花粉症の原因
花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。一方、北海道にはスギやヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。
花粉の飛散時期
・スギ:年初から飛び始めて3月にピークを迎えて5月くらいまで飛散します。
・ヒノキ:スギよりも若干遅れて飛び始めて4月にピークを迎えて6月くらいまで飛散します。
・シラカンバ:北海道ではシラカンバ属の飛散が5~6月にピークを迎えます。
・イネ科:北海道で6~9月に飛散しますが、本州以西ではほぼ1年を通して飛散します。
・キク科:秋の花粉として知られるキク科のブタクサ属・ヨモギ属、クワ科のカナムグラは8~10月に飛散します。
症状について
花粉症の症状は、水のような「鼻水」と、繰り返す「くしゃみ」、「鼻づまり」が3大主徴です。目にもかゆみや異物感が生じ、花粉飛散量に比例して症状が悪化する傾向があります。鼻症状は呼吸がしづらくなるため、集中力の低下やよく眠れないなど、勉強や仕事、家事に大きな影響を及ぼします。また、花粉症の人の中には、果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれることがあります。これは、口腔アレルギー症候群と呼ばれており、花粉にあるアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)と、果物や野菜に含まれるアレルゲンが似ているために起こります。
重症度について
花粉症の重症度は、鼻水をかむ回数とくしゃみが生じる回数、鼻づまりは口呼吸の回数で診断されます。鼻水とくしゃみは密接に関わるので、まとめて「鼻水・くしゃみ型」、鼻づまりが他の症状より強いと「鼻づまり型」、3つの症状が同様に強いと「充全型」と分類します。
花粉症は重症でも生命に関わることはありませんが、花粉症と食物アレルギーが合わさった口腔アレルギー症候群ではまれですが、全身に症状が出現するアナフィラキシー反応が生じる場合があり、医師の正確な診断・治療が必要となります。
治療などについて
花粉症の治療は、アレルギー性鼻炎に対する治療と同じであり、治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」の3つがあります。また、症状の原因となる花粉のアレルゲンを回避する環境整備も重要です。
薬物療法では鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年は眠気の出にくい薬もあります。
目の症状には、花粉に曝露して生じる各種の化学伝達物質(ケミカルメディエーター)に対するメディエーター遊離抑制薬や、抗ヒスタミン薬の点眼薬が用いられます。花粉飛散量が増えて症状が悪化してきたら、目のアレルギー性炎症に対して点眼ステロイド薬を用いる場合もあります。点眼ステロイド薬を用いる場合は眼圧上昇などの副作用を確認するために眼科専門医による定期的な検査が必要です。
アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれていましたが、原因となるアレルゲンを投与して、体のアレルギー反応を弱める治療です。注射製剤と舌下製剤(舌下錠)があり、舌下錠では日本ではスギ花粉とダニが保険適用になっています。治療は数年以上必要であり、根気のいる治療ですが、薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない患者さんや、薬物療法だけでは症状が抑えられないような患者さんでは、免疫療法が考慮されます。
手術療法は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術などがあります。薬物療法でも症状が抑えられない場合などに考慮される治療です。
初期療法について
花粉症は、一般に症状が悪化すると薬の効果が得られにくくなりますので、症状が軽いうちに症状を抑える薬を使い始める「初期療法」が勧められています。初期療法とは、花粉飛散予測日の2週間程度前か、もしくは花粉症の症状が少しでもあらわれた時点で薬物治療を開始します。早めに薬を使用することで、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすくなり、症状を抑えた状態でシーズンを送ることができます。
花粉症における鼻や目のケア
(1)鼻のケア
・鼻の洗浄
鼻に入り込んだ花粉やホコリなどは、洗い流すのが効果的です。ただし、水道水は塩素などを含んでいて鼻の粘膜を傷つけてしまうので、体液に近い組成の市販の生理食塩水を利用してください。
