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#权威发布#【市场监管总局关于查处哄抬价格违法行为的指导意见】
各省、自治区、直辖市和新疆生产建设兵团市场监管局(厅、委):
当前,受国际局势和疫情影响,部分领域出现价格异常波动。为维护市场价格基本稳定,规范市场监管部门执法行为,现就市场监管部门查处哄抬价格违法行为时如何适用《中华人民共和国价格法》《价格违法行为行政处罚规定》等法律法规,提出以下指导意见:
一、哄抬价格违法行为认定
(一)经营者有下列推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第一项规定的哄抬价格违法行为:
1.捏造生产、进货成本信息并散布的;
2.捏造货源紧张或者市场需求激增信息并散布的;
3.捏造其他经营者已经或者准备提价信息并散布的;
4.散布信息含有“即将全面提价”“涨价潮”等紧迫性用语或者诱导性用语,推高价格预期的;
5.散布信息,诱导其他经营者提高价格的;
6.捏造、散布推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨的其他信息的。
(二)经营者有下列推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第二项规定的哄抬价格违法行为:
1.生产环节经营者,无正当理由不及时将已生产的产品对外销售,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的商品,经市场监管部门告诫仍继续囤积的;
2.生产环节经营者,除生产自用外,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的原材料,经市场监管部门告诫仍继续囤积的;
3.流通环节经营者,无正当理由不及时将商品对外销售,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的商品,经市场监管部门告诫仍继续囤积的。
经营者存在前款规定情形,但能够证明其行为属于按照政府或者政府有关部门要求进行物资储备或者调拨的,不构成哄抬价格违法行为。
市场监管部门已经通过公告、会议、约谈、书面提醒等形式,公开告诫不得囤积的,视为已依法履行告诫程序,可以不再单独告诫。
(三)经营者有下列推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第三项规定的哄抬价格违法行为:
1.在销售商品过程中,强制搭售商品,变相大幅度提高商品价格的;
2.未提高商品价格,但不合理大幅度提高运输费用或者收取其他不合理费用的;
3.在成本未明显增加时大幅度提高商品价格,或者成本虽有增加但商品价格上涨幅度明显高于成本增长幅度的;
4.利用其他手段哄抬价格,推动商品价格过快、过高上涨的。
前款“大幅度提高”“明显高于”等,由市场监管部门综合考虑经营者的实际经营状况、主观恶意、商品种类和违法行为社会危害程度等因素,在案件查办过程中结合实际具体认定。
二、法律适用
经营者构成哄抬价格违法行为的,依据《中华人民共和国价格法》第十四条、第四十条和《价格违法行为行政处罚规定》第六条规定处罚。经营者有下列情形之一的,可以依法从重处罚:
(一)捏造、散布商品供求关系紧张的虚假信息,引发市场恐慌,推高价格预期的;
(二)同时使用多种手段哄抬价格的;
(三)哄抬价格行为持续时间长、影响范围广的;
(四)一年内有两次以上哄抬价格违法行为被查处的;
(五)伪造、隐匿、毁灭相关证据材料的;
(六)阻碍或者拒不配合依法开展的价格监督检查的;
(七)其他可以被认定为依法从重的情形。
行业协会或者为商品交易提供服务的单位构成哄抬价格违法行为的,依据《价格违法行为行政处罚规定》第六条规定处罚。
经营者不执行法定的价格干预措施、紧急措施的,依照《中华人民共和国价格法》第三十九条和《价格违法行为行政处罚规定》第十条规定处罚。经营者相互串通,操纵市场价格,造成商品价格较大幅度上涨的,依照《中华人民共和国价格法》第十四条、第四十条和《价格违法行为行政处罚规定》第五条规定处罚。
三、工作要求
(一)坚持依法行政。在自然灾害、公共卫生事件等突发事件期间,应急、涉疫物资以及重要民生商品服务价格会出现或者可能出现异常波动。国际国内市场供求失衡,也会导致大宗商品价格大幅上涨。在上述条件下,市场监管部门要充分运用市场化、法治化手段,依法查处哄抬价格等违法行为,切实维护市场价格秩序。
