芥川龍之介「 杜子春」【未完待续】#为什么竹马总是打不过天降##二次元漫画##穿军装的样子#
一
或春の日暮です。
唐の都洛陽らくやうの西の門の下に、ぼんやり空を仰いでゐる、一人の若者がありました。
若者は名は杜子春とししゆんといつて、元は金持の息子でしたが、今は財産を費つかひ尽つくして、その日の暮しにも困る位、憐あはれな身分になつてゐるのです。
何しろその頃洛陽といへば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来わうらいにはまだしつきりなく、人や車が通つてゐました。門一ぱいに当つてゐる、油のやうな夕日の光の中に、老人のかぶつた紗しやの帽子や、土耳古トルコの女の金の耳環や、白馬に飾つた色糸の手綱たづなが、絶えず流れて行く容子ようすは、まるで画のやうな美しさです。
しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭もたせて、ぼんやり空ばかり眺めてゐました。空には、もう細い月が、うらうらと靡なびいた霞の中に、まるで爪の痕あとかと思ふ程、かすかに白く浮んでゐるのです。
「日は暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行つても、泊めてくれる所はなささうだし――こんな思ひをして生きてゐる位なら、一そ川へでも身を投げて、死んでしまつた方がましかも知れない。」
杜子春はひとりさつきから、こんな取りとめもないことを思ひめぐらしてゐたのです。
するとどこからやつて来たか、突然彼の前へ足を止めた、片目眇すがめの老人があります。それが夕日の光を浴びて、大きな影を門へ落すと、ぢつと杜子春の顔を見ながら、
「お前は何を考へてゐるのだ。」と、横柄わうへいに言葉をかけました。
「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」
老人の尋ね方が急でしたから、杜子春はさすがに眼を伏せて、思はず正直な答をしました。
「さうか。それは可哀さうだな。」
老人は暫しばらく何事か考へてゐるやうでしたが、やがて、往来にさしてゐる夕日の光を指さしながら、
「ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つて、お前の影が地に映つたら、その頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」
「ほんたうですか。」
杜子春は驚いて、伏せてゐた眼を挙げました。所が更に不思議なことには、あの老人はどこへ行つたか、もうあたりにはそれらしい、影も形も見当りません。その代り空の月の色は前よりも猶なほ白くなつて、休みない往来の人通りの上には、もう気の早い蝙蝠かうもりが二三匹ひらひら舞つてゐました。
二
杜子春とししゆんは一日の内に、洛陽の都でも唯一人といふ大金持になりました。あの老人の言葉通り、夕日に影を映して見て、その頭に当る所を、夜中にそつと掘つて見たら、大きな車にも余る位、黄金が一山出て来たのです。
大金持になつた杜子春は、すぐに立派な家を買つて、玄宗げんそう皇帝にも負けない位、贅沢ぜいたくな暮しをし始めました。蘭陵らんりようの酒を買はせるやら、桂州の竜眼肉りゆうがんにくをとりよせるやら、日に四度色の変る牡丹ぼたんを庭に植ゑさせるやら、白孔雀しろくじやくを何羽も放し飼ひにするやら、玉を集めるやら、錦を縫はせるやら、香木かうぼくの車を造らせるやら、象牙の椅子を誂あつらへるやら、その贅沢を一々書いてゐては、いつになつてもこの話がおしまひにならない位です。
するとかういふ噂うはさを聞いて、今までは路で行き合つても、挨拶さへしなかつた友だちなどが、朝夕遊びにやつて来ました。それも一日毎に数が増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春の家へ来ないものは、一人もない位になつてしまつたのです。杜子春はこの御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。その酒盛りの又盛なことは、中々口には尽されません。極ごくかいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、天竺てんぢく生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれてゐると、そのまはりには二十人の女たちが、十人は翡翠ひすゐの蓮の花を、十人は瑪瑙めなうの牡丹の花を、いづれも髪に飾りながら、笛や琴を節面白く奏してゐるといふ景色なのです。