・鼻の粘膜の保護
繰り返して鼻をかむと鼻が荒れますので、荒れてしまったら白色ワセリンなどを塗ってください。保湿ティッシュペーパーで鼻をかむことも有用です。
・室内の加湿
鼻腔に炎症があると粘膜機能が低下するので、室内を加湿して水分を補ってください。空気が乾燥しているときはマスクが有用です。
・マスク
マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。また、花粉症でない人も、花粉を吸い込む量を少なくすることで、新たに花粉症になる可能性を低くすることが期待されています。ただし、風が強いとマスクをしていても鼻の中に入る花粉は増えます。マスクをしていても完全防備にはならないので過信は禁物です。
(2)目のケア
・目の洗浄
花粉やホコリなどの異物は、洗い流すのが効果的です。ただし、目は表面が涙で守られており、水道水で目を洗うことで細胞が傷つくことがあり、また涙も洗い流してしまうので、市販の人工涙液を利用してください。
・目の疲労の回避
長時間にわたりテレビを見続けることやパソコンで作業を続けることは目に負担をかけてドライアイなどの原因になるだけでなく、めまいや頭痛、睡眠障害などの心身に健康障害があらわれるVDT症候群(visual display terminal syndrome)を招いてしまいます。目から画面(モニター)まで50cmくらい離すようにして、1時間見続けたら15分間程度の休憩を設けてストレッチなどで身体をほぐすようにしましょう。また、目に炎症があるときはそれだけで目に負担をかけるので、コンタクトレンズの使用を控えてメガネをかけ、意識的に目を休めてください。目に限りませんが、規則的な生活を送って十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけてください。
花粉飛散時の外出時の注意
(1)花粉情報
最近は花粉飛散時期にはインターネットやテレビ・ラジオのニュースで花粉飛散予測が報じられます。外出せざるを得ないときには事前に花粉情報から対策を立ててください。また、必要なとき以外の外出は控えめにしてください。
(2)花粉が多く飛びやすいとき
・雨の日と雨上がり
花粉は雨が降れば地面に落ちますので雨の日は飛散量が少なくなりますが、雨が上がると遠くから飛散する花粉に加えて地面の花粉も巻き上げられますので、飛散する花粉は倍増するとお考えください。
・朝と夕方
一般に花粉は通勤・通学時間帯にあたる朝と夕方に多く飛散する傾向があります。日の出から時間とともに気温が上昇するにつれて花粉も目や鼻の高さに浮遊しやすくなることや、夕方にかけて気温が下降するにつれて上空にあった花粉が降りてくると考えられます(地形や建造物、地域により差があり、1日で最も気温が上昇する13~15時ころに飛散量が増える場合もあります)。
(3)花粉回避の服装
花粉は全身に付着しやすいので、頭髪は帽子で、目や鼻はメガネやマスクで、首はマフラーやスカーフで付着を防ぎ、花粉が付着しにくいような表面がツルツルした上着を選びましょう。
(4)帰宅時
家の中に花粉を持ち込まないように玄関前で花粉を払い、すぐに着替えて外気に露出した顔などを洗い流しましょう。
花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。これはわが国には全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためでもあり、関東や東海地方ではスギが中心になります。また、関西ではスギと並んでヒノキも植林面積が広いため、ヒノキも要注意です。一方、北海道にはスギやヒノキが少なくシラカンバ属(カバノキ科)が多いという特徴があります。
花粉の飛散時期
・スギ:年初から飛び始めて3月にピークを迎えて5月くらいまで飛散します。
・ヒノキ:スギよりも若干遅れて飛び始めて4月にピークを迎えて6月くらいまで飛散します。
・シラカンバ:北海道ではシラカンバ属の飛散が5~6月にピークを迎えます。
・イネ科:北海道で6~9月に飛散しますが、本州以西ではほぼ1年を通して飛散します。
・キク科:秋の花粉として知られるキク科のブタクサ属・ヨモギ属、クワ科のカナムグラは8~10月に飛散します。
症状について
花粉症の症状は、水のような「鼻水」と、繰り返す「くしゃみ」、「鼻づまり」が3大主徴です。目にもかゆみや異物感が生じ、花粉飛散量に比例して症状が悪化する傾向があります。鼻症状は呼吸がしづらくなるため、集中力の低下やよく眠れないなど、勉強や仕事、家事に大きな影響を及ぼします。また、花粉症の人の中には、果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれることがあります。これは、口腔アレルギー症候群と呼ばれており、花粉にあるアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)と、果物や野菜に含まれるアレルゲンが似ているために起こります。