(二)提高价格异常波动处置能力。各级市场监管部门要健全市场价格异常波动应急机制,完善应急处置预案,强化监测预警,密切掌握价格动态,研判分析价格走势,提高价格异常波动的敏锐性,增强监管的预判性、有效性、针对性。
(三)加大监管执法力度。各级市场监管部门要加大市场巡查力度,及时梳理投诉举报线索,密切关注群众反映问题,加强对重点区域、重点环节、重点商品的价格监管,依法查处哄抬价格等价格违法行为。对性质严重、社会影响大的典型案例要公开曝光,发挥震慑和警示作用。
(四)充分发挥行政指导作用。各级市场监管部门要通过行政指导、行政约谈等形式进行提醒告诫,做好价格监管政策解读,督促指导经营者依法合规经营,形成良好社会预期。密切关注价格舆情,及时回应社会关切,发布权威信息,维护市场价格秩序。
(五)做好相关政策衔接。市场监管部门查处经营者哄抬服务价格违法行为,可以参照本意见。各省、自治区、直辖市和新疆生产建设兵团市场监管部门可以根据本意见,制定具体实施意见。市场监管部门发现经营者哄抬价格违法行为构成犯罪的,应当依法移送公安机关。《市场监管总局关于新型冠状病毒感染肺炎疫情防控期间查处哄抬价格违法行为的指导意见》(国市监竞争〔2020〕21 号)同时废止。
本意见自发布之日起施行。
市场监管总局
2022年6月2日
来源:市说新语
各省、自治区、直辖市和新疆生产建设兵团市场监管局(厅、委):
当前,受国际局势和疫情影响,部分领域出现价格异常波动。为维护市场价格基本稳定,规范市场监管部门执法行为,现就市场监管部门查处哄抬价格违法行为时如何适用《中华人民共和国价格法》《价格违法行为行政处罚规定》等法律法规,提出以下指导意见:
一、哄抬价格违法行为认定
(一)经营者有下列推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第一项规定的哄抬价格违法行为:
1.捏造生产、进货成本信息并散布的;
2.捏造货源紧张或者市场需求激增信息并散布的;
3.捏造其他经营者已经或者准备提价信息并散布的;
4.散布信息含有“即将全面提价”“涨价潮”等紧迫性用语或者诱导性用语,推高价格预期的;
5.散布信息,诱导其他经营者提高价格的;
6.捏造、散布推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨的其他信息的。
(二)经营者有下列推动或者可能推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第二项规定的哄抬价格违法行为:
1.生产环节经营者,无正当理由不及时将已生产的产品对外销售,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的商品,经市场监管部门告诫仍继续囤积的;
2.生产环节经营者,除生产自用外,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的原材料,经市场监管部门告诫仍继续囤积的;
3.流通环节经营者,无正当理由不及时将商品对外销售,超出正常的存储数量或者存储周期,大量囤积市场供应紧张、价格发生异常波动的商品,经市场监管部门告诫仍继续囤积的。
经营者存在前款规定情形,但能够证明其行为属于按照政府或者政府有关部门要求进行物资储备或者调拨的,不构成哄抬价格违法行为。
市场监管部门已经通过公告、会议、约谈、书面提醒等形式,公开告诫不得囤积的,视为已依法履行告诫程序,可以不再单独告诫。
(三)经营者有下列推动商品价格过快、过高上涨行为之一的,市场监管部门可以认定构成《价格违法行为行政处罚规定》第六条第三项规定的哄抬价格违法行为:
1.在销售商品过程中,强制搭售商品,变相大幅度提高商品价格的;
2.未提高商品价格,但不合理大幅度提高运输费用或者收取其他不合理费用的;
3.在成本未明显增加时大幅度提高商品价格,或者成本虽有增加但商品价格上涨幅度明显高于成本增长幅度的;
4.利用其他手段哄抬价格,推动商品价格过快、过高上涨的。
前款“大幅度提高”“明显高于”等,由市场监管部门综合考虑经营者的实际经营状况、主观恶意、商品种类和违法行为社会危害程度等因素,在案件查办过程中结合实际具体认定。
二、法律适用
经营者构成哄抬价格违法行为的,依据《中华人民共和国价格法》第十四条、第四十条和《价格违法行为行政处罚规定》第六条规定处罚。经营者有下列情形之一的,可以依法从重处罚:
