を及ぼさず、メタン排出量の軽減に寄与し、新たな代替飼料の原料としての可能性を示しました。
今後も当社では、微細藻類ユーグレナの飼料としてのさらなる安全性を確保するとともに、飼料として活用した際の付加価値の向上等に関する研究を推進し、飼料利用の事業化を目指します。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年より行っている、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」の対象商品を、継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://t.cn/RhdnZg9
― 本件に関するお問い合わせ先 ―
株式会社ユーグレナ コーポレートコミュニケーション課
【ギルガメッシュ FIGHT】
藤原季節:“ギルガメ”ドラマで触れた「テレビマン」のかっこよさ 今後も“演じさせていただく”気持ち忘れずに
1990年代に人気を博したテレビ東京の深夜のお色気番組「ギルガメッシュないと」から着想を得たドラマ「Paravi オリジナルドラマ『ギルガメッシュ FIGHT』」で主演を務めている俳優の藤原季節さん。動画配信サービス「Paravi」で配信中の同作で演じているのは、「テレビ東洋」の番組「ギルガメッシュ FIGHT」の演出担当・加藤竜也だ。「正しくテレビマン。このドラマをやって、テレビマンって言葉のかっこよさに触れた気もします」と明かす藤原さんが、撮影を通じて感じたことを語った。
◇撮影中も「勉強させられっぱなしだった」
同作は、「ギルガメッシュないと」のスタッフたちの実話に基づいたフィクションドラマ。「エロ」に真正面から向き合った制作陣の物語で、藤原さん演じる加藤は、天才的かつ芸術的なアイデアで番組を作り上げていくディレクターだ。
「加藤に対する最初の印象は『突き抜けた人』。決して『社会性がある』とは言えない、でもすごく才能があって、カリスマ性があるんだろうなと感じました。演じていて思ったのは、『才能がある』と他人に言われる加藤って、どこか少しさみしいんだなということ。みんなが盛り上がっている輪の中に入っていけないさみしさや孤高な感じが、振り子のように『絶対に面白い番組を作るぞ』という、反骨心にもなっている。面白い番組を作ることでしか、自分の存在を誇示できないというところもあったんだと思います」
才気走る孤高のテレビマン。そんな加藤と共に「ギルガメッシュ FIGHT」を人気番組に押し上げた剛腕プロデューサー・栗田淳一(大東駿介さん)も、正しく「テレビマン」である。
「昔のテレビ業界はどんな感じだったのか、大東さんといろいろなプロデューサーさんに話を聞く機会があったのですが、『昔のテレビマンはマジでかっこよかったよ』ってみんな言うんですよ。加藤も栗田も正しくテレビマン。このドラマをやって、テレビマンって言葉のかっこよさに触れた気もします」
撮影中も「勉強させられっぱなしだった」と振り返る藤原さん。演じた加藤は、優れた観察眼と“狂愛”の持ち主としても描かれている。劇中、そんな加藤と栗田のやりとりで飛び出した「番組はプロデューサーのものじゃない、ディレクターのものだ」とのせりふに対しても「なるほどなと思った」といい、「簡単に妥協してはいけなかったり、言うことを聞きすぎて、大切なものを見失ってはいけないんだなって。とても勉強にもなりました」と明かした。
◇デビュー10周年、30代、思い描く理想の俳優像
ドラマは当時の熱気や狂騒など“ギルガメ”の栄光だけではなく、終焉(しゅうえん)も描いた、藤原さんいわく「結構切ない」人間ドラマにもなっている。
また、視聴者の反応として「職業ドラマとしてすごく面白かったという意見があって、それはうれしかったですね」と話す藤原さん。一方で、いち役者としては、主演として力不足を感じた現場でもあったという。
「主演って本当に大変で、とてもありがたいことではあるのですが、大東さんの力強さ、みんなを巻き込むような力強さを目の当たりにして、到底かなわない、自分はまだまだだなって思いました。自分がドラマの中心にいて、みんなの視線を集めるのには、本当に研ぎ澄まされていないとボロが出てしまう。そういう意味でも、非常に良い経験をさせていただきました」
そんな藤原さんにとって2023年はデビュー10周年の節目の年。1月18日に30歳の誕生日を迎え、30代へと突入した。最後に、自身が思い描く理想の俳優像について聞くと……。
「月並みな言い方にはなってしまうのですが、これからも一つ一つの役に誠実に取り組んでいきたいと思っています。最近、俳優さんが舞台挨拶(あいさつ)などで口にする、『○○役を演じさせていただきました』という言葉の意味を考えることがよくあって、それは誰に対しての敬語なのか、『演じさせていただく』とはどういう意味なんだろうって。実際、僕らが演じるのって、ほとんどが日常を生きる“生活者”で。僕が電車の駅員を演じたとしても、人それぞれ日々の積み重ねがあり、そこに至るまでの喜びや苦しみを100%再現できるかと言ったら、そんなことはないわけで。いっときをフィクションとして演じるだけなので、言い方は難しいのですが、ある意味、失礼なことをしているなって思いもあるんです。だからこそ、その一つ一つの役、職業に対して、『演じさせていただく』気持ちを常に忘れてはいけないなって。今回はディレクターの役をやりましたし、いつかは記者の役をやるかもしれない。そこに対して『演じさせていただく』という尊敬やリスペクトの気持ちを忘れると、良い俳優になれないだろうなと思ってもいるので、これからも敬意を持って、一つ一つの役に誠実に取り組んで行きたいと思っています」
