#健康身体 健康地球 健康生活#
〔老いをみるまなざし〕
第49回 川の流れのように時は過ぎていく
井口 昭久(いぐち あきひさ)
愛知淑徳大学健康医療科学部教授
私の行きつけの理髪店は天白川から100メートル離れたところにある。
集合住宅があり、私たちはそこに住んでいた。子供たちを育てた頃は子供を叱る母親の声で溢れていた。25年も前のことである。
川の流れは穏やかで春には土手にタンポポが花をつけて、川沿いには桜が咲いた。
月に一度、子供を連れて理髪店へ通った。
理髪店にはいつでも先客がいて何時間でも週刊誌を眺めて待った。家庭には持ち込めない少しエッチな週刊誌があった。
理髪店には二人の子供と犬と女房がいて、家族全員が仕事場で過していた。女房は顔そり専門であった。
女房がいつも子供を叱っていたので、客は家庭にお邪魔しているような気分になったものだった。
月日が経って、子供たちはいなくなり、犬もいなくなった。
理髪店周辺にあった美容院もうどん店もクリーニング店もなくなった。
私も天白川沿いの住宅を去り、郊外へ引っ越した。
引っ越し先で理髪店を探したがどこの理髪店も馴染むことはできず、結局川沿いの理髪店へ戻ることになって、毎月通っている。
最近では理髪店にいるのは亭主ひとりだけであり、ふくよかな女房は顔を見せなくなった。
予約することにしているのだが、度々トラブルが生じる。
亭主はカレンダーの日付の隙間に小さい文字で「井口先生」と書き付けておくだけだ。私の方でもこの頃の日程はパソコンで管理している。スマホが上手く使えないので、家に帰ってから書き込むことになる。
だから時折忘れるのだ。
双方のずさんな日程管理が相まって予約管理が機能しない。
予約した時間に先客がいたり、予約した日に亭主がスーパーへ買い物に出かけてしまったりする。
私は理髪店へ着くと入り口に車を止めて車の中で待っていることにしている。待合の椅子は固くて粗末だからである。入り口からは理髪店の中が見える。
先週の木曜日の午後のことだった。
その日は椅子に腰掛けて待ちながら眠っている客が一人いた。またダブルブッキングだ。
散髪中の客はいなかった。
亭主はどこかへ出かけているようで、気配がなかった。
私の散髪は予定よりかなり遅くなりそうだった。
私は車の中で眠ってしまった。
目覚めると店内から私を覗っている人がいた。
それは理髪店の亭主であった。
客の席で眠って待っているように見えた人は亭主だったのだ。
朦朧とした私の目の前に映る男は私の脳裏に残るかつての理髪店の亭主ではなかった。別人のように思えた。
任侠映画の主役ような男だった。
それが暇があれば眠り込み、太り、メリハリのない男に変ってしまった。
私は痛む膝を抱え込むようにして店内に入った。
鏡に映った私の姿は後期高齢者であり理髪店の亭主はまがいもない前期高齢者だ。
二人はこの頃無駄話もしない。無口になった。
黙って散髪を終えて外に出ると天白川の川の流れは昔と変わらず穏やかだった。
図:老いをみるまなざし_第49回川の流れのように時は過ぎていく_挿絵
(イラスト:茶畑和也)
〔老いをみるまなざし〕
第49回 川の流れのように時は過ぎていく
井口 昭久(いぐち あきひさ)
愛知淑徳大学健康医療科学部教授
私の行きつけの理髪店は天白川から100メートル離れたところにある。
集合住宅があり、私たちはそこに住んでいた。子供たちを育てた頃は子供を叱る母親の声で溢れていた。25年も前のことである。
川の流れは穏やかで春には土手にタンポポが花をつけて、川沿いには桜が咲いた。
月に一度、子供を連れて理髪店へ通った。
理髪店にはいつでも先客がいて何時間でも週刊誌を眺めて待った。家庭には持ち込めない少しエッチな週刊誌があった。
理髪店には二人の子供と犬と女房がいて、家族全員が仕事場で過していた。女房は顔そり専門であった。
女房がいつも子供を叱っていたので、客は家庭にお邪魔しているような気分になったものだった。
月日が経って、子供たちはいなくなり、犬もいなくなった。
理髪店周辺にあった美容院もうどん店もクリーニング店もなくなった。