(一)捏造、散布商品供求关系紧张的虚假信息,引发市场恐慌,推高价格预期的;
(二)同时使用多种手段哄抬价格的;
(三)哄抬价格行为持续时间长、影响范围广的;
(四)一年内有两次以上哄抬价格违法行为被查处的;
(五)伪造、隐匿、毁灭相关证据材料的;
(六)阻碍或者拒不配合依法开展的价格监督检查的;
(七)其他可以被认定为依法从重的情形。
行业协会或者为商品交易提供服务的单位构成哄抬价格违法行为的,依据《价格违法行为行政处罚规定》第六条规定处罚。
经营者不执行法定的价格干预措施、紧急措施的,依照《中华人民共和国价格法》第三十九条和《价格违法行为行政处罚规定》第十条规定处罚。经营者相互串通,操纵市场价格,造成商品价格较大幅度上涨的,依照《中华人民共和国价格法》第十四条、第四十条和《价格违法行为行政处罚规定》第五条规定处罚。
三、工作要求
(一)坚持依法行政。在自然灾害、公共卫生事件等突发事件期间,应急、涉疫物资以及重要民生商品服务价格会出现或者可能出现异常波动。国际国内市场供求失衡,也会导致大宗商品价格大幅上涨。在上述条件下,市场监管部门要充分运用市场化、法治化手段,依法查处哄抬价格等违法行为,切实维护市场价格秩序。
(二)提高价格异常波动处置能力。各级市场监管部门要健全市场价格异常波动应急机制,完善应急处置预案,强化监测预警,密切掌握价格动态,研判分析价格走势,提高价格异常波动的敏锐性,增强监管的预判性、有效性、针对性。
(三)加大监管执法力度。各级市场监管部门要加大市场巡查力度,及时梳理投诉举报线索,密切关注群众反映问题,加强对重点区域、重点环节、重点商品的价格监管,依法查处哄抬价格等价格违法行为。对性质严重、社会影响大的典型案例要公开曝光,发挥震慑和警示作用。
(四)充分发挥行政指导作用。各级市场监管部门要通过行政指导、行政约谈等形式进行提醒告诫,做好价格监管政策解读,督促指导经营者依法合规经营,形成良好社会预期。密切关注价格舆情,及时回应社会关切,发布权威信息,维护市场价格秩序。
(五)做好相关政策衔接。市场监管部门查处经营者哄抬服务价格违法行为,可以参照本意见。各省、自治区、直辖市和新疆生产建设兵团市场监管部门可以根据本意见,制定具体实施意见。市场监管部门发现经营者哄抬价格违法行为构成犯罪的,应当依法移送公安机关。《市场监管总局关于新型冠状病毒感染肺炎疫情防控期间查处哄抬价格违法行为的指导意见》(国市监竞争〔2020〕21 号)同时废止。
本意见自发布之日起施行。
市场监管总局
2022年6月2日
来源:市说新语
「絶対払えない」アンバー・ハードから、ジョニー・デップはどう金を取り立てるのか
猿渡由紀 | L.A.在住映画ジャーナリスト
2022年6月8日 7時45分 配信
イギリスでファンに囲まれるジョニー・デップ(写真:Splash/アフロ)
勝訴から1週間。ジョニー・デップが祝福ムードに酔っている。音楽活動で現在イギリスにいるデップは、現地時間日曜、バーミンガムのインド料理店に20人ほど親しい人を招待し、貸し切りパーティを開いた。報道によれば、デップはその一晩で5万ポンド(およそ821万円)を落としていったそうだ。
また、火曜には、インスタグラムにあらためて支持者への感謝のメッセージを投稿。ヴァージニア州フェアファックスの裁判所の前に集まってくれたファンに手を振る映像や、舞台でライブ演奏する映像を編集した動画とともに、「僕にとって最も大切な、忠実で揺るぎない支持者の人々へ。僕たちはどんなところにも一緒に行き、すべてをともにしてきました。同じ道を歩き、一緒に正しいことをしてきました。みなさんが、それを大事なことだと思ってくれたから。これからは、一緒に前へ向けて進みましょう。以前からそうですが、あなたたちこそ僕の雇用者です。あらためて、ただ、ありがとうと言いたいです」とファンに感謝を捧げた。
だが、ここから前に進んでいく上で、デップは裁判で勝ち取った合計1,035万ドルを、ハードからどう回収するのだろうか。デップもハードに200万ドルの支払いを言い渡されたので、差し引きした場合、ハードの支払い分は835万ドルとなるが、それでも相当だ。判決の翌朝にテレビ出演したハードの弁護士イレーン・ブレデホフトは、ハードがそのお金を払えるのかと聞かれると、「絶対に払えません」と答えていた。