しかしいくら大金持でも、御金には際限がありますから、さすがに贅沢家ぜいたくやの杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。さうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通つてさへ、挨拶一つして行きません。ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文無しになつて見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸さうといふ家は、一軒もなくなつてしまひました。いや、宿を貸す所か、今では椀に一杯の水も、恵んでくれるものはないのです。
そこで彼は或日の夕方、もう一度あの洛陽の西の門の下へ行つて、ぼんやり空を眺めながら、途方に暮れて立つてゐました。するとやはり昔のやうに、片目眇すがめの老人が、どこからか姿を現して、
「お前は何を考へてゐるのだ。」と、声をかけるではありませんか。
杜子春は老人の顔を見ると、恥しさうに下を向いた儘まま、暫しばらくは返事もしませんでした。が、老人はその日も親切さうに、同じ言葉を繰返しますから、こちらも前と同じやうに、
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」と、恐る恐る返事をしました。
「さうか。それは可哀さうだな、ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その胸に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」
老人はかう言つたと思ふと、今度も亦また人ごみの中へ、掻き消すやうに隠れてしまひました。
杜子春はその翌日から、忽たちまち天下第一の大金持に返りました。と同時に相変らず、仕放題しはうだいな贅沢をし始めました。庭に咲いてゐる牡丹の花、その中に眠つてゐる白孔雀、それから刀を呑んで見せる、天竺から来た魔法使――すべてが昔の通りなのです。
ですから車に一ぱいあつた、あの夥おびただしい黄金も、又三年ばかり経たつ内には、すつかりなくなつてしまひました。
三
「お前は何を考へてゐるのだ。」
片目眇の老人は、三度杜子春の前へ来て、同じことを問ひかけました。勿論彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破つてゐる三日月の光を眺めながら、ぼんやり佇たたずんでゐたのです。
「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしようかと思つてゐるのです。」
「さうか。それは可哀さうだな。ではおれが好いことを教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その腹に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの――」
老人がここまで言ひかけると、杜子春は急に手を挙げて、その言葉を遮さへぎりました。
「いや、お金はもう入らないのです。」
「金はもう入らない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう飽きてしまつたと見えるな。」
老人は審いぶかしさうな眼つきをしながら、ぢつと杜子春の顔を見つめました。
「何、贅沢に飽きたのぢやありません。人間といふものに愛想がつきたのです。」
杜子春は不平さうな顔をしながら、突慳貪つつけんどんにかう言ひました。
「それは面白いな。どうして又人間に愛想が尽きたのだ?」
「人間は皆薄情です。私が大金持になつた時には、世辞も追従つゐしようもしますけれど、一旦貧乏になつて御覧なさい。柔やさしい顔さへもして見せはしません。そんなことを考へると、たとひもう一度大金持になつた所が、何にもならないやうな気がするのです。」
老人は杜子春の言葉を聞くと、急ににやにや笑ひ出しました。
「さうか。いや、お前は若い者に似合はず、感心に物のわかる男だ。ではこれからは貧乏をしても、安らかに暮して行くつもりか。」
杜子春はちよいとためらひました。が、すぐに思ひ切つた眼を挙げると、訴へるやうに老人の顔を見ながら、