重症度について
花粉症の重症度は、鼻水をかむ回数とくしゃみが生じる回数、鼻づまりは口呼吸の回数で診断されます。鼻水とくしゃみは密接に関わるので、まとめて「鼻水・くしゃみ型」、鼻づまりが他の症状より強いと「鼻づまり型」、3つの症状が同様に強いと「充全型」と分類します。
花粉症は重症でも生命に関わることはありませんが、花粉症と食物アレルギーが合わさった口腔アレルギー症候群ではまれですが、全身に症状が出現するアナフィラキシー反応が生じる場合があり、医師の正確な診断・治療が必要となります。
治療などについて
花粉症の治療は、アレルギー性鼻炎に対する治療と同じであり、治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」の3つがあります。また、症状の原因となる花粉のアレルゲンを回避する環境整備も重要です。
薬物療法では鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年は眠気の出にくい薬もあります。
目の症状には、花粉に曝露して生じる各種の化学伝達物質(ケミカルメディエーター)に対するメディエーター遊離抑制薬や、抗ヒスタミン薬の点眼薬が用いられます。花粉飛散量が増えて症状が悪化してきたら、目のアレルギー性炎症に対して点眼ステロイド薬を用いる場合もあります。点眼ステロイド薬を用いる場合は眼圧上昇などの副作用を確認するために眼科専門医による定期的な検査が必要です。
アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれていましたが、原因となるアレルゲンを投与して、体のアレルギー反応を弱める治療です。注射製剤と舌下製剤(舌下錠)があり、舌下錠では日本ではスギ花粉とダニが保険適用になっています。治療は数年以上必要であり、根気のいる治療ですが、薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない患者さんや、薬物療法だけでは症状が抑えられないような患者さんでは、免疫療法が考慮されます。
手術療法は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術などがあります。薬物療法でも症状が抑えられない場合などに考慮される治療です。
初期療法について
花粉症は、一般に症状が悪化すると薬の効果が得られにくくなりますので、症状が軽いうちに症状を抑える薬を使い始める「初期療法」が勧められています。初期療法とは、花粉飛散予測日の2週間程度前か、もしくは花粉症の症状が少しでもあらわれた時点で薬物治療を開始します。早めに薬を使用することで、花粉の飛散量が多くなった時期でも症状をコントロールしやすくなり、症状を抑えた状態でシーズンを送ることができます。
花粉症における鼻や目のケア
(1)鼻のケア
・鼻の洗浄
鼻に入り込んだ花粉やホコリなどは、洗い流すのが効果的です。ただし、水道水は塩素などを含んでいて鼻の粘膜を傷つけてしまうので、体液に近い組成の市販の生理食塩水を利用してください。
・鼻の粘膜の保護
繰り返して鼻をかむと鼻が荒れますので、荒れてしまったら白色ワセリンなどを塗ってください。保湿ティッシュペーパーで鼻をかむことも有用です。
・室内の加湿
鼻腔に炎症があると粘膜機能が低下するので、室内を加湿して水分を補ってください。空気が乾燥しているときはマスクが有用です。
・マスク
マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待されています。また、花粉症でない人も、花粉を吸い込む量を少なくすることで、新たに花粉症になる可能性を低くすることが期待されています。ただし、風が強いとマスクをしていても鼻の中に入る花粉は増えます。マスクをしていても完全防備にはならないので過信は禁物です。
(2)目のケア
・目の洗浄
花粉やホコリなどの異物は、洗い流すのが効果的です。ただし、目は表面が涙で守られており、水道水で目を洗うことで細胞が傷つくことがあり、また涙も洗い流してしまうので、市販の人工涙液を利用してください。
・目の疲労の回避