私も天白川沿いの住宅を去り、郊外へ引っ越した。
引っ越し先で理髪店を探したがどこの理髪店も馴染むことはできず、結局川沿いの理髪店へ戻ることになって、毎月通っている。
最近では理髪店にいるのは亭主ひとりだけであり、ふくよかな女房は顔を見せなくなった。
予約することにしているのだが、度々トラブルが生じる。
亭主はカレンダーの日付の隙間に小さい文字で「井口先生」と書き付けておくだけだ。私の方でもこの頃の日程はパソコンで管理している。スマホが上手く使えないので、家に帰ってから書き込むことになる。
だから時折忘れるのだ。
双方のずさんな日程管理が相まって予約管理が機能しない。
予約した時間に先客がいたり、予約した日に亭主がスーパーへ買い物に出かけてしまったりする。
私は理髪店へ着くと入り口に車を止めて車の中で待っていることにしている。待合の椅子は固くて粗末だからである。入り口からは理髪店の中が見える。
先週の木曜日の午後のことだった。
その日は椅子に腰掛けて待ちながら眠っている客が一人いた。またダブルブッキングだ。
散髪中の客はいなかった。
亭主はどこかへ出かけているようで、気配がなかった。
私の散髪は予定よりかなり遅くなりそうだった。
私は車の中で眠ってしまった。
目覚めると店内から私を覗っている人がいた。
それは理髪店の亭主であった。
客の席で眠って待っているように見えた人は亭主だったのだ。
朦朧とした私の目の前に映る男は私の脳裏に残るかつての理髪店の亭主ではなかった。別人のように思えた。
任侠映画の主役ような男だった。
それが暇があれば眠り込み、太り、メリハリのない男に変ってしまった。
私は痛む膝を抱え込むようにして店内に入った。
鏡に映った私の姿は後期高齢者であり理髪店の亭主はまがいもない前期高齢者だ。
二人はこの頃無駄話もしない。無口になった。
黙って散髪を終えて外に出ると天白川の川の流れは昔と変わらず穏やかだった。
図:老いをみるまなざし_第49回川の流れのように時は過ぎていく_挿絵
(イラスト:茶畑和也)
2018年7月6号 采访 存图
女神异闻录5
アニメ「ペルソナ5」福山潤インタビュー
“雨宮蓮”というアイデンティティを得て、アニメではより自分らしく https://t.cn/RdVQtiD
https://t.cn/A6CujbD3
采访的其中一部分
──“ペルソナ”が反逆の心から生まれることにちなんで、福山さんがもし、最近「許さねえ!」と思ったことがあったらお聞きしたいのですが……。
うーん、いっぱいあるけど、それはここじゃ言えないですね(笑)。言える範囲だと……反逆とはまた違うんですけど、僕は基本、悪いことは必ず起こる、という考え方で。
──悪いことは必ず起こる、ですか。
だって、悪いことって、必ず予想していないときに、最悪のタイミングで起こるじゃないですか。それはもう、絶対に起こるものだと諦めて。そうしたら落ち込んだり怒ったりしてもしょうがないし、じゃあこれをどう改善していこうかとか、そうやって動き出すほうがいい。これができたら何かがよくなる、できないことがちょっとできるようになる。そのためのミッションなんだと捉えて。悪いことに対して凹まないって言うんですかね。それをなんとかしようというか。もし、その結果がうまくいかなくても、動いたということで1つ結果が出るかなっていう。
──すごく前向きな考え方だと思います。
無駄な前向きさはありますよね(笑)。仕事でもプライベートでも、いろいろ誤解されたり、もしくは悪く言われたりすることが、人間だから絶対あるじゃないですか。僕の場合は、それが来るとむしろがんばれます。誤解だったら誤解が解けるまで会話するのもありですし、仕事だったらいい仕事をすることで信頼を得られることもあるでしょう。すぐに理解してもらうことが難しいのであれば、いつか理解してもらえるようがんばっていくしかないから、それをモチベーションに切り替える。相手と同じ土俵には立たない……とでも言うんでしょうか、なかなか難しいですけど、自分の中でそういうときの戦い方を決めています。