「それも今の私には出来ません。ですから私はあなたの弟子になつて、仙術の修業をしたいと思ふのです。いいえ、隠してはいけません。あなたは道徳の高い仙人でせう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすることは出来ない筈です。どうか私の先生になつて、不思議な仙術を教へて下さい。」
老人は眉をひそめた儘、暫くは黙つて、何事か考へてゐるやうでしたが、やがて又につこり笑ひながら、
「いかにもおれは峨眉山がびさんに棲すんでゐる、鉄冠子てつくわんしといふ仙人だ。始めお前の顔を見た時、どこか物わかりが好ささうだつたから、二度まで大金持にしてやつたのだが、それ程仙人になりたければ、おれの弟子にとり立ててやらう。」と、快く願を容いれてくれました。
杜子春は喜んだの、喜ばないのではありません。老人の言葉がまだ終らない内に、彼は大地に額をつけて、何度も鉄冠子に御時宜おじぎをしました。
「いや、さう御礼などは言つて貰ふまい。いくらおれの弟子にした所で、立派な仙人になれるかなれないかは、お前次第できまることだからな。――が、兎も角もまづおれと一しよに、峨眉山の奥へ来て見るが好い。おお、幸さいはひ、ここに竹杖が一本落ちてゐる。では早速これへ乗つて、一飛びに空を渡るとしよう。」
鉄冠子はそこにあつた青竹を一本拾ひ上げると、口の中に呪文じゆもんを唱へながら、杜子春と一しよにその竹へ、馬にでも乗るやうに跨またがりました。すると不思議ではありませんか。竹杖は忽たちまち竜のやうに、勢よく大空へ舞ひ上つて、晴れ渡つた春の夕空を峨眉山の方角へ飛んで行きました。
杜子春は胆きもをつぶしながら、恐る恐る下を見下しました。が、下には唯青い山々が夕明りの底に見えるばかりで、あの洛陽の都の西の門は、(とうに霞に紛まぎれたのでせう。)どこを探しても見当りません。その内に鉄冠子は、白い鬢びんの毛を風に吹かせて、高らかに歌を唱ひ出しました。
朝あしたに北海に遊び、暮には蒼梧さうご。
袖裏しうりの青蛇せいだ、胆気たんき粗そなり。
三たび嶽陽がくやうに入れども、人識らず。
朗吟して、飛過ひくわす洞庭湖。
一
或春の日暮です。
唐の都洛陽らくやうの西の門の下に、ぼんやり空を仰いでゐる、一人の若者がありました。
若者は名は杜子春とししゆんといつて、元は金持の息子でしたが、今は財産を費つかひ尽つくして、その日の暮しにも困る位、憐あはれな身分になつてゐるのです。
何しろその頃洛陽といへば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来わうらいにはまだしつきりなく、人や車が通つてゐました。門一ぱいに当つてゐる、油のやうな夕日の光の中に、老人のかぶつた紗しやの帽子や、土耳古トルコの女の金の耳環や、白馬に飾つた色糸の手綱たづなが、絶えず流れて行く容子ようすは、まるで画のやうな美しさです。
しかし杜子春は相変らず、門の壁に身を凭もたせて、ぼんやり空ばかり眺めてゐました。空には、もう細い月が、うらうらと靡なびいた霞の中に、まるで爪の痕あとかと思ふ程、かすかに白く浮んでゐるのです。
「日は暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行つても、泊めてくれる所はなささうだし――こんな思ひをして生きてゐる位なら、一そ川へでも身を投げて、死んでしまつた方がましかも知れない。」
杜子春はひとりさつきから、こんな取りとめもないことを思ひめぐらしてゐたのです。
するとどこからやつて来たか、突然彼の前へ足を止めた、片目眇すがめの老人があります。それが夕日の光を浴びて、大きな影を門へ落すと、ぢつと杜子春の顔を見ながら、
「お前は何を考へてゐるのだ。」と、横柄わうへいに言葉をかけました。
「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」
老人の尋ね方が急でしたから、杜子春はさすがに眼を伏せて、思はず正直な答をしました。
「さうか。それは可哀さうだな。」
老人は暫しばらく何事か考へてゐるやうでしたが、やがて、往来にさしてゐる夕日の光を指さしながら、
「ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つて、お前の影が地に映つたら、その頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」
「ほんたうですか。」