長時間にわたりテレビを見続けることやパソコンで作業を続けることは目に負担をかけてドライアイなどの原因になるだけでなく、めまいや頭痛、睡眠障害などの心身に健康障害があらわれるVDT症候群(visual display terminal syndrome)を招いてしまいます。目から画面(モニター)まで50cmくらい離すようにして、1時間見続けたら15分間程度の休憩を設けてストレッチなどで身体をほぐすようにしましょう。また、目に炎症があるときはそれだけで目に負担をかけるので、コンタクトレンズの使用を控えてメガネをかけ、意識的に目を休めてください。目に限りませんが、規則的な生活を送って十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけてください。
花粉飛散時の外出時の注意
(1)花粉情報
最近は花粉飛散時期にはインターネットやテレビ・ラジオのニュースで花粉飛散予測が報じられます。外出せざるを得ないときには事前に花粉情報から対策を立ててください。また、必要なとき以外の外出は控えめにしてください。
(2)花粉が多く飛びやすいとき
・雨の日と雨上がり
花粉は雨が降れば地面に落ちますので雨の日は飛散量が少なくなりますが、雨が上がると遠くから飛散する花粉に加えて地面の花粉も巻き上げられますので、飛散する花粉は倍増するとお考えください。
・朝と夕方
一般に花粉は通勤・通学時間帯にあたる朝と夕方に多く飛散する傾向があります。日の出から時間とともに気温が上昇するにつれて花粉も目や鼻の高さに浮遊しやすくなることや、夕方にかけて気温が下降するにつれて上空にあった花粉が降りてくると考えられます(地形や建造物、地域により差があり、1日で最も気温が上昇する13~15時ころに飛散量が増える場合もあります)。
(3)花粉回避の服装
花粉は全身に付着しやすいので、頭髪は帽子で、目や鼻はメガネやマスクで、首はマフラーやスカーフで付着を防ぎ、花粉が付着しにくいような表面がツルツルした上着を選びましょう。
(4)帰宅時
家の中に花粉を持ち込まないように玄関前で花粉を払い、すぐに着替えて外気に露出した顔などを洗い流しましょう。
『青梅、酒を煮て、英雄を論ず』です。
〈由来について〉
建安元年(196年)、劉備が曹操の元に居候(客分)していたときのことです。
曹操が、劉備を梅園の宴に招き、梅の実を肴にして、論じたのには理由がありました。
それは劉備の本心を聞き出すこと、そして劉備という人物がどの程度の見識を持っているものなのかを推し量るためです。
つまり、この時点で曹操は、劉備という人物を認めていた、または警戒していたことになります。
曹操は劉備にこんな質問を投げかけます。
「この乱世で英雄と呼べる人物は誰だと思うか?」
すると劉備は、袁紹、袁術などの名をあげます。
もちろん本心は隠してです。
曹操は劉備が上げた人物たちをいちいち論破していきます。
そして最後にこう切り出します。
「この世に英雄は君と余だけだ」
それを聞いた劉備は、曹操に隠していた内心を見透かされたかと思い驚愕してしまいます。
このとき「三国志演義」では、持っていた箸を落としてしまい、偶然鳴り響いた雷に驚いたふりをして誤魔化す話となっています。
つまり、劉備は、本当は目の前にいる曹操を倒して漢王朝の再興を願っていたのですが、自分を小さく見せて英雄の志を隠すために、雷に驚く小心者を装ったのです。
その様子を見た曹操は劉備を「雷怯子」(雷におびえる臆病者)と評し、持っていた警戒心を緩める、というエピソードです。
このエピソードで重要なことは、「曹操がまだ勢力を持たない劉備を一早く最大のライバルに成り得ると見抜いていた」ことと、「劉備が曹操に本心を隠したこと」です。
なぜ、その二つが重要なのかというと、以下で解説します。
〈解説〉
天下統一の大志を抱き、中原に勢力を拡大しつつあった曹操は自身が時代の英雄であることを自覚していました。
しかし、乱世を戦い抜き、天下を取るためには必要なことがあります。
それは「誰が敵なのかを見抜く」ことです。
そして、一早く最大のライバルを倒すこと。
最大のライバルに成りうる者をできるだけ早期に倒してしまうこと。
これはビジネス戦争においても同じです。
または、最大のライバルとなる前に味方に付けてしまうこと。(自勢力への吸収合併)
そのためには、「誰が最大のライバル」なのか見抜くことが重要なのです。
〈意味の補足〉
この「青梅、酒を煮て、英雄を論ず」は、陳寿の正史『三国志』ではなく、三国志に注釈を加えた裴松之(はいしょうし)の『華陽国志』に出てくる資料が元になっています。
『華陽国志』では、『三国志演義』とは違う記述となっています。
『華陽国志』では、劉備が雷に怯えて箸と匙を落としたという単純な内容だけでなく、儒教に関する言葉を言ってします。
それは、
「聖人は、迅雷風烈は必ず変ずと言いましたが良言であります。一震の威がこれほどの物であろうとは」
ここで言う「変ず」とは、態度を改めるという意味になります。
