《相映四十年》
-----------------
【千万里我追寻着你】
2023年2月5日 星期日
黄帝开元4720年正月十五(癸卯 甲寅 甲午) 元宵节
阴、春雨潇潇 5-7℃
日出7:15日落18:11
February 5th
Sunday
癸卯元宵节
(2023年2月5日)
上元春雨潇潇,
麓山可能喝饱?
喜泉哥哥又提水,
山顶梅花还妖娆。
(11:56)
------------------
【年轻的朋友来相会】
1983年2月5日 土曜日
晴れ
February5th
Saturday
《ぼくの帽子》
Mama,do you remember the old straw hat you gave to me?
I lost that hat long ago flew to the foggy canyon.
Yeh mama, I wonder what happened to that old straw hat,
Falling down the mountain sideout of my reach like your heart.
Suddenly that wind came up,stealing my hat from me yeh.
Swirling whirling gust of wind,blowing it higher away.
Mama,that old straw hat was the only one I really loved,
but we lost it,no one could bring it back,like the life you gave me.
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こうから若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃったでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S.という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく
(夜)
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【千万里我追寻着你】
2023年2月5日 星期日
黄帝开元4720年正月十五(癸卯 甲寅 甲午) 元宵节
阴、春雨潇潇 5-7℃
日出7:15日落18:11
February 5th
Sunday
癸卯元宵节
(2023年2月5日)
上元春雨潇潇,
麓山可能喝饱?
喜泉哥哥又提水,
山顶梅花还妖娆。
(11:56)
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【年轻的朋友来相会】
1983年2月5日 土曜日
晴れ
February5th
Saturday
《ぼくの帽子》
Mama,do you remember the old straw hat you gave to me?
I lost that hat long ago flew to the foggy canyon.
Yeh mama, I wonder what happened to that old straw hat,
Falling down the mountain sideout of my reach like your heart.
Suddenly that wind came up,stealing my hat from me yeh.
Swirling whirling gust of wind,blowing it higher away.
Mama,that old straw hat was the only one I really loved,
but we lost it,no one could bring it back,like the life you gave me.
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こうから若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃったでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S.という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく
(夜)
《相映四十年》
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【千万里我追寻着你】
2023年2月5日 星期日
黄帝开元4720年正月十五(癸卯 甲寅 甲午) 元宵节
阴、春雨潇潇 5-7℃
日出7:15日落18:11
February 5th
Sunday
癸卯元宵节
(2023年2月5日)
上元春雨潇潇,
麓山可能喝饱?
喜泉哥哥又提水,
山顶梅花还妖娆。
(11:56)
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【年轻的朋友来相会】
1983年2月5日 土曜日
晴れ
February5th
Saturday
《ぼくの帽子》
Mama,do you remember the old straw hat you gave to me?
I lost that hat long ago flew to the foggy canyon.
Yeh mama, I wonder what happened to that old straw hat,
Falling down the mountain sideout of my reach like your heart.
Suddenly that wind came up,stealing my hat from me yeh.
Swirling whirling gust of wind,blowing it higher away.
Mama,that old straw hat was the only one I really loved,
but we lost it,no one could bring it back,like the life you gave me.
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こうから若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃったでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S.という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく
(夜)
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【千万里我追寻着你】
2023年2月5日 星期日
黄帝开元4720年正月十五(癸卯 甲寅 甲午) 元宵节
阴、春雨潇潇 5-7℃
日出7:15日落18:11
February 5th
Sunday
癸卯元宵节
(2023年2月5日)
上元春雨潇潇,
麓山可能喝饱?
喜泉哥哥又提水,
山顶梅花还妖娆。
(11:56)
------------------
【年轻的朋友来相会】
1983年2月5日 土曜日
晴れ
February5th
Saturday
《ぼくの帽子》
Mama,do you remember the old straw hat you gave to me?
I lost that hat long ago flew to the foggy canyon.
Yeh mama, I wonder what happened to that old straw hat,
Falling down the mountain sideout of my reach like your heart.
Suddenly that wind came up,stealing my hat from me yeh.
Swirling whirling gust of wind,blowing it higher away.
Mama,that old straw hat was the only one I really loved,
but we lost it,no one could bring it back,like the life you gave me.