杜子春は驚いて、伏せてゐた眼を挙げました。所が更に不思議なことには、あの老人はどこへ行つたか、もうあたりにはそれらしい、影も形も見当りません。その代り空の月の色は前よりも猶なほ白くなつて、休みない往来の人通りの上には、もう気の早い蝙蝠かうもりが二三匹ひらひら舞つてゐました。
二
杜子春とししゆんは一日の内に、洛陽の都でも唯一人といふ大金持になりました。あの老人の言葉通り、夕日に影を映して見て、その頭に当る所を、夜中にそつと掘つて見たら、大きな車にも余る位、黄金が一山出て来たのです。
大金持になつた杜子春は、すぐに立派な家を買つて、玄宗げんそう皇帝にも負けない位、贅沢ぜいたくな暮しをし始めました。蘭陵らんりようの酒を買はせるやら、桂州の竜眼肉りゆうがんにくをとりよせるやら、日に四度色の変る牡丹ぼたんを庭に植ゑさせるやら、白孔雀しろくじやくを何羽も放し飼ひにするやら、玉を集めるやら、錦を縫はせるやら、香木かうぼくの車を造らせるやら、象牙の椅子を誂あつらへるやら、その贅沢を一々書いてゐては、いつになつてもこの話がおしまひにならない位です。
するとかういふ噂うはさを聞いて、今までは路で行き合つても、挨拶さへしなかつた友だちなどが、朝夕遊びにやつて来ました。それも一日毎に数が増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春の家へ来ないものは、一人もない位になつてしまつたのです。杜子春はこの御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。その酒盛りの又盛なことは、中々口には尽されません。極ごくかいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、天竺てんぢく生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれてゐると、そのまはりには二十人の女たちが、十人は翡翠ひすゐの蓮の花を、十人は瑪瑙めなうの牡丹の花を、いづれも髪に飾りながら、笛や琴を節面白く奏してゐるといふ景色なのです。
しかしいくら大金持でも、御金には際限がありますから、さすがに贅沢家ぜいたくやの杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。さうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通つてさへ、挨拶一つして行きません。ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文無しになつて見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸さうといふ家は、一軒もなくなつてしまひました。いや、宿を貸す所か、今では椀に一杯の水も、恵んでくれるものはないのです。
そこで彼は或日の夕方、もう一度あの洛陽の西の門の下へ行つて、ぼんやり空を眺めながら、途方に暮れて立つてゐました。するとやはり昔のやうに、片目眇すがめの老人が、どこからか姿を現して、
「お前は何を考へてゐるのだ。」と、声をかけるではありませんか。
杜子春は老人の顔を見ると、恥しさうに下を向いた儘まま、暫しばらくは返事もしませんでした。が、老人はその日も親切さうに、同じ言葉を繰返しますから、こちらも前と同じやうに、
「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考へてゐるのです。」と、恐る恐る返事をしました。
「さうか。それは可哀さうだな、ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その胸に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」
老人はかう言つたと思ふと、今度も亦また人ごみの中へ、掻き消すやうに隠れてしまひました。
杜子春はその翌日から、忽たちまち天下第一の大金持に返りました。と同時に相変らず、仕放題しはうだいな贅沢をし始めました。庭に咲いてゐる牡丹の花、その中に眠つてゐる白孔雀、それから刀を呑んで見せる、天竺から来た魔法使――すべてが昔の通りなのです。
ですから車に一ぱいあつた、あの夥おびただしい黄金も、又三年ばかり経たつ内には、すつかりなくなつてしまひました。
三
「お前は何を考へてゐるのだ。」
