三島由紀夫が海外で評価され、坊ちゃんが読みやすい理由とは 文豪から垣間見る日本文学の指南書「名著入門 日本近代文学50選」〈AERA〉
AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。
『名著入門 日本近代文学50選』は、平田オリザさんの意欲作。誕生から百数十年。まだまだ若い日本近代文学の歩みは、現代の我々につながる「言葉」の獲得の歴史だった──。黎明から先駆者たちの苦悩、戦争と向き合った文学者たちなど、50人の名著とともに、いまに至る日本を振り返り、思考するための最高の指南書。著者の平田さんに、同書にかける思いを聞いた。
* * *
樋口一葉に森鴎外、夏目漱石──名前は知っているけれど、ちゃんと読んだことないんだよね……。大丈夫、平田オリザさん(60)の『名著入門 日本近代文学50選』はそんな人にこそ、おもしろい。
執筆のきっかけは明治維新前後に生まれた作家たちを描く戯曲「日本文学盛衰史」(高橋源一郎原作)の創作だ。多くの近代文学を読み直し、いまの時代にこそ大事なものが見えてきたと平田さんは話す。
「私たちはいま同じ日本語で政治を語り、経済を論じ、ラブレターを書くことができます。自分の考えを自分の言葉で表すことは、民主主義の根幹です。でもそれが可能になったのは明治以降なのです」
明治政府は軍隊を統率するために“新しい国家の言葉”を必要とした。薩摩の将校の言葉を津軽の兵隊が聞き取れないと困るからだ。同時に自分の内面=気持ちを表すための「文学の言葉」が模索され、近代文学が生まれていく。「私たちがいま当たり前のように使っている日本語は、近代文士たちの努力によって作られました。しかも日本は戦争などで言葉を奪われた経験が一度もない。これはとても貴重なことです。そんな日本語に近代文学を通じて、改めて向き合ってもらえたらと」
50人の作家と代表作を時代背景とともにわかりやすい言葉で紹介した。森鴎外の『舞姫』は、ドイツに国費留学した青年が現地の踊り子と恋に落ちる物語だ。鴎外の実体験で踊り子は鴎外を追って横浜までやってきたという。「主人公は本当にひどい男で、現代女性からみれば許せないでしょう。残念ながら日本の近代文学はエリート男子の苦悩や、男性特有の露悪趣味から出発したのです。遅れること5年、樋口一葉が『たけくらべ』で思春期の自我の芽生えを描いた。彼女がもう少し長く生きていたら、近代文学におけるジェンダー視点はまた違ったものになったかもしれない」
『坊っちゃん』が読みやすいのは、漱石が落語好きだったから。三島由紀夫が海外で評価される理由──などなど「へえ!」の驚きも満載だ。
しかし近代の言葉が成就した瞬間、政府は言葉を恐れるようになる。戦前の文士たちの去就を現在の日本に照らすと、ぞくりとさせられる。
「堀辰雄や谷崎潤一郎、太宰治の作品のなかでも戦時中に書かれたものには『今書けることを書く』という意志と覚悟を感じます。いまこの時代にも一人一人ができる範囲で、言うべきことを言っていくことが大事だと思っています」
平田さんが近代文学に目覚めたのは16歳で自転車世界一周旅行に出たときだ。父が海外の旅先にさまざまな文学作品を送ってくれたという。
「最近の若者も決して読書量が少ないわけではないのですが、古典に触れる機会はなかなかない。この本が入門書になればいいなと思います。入り口は北杜夫の『楡家の人びと』がおすすめですね」
(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2023年3月20日号
AERAで連載中の「この人この本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。
『名著入門 日本近代文学50選』は、平田オリザさんの意欲作。誕生から百数十年。まだまだ若い日本近代文学の歩みは、現代の我々につながる「言葉」の獲得の歴史だった──。黎明から先駆者たちの苦悩、戦争と向き合った文学者たちなど、50人の名著とともに、いまに至る日本を振り返り、思考するための最高の指南書。著者の平田さんに、同書にかける思いを聞いた。
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樋口一葉に森鴎外、夏目漱石──名前は知っているけれど、ちゃんと読んだことないんだよね……。大丈夫、平田オリザさん(60)の『名著入門 日本近代文学50選』はそんな人にこそ、おもしろい。
執筆のきっかけは明治維新前後に生まれた作家たちを描く戯曲「日本文学盛衰史」(高橋源一郎原作)の創作だ。多くの近代文学を読み直し、いまの時代にこそ大事なものが見えてきたと平田さんは話す。
「私たちはいま同じ日本語で政治を語り、経済を論じ、ラブレターを書くことができます。自分の考えを自分の言葉で表すことは、民主主義の根幹です。でもそれが可能になったのは明治以降なのです」