──ありがとうございます。もう1つ、作品に絡めたところで、「ペルソナ5」では強く歪んだ欲望を持つと、その欲望が具現化してパレスが誕生しますよね。パレスが誕生するほどじゃなくても構わないので、最近何か欲望を持っていることがあったら教えてください。
ああ、欲望は最近に限らずずっとありますね。それはもう、石油が欲しいとか。
──いきなり石油ですか(笑)。
「なんで俺は石油王じゃないんだろう?」とか、「アメリカのロトくじ当たんないかな」とか、そういう小学生レベルのかわいらしい欲望はいっぱいあります。あとは欲望というよりも願望が強いので、やれることとかやりたいことに対して、あれさえ手に入ればこれができるな、とか思ったりすると、それは欲しいなって思いますけど、願ってそれがどうこうなるぐらいだったら、ねえ(笑)。簡単な話ですよ。だからまあ、それを手に入れる、もしくは願望が叶えられるような環境にするために1個1個がんばっていくしかない。そういう意味での欲望はすごくありますね。
──ああ、それはアニメ公式ラジオ番組の「カイトーク!」でもおっしゃっていましたね。
冷蔵庫を持っていないという話をしたら、共演者にドン引きされまして(笑)。冷蔵庫があると、物が増えちゃうんですよ。いろいろ買っちゃうし、休みの日も家から出なくなるし。引っ越しも自由にしたかったので、4、5年前から冷蔵庫を持たない生活に切り替えて、生活に必要ないものはどんどん捨てていっているんです。ご飯は外で食べることにして、家にはその日飲むもの、もしくは次の日に必要なもの。500mlのペットボトルを2本だけ買って帰るとか、その程度なんです。できれば全部捨てられたらいいのにとさえ思っていますね。
。。。省略。。。。。。
──今日は都内の喫茶店をお借りして、「ルブラン」で過ごしているようなイメージのお写真を撮影させていただきました。
実はここ、何度かお邪魔したことのあるお店だったので、撮影場所の名前を聞いてびっくりしました(笑)。住所を調べて「あれ?」ってなって、お店に入ってみて「やっぱり……だよな」っていう(笑)。
──そうだったんですね! だから……というのもあるんでしょうか、すごくお店に馴染んでいらしたような気がします。喫茶店はよく行かれるんですか?
ブラックコーヒーをよく飲むようになって数年が経つんですけど、飲むようになってからはコーヒーを飲みに喫茶店に入ることが増えましたね。味の良し悪しはまだそこまでわからないんですけど、収録中はずっと缶コーヒーや、スタジオの煮詰まったコーヒーばかり飲んでいるので、たまに行くとやっぱり美味しいなって思いますね。
#福山润[超话]#
女神异闻录5
アニメ「ペルソナ5」福山潤インタビュー
“雨宮蓮”というアイデンティティを得て、アニメではより自分らしく https://t.cn/RdVQtiD
https://t.cn/A6CujbD3
采访的其中一部分
──“ペルソナ”が反逆の心から生まれることにちなんで、福山さんがもし、最近「許さねえ!」と思ったことがあったらお聞きしたいのですが……。
うーん、いっぱいあるけど、それはここじゃ言えないですね(笑)。言える範囲だと……反逆とはまた違うんですけど、僕は基本、悪いことは必ず起こる、という考え方で。
──悪いことは必ず起こる、ですか。
だって、悪いことって、必ず予想していないときに、最悪のタイミングで起こるじゃないですか。それはもう、絶対に起こるものだと諦めて。そうしたら落ち込んだり怒ったりしてもしょうがないし、じゃあこれをどう改善していこうかとか、そうやって動き出すほうがいい。これができたら何かがよくなる、できないことがちょっとできるようになる。そのためのミッションなんだと捉えて。悪いことに対して凹まないって言うんですかね。それをなんとかしようというか。もし、その結果がうまくいかなくても、動いたということで1つ結果が出るかなっていう。
──すごく前向きな考え方だと思います。
