2024.01.04
ザテレビジョン
@thetvjp
https://t.cn/A6lemcA0
#おっパン
原田泰造“誠”、ゲイの青年・中島颯太“大地”と出会い古い価値観をアップデート<おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!>
原田泰造が主演を務めるドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」
(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)が、1月6日(土)にスタートする。
偏見だらけの“おっさん”が古い常識のアップデートに奮闘
同作は、練馬ジムの同名漫画が原作のホームコメディー。「男は男らしくあるべき!」という古い価値観を持つ沖田誠(原田)は、家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのない言動で会社の部下からも敬遠されている。
そんな偏見だらけの“おっさん”である誠に、二回り以上年下のゲイの友達ができたことで、これまでの古い常識がアップデートされていく。愛する家族のため、そして、周囲の愛すべき仲間たちのため、 誠の奮闘劇が始まる。
物語を導くゲイの青年・五十嵐大地役をFANTASTICS・中島颯太が演じる他、誠の息子でアップデートのきっかけとなる一言を誠にぶつける息子・沖田翔役を城桧吏が、デリカシーのない誠に反発する大学生の娘・沖田萌役を大原梓が務める。
また、昭和世代からは、大地の母親・五十嵐美穂子役に松下由樹、堅苦しい夫を半ば諦めていた妻・沖田美香役に富田靖子と演技派二人がそろい、大人の女性目線からも昭和のダメオヤジを叱咤(しった)激励する。
第1話は――
昭和生まれの51才・沖田誠()はそのデリカシーのない言動のせいで家族や会社の部下たち、さらには愛犬のカルロス(こまち)にまで嫌われていた。
そんなある日、誠は妻・美香()の友人の息子・五十嵐大地()がゲイであることを知る。そして、大地が引きこもっている息子・翔()の部屋に入り込んでいる事を知った誠は、「なんでそんなのが翔の部屋に!」と思わず大地を否定してしまう。
そんな誠に対して、翔は「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない!」と冷たく言い放つ。
家族のために頑張ってきたつもりの誠だったが、家族からは嫌われ、会社でも疎まれている。しかし、何をどうすればいいのかすら分からない。そんな苦悩を抱える誠に、大地が声を掛ける。
――という物語が描かれる。
予告動画に反響続々「はまり役で期待大!」「颯太くんの笑顔癒される」
公式ホームページなどで見ることのできる予告動画は、「お茶は女の人が入れた方がおいしいだろう」と世間からずれたアウトな発言をする誠の姿からスタート。続けて、日頃からデリカシーのない言動を繰り返す誠にうんざりしている美香や萌、会社の部下たちが映し出され、誠が嫌われている様子がうかがえる。
そんな偏見だらけのおっさんである誠は、ある日、ゲイの青年・大地と出会う。大地は、誠に「俺たち、友達になれませんか?」と提案していて、誠は思わぬ誘いに「えっ?」と驚く。
さらに、動画の中盤には、かわいいものが好きで自身のヘアアレンジを楽しむ翔や、二次元をこよなく愛する萌の姿の他、タイトなボディースーツのコスプレや女子高校生のコスプレを楽しむ人々など、さまざまな“自分の好き”を大切にする人の姿が映し出される。
そんな彼らを見て、誠は「今、いろんなことが私の理解の範疇を超えているんだ…」と混乱。しかし、自分の常識をアップデートすべく、大地らの力を借りて奮闘する姿が描かれている。
この動画に、視聴者からは「原田泰造さん、はまり役で期待大!」「颯太くんの笑顔癒される~」「颯太くんずっとかわいいしかっこいい…」「新しいジャンル過ぎて展開が気になります」などのコメントが寄せられている。
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原田泰造“誠”、ゲイの青年・中島颯太“大地”と出会い古い価値観をアップデート<おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!>