明治政府は軍隊を統率するために“新しい国家の言葉”を必要とした。薩摩の将校の言葉を津軽の兵隊が聞き取れないと困るからだ。同時に自分の内面=気持ちを表すための「文学の言葉」が模索され、近代文学が生まれていく。「私たちがいま当たり前のように使っている日本語は、近代文士たちの努力によって作られました。しかも日本は戦争などで言葉を奪われた経験が一度もない。これはとても貴重なことです。そんな日本語に近代文学を通じて、改めて向き合ってもらえたらと」
50人の作家と代表作を時代背景とともにわかりやすい言葉で紹介した。森鴎外の『舞姫』は、ドイツに国費留学した青年が現地の踊り子と恋に落ちる物語だ。鴎外の実体験で踊り子は鴎外を追って横浜までやってきたという。「主人公は本当にひどい男で、現代女性からみれば許せないでしょう。残念ながら日本の近代文学はエリート男子の苦悩や、男性特有の露悪趣味から出発したのです。遅れること5年、樋口一葉が『たけくらべ』で思春期の自我の芽生えを描いた。彼女がもう少し長く生きていたら、近代文学におけるジェンダー視点はまた違ったものになったかもしれない」
『坊っちゃん』が読みやすいのは、漱石が落語好きだったから。三島由紀夫が海外で評価される理由──などなど「へえ!」の驚きも満載だ。
しかし近代の言葉が成就した瞬間、政府は言葉を恐れるようになる。戦前の文士たちの去就を現在の日本に照らすと、ぞくりとさせられる。
「堀辰雄や谷崎潤一郎、太宰治の作品のなかでも戦時中に書かれたものには『今書けることを書く』という意志と覚悟を感じます。いまこの時代にも一人一人ができる範囲で、言うべきことを言っていくことが大事だと思っています」
平田さんが近代文学に目覚めたのは16歳で自転車世界一周旅行に出たときだ。父が海外の旅先にさまざまな文学作品を送ってくれたという。
「最近の若者も決して読書量が少ないわけではないのですが、古典に触れる機会はなかなかない。この本が入門書になればいいなと思います。入り口は北杜夫の『楡家の人びと』がおすすめですね」
(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2023年3月20日号
神奈川県相模原市の「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」では、2023年3月18日(土)から4月16日(日)まで、関東最大級2500本の桜を楽しめる「さがみ湖桜まつり」が開催されます。プレジャーフォレストならではの、『上から』あるいは『下から』楽しむお花見を紹介します。園内には、「さがみ湖温泉 うるり」もあり、森林浴を楽しみながら珍しい炭酸泉の温泉に浸ることもできますよ!
2500本の桜、下から見るか?上から見るか??
実は、「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」は起伏に富んだ地形です。その地形ならではの、ちょっと変わったお花見体験をしてみませんか?
まず『上から』のお花見。「ペアリフト」に乗れば、桜の上を飛んでいるような感覚でお花見ができます。気持ちよさそう!写真:「さがみ湖桜まつり」絶景のお花見リフト
標高370mの園内山頂にそびえる絶叫吊り橋「風天」や巨大アスレチック「マッスルモンスター」で遊びながらなら、桜を見下ろすお花見ができますね!?写真:「さがみ湖桜まつり」絶叫吊り橋 「風天」と桜
もちろん『下から』も楽しんで!
もちろん、広々とした「さがみ湖リゾート」の中をゆっくりのんびり散策しながら、咲き誇る2500本の桜を見上げて『下から』楽しむのもオススメです。
『下から』なら「F-1カート」に乗りながら… なんてのもありますよ。写真:夜桜イルミリオン
夜桜イルミリオン
この「さがみ湖桜まつり」は2023年3月18日(土)から4月16日(日)まで開催されていますが、2023年4月2日(日)までは600万球のイルミネーションと夜桜を一度に楽しめる「夜桜イルミリオン」も毎日開催されています。
2023年4月3日(月)以降は、土日祝日のみの点灯となりますが、ゴールデンウィークの5月7日(日)まで延長されて開催されますよ。写真:夜桜イルミリオン
ライトアップされた幻想的なお花見も楽しめますね。
「さがみ湖温泉 うるり」
「さがみ湖温泉 うるり」では、珍しい炭酸泉の温泉も楽しめます。泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩温泉(低張性アルカリ性低温泉)。
相模湖の森に囲まれた開放的な露天風呂からは、石老山を眺めることができます。まさに、森林浴しながらの温浴ですね!
休憩棟には、食事処や休憩処もあって、一日ゆったりと過ごせそうです。(まとめ・文:Vermiliおん 編集:hotspring727)
The post 神奈川・さがみ湖温泉「さがみ湖桜まつり」2500本の桜、下から見るか?上から見るか??3/18〜 first appeared on おんせんニュース
2500本の桜、下から見るか?上から見るか??
実は、「さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト」は起伏に富んだ地形です。その地形ならではの、ちょっと変わったお花見体験をしてみませんか?