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落としたあの麦稈帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
僕はあのとき、ずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こうから若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどとうとう駄目だった。
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍に咲いていた車百合の花は、
もうとうに枯れちゃったでせうね。そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S.という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく
(夜)
【访谈投稿】荒木飞吕彦三次遇见幽灵的经历
《关于通灵能力》
荒木飞吕彦:虽然自己这么说有点不太恰当,我在自己的作品《JOJO的奇妙冒险》中多少年都在描写超能力、通灵能力之类的东西,但这些实际上真的存在吗?我对此非常感兴趣。
我完全不相信UFO和外星人。(侵略也好缔结友好也好,要做就赶紧做吧,明明从小时候开始我就一直等着你…。这就是理由)
但是,对超能力和幽灵这种东西应该怎么想呢?虽然自己没有什么像通灵能力一样的东西,但过去有过三次感觉好像遇到过幽灵。分析一下那种体验,也许对人生来说是很重要的。
(BATTLE1)
大约10年前,我在英国爱丁堡的酒店房间里看到了女幽灵。半夜醒来,看到外国女人在床周围徘徊,我心想“这是幽灵啊”。但因为取材弄得太累了,在想着“好麻烦啊,明明现在困死了”的时候,幽灵从房间出去了。
(BATTLE2)
我怕助手听了会害怕就没说过,但在工作室的厨房里出现过老人的幽灵。不过我没有直接看到,只是听到餐具发出的咔嗒咔嗒的声音,或是明明没有人自来水却发出的稀里哗啦的声音,主要是深夜一个人工作的时候。
知道是老人是因为偶然拍的照片上拍出来了。“你要是进了客厅(有工作桌的地方),我就请神官来驱魔”,这么说了之后,他就当了几年厨房限定的幽灵,一直没进过工作间。
后来我还是改变了主意,叫了神官来驱魔后幽灵就再没出现了。
(BATTLE3)
这次太糟糕了。我住在温泉旅馆的时候,出现了一个穿和服的女人。半夜醒来,看见一个30岁左右的女人背对着我,用茶壶给桌上沏茶。
我一开始还以为是女招待,就问:“你在干什么?”话音刚落,她就转身跳到我的被子上。我才意识到可能是幽灵。这时我就怕得动弹不得了。我看不见她的脸。虽然看不见脸,但知道她正在被子上慢慢爬上来。我看见她手里拿着一个小茶壶。
“难道你是想把茶泼到我脸上吗?”
这么一想,我突然愤怒起来。
在这里明白了自己的性格。被人小看了我就会生气。我用尽全力抓住被子,在房间里翻腾起来。
一开灯,穿和服的女性就不见了,茶壶掉在桌子下面,冷茶洒了出来。(昨晚剩下的茶吗?)
告诉别人,大家都会说“这是梦”。也会被说“你编的吧”。自己也不知道是不是真的幽灵。据说脑内分泌某种化学物质就会产生幻觉。
不管是幽灵还是幻觉,遇到这种事最好还是采取“敬意”的态度。因为我认为,即使是因压力或疲劳而产生的幻觉,只要抱有“敬意”,保持谦虚的态度,心灵就会得到放松。
⭐
『霊感』について
自分で言うのもなんだけど、自作『ジョジョの奇妙な冒険』でこういうテーマを何年も描いてるだけあって、超能力だとか霊感だとかいったものは、実際のところ本当にあるのかどうか? 異常に興味がある。
UFOだとか宇宙人はまったく信じない。(侵略して来るなり友好結ぶなり、やるならさっさとやりなよ、子供の時からずっと待っているのに・・・・・・。というのがその理由)
だが、超能力だとか幽霊といったものはどう考えればいいのか? 自分的には霊感みたいなものはないのだが、出会ったような気がするっていうのが過去3回ある。その体験を分析してみるのもなんかちょっと人生にとって大切な事かもしれない。
(BATTLE1)