原田泰造が主演を務めるドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」
(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)が、1月6日(土)にスタートする。
偏見だらけの“おっさん”が古い常識のアップデートに奮闘
同作は、練馬ジムの同名漫画が原作のホームコメディー。「男は男らしくあるべき!」という古い価値観を持つ沖田誠(原田)は、家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのない言動で会社の部下からも敬遠されている。
そんな偏見だらけの“おっさん”である誠に、二回り以上年下のゲイの友達ができたことで、これまでの古い常識がアップデートされていく。愛する家族のため、そして、周囲の愛すべき仲間たちのため、 誠の奮闘劇が始まる。
物語を導くゲイの青年・五十嵐大地役をFANTASTICS・中島颯太が演じる他、誠の息子でアップデートのきっかけとなる一言を誠にぶつける息子・沖田翔役を城桧吏が、デリカシーのない誠に反発する大学生の娘・沖田萌役を大原梓が務める。
また、昭和世代からは、大地の母親・五十嵐美穂子役に松下由樹、堅苦しい夫を半ば諦めていた妻・沖田美香役に富田靖子と演技派二人がそろい、大人の女性目線からも昭和のダメオヤジを叱咤(しった)激励する。
第1話は――
昭和生まれの51才・沖田誠()はそのデリカシーのない言動のせいで家族や会社の部下たち、さらには愛犬のカルロス(こまち)にまで嫌われていた。
そんなある日、誠は妻・美香()の友人の息子・五十嵐大地()がゲイであることを知る。そして、大地が引きこもっている息子・翔()の部屋に入り込んでいる事を知った誠は、「なんでそんなのが翔の部屋に!」と思わず大地を否定してしまう。
そんな誠に対して、翔は「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない!」と冷たく言い放つ。
家族のために頑張ってきたつもりの誠だったが、家族からは嫌われ、会社でも疎まれている。しかし、何をどうすればいいのかすら分からない。そんな苦悩を抱える誠に、大地が声を掛ける。
――という物語が描かれる。
予告動画に反響続々「はまり役で期待大!」「颯太くんの笑顔癒される」
公式ホームページなどで見ることのできる予告動画は、「お茶は女の人が入れた方がおいしいだろう」と世間からずれたアウトな発言をする誠の姿からスタート。続けて、日頃からデリカシーのない言動を繰り返す誠にうんざりしている美香や萌、会社の部下たちが映し出され、誠が嫌われている様子がうかがえる。
そんな偏見だらけのおっさんである誠は、ある日、ゲイの青年・大地と出会う。大地は、誠に「俺たち、友達になれませんか?」と提案していて、誠は思わぬ誘いに「えっ?」と驚く。
さらに、動画の中盤には、かわいいものが好きで自身のヘアアレンジを楽しむ翔や、二次元をこよなく愛する萌の姿の他、タイトなボディースーツのコスプレや女子高校生のコスプレを楽しむ人々など、さまざまな“自分の好き”を大切にする人の姿が映し出される。
そんな彼らを見て、誠は「今、いろんなことが私の理解の範疇を超えているんだ…」と混乱。しかし、自分の常識をアップデートすべく、大地らの力を借りて奮闘する姿が描かれている。
この動画に、視聴者からは「原田泰造さん、はまり役で期待大!」「颯太くんの笑顔癒される~」「颯太くんずっとかわいいしかっこいい…」「新しいジャンル過ぎて展開が気になります」などのコメントが寄せられている。
2018年4月10日、この日、歌手の李健は「三村工事公益活動」に従い、広西靖西で彼の山間部の第1課を受講した。彼は「故郷と世界」をテーマに、安徳中心小学校の子供たちと自分の成長と勉強の経験を分かち合った。彼は音楽を通じて、子供たちに世界が広く、故郷にも立脚しなければならないことを認識させたいと思っている。普通の授業とは異なり、この授業は特別に自然の中に設置され、芝生、川、山に囲まれている。 安徳中心小学校の校長は余暇を使って学校に山歌隊を作った。3年前、「安徳山歌がなくなってほしくない」という気持ちで、校長は学生を探して山歌隊に入り始めたが、山歌隊は本格的に稼働していなかった。唯一彼を誇りに思っているのは、山の歌を歌う良い苗を1、2人見つけたことだ。