儒教の祖孔子が残した言葉に、「斉衰の者を見ては、狎(な)れたりと雖(いえど)も必ず変ず」があります。
孔子は、公私のケジメがしっかりした人物であり、それが親しい友人であっても冠婚葬祭の行事のときには、慣れあいをせず、ピシッと敬意を払いました。
同じ理由で、孔子は雷鳴や暴風雨のような自然災害も、何らかの天の意志であると考え、わざわざ正装に着替えて姿勢を正し敬意を払ったのです。
劉備は、雷鳴にビックリして思わず箸と匙を落とした照れ隠しで「孔子が敬意を払うだけのことはあり、さすがは雷の威力はすごいですね」とおどけてみせたのです。
つまり、孔子の故事を引き合いに出し、自らを矮小化して、自分は英雄のような大それたことができる人間ではないと偽ったのです。
〈「青梅」について〉
諺の中に出てくる「煮梅」というのは日本人にはあまり馴染みがないだろう。
日本人にとって「梅」とは、第一に「梅干し」であり、次に「梅酒」あたりを思う浮かべるものだろう。
だが、中国人(当時)にとって「梅」は貴重な栄養食品でもあり、病気の予防薬品となる大切なものだった。
青梅にはさまざまな天然の良質な有機酸と鉱物質が含まれ、血液の浄化や整腸作用、血中脂肪の減少作用、疲労回復効果、美容効果などがあり、身体の免疫強化など独特な栄養保健機能がある。
だが、新鮮な梅(青梅)はあまりにも酸っぱいので加工しなくては食べられない。
そこで煮て「煮梅」にするのだ。
小说原文
玄德也防曹操谋害,就下处后园种菜,亲自浇灌,以为韬晦之计。关、张二人曰:“兄不留心天下大事,而学小人之事,何也?”玄德曰:“此非二弟所知也。”二人乃不复言。一日,关、张不在,玄德正在后园浇菜,许褚、张辽引数十人入园中曰:“丞相有命,请使君便行。”玄德惊问曰:“有甚紧事?”许褚曰:“不知。只教我来相请。”玄德只得随二人入府见操。
操笑曰:“在家做得好大事!”唬得玄德面如土色。操执玄德手,直至后园,曰:“玄德学圃不易!”玄德方才放心,答曰:“无事消遣耳。”操曰:“适见枝头梅子青青,忽感去年征张绣时,道上缺水,将士皆渴;吾心生一计,以鞭虚指曰:‘前面有梅林。’军士闻之,口皆生唾,由是不渴。今见此梅,不可不赏。又值煮酒正熟,故邀使君小亭一会。”玄德心神方定。
随至小亭,已设樽俎:盘置青梅,一樽煮酒。二人对坐,开怀畅饮。酒至半酣,忽阴云漠漠,骤雨将至。从人遥指天外龙挂,操与玄德凭栏观之。
操曰:“使君知龙之变化否?”玄德曰:“未知其详。”操曰:“龙能大能小,能升能隐;大则兴云吐雾,小则隐介藏形;升则飞腾于宇宙之间,隐则潜伏于波涛之内。方今春深,龙乘时变化,犹人得志而纵横四海。龙之为物,可比世之英雄。玄德久历四方,必知当世英雄。请试指言之。”玄德曰:“备肉眼安识英雄?”操曰:“休得过谦。”玄德曰:“备叨恩庇,得仕于朝。天下英雄,实有未知。”操曰:“既不识其面,亦闻其名。”
玄德曰:“淮南袁术,兵粮足备,可为英雄?”操笑曰:“冢中枯骨,吾早晚必擒之!”
玄德曰:“河北袁绍,四世三公,门多故吏;今虎踞冀州之地,部下能事者极多,可为英雄?“操笑曰:“袁绍色厉胆薄,好谋无断;干大事而惜身,见小利而忘命:非英雄也。“
玄德曰:“有一人名称八俊,威镇九州:刘景升可为英雄?”操曰:“刘表虚名无实,非英雄也。”
玄德曰:“有一人血气方刚,江东领袖——孙伯符乃英雄也?”操曰:“孙策藉父之名,非英雄也。”
玄德曰:“益州刘季玉,可为英雄乎?”操曰:“刘璋虽系宗室,乃守户之犬耳,何足为英雄!”
玄德曰:“如张绣、张鲁、韩遂等辈皆何如?”操鼓掌大笑曰:“此等碌碌小人,何足挂齿!”
玄德曰:“舍此之外,备实不知。”操曰:“夫英雄者,胸怀大志,腹有良谋,有包藏宇宙之机,吞吐天地之志者也。”玄德曰:“谁能当之?”操以手指玄德,后自指,曰:“今天下英雄,惟使君与操耳!”玄德闻言,吃了一惊,手中所执匙箸,不觉落于地下。时正值天雨将至,雷声大作。玄德乃从容俯首拾箸曰:“一震之威,乃至于此。”操笑曰:“丈夫亦畏雷乎?”玄德曰:“圣人迅雷风烈必变,安得不畏?”将闻言失箸缘故,轻轻掩饰过了。操遂不疑玄德。
后人有诗赞曰:
“勉从虎穴暂趋身,说破英雄惊杀人。巧借闻雷来掩饰,随机应变信如神。”
知天雨方住,见两个人撞入后园,手提宝剑,突至亭前,左右拦挡不住。操视之,乃关、张二人也。原来二人从城外射箭方回,听得玄德被许褚、张辽请将去了,慌忙来相府打听;闻说在后园,只恐有失,故冲突而入。却见玄德与操对坐饮酒。二人按剑而立。操问二人何来。云长曰:“听知丞相和兄饮酒,特来舞剑,以助一笑。”操笑曰:“此非鸿门会,安用项庄、项伯乎?”玄德亦笑。操命:“取酒与二樊哙压惊。”关、张拜谢。须臾席散,玄德辞操而归。
云长曰:“险些惊杀我两个!”玄德以落箸事说与关、张。关、张问是何意。玄德曰:“吾之学圃,正欲使操知我无大志;不意操竟指我为英雄,我故失惊落箸。又恐操生疑,故借惧雷以掩饰之耳。”关、张曰:“兄真高见!”