10年くらい前、イギリスのエジンバラのホテルの部屋で女性の幽霊を見た。夜中目を覚ますと外人の女の人がベッドのまわりをうろついているので、「こりゃ幽霊だ」と思った。でも、取材とかでスゴく疲れてたので「面倒くさいなあ、眠いのに」と思ったとたん、部屋から出て行った。
(BATTLE2)
アシスタントに言うと恐がると思ったから言わなかったんだけど、仕事場のキッチンに老人の幽霊が出た。といっても見たわけではなく、食器がカチャカチャいう音とか、誰もいないのに水道がビチャビチャ流れる音とかで、おもに深夜ひとりで仕事している時。
老人だとわかったのはたまたま撮った写真に写っていたから。「リビング(仕事机のある場所)に入ってきたら、神主呼んでお祓いしてもらうぞ」と言ったら、数年間ずっと台所限定の幽霊になり、仕事場の方には律儀にも入ってこなかった。
やっぱり気が変わって、神主呼んでお祓いしてもらったら、もう出なくなった。
(BATTLE3)
これはヤバかった。温泉旅館に泊まってる時に、和服の女性が出た。これまた夜中、目を覚ますと30歳ぐらいの女性がぼくに背を向け、テーブルの上でポットからお茶をついでいる。
最初、幽霊と思わず仲居さんだと思って、「何してるんですか?」と言ったとたん、ぼくの布団の上にそのままうしろ向きにジャンプしてのっかってきた。ここでやっと、幽霊なのかもと思った。恐くて金縛りになったと思う。顔は見えない。顔は見えないが、布団の上をずるずるとはい上ってくるのがわかる。手に急須を持ってるのが見えた。
「まさか、もしかして、お茶をぼくの顔にかけようとしているのか?」
そう思ったとたん、急に怒りがわいてきた。
ここで自分の性格がわかった。なめられるとキレるみたい。力のかぎり、掛け布団をつかむと、部屋中布団をふり回して暴れ回った。
電気をつけると和服の女性は消えており、テーブルの下に急須が落ちて、冷たいお茶がこぼれていた。(昨晩残したお茶か?)
人に話すと「夢だよ」とみんなが言う。「作ったな」とも言われる。自分でも、実際のところ幽霊だったのかどうかわからない。脳内に、ある化学物質が出ると幻覚を見るらしいとも言われるし。
幽霊か幻覚かどっちにしてもこういう出来事に出会ったら「敬意」を払う態度をとるのが一番だと思った。ストレスだとか疲労のために見た幻覚だとしても「敬意」を払って謙虚にしてれば心は休まると思うからだ。
-manga オモ! 03年冬号-
manga オモ!001(2003年冬)号に掲載されたエッセイ
《关于通灵能力》
荒木飞吕彦:虽然自己这么说有点不太恰当,我在自己的作品《JOJO的奇妙冒险》中多少年都在描写超能力、通灵能力之类的东西,但这些实际上真的存在吗?我对此非常感兴趣。
我完全不相信UFO和外星人。(侵略也好缔结友好也好,要做就赶紧做吧,明明从小时候开始我就一直等着你…。这就是理由)
但是,对超能力和幽灵这种东西应该怎么想呢?虽然自己没有什么像通灵能力一样的东西,但过去有过三次感觉好像遇到过幽灵。分析一下那种体验,也许对人生来说是很重要的。
(BATTLE1)
大约10年前,我在英国爱丁堡的酒店房间里看到了女幽灵。半夜醒来,看到外国女人在床周围徘徊,我心想“这是幽灵啊”。但因为取材弄得太累了,在想着“好麻烦啊,明明现在困死了”的时候,幽灵从房间出去了。
(BATTLE2)
我怕助手听了会害怕就没说过,但在工作室的厨房里出现过老人的幽灵。不过我没有直接看到,只是听到餐具发出的咔嗒咔嗒的声音,或是明明没有人自来水却发出的稀里哗啦的声音,主要是深夜一个人工作的时候。
知道是老人是因为偶然拍的照片上拍出来了。“你要是进了客厅(有工作桌的地方),我就请神官来驱魔”,这么说了之后,他就当了几年厨房限定的幽灵,一直没进过工作间。
后来我还是改变了主意,叫了神官来驱魔后幽灵就再没出现了。
(BATTLE3)
这次太糟糕了。我住在温泉旅馆的时候,出现了一个穿和服的女人。半夜醒来,看见一个30岁左右的女人背对着我,用茶壶给桌上沏茶。
我一开始还以为是女招待,就问:“你在干什么?”话音刚落,她就转身跳到我的被子上。我才意识到可能是幽灵。这时我就怕得动弹不得了。我看不见她的脸。虽然看不见脸,但知道她正在被子上慢慢爬上来。我看见她手里拿着一个小茶壶。
“难道你是想把茶泼到我脸上吗?”