校長はすでに引退しており、子供たちを連れて木の下で山の歌を歌ったり、オルガンを吹いたりしていた時、安徳中心学校の現在より若い李校長は反対側に座って、「目標を見つけて、愛することを見つけることができれば、彼らは自発的に勉強する意欲があったり、勉強以外の道を見つけて努力したりする。今の世界は変化が速く、成績は実は最も重要ではない」と教育観を語った。 李健は授業で子供たちに「絵を描くのが好きな人はいますか。絵を描くのが好きな手を挙げますか」と聞いた。一匹、二匹、三匹……真っ白な小さな手が人ごみの中から飛び出してきた。手を挙げた人の中には山歌隊の子供がいたが、李健はとっくに彼女に気づいていた。彼女は恥ずかしくて昼も一言も言わない女の子だった。 「あなたがやっと話したのを見て、私はあなたがきっと自分の趣味を持っていると信じています」と女の子を励ました後、李健は席にいた大人たちに振り向いて言った。「彼らがいつか、もっと勇敢に自分を表現することを学んでほしい。私たち中国人は含蓄にこだわっているが、胸の内を率直に表現することを学ばなければならない。教養があり、自分の喜怒哀楽をはっきりと表現しなければならない。直接、勇敢で、人の目を見ている」
231222 日経 更新福山相关
ミュージシャン、俳優、写真家……。デビュー以来30年あまり、多彩な顔を持ち、時代を代表するアーティストとして福山雅治さんは疾走してきた。心を動かす言葉と旋律は純粋であるばかりではない自己と厳しく向き合うことによって、紡がれているらしい。
長崎から、音楽活動のために上京した18歳当時を、苦笑まじりに振り返る。
「(高校を出て)5カ月間就職したけれど『井の中の蛙(かわず)大海を知らず』のままで10代、20代を過ごすのも嫌だな、と。ロックバンドを組みたくて考えたのが、新宿のピザ屋さんのアルバイト。35年くらい前、ピザのデリバリーがはやっていて、最先端のアルバイト先なら、文化的に感度の高いやつが集まって来るはずだ、と思って」
感受性が強く、音楽活動に興味を持つ仲間もいるにはいたが、結局はみんな夢だけ、みたいな素人の甘さがあり「ハモれなかった」。うだつのあがらない日々の転機は、芸能事務所アミューズの映画俳優オーディションに合格したことだった。この時の「偶然」が、すでに伝説の一つとなっている。
「偶然」と「好意」が重なり、映画俳優への道を開く
最終面接の通知が、手違いで東京都昭島市のアパートに届かず、落ちたと思い、ドライブにでかけた。ところが車のマフラーが腐食していたらしく、横田基地の辺りではずれて爆音になった。「こりゃいかんと、マフラーを拾ってアパートに戻り、車の下にもぐっていたところに、自転車に乗った配達の方が、電報届いていますよ、とやってきたわけです」。今すぐ来て、という事務所からの連絡だった。
当時9万5千円で買った中古の「いすゞジェミニZZ/R」のマフラーが、もし落ちていなかったら……。
「『タラレバ』でいえば、いろんなことはあったでしょう。今とは違う仕事をしていた可能性もあるし。でも1回は(音楽活動を)形にしようという頑張りや、あがきはしていたはず」
運、不運にかかわらず、やがては芽吹くはずの才能だったのだろうが、周囲の好意が、希代のアーティスト誕生にあずかっていたのは確からしい。
ピザ屋を辞めた後に勤めた材木店の家族は、ご飯を食べさせ、風呂に入れてくれ、クリスマスのケーキを持たせてくれた。アミューズの担当者は、審査に来ない青年に電報を出して呼び寄せた。とにかく人にかわいがられる。
「(かわいがられる)才能やすべがあったかどうかは、当時も今もよくわからないけれど、人にかわいがられたい、とは思っているし、そう思うことは大事なんじゃないか、と。老若男女問わず、好かれるって嫌な気持ちはしません。だから僕のなかでも、好きになってもらいたかったら(自分が)まず好きになること、と決めているところがある」
オーディションに合格してからの活躍は周知の通りだが、作った歌がすぐに売れたわけではなかった。
「とにかくヒットしている楽曲を、自分なりに因数分解してみました。自分が好きかどうかとか、自分はこの曲しかやりたくないとか、自分から出てくる音楽はこれだとか、自分らしさとはこうだ、とかは全部二の次にして、ヒットチャートに入っている楽曲のコードをとって、こういうのが当たっているんだとか、歌詞、メロディー、アレンジ、それぞれ自分なりに分解して」