無駄な前向きさはありますよね(笑)。仕事でもプライベートでも、いろいろ誤解されたり、もしくは悪く言われたりすることが、人間だから絶対あるじゃないですか。僕の場合は、それが来るとむしろがんばれます。誤解だったら誤解が解けるまで会話するのもありですし、仕事だったらいい仕事をすることで信頼を得られることもあるでしょう。すぐに理解してもらうことが難しいのであれば、いつか理解してもらえるようがんばっていくしかないから、それをモチベーションに切り替える。相手と同じ土俵には立たない……とでも言うんでしょうか、なかなか難しいですけど、自分の中でそういうときの戦い方を決めています。
──ありがとうございます。もう1つ、作品に絡めたところで、「ペルソナ5」では強く歪んだ欲望を持つと、その欲望が具現化してパレスが誕生しますよね。パレスが誕生するほどじゃなくても構わないので、最近何か欲望を持っていることがあったら教えてください。
ああ、欲望は最近に限らずずっとありますね。それはもう、石油が欲しいとか。
──いきなり石油ですか(笑)。
「なんで俺は石油王じゃないんだろう?」とか、「アメリカのロトくじ当たんないかな」とか、そういう小学生レベルのかわいらしい欲望はいっぱいあります。あとは欲望というよりも願望が強いので、やれることとかやりたいことに対して、あれさえ手に入ればこれができるな、とか思ったりすると、それは欲しいなって思いますけど、願ってそれがどうこうなるぐらいだったら、ねえ(笑)。簡単な話ですよ。だからまあ、それを手に入れる、もしくは願望が叶えられるような環境にするために1個1個がんばっていくしかない。そういう意味での欲望はすごくありますね。
──ああ、それはアニメ公式ラジオ番組の「カイトーク!」でもおっしゃっていましたね。
冷蔵庫を持っていないという話をしたら、共演者にドン引きされまして(笑)。冷蔵庫があると、物が増えちゃうんですよ。いろいろ買っちゃうし、休みの日も家から出なくなるし。引っ越しも自由にしたかったので、4、5年前から冷蔵庫を持たない生活に切り替えて、生活に必要ないものはどんどん捨てていっているんです。ご飯は外で食べることにして、家にはその日飲むもの、もしくは次の日に必要なもの。500mlのペットボトルを2本だけ買って帰るとか、その程度なんです。できれば全部捨てられたらいいのにとさえ思っていますね。
。。。省略。。。。。。
──今日は都内の喫茶店をお借りして、「ルブラン」で過ごしているようなイメージのお写真を撮影させていただきました。
実はここ、何度かお邪魔したことのあるお店だったので、撮影場所の名前を聞いてびっくりしました(笑)。住所を調べて「あれ?」ってなって、お店に入ってみて「やっぱり……だよな」っていう(笑)。
──そうだったんですね! だから……というのもあるんでしょうか、すごくお店に馴染んでいらしたような気がします。喫茶店はよく行かれるんですか?
ブラックコーヒーをよく飲むようになって数年が経つんですけど、飲むようになってからはコーヒーを飲みに喫茶店に入ることが増えましたね。味の良し悪しはまだそこまでわからないんですけど、収録中はずっと缶コーヒーや、スタジオの煮詰まったコーヒーばかり飲んでいるので、たまに行くとやっぱり美味しいなって思いますね。
#福山润[超话]#
亀の甲羅は罅だらけ
(ブラジルの昔話)
昔々むかしむかし、あるところに、一匹いっぴきの亀かめがいました。
この亀かめは、大変知たいへんしりたがりやでした。
ある晩ばんのことです。
亀かめは砂浜すなはまに出でて、綺麗きれいな星空ほしぞらを眺ながめていました。
「ああ、なんて綺麗きれいな空そらだろう。なんて素敵すてきな星ほしだろう。あの星ほしのそばは、どんなふうなんだろうなあ」
空そらを見みあげているうちに、亀かめは星ほしのそばへ行いってみたくなりました。
亀かめはノッソリノッソリと、空そらをめざして歩あるき始はじめました。
歩あるいているうちに、夜よるがあけました。
なお歩あるき続つづけているうちに、日ひが暮くれて、また夜よるがきました。
亀かめが空そらを見上みあげてみると、星ほしは相変あいかわらず空高そらたかく輝かがやいています。
亀かめはがっかりしましたが、でもまた元気げんきをだして、のろのろと歩あるき始はじめました。