(引自清毛宗岗版《三国演义》,与明嘉靖本略有出入)
〈由来について〉
建安元年(196年)、劉備が曹操の元に居候(客分)していたときのことです。
曹操が、劉備を梅園の宴に招き、梅の実を肴にして、論じたのには理由がありました。
それは劉備の本心を聞き出すこと、そして劉備という人物がどの程度の見識を持っているものなのかを推し量るためです。
つまり、この時点で曹操は、劉備という人物を認めていた、または警戒していたことになります。
曹操は劉備にこんな質問を投げかけます。
「この乱世で英雄と呼べる人物は誰だと思うか?」
すると劉備は、袁紹、袁術などの名をあげます。
もちろん本心は隠してです。
曹操は劉備が上げた人物たちをいちいち論破していきます。
そして最後にこう切り出します。
「この世に英雄は君と余だけだ」
それを聞いた劉備は、曹操に隠していた内心を見透かされたかと思い驚愕してしまいます。
このとき「三国志演義」では、持っていた箸を落としてしまい、偶然鳴り響いた雷に驚いたふりをして誤魔化す話となっています。
つまり、劉備は、本当は目の前にいる曹操を倒して漢王朝の再興を願っていたのですが、自分を小さく見せて英雄の志を隠すために、雷に驚く小心者を装ったのです。
その様子を見た曹操は劉備を「雷怯子」(雷におびえる臆病者)と評し、持っていた警戒心を緩める、というエピソードです。
このエピソードで重要なことは、「曹操がまだ勢力を持たない劉備を一早く最大のライバルに成り得ると見抜いていた」ことと、「劉備が曹操に本心を隠したこと」です。
なぜ、その二つが重要なのかというと、以下で解説します。
〈解説〉
天下統一の大志を抱き、中原に勢力を拡大しつつあった曹操は自身が時代の英雄であることを自覚していました。
しかし、乱世を戦い抜き、天下を取るためには必要なことがあります。
それは「誰が敵なのかを見抜く」ことです。
そして、一早く最大のライバルを倒すこと。
最大のライバルに成りうる者をできるだけ早期に倒してしまうこと。
これはビジネス戦争においても同じです。
または、最大のライバルとなる前に味方に付けてしまうこと。(自勢力への吸収合併)
そのためには、「誰が最大のライバル」なのか見抜くことが重要なのです。
〈意味の補足〉
この「青梅、酒を煮て、英雄を論ず」は、陳寿の正史『三国志』ではなく、三国志に注釈を加えた裴松之(はいしょうし)の『華陽国志』に出てくる資料が元になっています。
『華陽国志』では、『三国志演義』とは違う記述となっています。
『華陽国志』では、劉備が雷に怯えて箸と匙を落としたという単純な内容だけでなく、儒教に関する言葉を言ってします。
それは、
「聖人は、迅雷風烈は必ず変ずと言いましたが良言であります。一震の威がこれほどの物であろうとは」
ここで言う「変ず」とは、態度を改めるという意味になります。
儒教の祖孔子が残した言葉に、「斉衰の者を見ては、狎(な)れたりと雖(いえど)も必ず変ず」があります。
孔子は、公私のケジメがしっかりした人物であり、それが親しい友人であっても冠婚葬祭の行事のときには、慣れあいをせず、ピシッと敬意を払いました。
同じ理由で、孔子は雷鳴や暴風雨のような自然災害も、何らかの天の意志であると考え、わざわざ正装に着替えて姿勢を正し敬意を払ったのです。
劉備は、雷鳴にビックリして思わず箸と匙を落とした照れ隠しで「孔子が敬意を払うだけのことはあり、さすがは雷の威力はすごいですね」とおどけてみせたのです。
つまり、孔子の故事を引き合いに出し、自らを矮小化して、自分は英雄のような大それたことができる人間ではないと偽ったのです。
〈「青梅」について〉
諺の中に出てくる「煮梅」というのは日本人にはあまり馴染みがないだろう。
日本人にとって「梅」とは、第一に「梅干し」であり、次に「梅酒」あたりを思う浮かべるものだろう。
だが、中国人(当時)にとって「梅」は貴重な栄養食品でもあり、病気の予防薬品となる大切なものだった。
青梅にはさまざまな天然の良質な有機酸と鉱物質が含まれ、血液の浄化や整腸作用、血中脂肪の減少作用、疲労回復効果、美容効果などがあり、身体の免疫強化など独特な栄養保健機能がある。
だが、新鮮な梅(青梅)はあまりにも酸っぱいので加工しなくては食べられない。
そこで煮て「煮梅」にするのだ。
小说原文
玄德也防曹操谋害,就下处后园种菜,亲自浇灌,以为韬晦之计。关、张二人曰:“兄不留心天下大事,而学小人之事,何也?”玄德曰:“此非二弟所知也。”二人乃不复言。一日,关、张不在,玄德正在后园浇菜,许褚、张辽引数十人入园中曰:“丞相有命,请使君便行。”玄德惊问曰:“有甚紧事?”许褚曰:“不知。只教我来相请。”玄德只得随二人入府见操。
操笑曰:“在家做得好大事!”唬得玄德面如土色。操执玄德手,直至后园,曰:“玄德学圃不易!”玄德方才放心,答曰:“无事消遣耳。”操曰:“适见枝头梅子青青,忽感去年征张绣时,道上缺水,将士皆渴;吾心生一计,以鞭虚指曰:‘前面有梅林。’军士闻之,口皆生唾,由是不渴。今见此梅,不可不赏。又值煮酒正熟,故邀使君小亭一会。”玄德心神方定。
随至小亭,已设樽俎:盘置青梅,一樽煮酒。二人对坐,开怀畅饮。酒至半酣,忽阴云漠漠,骤雨将至。从人遥指天外龙挂,操与玄德凭栏观之。
操曰:“使君知龙之变化否?”玄德曰:“未知其详。”操曰:“龙能大能小,能升能隐;大则兴云吐雾,小则隐介藏形;升则飞腾于宇宙之间,隐则潜伏于波涛之内。方今春深,龙乘时变化,犹人得志而纵横四海。龙之为物,可比世之英雄。玄德久历四方,必知当世英雄。请试指言之。”玄德曰:“备肉眼安识英雄?”操曰:“休得过谦。”玄德曰:“备叨恩庇,得仕于朝。天下英雄,实有未知。”操曰:“既不识其面,亦闻其名。”
玄德曰:“淮南袁术,兵粮足备,可为英雄?”操笑曰:“冢中枯骨,吾早晚必擒之!”