ヒット曲を腑(ふ)分けし、共通するキモをかっこにくるみ、という行き方だ。いいとこ取りの模倣に終わってしまいそうだが、そうはならなかった。あるとき目にしたビートルズのメンバーのインタビュー記事が、その方向で間違いない、と示唆していた。
「ビートルズも最初は、(憧れの)エルビス・プレスリーみたいなロックンロールをやりたいと思い、一生懸命作るわけです。でも、やれどもやれどもエルビスみたいなサウンドは出せず、そういう曲も作れない。だけど、結果どうなったか。エルビスになれなかったビートルズはビートルズになっていった。コピーがうまくできなかったからこそ、オリジナルになった、と」
模倣できずにはみ出す個性、磨き上げて高みを目指す
人は完全に人をコピーできない。模倣できず、元の作品からはみ出す部分が出てくれば、それが個性かもしれない。そこを究めていけば――。ビートルズという存在と自分を同一線上に並べるわけではない、と前置きしつつ「バカボンのパパじゃないけれど、これでいいのだ、と思いましたね」
オリジナルであることの難しさを知ればこそ、芸術の根幹と思われている「自己表現」に対して距離を置く。「自分を表現するって、相当難易度が高いですから」。先立つものは方法論や技術であり、ただただ自分の感情をぶつけよう、では足りない。「野球をしたことがないのにホームランを打ちたい、といっているようなもので」
方法論は得ても、それだけで作品はできない。最後は自分と向き合う、という坂が待っている。
「ソングライティングで言葉を紡ぎだし、感動を与えようとか、人に何か感じてもらいたいと思うなら、自分が発した言葉に責任を持たなければいけないと思う。その責任とは何かというと、本当の自分自身とちゃんと向き合ったか、です。一言一句、全部が全部、本心じゃなくていいんですけれども、あ、この1行って、この人の本当のことを言っているな、というその1行があれば……」
人の心を動かす言葉というものがあるなら、それは自己の心の真実を語る1行、1行でしかない。しかし、自分の深奥に分け入り、本当の言葉を拾ってこようとするとき、どんな顔が出てくるかはわからない。
人は性善、性悪、どちらでもあり、自分も例外ではない。「いい人でありたいとは思っているけれど、めちゃくちゃいい人かといったら、僕はそうじゃなくて、嫌な部分もいっぱいあるし」。セルフカウンセリングとも呼ぶその作業には入ったまま、戻れなくなりそうな怖さがあるという。
「愛と知っていたのに 春はやってくるのに……」(「桜坂」)。シンプルでピュアな言葉たちが、そこまでの力を持つわけの一端を知る。
【My Charge】週1トレーニング充実5時間、ベンチプレスで110キロ挙げる
分刻みのスケジュールのなか、心安らぐ時間はあるのだろうか。
「トレーニングをしたあとは、心身ともにすっきりしますね」。週に一度、ジムに通い、前後1時間のマッサージなどを含めて5時間、みっちり鍛える。
ベンチプレスでは110キロを持ち上げる。軽いところから始めて、ここまでくるのに20年ほどかかったという。1990年代後半の格闘技ブームのなか、「プライド」の選手たちが「なんか格好いい体をしているな」と思ったのがきっかけ。
ウエートトレーニングの良さは成果が数字に出ることだ。「当然、人間は年を取るので、昔、速かった足が遅くなったというのはあると思うけれど、筋肉の量は年を取ってもトレーニングをやればやるだけ増やせる。一応の目標を120キロに設定していて、頑張ればもっといけると思う。若かったころの自分より、今の方が重たいのが挙げられている。つまり若いころのオレより、今のオレの方が強い、ということが納得できるわけです」
個展も開く写真など、多趣味で知られる。ギターの収集でも有名だ。いずれの分野でもプロ級、一級の専門家になり、すぐ仕事との境目がなくなる。そのなかでは最も「業」から遠く、ほっとする時間というトレーニングだが「いつでも3時間のステージ(上の写真はアミューズ提供)ができる体を維持しておく」という効果ももちろんある。
ステージに出た瞬間の立ち姿にオーラがある、と人は言う。そのオーラもただの雰囲気やら、いわゆる「顔」から発せられるものではなく、筋肉という裏付けがあってこそのようだ。理詰めの人らしいところかもしれない。
腹背筋、臀部(でんぶ)、脚周りの大きな筋肉とともに、意識しているのが声帯を動かす筋肉だという。「年を取ってしわがれ声になるのは(2枚合わさった)声帯が痩せて、間が開いてくるから、というんですけど、声帯を動かす筋肉はよくしゃべったり、歌ったりして動かし続ければ維持できるらしい」