でも、歩あるいても歩あるいても、星ほしは近ちかくなりません。
亀かめは疲つかれきって、もう、ひと足あしも前まえヘ進すすめなくなりました。
「もう駄目だめだ。星ほしのそばへなんか、とうていいけないんだ」
亀かめが悲かなしんでいると、灰色はいいろの蒼鷺あおさぎがそばを通とおりかかりました。
「こんにちは、亀かめさん。こんなところでなにをしているのですか?」
「はい。星ほしのそばヘ行いってみたいんだけど、歩あるいても歩あるいてもいけないんだよ。蒼鷺あおさぎさん。わたしを空そらへ連つれていってくれないかい?」
「いいですとも。お安やすいご用ようです。さあ、わたしの背中せなかにおのりなさい」
亀かめは大喜おおよろこびで、蒼鷺あおさぎの背中せなかに攀よじ登のぼりました。
蒼鷺あおさぎは、翼つばさを広ひろげて舞まい上あがりました。
蒼鷺あおさぎは、グングン空高そらたかく登のぼっていきます。
しばらくして、蒼鷺あおさぎは亀かめに聞ききました。
「亀かめさん、亀かめさん。地面じめんが見みえますか?」
「見みえるよ。ずいぶん小ちいさくはなったけどね」
と、亀かめは答こたえました。
蒼鷺あおさぎは、いっそう高たかく登のぼっていきました。
しばらく行いくと、また亀かめに聞ききました。
「亀かめさん、地面じめんはまだ見みえますか?」
「いや、蒼鷺あおさぎさん。もう見みえなくなってしまったよ」
すると突然とつぜん、蒼鷺あおさぎは大声おおごえをあげて笑わらいだしました。
「えっへへへ。馬鹿ばかな亀かめさん、バイバーイ」
そしていきなり、高たかい高たかい空そらの上うえで、くるりと、宙返ちゅうがえりをしたのです。
実じつは蒼鷺あおさぎは、悪わるい魔法使まほうつかいだったのです。
亀かめは蒼鷺あおさぎの背中せなかから、あっというまに放ほうり出だされて、まっさかさまに落おちていきました。
可哀想かわいそうな亀かめは、目めをしっかり閉とじて、一生懸命神様いっしょうけんめいかみさまにお祈いのりしました。
(神様かみさま、神様かみさま、神様かみさま。もしも、助たすけてくださったら、もう二度にどと、空そらヘ行いきたいなどともうしません)
地面じめんの近ちかくまできた時とき、亀かめは目めを開あけてみました。
すぐ近ちかくに、森もりや山やまが見みえます。
「危あぶない! みんなよけてくれ! 退どいてくれ!」
亀かめは、夢中むちゅうで叫さけびました。
「ぼくにぶつかったら、みんな潰つぶれてしまうぞ!」
森もりの木きも、山やまの岩いわも、急いそいで脇わきヘ避よけました。
ドシーン!
亀かめは地面じめんに、ものすごい勢いきおいでぶつかりました。
でも亀かめは、死しにませんでした。
けれども、亀かめの甲羅こうらは、粉々こなごなに砕くだけ散ちってしまいました。
それを、一人ひとりのよい魔法使まほうつかいが見みていました。
魔法使まほうつかいは亀かめを可哀想かわいそうに思おもい、甲羅こうらの欠片かけらを集あつめて繋つないでやりました。
この時ときから亀かめの甲羅こうらは、罅ひびだらけになってしまったのです。乌龟的壳为什么全是裂纹
(巴西故事)
很久以前,某处有一只乌龟。
这只乌龟求知欲非常强。
一天傍晚,这只乌龟趴在沙滩上,遥望着美丽的星空。
“啊,多么漂亮的夜空,多么美丽的星星。那星星的旁边会是一幅什么景象呢?”
仰望着星空,乌龟忽然产生了去星星那里的想法。
乌龟开始慢吞吞的朝天空爬去。爬着爬着,天亮了。乌龟继续向前爬,天又开始变黑,夜晚又到了。
乌龟朝天空一看,星星还是高高的挂在天空,闪闪发光。
乌龟有些失望,但还是打起精神,继续慢慢的向前爬。
但是,不管乌龟怎么爬,星星还是离的很远。筋疲力尽的乌龟再也爬不动了。
“不行了。我无论如何也到不了星星那里。”
正在乌龟伤心的时候,一只灰色的苍鹭飞过它的身旁。
“你好,小乌龟,你在这里做什么?”
“你好,我想去星星那里,可怎么也爬不到。苍鹭,你能带我去天空么?”
“没问题,小事一桩。来,你骑到我的背上。”
乌龟非常高兴,爬上了苍鹭的后背。
苍鹭张开翅膀,飞向了天空。
苍鹭很快飞到了高空。过了一会,苍鹭问乌龟:“小乌龟,小乌龟,你能看到地面么?”