玄德曰:“河北袁绍,四世三公,门多故吏;今虎踞冀州之地,部下能事者极多,可为英雄?“操笑曰:“袁绍色厉胆薄,好谋无断;干大事而惜身,见小利而忘命:非英雄也。“
玄德曰:“有一人名称八俊,威镇九州:刘景升可为英雄?”操曰:“刘表虚名无实,非英雄也。”
玄德曰:“有一人血气方刚,江东领袖——孙伯符乃英雄也?”操曰:“孙策藉父之名,非英雄也。”
玄德曰:“益州刘季玉,可为英雄乎?”操曰:“刘璋虽系宗室,乃守户之犬耳,何足为英雄!”
玄德曰:“如张绣、张鲁、韩遂等辈皆何如?”操鼓掌大笑曰:“此等碌碌小人,何足挂齿!”
玄德曰:“舍此之外,备实不知。”操曰:“夫英雄者,胸怀大志,腹有良谋,有包藏宇宙之机,吞吐天地之志者也。”玄德曰:“谁能当之?”操以手指玄德,后自指,曰:“今天下英雄,惟使君与操耳!”玄德闻言,吃了一惊,手中所执匙箸,不觉落于地下。时正值天雨将至,雷声大作。玄德乃从容俯首拾箸曰:“一震之威,乃至于此。”操笑曰:“丈夫亦畏雷乎?”玄德曰:“圣人迅雷风烈必变,安得不畏?”将闻言失箸缘故,轻轻掩饰过了。操遂不疑玄德。
后人有诗赞曰:
“勉从虎穴暂趋身,说破英雄惊杀人。巧借闻雷来掩饰,随机应变信如神。”
知天雨方住,见两个人撞入后园,手提宝剑,突至亭前,左右拦挡不住。操视之,乃关、张二人也。原来二人从城外射箭方回,听得玄德被许褚、张辽请将去了,慌忙来相府打听;闻说在后园,只恐有失,故冲突而入。却见玄德与操对坐饮酒。二人按剑而立。操问二人何来。云长曰:“听知丞相和兄饮酒,特来舞剑,以助一笑。”操笑曰:“此非鸿门会,安用项庄、项伯乎?”玄德亦笑。操命:“取酒与二樊哙压惊。”关、张拜谢。须臾席散,玄德辞操而归。
云长曰:“险些惊杀我两个!”玄德以落箸事说与关、张。关、张问是何意。玄德曰:“吾之学圃,正欲使操知我无大志;不意操竟指我为英雄,我故失惊落箸。又恐操生疑,故借惧雷以掩饰之耳。”关、张曰:“兄真高见!”