片目眇の老人は、三度杜子春の前へ来て、同じことを問ひかけました。勿論彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破つてゐる三日月の光を眺めながら、ぼんやり佇たたずんでゐたのです。
「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしようかと思つてゐるのです。」
「さうか。それは可哀さうだな。ではおれが好いことを教へてやらう。今この夕日の中へ立つて、お前の影が地に映つたら、その腹に当る所を、夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの――」
老人がここまで言ひかけると、杜子春は急に手を挙げて、その言葉を遮さへぎりました。
「いや、お金はもう入らないのです。」
「金はもう入らない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう飽きてしまつたと見えるな。」
老人は審いぶかしさうな眼つきをしながら、ぢつと杜子春の顔を見つめました。
「何、贅沢に飽きたのぢやありません。人間といふものに愛想がつきたのです。」
杜子春は不平さうな顔をしながら、突慳貪つつけんどんにかう言ひました。
「それは面白いな。どうして又人間に愛想が尽きたのだ?」
「人間は皆薄情です。私が大金持になつた時には、世辞も追従つゐしようもしますけれど、一旦貧乏になつて御覧なさい。柔やさしい顔さへもして見せはしません。そんなことを考へると、たとひもう一度大金持になつた所が、何にもならないやうな気がするのです。」
老人は杜子春の言葉を聞くと、急ににやにや笑ひ出しました。
「さうか。いや、お前は若い者に似合はず、感心に物のわかる男だ。ではこれからは貧乏をしても、安らかに暮して行くつもりか。」
杜子春はちよいとためらひました。が、すぐに思ひ切つた眼を挙げると、訴へるやうに老人の顔を見ながら、
「それも今の私には出来ません。ですから私はあなたの弟子になつて、仙術の修業をしたいと思ふのです。いいえ、隠してはいけません。あなたは道徳の高い仙人でせう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすることは出来ない筈です。どうか私の先生になつて、不思議な仙術を教へて下さい。」
老人は眉をひそめた儘、暫くは黙つて、何事か考へてゐるやうでしたが、やがて又につこり笑ひながら、
「いかにもおれは峨眉山がびさんに棲すんでゐる、鉄冠子てつくわんしといふ仙人だ。始めお前の顔を見た時、どこか物わかりが好ささうだつたから、二度まで大金持にしてやつたのだが、それ程仙人になりたければ、おれの弟子にとり立ててやらう。」と、快く願を容いれてくれました。
杜子春は喜んだの、喜ばないのではありません。老人の言葉がまだ終らない内に、彼は大地に額をつけて、何度も鉄冠子に御時宜おじぎをしました。
「いや、さう御礼などは言つて貰ふまい。いくらおれの弟子にした所で、立派な仙人になれるかなれないかは、お前次第できまることだからな。――が、兎も角もまづおれと一しよに、峨眉山の奥へ来て見るが好い。おお、幸さいはひ、ここに竹杖が一本落ちてゐる。では早速これへ乗つて、一飛びに空を渡るとしよう。」
鉄冠子はそこにあつた青竹を一本拾ひ上げると、口の中に呪文じゆもんを唱へながら、杜子春と一しよにその竹へ、馬にでも乗るやうに跨またがりました。すると不思議ではありませんか。竹杖は忽たちまち竜のやうに、勢よく大空へ舞ひ上つて、晴れ渡つた春の夕空を峨眉山の方角へ飛んで行きました。
杜子春は胆きもをつぶしながら、恐る恐る下を見下しました。が、下には唯青い山々が夕明りの底に見えるばかりで、あの洛陽の都の西の門は、(とうに霞に紛まぎれたのでせう。)どこを探しても見当りません。その内に鉄冠子は、白い鬢びんの毛を風に吹かせて、高らかに歌を唱ひ出しました。
朝あしたに北海に遊び、暮には蒼梧さうご。
袖裏しうりの青蛇せいだ、胆気たんき粗そなり。
三たび嶽陽がくやうに入れども、人識らず。
朗吟して、飛過ひくわす洞庭湖。
[心][心]7月スタートのカンテレ·フジテレビ系“月10ドラマ”が、波瑠主演の『魔法のリノベ』に決定した。このドラマは、住まいに新たな価値を創り出す住宅リノベーションをテーマに、依頼人が奥底に抱えている家や家族に対する問題という“魔物”に立ち向かう主人公たちが、毎話、五感と機転と根性を駆使したリノベ提案という“魔法”で、スカッと華麗に解決していく人生リノベーションお仕事ドラマだ。