“能看到,只是看起来特别小。”乌龟回答。
苍鹭越飞越高,过了一会,它又问乌龟:“小乌龟,小乌龟,你还能看到地面么?”
“苍鹭,什么也看不到了。”
忽然,苍鹭放声大笑:“嘿嘿!乌龟小傻瓜,再见!”
苍鹭在高空迅速的翻了个筋斗。原来,苍鹭是一个坏魔法师变的。
乌龟被苍鹭从后背猛的甩了出去,一个倒栽葱掉了下去。
可怜的乌龟,紧闭双眼,拼命的向上帝祈祷。
“神啊神,如果您救了我,我再也不说想去天空了。”
就要到地面的时候,乌龟睁开了眼睛,它看到了森林和山脉。
“危险!大家都闪开!躲开!”乌龟拼命的喊道。
“撞到我的话,大家都会完蛋!”
森林的树和山上的岩石都迅速躲到了旁边。
“扑通”一声!乌龟以惊人的速度撞到了地面。
但是,乌龟并没有死。
可它的壳却被撞得粉碎。
这时另一个好魔法师出现了。
魔法师觉得乌龟很可怜,把乌龟的壳的碎片凑起来并接到了一起。
从此,乌龟的壳变得全是裂纹。#年轻人为什么不愿意拼凑长假##法考##我与汽车的日常#
(ブラジルの昔話)
昔々むかしむかし、あるところに、一匹いっぴきの亀かめがいました。
この亀かめは、大変知たいへんしりたがりやでした。
ある晩ばんのことです。
亀かめは砂浜すなはまに出でて、綺麗きれいな星空ほしぞらを眺ながめていました。
「ああ、なんて綺麗きれいな空そらだろう。なんて素敵すてきな星ほしだろう。あの星ほしのそばは、どんなふうなんだろうなあ」
空そらを見みあげているうちに、亀かめは星ほしのそばへ行いってみたくなりました。
亀かめはノッソリノッソリと、空そらをめざして歩あるき始はじめました。
歩あるいているうちに、夜よるがあけました。
なお歩あるき続つづけているうちに、日ひが暮くれて、また夜よるがきました。
亀かめが空そらを見上みあげてみると、星ほしは相変あいかわらず空高そらたかく輝かがやいています。
亀かめはがっかりしましたが、でもまた元気げんきをだして、のろのろと歩あるき始はじめました。
でも、歩あるいても歩あるいても、星ほしは近ちかくなりません。
亀かめは疲つかれきって、もう、ひと足あしも前まえヘ進すすめなくなりました。
「もう駄目だめだ。星ほしのそばへなんか、とうていいけないんだ」
亀かめが悲かなしんでいると、灰色はいいろの蒼鷺あおさぎがそばを通とおりかかりました。
「こんにちは、亀かめさん。こんなところでなにをしているのですか?」
「はい。星ほしのそばヘ行いってみたいんだけど、歩あるいても歩あるいてもいけないんだよ。蒼鷺あおさぎさん。わたしを空そらへ連つれていってくれないかい?」
「いいですとも。お安やすいご用ようです。さあ、わたしの背中せなかにおのりなさい」
亀かめは大喜おおよろこびで、蒼鷺あおさぎの背中せなかに攀よじ登のぼりました。
蒼鷺あおさぎは、翼つばさを広ひろげて舞まい上あがりました。
蒼鷺あおさぎは、グングン空高そらたかく登のぼっていきます。
しばらくして、蒼鷺あおさぎは亀かめに聞ききました。
「亀かめさん、亀かめさん。地面じめんが見みえますか?」
「見みえるよ。ずいぶん小ちいさくはなったけどね」
と、亀かめは答こたえました。
蒼鷺あおさぎは、いっそう高たかく登のぼっていきました。
しばらく行いくと、また亀かめに聞ききました。
「亀かめさん、地面じめんはまだ見みえますか?」
「いや、蒼鷺あおさぎさん。もう見みえなくなってしまったよ」
すると突然とつぜん、蒼鷺あおさぎは大声おおごえをあげて笑わらいだしました。
「えっへへへ。馬鹿ばかな亀かめさん、バイバーイ」
そしていきなり、高たかい高たかい空そらの上うえで、くるりと、宙返ちゅうがえりをしたのです。
実じつは蒼鷺あおさぎは、悪わるい魔法使まほうつかいだったのです。
亀かめは蒼鷺あおさぎの背中せなかから、あっというまに放ほうり出だされて、まっさかさまに落おちていきました。
可哀想かわいそうな亀かめは、目めをしっかり閉とじて、一生懸命神様いっしょうけんめいかみさまにお祈いのりしました。
(神様かみさま、神様かみさま、神様かみさま。もしも、助たすけてくださったら、もう二度にどと、空そらヘ行いきたいなどともうしません)
地面じめんの近ちかくまできた時とき、亀かめは目めを開あけてみました。
すぐ近ちかくに、森もりや山やまが見みえます。
「危あぶない! みんなよけてくれ! 退どいてくれ!」
亀かめは、夢中むちゅうで叫さけびました。
「ぼくにぶつかったら、みんな潰つぶれてしまうぞ!」
森もりの木きも、山やまの岩いわも、急いそいで脇わきヘ避よけました。
ドシーン!