ハードが裁判で証言したところによると、「アクアマン」で得たギャラは100万ドル、続編はその倍。彼女が2019年、ロサンゼルスのダウンタウンから東へ車を2時間半以上走らせたところにあるヤッカ・バレーに購入した一軒家は、現在100万ドル前後の価値があると推定されている。この裁判のための高額な弁護士代は、その家のための保険でカバーされたようだし、離婚の時にデップが支払った700万ドルの残りもまだあるだろう。デップはそれらを全部差し押さえた上で、不足分は、将来ハードが仕事をして得るギャラの一部か全部を、裁判所を通じて支払わせることができる。
もっと手っ取り早く終わらせたいのであれば、デップがハードからお金を受け取る権利を安く回収業者に売ってしまうという方法がある。業者はハードが判決で決められた満額を払い切るまで回収するので、その差額が儲けとなり、デップにとっては、得られる金額は大きく減っても、時間と気苦労が省ける。
しかし、デップがこれらの手段を選ぶことは想像しがたい。どちらも正当な方法で、デップにはその権利があるのだが、この先ずっとハードを非常に苦しめることになるのは誰の目にも明白だからだ。
裁判の間、デップは最初から最後まで、自分が求めるのは真実を明らかにすることだけだと述べていた。デップの弁護士も、彼の目的は、お金でも、ハードに罰を与えることでもないと言っている。たった今も、デップは「これから前へ向けて進もう」と言ったばかりだ。それなのに時間をかけてでもハードから金を取り立てようとしたら、イメージダウンにつながりかねない。
敗訴した後も自分が被害者だという態度を変えていないアンバー・ハード
敗訴した後も自分が被害者だという態度を変えていないアンバー・ハード(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
ということで、最も考えられるのは、示談により、新たな金額で合意をすることだ。払えないで困っているのはハードのほうなので、この話し合いをリードするのはデップとなる。憶測のひとつとして、金額を思いきり安くしてあげる代わりに、今後二度とDV被害者として発言しないようデップはハードに約束させるのではないかということが聞かれる。その条件を受け入れれば、ハードは控訴もできなくなり、この件は終わる。それはデップにとっても悪いことではない。
ただ、問題は、ハードを信頼できるかどうか。離婚の時にも、デップはハードが要求する通り700万ドルを払ったが、ハードは、カップルだった頃のことは語らないという約束を破ってあの「Washington Post」の意見記事を書いたのだ。また、デップ支持者の間では、後になってハードが「金額を下げたのは彼に罪悪感があるから」と言い出すのではないかと懸念する声もある。そんなふうに他人から言われるまでもなく、ハードがどんな人かは、デップ自身が誰よりも知っているだろう。
とは言え、今回の場合、約束を破れば、ハードは一生、支払いに追われ続けることになる。名誉毀損裁判を起こされたことについて、ハードは「私はもう先に進みたいんです。でもジョニーがそれをさせてくれないのです」と証言台でぼやいていた。それが本当の気持ちであるならば、今こそハードは真摯にこの判決に向き合うべきである。
猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「Movie ぴあ」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。
猿渡由紀 | L.A.在住映画ジャーナリスト
2022年6月8日 7時45分 配信
イギリスでファンに囲まれるジョニー・デップ(写真:Splash/アフロ)
勝訴から1週間。ジョニー・デップが祝福ムードに酔っている。音楽活動で現在イギリスにいるデップは、現地時間日曜、バーミンガムのインド料理店に20人ほど親しい人を招待し、貸し切りパーティを開いた。報道によれば、デップはその一晩で5万ポンド(およそ821万円)を落としていったそうだ。
また、火曜には、インスタグラムにあらためて支持者への感謝のメッセージを投稿。ヴァージニア州フェアファックスの裁判所の前に集まってくれたファンに手を振る映像や、舞台でライブ演奏する映像を編集した動画とともに、「僕にとって最も大切な、忠実で揺るぎない支持者の人々へ。僕たちはどんなところにも一緒に行き、すべてをともにしてきました。同じ道を歩き、一緒に正しいことをしてきました。みなさんが、それを大事なことだと思ってくれたから。これからは、一緒に前へ向けて進みましょう。以前からそうですが、あなたたちこそ僕の雇用者です。あらためて、ただ、ありがとうと言いたいです」とファンに感謝を捧げた。