[心][心]波瑠が演じるのは、大手リフォーム会社で営業成績抜群のエースの立場にありながら、ワケあって男だらけの福山家が営む「まるふく工務店」に転職してきた主人公・真行寺小梅(しんぎょうじこうめ・30)。そんな小梅とタッグを組む、営業成績0点でバツ2シングルファザーの長男・福山玄之介(ふくやまげんのすけ・33)を、間宮祥太朗が演じる。
[心][心]波瑠と間宮の共演は、『ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(2016年/カンテレ・フジテレビ系)、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(2020年/日本テレビ系)以来、3回目となる。
[心][心]ある日、「まるふく工務店」に営業職として転職してきた小梅。前職では経験に基づく豊富な知識と優れた観察眼を武器に、営業エースとして順風満帆な会社人生を送っていたが、30歳を目前に“大きなしくじり”に見舞われ、退社を余儀なくされることに・・・。
[心][心]連続テレビ小説『あさが来た』(2015年後期/NHK)でのヒロインをはじめ、数々の作品で鮮烈なインパクトを残し、いまや老若男女から愛される国民的女優となった波瑠。これまでさまざまな役柄の女性を自然体で好演してきた彼女が演じる小梅は、同世代の働く独身女性を等身大に描いたキャラクター。特殊な能力や個性的な性格を持つヒロインではなく、真面目に仕事に取りくむ一方で、食べることも、寝ることも、趣味の山歩きも、友人と愚痴を言い合う時間も好き・・・という役どころだ。
[心][心]一方、間宮演じる玄之介は、脱サラして家業の「まるふく工務店」で営業職として働き始めるも、人の良さから来る押しの弱さでいまだ成約はゼロ。さらに、女性にも振り回されがちで、現在バツ2で7歳の息子を養うシングルファザーという役どころ。
[心][心]さらに、物語が進むにつれて、玄之介がさらにこじれた人間関係に巻き込まれていることも発覚する・・・。
[心][心]現在放送中で、地上波ゴールデン・プライム帯初主演を果たした『ナンバMG5』(フジテレビ系・毎週水曜午後10時)をはじめ、役の硬軟問わない活躍を見せ、今最も注目を浴びる若手俳優の間宮が、バツ2のシングルファザーに挑戦する。険しい表情が売りの最強ヤンキー高校生から一転して、スーツに身を包んだお人よし営業マンへと変貌をとげた間宮の熱演にも目が離せない。“梅玄コンビ”が家に棲みつく魔物を退治!
[心][心]小梅が玄之介の教育係も兼ねてコンビを組むことになった2人は、元大手の営業エースと成績0点という凸凹営業コンビでありながら、実はそれぞれ自分自身の人生にリノベが必要なこじらせコンビ。
[心][心]正反対な部分もあれば、共通点もある2人が繰り広げるツッコミ・ツッコまれのまるで夫婦漫才のような会話劇は必見。そして、そんな2人が、夫婦関係、風水、事故物件、防犯など・・・様々な問題を抱える依頼人のために五感と機転と根性を駆使した住宅リノベ提案で、依頼人や家族すら気づいていない悩みや問題をスカッと解決し、彼らの人生を後押ししていく姿にご注目いただきたい。
[心][心]原作は、星崎真紀による同名漫画。物件の販売・賃貸を扱う不動産業界ではなく、家の間取りや設備といった今ある住まいをより良く改築するリノベーションという新しいジャンルを描いた作品で、2018年に一度好評のまま連載を終えたが、2022年『JOUR』5月号より令和版の新連載がスタートしている人気作だ。
[心][心]さらに、脚本を務めるのは劇団・ヨーロッパ企画の上田誠。映画『サマータイムマシン・ブルース』、『曲がれ!スプーン』やアニメ『四畳半神話大系』『ペンギン・ハイウェイ』などの脚本を手掛け、2017年には、ヨーロッパ企画の本公演『来てけつかるべき新世界』で岸田國士戯曲賞受賞。映画・ドラマの脚本だけでなく、映像制作、テレビの企画構成など、多岐にわたるジャンルで活躍している上田が、この新ジャンルのお仕事物語を、ユーモアとエンターテインメントを交えてどう描いていくのか、ぜひご期待いただきたい。
[心][心]波瑠×間宮祥太朗で描くリノベーションを題材にした新ジャンルのバディドラマであり、実直な原作漫画をコメディを得意とする脚本家が昇華させるお仕事エンターテインメント。築き上げられる王道かつエッジの効いた世界観にぜひ、ご注目いただきたい。
[心][心]“家のリノベーション=人生のリノベーション”いつだってやり直せる、家も人生も!