まず『上から』のお花見。「ペアリフト」に乗れば、桜の上を飛んでいるような感覚でお花見ができます。気持ちよさそう!写真:「さがみ湖桜まつり」絶景のお花見リフト
標高370mの園内山頂にそびえる絶叫吊り橋「風天」や巨大アスレチック「マッスルモンスター」で遊びながらなら、桜を見下ろすお花見ができますね!?写真:「さがみ湖桜まつり」絶叫吊り橋 「風天」と桜
もちろん『下から』も楽しんで!
もちろん、広々とした「さがみ湖リゾート」の中をゆっくりのんびり散策しながら、咲き誇る2500本の桜を見上げて『下から』楽しむのもオススメです。
『下から』なら「F-1カート」に乗りながら… なんてのもありますよ。写真:夜桜イルミリオン
夜桜イルミリオン
この「さがみ湖桜まつり」は2023年3月18日(土)から4月16日(日)まで開催されていますが、2023年4月2日(日)までは600万球のイルミネーションと夜桜を一度に楽しめる「夜桜イルミリオン」も毎日開催されています。
2023年4月3日(月)以降は、土日祝日のみの点灯となりますが、ゴールデンウィークの5月7日(日)まで延長されて開催されますよ。写真:夜桜イルミリオン
ライトアップされた幻想的なお花見も楽しめますね。
「さがみ湖温泉 うるり」
「さがみ湖温泉 うるり」では、珍しい炭酸泉の温泉も楽しめます。泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩温泉(低張性アルカリ性低温泉)。
相模湖の森に囲まれた開放的な露天風呂からは、石老山を眺めることができます。まさに、森林浴しながらの温浴ですね!
休憩棟には、食事処や休憩処もあって、一日ゆったりと過ごせそうです。(まとめ・文:Vermiliおん 編集:hotspring727)
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第四話 2012.11.2
心通じた二人は蜜月を過ごすが、一年経っても実は生らない。そして春日局の目的はもとより家光の血脈保存しか無く、冷酷にも「次手」が打たれる。
赤面疱瘡猖獗イメージ、木津河原と大覚寺大沢池北辺水路端。
弓の稽古をする有功、二条城二の丸御殿内庭。
有功に教えを乞う者ひきもきらずのくだり、大覚寺宸殿裏手回廊、粟生光明寺本堂裏廊下。
家光に、見てきた海の話をする有功、大海は南紀白浜からのビュー。
伊勢物語の講義をする有功、随心院書院座敷。立ち見も出て、本堂側の廊下にいる。終わったあと正勝が入ってくるのは北側から。
伊勢物語第六段、公達と姫君逃避行イメージは大覚寺大沢池畔・遣水跡付近(夜)。男女は有功と家光。
稲葉正勝七回忌が執り行われる寺院、西教寺大師堂。まず湖側の門が映し出され、法要はお堂内部で。そそくさと立ち去る春日局を呼び止める正勝の嫁のシーンは北側の門を出たところ、亭脇の坂。
江戸城イメージ、二条城本丸櫓門を前景に合成。家光が春日の気遣いに謝辞を述べるくだり。
有功がお褥辞退を申し出に行くくだり、月光の甍は清凉寺か二条城か黒谷か。
海を見にゆく有功と家光の幻想シーン、南紀白浜・千畳敷(夕景)。
#堺雅人#
心通じた二人は蜜月を過ごすが、一年経っても実は生らない。そして春日局の目的はもとより家光の血脈保存しか無く、冷酷にも「次手」が打たれる。
赤面疱瘡猖獗イメージ、木津河原と大覚寺大沢池北辺水路端。
弓の稽古をする有功、二条城二の丸御殿内庭。
有功に教えを乞う者ひきもきらずのくだり、大覚寺宸殿裏手回廊、粟生光明寺本堂裏廊下。
家光に、見てきた海の話をする有功、大海は南紀白浜からのビュー。
伊勢物語の講義をする有功、随心院書院座敷。立ち見も出て、本堂側の廊下にいる。終わったあと正勝が入ってくるのは北側から。
伊勢物語第六段、公達と姫君逃避行イメージは大覚寺大沢池畔・遣水跡付近(夜)。男女は有功と家光。
稲葉正勝七回忌が執り行われる寺院、西教寺大師堂。まず湖側の門が映し出され、法要はお堂内部で。そそくさと立ち去る春日局を呼び止める正勝の嫁のシーンは北側の門を出たところ、亭脇の坂。
江戸城イメージ、二条城本丸櫓門を前景に合成。家光が春日の気遣いに謝辞を述べるくだり。
有功がお褥辞退を申し出に行くくだり、月光の甍は清凉寺か二条城か黒谷か。
海を見にゆく有功と家光の幻想シーン、南紀白浜・千畳敷(夕景)。
#堺雅人#
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