だが、ここから前に進んでいく上で、デップは裁判で勝ち取った合計1,035万ドルを、ハードからどう回収するのだろうか。デップもハードに200万ドルの支払いを言い渡されたので、差し引きした場合、ハードの支払い分は835万ドルとなるが、それでも相当だ。判決の翌朝にテレビ出演したハードの弁護士イレーン・ブレデホフトは、ハードがそのお金を払えるのかと聞かれると、「絶対に払えません」と答えていた。
ハードが裁判で証言したところによると、「アクアマン」で得たギャラは100万ドル、続編はその倍。彼女が2019年、ロサンゼルスのダウンタウンから東へ車を2時間半以上走らせたところにあるヤッカ・バレーに購入した一軒家は、現在100万ドル前後の価値があると推定されている。この裁判のための高額な弁護士代は、その家のための保険でカバーされたようだし、離婚の時にデップが支払った700万ドルの残りもまだあるだろう。デップはそれらを全部差し押さえた上で、不足分は、将来ハードが仕事をして得るギャラの一部か全部を、裁判所を通じて支払わせることができる。
もっと手っ取り早く終わらせたいのであれば、デップがハードからお金を受け取る権利を安く回収業者に売ってしまうという方法がある。業者はハードが判決で決められた満額を払い切るまで回収するので、その差額が儲けとなり、デップにとっては、得られる金額は大きく減っても、時間と気苦労が省ける。
しかし、デップがこれらの手段を選ぶことは想像しがたい。どちらも正当な方法で、デップにはその権利があるのだが、この先ずっとハードを非常に苦しめることになるのは誰の目にも明白だからだ。
裁判の間、デップは最初から最後まで、自分が求めるのは真実を明らかにすることだけだと述べていた。デップの弁護士も、彼の目的は、お金でも、ハードに罰を与えることでもないと言っている。たった今も、デップは「これから前へ向けて進もう」と言ったばかりだ。それなのに時間をかけてでもハードから金を取り立てようとしたら、イメージダウンにつながりかねない。
敗訴した後も自分が被害者だという態度を変えていないアンバー・ハード
敗訴した後も自分が被害者だという態度を変えていないアンバー・ハード(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
ということで、最も考えられるのは、示談により、新たな金額で合意をすることだ。払えないで困っているのはハードのほうなので、この話し合いをリードするのはデップとなる。憶測のひとつとして、金額を思いきり安くしてあげる代わりに、今後二度とDV被害者として発言しないようデップはハードに約束させるのではないかということが聞かれる。その条件を受け入れれば、ハードは控訴もできなくなり、この件は終わる。それはデップにとっても悪いことではない。
ただ、問題は、ハードを信頼できるかどうか。離婚の時にも、デップはハードが要求する通り700万ドルを払ったが、ハードは、カップルだった頃のことは語らないという約束を破ってあの「Washington Post」の意見記事を書いたのだ。また、デップ支持者の間では、後になってハードが「金額を下げたのは彼に罪悪感があるから」と言い出すのではないかと懸念する声もある。そんなふうに他人から言われるまでもなく、ハードがどんな人かは、デップ自身が誰よりも知っているだろう。
とは言え、今回の場合、約束を破れば、ハードは一生、支払いに追われ続けることになる。名誉毀損裁判を起こされたことについて、ハードは「私はもう先に進みたいんです。でもジョニーがそれをさせてくれないのです」と証言台でぼやいていた。それが本当の気持ちであるならば、今こそハードは真摯にこの判決に向き合うべきである。
猿渡由紀
L.A.在住映画ジャーナリスト
神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「週刊SPA!」「Movie ぴあ」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイ、ニューズウィーク日本版などのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。
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