[心][心]人生こじらせ凸凹営業コンビが、“住宅リノベ”で家や依頼人の心に潜む魔物をスカッと退治!
男だらけの家族が営む工務店を舞台に繰り広げられる人生再生!リノベ-ション・お仕事ドラマ! https://t.cn/R2WxswF
[心][心]波瑠が演じるのは、大手リフォーム会社で営業成績抜群のエースの立場にありながら、ワケあって男だらけの福山家が営む「まるふく工務店」に転職してきた主人公・真行寺小梅(しんぎょうじこうめ・30)。そんな小梅とタッグを組む、営業成績0点でバツ2シングルファザーの長男・福山玄之介(ふくやまげんのすけ・33)を、間宮祥太朗が演じる。
[心][心]波瑠と間宮の共演は、『ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(2016年/カンテレ・フジテレビ系)、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(2020年/日本テレビ系)以来、3回目となる。
[心][心]ある日、「まるふく工務店」に営業職として転職してきた小梅。前職では経験に基づく豊富な知識と優れた観察眼を武器に、営業エースとして順風満帆な会社人生を送っていたが、30歳を目前に“大きなしくじり”に見舞われ、退社を余儀なくされることに・・・。
[心][心]連続テレビ小説『あさが来た』(2015年後期/NHK)でのヒロインをはじめ、数々の作品で鮮烈なインパクトを残し、いまや老若男女から愛される国民的女優となった波瑠。これまでさまざまな役柄の女性を自然体で好演してきた彼女が演じる小梅は、同世代の働く独身女性を等身大に描いたキャラクター。特殊な能力や個性的な性格を持つヒロインではなく、真面目に仕事に取りくむ一方で、食べることも、寝ることも、趣味の山歩きも、友人と愚痴を言い合う時間も好き・・・という役どころだ。
[心][心]一方、間宮演じる玄之介は、脱サラして家業の「まるふく工務店」で営業職として働き始めるも、人の良さから来る押しの弱さでいまだ成約はゼロ。さらに、女性にも振り回されがちで、現在バツ2で7歳の息子を養うシングルファザーという役どころ。
[心][心]さらに、物語が進むにつれて、玄之介がさらにこじれた人間関係に巻き込まれていることも発覚する・・・。
[心][心]現在放送中で、地上波ゴールデン・プライム帯初主演を果たした『ナンバMG5』(フジテレビ系・毎週水曜午後10時)をはじめ、役の硬軟問わない活躍を見せ、今最も注目を浴びる若手俳優の間宮が、バツ2のシングルファザーに挑戦する。険しい表情が売りの最強ヤンキー高校生から一転して、スーツに身を包んだお人よし営業マンへと変貌をとげた間宮の熱演にも目が離せない。“梅玄コンビ”が家に棲みつく魔物を退治!