ライフワークとなった感のあるラジオのパーソナリティーも、それが決して目的ではないけれど、結果として声帯の筋肉保持につながっている。「関心があるものに正直でありたい」と、心の赴くところに全力投球し、その充足感がまた炉心に投入され……。永久機関のごとき無尽のエネルギーの源がうかがえるようだ。
篠山正幸
山口朋秀撮影
【NIKKEI The STYLE 2023年12月17日付「My Story」】
ミュージシャン、俳優、写真家……。デビュー以来30年あまり、多彩な顔を持ち、時代を代表するアーティストとして福山雅治さんは疾走してきた。心を動かす言葉と旋律は純粋であるばかりではない自己と厳しく向き合うことによって、紡がれているらしい。
長崎から、音楽活動のために上京した18歳当時を、苦笑まじりに振り返る。
「(高校を出て)5カ月間就職したけれど『井の中の蛙(かわず)大海を知らず』のままで10代、20代を過ごすのも嫌だな、と。ロックバンドを組みたくて考えたのが、新宿のピザ屋さんのアルバイト。35年くらい前、ピザのデリバリーがはやっていて、最先端のアルバイト先なら、文化的に感度の高いやつが集まって来るはずだ、と思って」
感受性が強く、音楽活動に興味を持つ仲間もいるにはいたが、結局はみんな夢だけ、みたいな素人の甘さがあり「ハモれなかった」。うだつのあがらない日々の転機は、芸能事務所アミューズの映画俳優オーディションに合格したことだった。この時の「偶然」が、すでに伝説の一つとなっている。
「偶然」と「好意」が重なり、映画俳優への道を開く
最終面接の通知が、手違いで東京都昭島市のアパートに届かず、落ちたと思い、ドライブにでかけた。ところが車のマフラーが腐食していたらしく、横田基地の辺りではずれて爆音になった。「こりゃいかんと、マフラーを拾ってアパートに戻り、車の下にもぐっていたところに、自転車に乗った配達の方が、電報届いていますよ、とやってきたわけです」。今すぐ来て、という事務所からの連絡だった。
当時9万5千円で買った中古の「いすゞジェミニZZ/R」のマフラーが、もし落ちていなかったら……。
「『タラレバ』でいえば、いろんなことはあったでしょう。今とは違う仕事をしていた可能性もあるし。でも1回は(音楽活動を)形にしようという頑張りや、あがきはしていたはず」
運、不運にかかわらず、やがては芽吹くはずの才能だったのだろうが、周囲の好意が、希代のアーティスト誕生にあずかっていたのは確からしい。
ピザ屋を辞めた後に勤めた材木店の家族は、ご飯を食べさせ、風呂に入れてくれ、クリスマスのケーキを持たせてくれた。アミューズの担当者は、審査に来ない青年に電報を出して呼び寄せた。とにかく人にかわいがられる。
「(かわいがられる)才能やすべがあったかどうかは、当時も今もよくわからないけれど、人にかわいがられたい、とは思っているし、そう思うことは大事なんじゃないか、と。老若男女問わず、好かれるって嫌な気持ちはしません。だから僕のなかでも、好きになってもらいたかったら(自分が)まず好きになること、と決めているところがある」
オーディションに合格してからの活躍は周知の通りだが、作った歌がすぐに売れたわけではなかった。
「とにかくヒットしている楽曲を、自分なりに因数分解してみました。自分が好きかどうかとか、自分はこの曲しかやりたくないとか、自分から出てくる音楽はこれだとか、自分らしさとはこうだ、とかは全部二の次にして、ヒットチャートに入っている楽曲のコードをとって、こういうのが当たっているんだとか、歌詞、メロディー、アレンジ、それぞれ自分なりに分解して」
ヒット曲を腑(ふ)分けし、共通するキモをかっこにくるみ、という行き方だ。いいとこ取りの模倣に終わってしまいそうだが、そうはならなかった。あるとき目にしたビートルズのメンバーのインタビュー記事が、その方向で間違いない、と示唆していた。
「ビートルズも最初は、(憧れの)エルビス・プレスリーみたいなロックンロールをやりたいと思い、一生懸命作るわけです。でも、やれどもやれどもエルビスみたいなサウンドは出せず、そういう曲も作れない。だけど、結果どうなったか。エルビスになれなかったビートルズはビートルズになっていった。コピーがうまくできなかったからこそ、オリジナルになった、と」
模倣できずにはみ出す個性、磨き上げて高みを目指す