这么一想,我突然愤怒起来。
在这里明白了自己的性格。被人小看了我就会生气。我用尽全力抓住被子,在房间里翻腾起来。
一开灯,穿和服的女性就不见了,茶壶掉在桌子下面,冷茶洒了出来。(昨晚剩下的茶吗?)
告诉别人,大家都会说“这是梦”。也会被说“你编的吧”。自己也不知道是不是真的幽灵。据说脑内分泌某种化学物质就会产生幻觉。
不管是幽灵还是幻觉,遇到这种事最好还是采取“敬意”的态度。因为我认为,即使是因压力或疲劳而产生的幻觉,只要抱有“敬意”,保持谦虚的态度,心灵就会得到放松。
⭐
『霊感』について
自分で言うのもなんだけど、自作『ジョジョの奇妙な冒険』でこういうテーマを何年も描いてるだけあって、超能力だとか霊感だとかいったものは、実際のところ本当にあるのかどうか? 異常に興味がある。
UFOだとか宇宙人はまったく信じない。(侵略して来るなり友好結ぶなり、やるならさっさとやりなよ、子供の時からずっと待っているのに・・・・・・。というのがその理由)
だが、超能力だとか幽霊といったものはどう考えればいいのか? 自分的には霊感みたいなものはないのだが、出会ったような気がするっていうのが過去3回ある。その体験を分析してみるのもなんかちょっと人生にとって大切な事かもしれない。
(BATTLE1)
10年くらい前、イギリスのエジンバラのホテルの部屋で女性の幽霊を見た。夜中目を覚ますと外人の女の人がベッドのまわりをうろついているので、「こりゃ幽霊だ」と思った。でも、取材とかでスゴく疲れてたので「面倒くさいなあ、眠いのに」と思ったとたん、部屋から出て行った。
(BATTLE2)
アシスタントに言うと恐がると思ったから言わなかったんだけど、仕事場のキッチンに老人の幽霊が出た。といっても見たわけではなく、食器がカチャカチャいう音とか、誰もいないのに水道がビチャビチャ流れる音とかで、おもに深夜ひとりで仕事している時。
老人だとわかったのはたまたま撮った写真に写っていたから。「リビング(仕事机のある場所)に入ってきたら、神主呼んでお祓いしてもらうぞ」と言ったら、数年間ずっと台所限定の幽霊になり、仕事場の方には律儀にも入ってこなかった。
やっぱり気が変わって、神主呼んでお祓いしてもらったら、もう出なくなった。
(BATTLE3)
これはヤバかった。温泉旅館に泊まってる時に、和服の女性が出た。これまた夜中、目を覚ますと30歳ぐらいの女性がぼくに背を向け、テーブルの上でポットからお茶をついでいる。
最初、幽霊と思わず仲居さんだと思って、「何してるんですか?」と言ったとたん、ぼくの布団の上にそのままうしろ向きにジャンプしてのっかってきた。ここでやっと、幽霊なのかもと思った。恐くて金縛りになったと思う。顔は見えない。顔は見えないが、布団の上をずるずるとはい上ってくるのがわかる。手に急須を持ってるのが見えた。
「まさか、もしかして、お茶をぼくの顔にかけようとしているのか?」
そう思ったとたん、急に怒りがわいてきた。
ここで自分の性格がわかった。なめられるとキレるみたい。力のかぎり、掛け布団をつかむと、部屋中布団をふり回して暴れ回った。
電気をつけると和服の女性は消えており、テーブルの下に急須が落ちて、冷たいお茶がこぼれていた。(昨晩残したお茶か?)
人に話すと「夢だよ」とみんなが言う。「作ったな」とも言われる。自分でも、実際のところ幽霊だったのかどうかわからない。脳内に、ある化学物質が出ると幻覚を見るらしいとも言われるし。
幽霊か幻覚かどっちにしてもこういう出来事に出会ったら「敬意」を払う態度をとるのが一番だと思った。ストレスだとか疲労のために見た幻覚だとしても「敬意」を払って謙虚にしてれば心は休まると思うからだ。
-manga オモ! 03年冬号-
manga オモ!001(2003年冬)号に掲載されたエッセイ
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