[心][心]小梅が玄之介の教育係も兼ねてコンビを組むことになった2人は、元大手の営業エースと成績0点という凸凹営業コンビでありながら、実はそれぞれ自分自身の人生にリノベが必要なこじらせコンビ。
[心][心]正反対な部分もあれば、共通点もある2人が繰り広げるツッコミ・ツッコまれのまるで夫婦漫才のような会話劇は必見。そして、そんな2人が、夫婦関係、風水、事故物件、防犯など・・・様々な問題を抱える依頼人のために五感と機転と根性を駆使した住宅リノベ提案で、依頼人や家族すら気づいていない悩みや問題をスカッと解決し、彼らの人生を後押ししていく姿にご注目いただきたい。
[心][心]原作は、星崎真紀による同名漫画。物件の販売・賃貸を扱う不動産業界ではなく、家の間取りや設備といった今ある住まいをより良く改築するリノベーションという新しいジャンルを描いた作品で、2018年に一度好評のまま連載を終えたが、2022年『JOUR』5月号より令和版の新連載がスタートしている人気作だ。
[心][心]さらに、脚本を務めるのは劇団・ヨーロッパ企画の上田誠。映画『サマータイムマシン・ブルース』、『曲がれ!スプーン』やアニメ『四畳半神話大系』『ペンギン・ハイウェイ』などの脚本を手掛け、2017年には、ヨーロッパ企画の本公演『来てけつかるべき新世界』で岸田國士戯曲賞受賞。映画・ドラマの脚本だけでなく、映像制作、テレビの企画構成など、多岐にわたるジャンルで活躍している上田が、この新ジャンルのお仕事物語を、ユーモアとエンターテインメントを交えてどう描いていくのか、ぜひご期待いただきたい。
[心][心]波瑠×間宮祥太朗で描くリノベーションを題材にした新ジャンルのバディドラマであり、実直な原作漫画をコメディを得意とする脚本家が昇華させるお仕事エンターテインメント。築き上げられる王道かつエッジの効いた世界観にぜひ、ご注目いただきたい。
[心][心]“家のリノベーション=人生のリノベーション”いつだってやり直せる、家も人生も!
[心][心]人生こじらせ凸凹営業コンビが、“住宅リノベ”で家や依頼人の心に潜む魔物をスカッと退治!
男だらけの家族が営む工務店を舞台に繰り広げられる人生再生!リノベ-ション・お仕事ドラマ! https://t.cn/R2WxswF
22.10.01 魔法药广播公录
昼场
*你们一个广播公录搞什么写字环节啊!!而且有人上来就写错字 想写「陰」写出来的「阝念」,被hose桑吐槽今の心が暗いですか
*你们一个广播公录搞什么闻香水环节啊!会场好香啊谢谢你们
*河本贯穿全环节的感想:浮老师的香水味道很エッチ
*to问题发言:把几种香水喷在枕头上就能有左边睡faust右边睡nero的感觉了
*大猩猩这梗是过不去了
*カオス环节to他们personality组输了,惩罚游戏是去摆拍照pose直到嘉宾组叫停为止,to的一人野球队x
*所以说你们一个广播(下略)
——
夜场
*有全员被拉下水的走秀环节wwwwww没有映像所以很放飞
*12月开始主从广播没了,完了,我的元师弟梦破灭了。
*仲村桑的あだ名环节,好糟糕,指某人在板子上画了一个黑色米〇鼠。
*guest两个人的厨力好高,甚至还看了别人的亲爱故事。然后河本说heath温室活动剧情的时候某人的反应完全就是不记得了wwww
笑得太开心已经失忆了只有拍到痛的手。好喜欢药,我也想应援400年
昼场
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夜场
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*guest两个人的厨力好高,甚至还看了别人的亲爱故事。然后河本说heath温室活动剧情的时候某人的反应完全就是不记得了wwww
笑得太开心已经失忆了只有拍到痛的手。好喜欢药,我也想应援400年
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