人は完全に人をコピーできない。模倣できず、元の作品からはみ出す部分が出てくれば、それが個性かもしれない。そこを究めていけば――。ビートルズという存在と自分を同一線上に並べるわけではない、と前置きしつつ「バカボンのパパじゃないけれど、これでいいのだ、と思いましたね」
オリジナルであることの難しさを知ればこそ、芸術の根幹と思われている「自己表現」に対して距離を置く。「自分を表現するって、相当難易度が高いですから」。先立つものは方法論や技術であり、ただただ自分の感情をぶつけよう、では足りない。「野球をしたことがないのにホームランを打ちたい、といっているようなもので」
方法論は得ても、それだけで作品はできない。最後は自分と向き合う、という坂が待っている。
「ソングライティングで言葉を紡ぎだし、感動を与えようとか、人に何か感じてもらいたいと思うなら、自分が発した言葉に責任を持たなければいけないと思う。その責任とは何かというと、本当の自分自身とちゃんと向き合ったか、です。一言一句、全部が全部、本心じゃなくていいんですけれども、あ、この1行って、この人の本当のことを言っているな、というその1行があれば……」
人の心を動かす言葉というものがあるなら、それは自己の心の真実を語る1行、1行でしかない。しかし、自分の深奥に分け入り、本当の言葉を拾ってこようとするとき、どんな顔が出てくるかはわからない。
人は性善、性悪、どちらでもあり、自分も例外ではない。「いい人でありたいとは思っているけれど、めちゃくちゃいい人かといったら、僕はそうじゃなくて、嫌な部分もいっぱいあるし」。セルフカウンセリングとも呼ぶその作業には入ったまま、戻れなくなりそうな怖さがあるという。
「愛と知っていたのに 春はやってくるのに……」(「桜坂」)。シンプルでピュアな言葉たちが、そこまでの力を持つわけの一端を知る。
【My Charge】週1トレーニング充実5時間、ベンチプレスで110キロ挙げる
分刻みのスケジュールのなか、心安らぐ時間はあるのだろうか。
「トレーニングをしたあとは、心身ともにすっきりしますね」。週に一度、ジムに通い、前後1時間のマッサージなどを含めて5時間、みっちり鍛える。
ベンチプレスでは110キロを持ち上げる。軽いところから始めて、ここまでくるのに20年ほどかかったという。1990年代後半の格闘技ブームのなか、「プライド」の選手たちが「なんか格好いい体をしているな」と思ったのがきっかけ。
ウエートトレーニングの良さは成果が数字に出ることだ。「当然、人間は年を取るので、昔、速かった足が遅くなったというのはあると思うけれど、筋肉の量は年を取ってもトレーニングをやればやるだけ増やせる。一応の目標を120キロに設定していて、頑張ればもっといけると思う。若かったころの自分より、今の方が重たいのが挙げられている。つまり若いころのオレより、今のオレの方が強い、ということが納得できるわけです」
個展も開く写真など、多趣味で知られる。ギターの収集でも有名だ。いずれの分野でもプロ級、一級の専門家になり、すぐ仕事との境目がなくなる。そのなかでは最も「業」から遠く、ほっとする時間というトレーニングだが「いつでも3時間のステージ(上の写真はアミューズ提供)ができる体を維持しておく」という効果ももちろんある。
ステージに出た瞬間の立ち姿にオーラがある、と人は言う。そのオーラもただの雰囲気やら、いわゆる「顔」から発せられるものではなく、筋肉という裏付けがあってこそのようだ。理詰めの人らしいところかもしれない。
腹背筋、臀部(でんぶ)、脚周りの大きな筋肉とともに、意識しているのが声帯を動かす筋肉だという。「年を取ってしわがれ声になるのは(2枚合わさった)声帯が痩せて、間が開いてくるから、というんですけど、声帯を動かす筋肉はよくしゃべったり、歌ったりして動かし続ければ維持できるらしい」
ライフワークとなった感のあるラジオのパーソナリティーも、それが決して目的ではないけれど、結果として声帯の筋肉保持につながっている。「関心があるものに正直でありたい」と、心の赴くところに全力投球し、その充足感がまた炉心に投入され……。永久機関のごとき無尽のエネルギーの源がうかがえるようだ。
篠山正幸
山口朋秀撮影
【NIKKEI The STYLE 2023年12月17日付「My Story」】
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