藤原季節:“ギルガメ”ドラマで触れた「テレビマン」のかっこよさ 今後も“演じさせていただく”気持ち忘れずに
1990年代に人気を博したテレビ東京の深夜のお色気番組「ギルガメッシュないと」から着想を得たドラマ「Paravi オリジナルドラマ『ギルガメッシュ FIGHT』」で主演を務めている俳優の藤原季節さん。動画配信サービス「Paravi」で配信中の同作で演じているのは、「テレビ東洋」の番組「ギルガメッシュ FIGHT」の演出担当・加藤竜也だ。「正しくテレビマン。このドラマをやって、テレビマンって言葉のかっこよさに触れた気もします」と明かす藤原さんが、撮影を通じて感じたことを語った。
◇撮影中も「勉強させられっぱなしだった」
同作は、「ギルガメッシュないと」のスタッフたちの実話に基づいたフィクションドラマ。「エロ」に真正面から向き合った制作陣の物語で、藤原さん演じる加藤は、天才的かつ芸術的なアイデアで番組を作り上げていくディレクターだ。
「加藤に対する最初の印象は『突き抜けた人』。決して『社会性がある』とは言えない、でもすごく才能があって、カリスマ性があるんだろうなと感じました。演じていて思ったのは、『才能がある』と他人に言われる加藤って、どこか少しさみしいんだなということ。みんなが盛り上がっている輪の中に入っていけないさみしさや孤高な感じが、振り子のように『絶対に面白い番組を作るぞ』という、反骨心にもなっている。面白い番組を作ることでしか、自分の存在を誇示できないというところもあったんだと思います」
才気走る孤高のテレビマン。そんな加藤と共に「ギルガメッシュ FIGHT」を人気番組に押し上げた剛腕プロデューサー・栗田淳一(大東駿介さん)も、正しく「テレビマン」である。
「昔のテレビ業界はどんな感じだったのか、大東さんといろいろなプロデューサーさんに話を聞く機会があったのですが、『昔のテレビマンはマジでかっこよかったよ』ってみんな言うんですよ。加藤も栗田も正しくテレビマン。このドラマをやって、テレビマンって言葉のかっこよさに触れた気もします」
撮影中も「勉強させられっぱなしだった」と振り返る藤原さん。演じた加藤は、優れた観察眼と“狂愛”の持ち主としても描かれている。劇中、そんな加藤と栗田のやりとりで飛び出した「番組はプロデューサーのものじゃない、ディレクターのものだ」とのせりふに対しても「なるほどなと思った」といい、「簡単に妥協してはいけなかったり、言うことを聞きすぎて、大切なものを見失ってはいけないんだなって。とても勉強にもなりました」と明かした。
◇デビュー10周年、30代、思い描く理想の俳優像
ドラマは当時の熱気や狂騒など“ギルガメ”の栄光だけではなく、終焉(しゅうえん)も描いた、藤原さんいわく「結構切ない」人間ドラマにもなっている。
また、視聴者の反応として「職業ドラマとしてすごく面白かったという意見があって、それはうれしかったですね」と話す藤原さん。一方で、いち役者としては、主演として力不足を感じた現場でもあったという。
「主演って本当に大変で、とてもありがたいことではあるのですが、大東さんの力強さ、みんなを巻き込むような力強さを目の当たりにして、到底かなわない、自分はまだまだだなって思いました。自分がドラマの中心にいて、みんなの視線を集めるのには、本当に研ぎ澄まされていないとボロが出てしまう。そういう意味でも、非常に良い経験をさせていただきました」
そんな藤原さんにとって2023年はデビュー10周年の節目の年。1月18日に30歳の誕生日を迎え、30代へと突入した。最後に、自身が思い描く理想の俳優像について聞くと……。
「月並みな言い方にはなってしまうのですが、これからも一つ一つの役に誠実に取り組んでいきたいと思っています。最近、俳優さんが舞台挨拶(あいさつ)などで口にする、『○○役を演じさせていただきました』という言葉の意味を考えることがよくあって、それは誰に対しての敬語なのか、『演じさせていただく』とはどういう意味なんだろうって。実際、僕らが演じるのって、ほとんどが日常を生きる“生活者”で。僕が電車の駅員を演じたとしても、人それぞれ日々の積み重ねがあり、そこに至るまでの喜びや苦しみを100%再現できるかと言ったら、そんなことはないわけで。いっときをフィクションとして演じるだけなので、言い方は難しいのですが、ある意味、失礼なことをしているなって思いもあるんです。だからこそ、その一つ一つの役、職業に対して、『演じさせていただく』気持ちを常に忘れてはいけないなって。今回はディレクターの役をやりましたし、いつかは記者の役をやるかもしれない。そこに対して『演じさせていただく』という尊敬やリスペクトの気持ちを忘れると、良い俳優になれないだろうなと思ってもいるので、これからも敬意を持って、一つ一つの役に誠実に取り組んで行きたいと思っています」
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