亀かめは地面じめんに、ものすごい勢いきおいでぶつかりました。
でも亀かめは、死しにませんでした。
けれども、亀かめの甲羅こうらは、粉々こなごなに砕くだけ散ちってしまいました。
それを、一人ひとりのよい魔法使まほうつかいが見みていました。
魔法使まほうつかいは亀かめを可哀想かわいそうに思おもい、甲羅こうらの欠片かけらを集あつめて繋つないでやりました。
この時ときから亀かめの甲羅こうらは、罅ひびだらけになってしまったのです。乌龟的壳为什么全是裂纹
(巴西故事)
很久以前,某处有一只乌龟。
这只乌龟求知欲非常强。
一天傍晚,这只乌龟趴在沙滩上,遥望着美丽的星空。
“啊,多么漂亮的夜空,多么美丽的星星。那星星的旁边会是一幅什么景象呢?”
仰望着星空,乌龟忽然产生了去星星那里的想法。
乌龟开始慢吞吞的朝天空爬去。爬着爬着,天亮了。乌龟继续向前爬,天又开始变黑,夜晚又到了。
乌龟朝天空一看,星星还是高高的挂在天空,闪闪发光。
乌龟有些失望,但还是打起精神,继续慢慢的向前爬。
但是,不管乌龟怎么爬,星星还是离的很远。筋疲力尽的乌龟再也爬不动了。
“不行了。我无论如何也到不了星星那里。”
正在乌龟伤心的时候,一只灰色的苍鹭飞过它的身旁。
“你好,小乌龟,你在这里做什么?”
“你好,我想去星星那里,可怎么也爬不到。苍鹭,你能带我去天空么?”
“没问题,小事一桩。来,你骑到我的背上。”
乌龟非常高兴,爬上了苍鹭的后背。
苍鹭张开翅膀,飞向了天空。
苍鹭很快飞到了高空。过了一会,苍鹭问乌龟:“小乌龟,小乌龟,你能看到地面么?”
“能看到,只是看起来特别小。”乌龟回答。
苍鹭越飞越高,过了一会,它又问乌龟:“小乌龟,小乌龟,你还能看到地面么?”
“苍鹭,什么也看不到了。”
忽然,苍鹭放声大笑:“嘿嘿!乌龟小傻瓜,再见!”
苍鹭在高空迅速的翻了个筋斗。原来,苍鹭是一个坏魔法师变的。
乌龟被苍鹭从后背猛的甩了出去,一个倒栽葱掉了下去。
可怜的乌龟,紧闭双眼,拼命的向上帝祈祷。
“神啊神,如果您救了我,我再也不说想去天空了。”
就要到地面的时候,乌龟睁开了眼睛,它看到了森林和山脉。
“危险!大家都闪开!躲开!”乌龟拼命的喊道。
“撞到我的话,大家都会完蛋!”
森林的树和山上的岩石都迅速躲到了旁边。
“扑通”一声!乌龟以惊人的速度撞到了地面。
但是,乌龟并没有死。
可它的壳却被撞得粉碎。
这时另一个好魔法师出现了。
魔法师觉得乌龟很可怜,把乌龟的壳的碎片凑起来并接到了一起。
从此,乌龟的壳变得全是裂纹。#年轻人为什么不愿意拼凑长假##法考##我与汽车的日常#
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