(引自清毛宗岗版《三国演义》,与明嘉靖本略有出入)
元台風12号・熱帯低気圧の影響 関東や東北は激しい雨に注意
熱帯低気圧の影響で湿った空気が流れ込む関東や東北南部は雨が降り、局地的に激しく降るおそれがあります。通勤・通学の時間帯と雨のピークが重なる可能性があるため、道路冠水や交通機関への影響などに注意が必要です。
関東甲信や東北 激しい雷雨のおそれ 土砂災害など十分注意
2023年9月4日 7時22分
台湾 台風が4年ぶりに上陸 強い風でけが人も 警戒強める
2023年9月3日 18時28分
台風11号は3日午後、台湾東部に上陸し、これまでに4人がけがをしたということです。台風の上陸は4年ぶりで、当局は被害の出るおそれがあるとして警戒を強めています。
台湾の中央気象局によりますと、台風11号は日本時間の3日午後4時40分ごろ、東部の台東県付近に上陸しました。中心付近の最大風速は日本時間の午後3時時点で43メートルだということです。
台風の接近に伴って各地で風と雨が強まっていて、台東県では風速40メートルを超える突風が観測されているほか、花蓮県や宜蘭県では2日からの総雨量が300ミリを超えたところがあります。
花蓮県で街路樹がトラックに倒れかかり、乗っていた2人が軽いけがをするなど、当局のまとめで、これまでに合わせて4人がけがをしたということです。
北部の台北でも時折、強い風が吹き、傘が風にあおられている人の姿が多く見られました。
台風11号はこのあとも西寄りに進み、4日未明には台湾海峡に抜ける見込みですが、強い風と雨の影響は5日ごろまで続くと予想されていて、当局は被害の出るおそれがあるとして警戒を強めています。
暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、関東甲信や東北などでは雨が降り、強まっているところがあります。関東甲信では4日夜遅くにかけて、東北では5日にかけて大気の状態が不安定になり、局地的に激しい雷雨となるおそれがあります。
土砂災害や低い土地の浸水、落雷、突風などに十分注意が必要です。
気象庁によりますと日本の南にある台風12号から変わった熱帯低気圧や高気圧の縁をまわって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、関東甲信や東北の太平洋側などで雨が降り、局地的に強まっています。
関東甲信と伊豆諸島では4日夜遅くにかけて、東北では5日にかけて大気の状態が不安定になり、局地的に雷を伴って激しい雨が降るおそれがあります。
5日の朝までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽関東と伊豆諸島、東北の太平洋側で100ミリと予想されています。
また、北海道でも5日にかけて急な雷雨や突風のおそれがあります。
気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷、竜巻などの激しい突風、それに「ひょう」にも十分注意するよう呼びかけています。
また、沖縄県の八重山地方では台風11号の影響で波が高く、このあとしばらくは十分注意してください。
熱帯低気圧の影響で湿った空気が流れ込む関東や東北南部は雨が降り、局地的に激しく降るおそれがあります。通勤・通学の時間帯と雨のピークが重なる可能性があるため、道路冠水や交通機関への影響などに注意が必要です。
関東甲信や東北 激しい雷雨のおそれ 土砂災害など十分注意
2023年9月4日 7時22分
台湾 台風が4年ぶりに上陸 強い風でけが人も 警戒強める
2023年9月3日 18時28分
台風11号は3日午後、台湾東部に上陸し、これまでに4人がけがをしたということです。台風の上陸は4年ぶりで、当局は被害の出るおそれがあるとして警戒を強めています。
台湾の中央気象局によりますと、台風11号は日本時間の3日午後4時40分ごろ、東部の台東県付近に上陸しました。中心付近の最大風速は日本時間の午後3時時点で43メートルだということです。
台風の接近に伴って各地で風と雨が強まっていて、台東県では風速40メートルを超える突風が観測されているほか、花蓮県や宜蘭県では2日からの総雨量が300ミリを超えたところがあります。
花蓮県で街路樹がトラックに倒れかかり、乗っていた2人が軽いけがをするなど、当局のまとめで、これまでに合わせて4人がけがをしたということです。
北部の台北でも時折、強い風が吹き、傘が風にあおられている人の姿が多く見られました。
台風11号はこのあとも西寄りに進み、4日未明には台湾海峡に抜ける見込みですが、強い風と雨の影響は5日ごろまで続くと予想されていて、当局は被害の出るおそれがあるとして警戒を強めています。
暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、関東甲信や東北などでは雨が降り、強まっているところがあります。関東甲信では4日夜遅くにかけて、東北では5日にかけて大気の状態が不安定になり、局地的に激しい雷雨となるおそれがあります。
土砂災害や低い土地の浸水、落雷、突風などに十分注意が必要です。
気象庁によりますと日本の南にある台風12号から変わった熱帯低気圧や高気圧の縁をまわって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、関東甲信や東北の太平洋側などで雨が降り、局地的に強まっています。
関東甲信と伊豆諸島では4日夜遅くにかけて、東北では5日にかけて大気の状態が不安定になり、局地的に雷を伴って激しい雨が降るおそれがあります。
5日の朝までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽関東と伊豆諸島、東北の太平洋側で100ミリと予想されています。
また、北海道でも5日にかけて急な雷雨や突風のおそれがあります。
気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷、竜巻などの激しい突風、それに「ひょう」にも十分注意するよう呼びかけています。
また、沖縄県の八重山地方では台風11号の影響で波が高く、このあとしばらくは十分注意してください。
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