歌手・坂井泉水さん（０７年５月逝去、享年４０）を中心に結成され、デビュー３０周年を迎えたＺＡＲＤがデビュー日の１０日、東京・有明の東京ガーデンシアターでアニバーサリーイヤーを締めくくる記念ライブ「ＺＡＲＤ　“Ｗｈａｔ　ａ　ｂｅａｕｔｉｆｕｌ　ｍｅｍｏｒｙ～軌跡～”」を行った。

　坂井さんの歌声と映像、バンドによる生演奏がシンクロした６年ぶりの公演。有観客で開かれ、大黒摩季やＤＥＥＮの池森秀一、ＦＩＥＬＤ　ＯＦ　ＶＩＥＷの浅岡雄也ら、ゆかりのゲストが顔をそろえた。

　坂井さんの「ＺＡＲＤのライブにようこそ。今日は最後まで楽しんでいってください」の声が流れ、幕開け。「もう少し　あと少し…」「雨に濡れて」では、初公開となった坂井さんの映像がお披露目された。

　デビュー曲「Ｇｏｏｄ―ｂｙｅ　Ｍｙ　Ｌｏｎｅｌｉｎｅｓｓ」、「揺れる想い」などＺＡＲＤの初期の楽曲にコーラスで参加した大黒は、この２曲などでコーラス参加。池森は坂井さんから歌詞提供を受けた「瞳そらさないで」「翼を広げて」、浅岡は「突然」「ＤＡＮ　ＤＡＮ　心魅かれてく」で映像とコラボレーションした。

　怒とうの終盤は「マイ　フレンド」「Ｄｏｎ’ｔ　ｙｏｕ　ｓｅｅ！」など、ヒット曲が目白押し。約２時間半、２８曲のフィナーレはゲスト全員が参加し、「負けないで」を熱唱した。

優しさに触れて 残る温度
消えないまま 愛しいと言えたら
心は軽くなるかな
閉ざした扉の向こうで
微かな声が聴こえてる
踏み出すことさえも出来ないから
孤独に寄り添ってる
まだこの胸の中 生きづいたまま
小さな灯し火のような想いを
風に吹かれぬように
雨に濡れないように
ずっと抱きしめてた
ただ 真っ直ぐなまま願う強さも
泣き出しそうになる脆い自分も
君が居なきゃ知らなかったんだよ
偶然の中で運命を見つけた
瞳閉じる度 記憶の海 漂っては
深い夢のあと
面影を探してたんだ
変わらないモノクロの日々に
君が色を添えてくから
滲んだ過去さえもいつの間にか
意味を持ち始めてる
まだこの胸の中 隠したままの
痛いほど愛おしい こんな思いを
いつか消えてしまうその前に
届けたい人は 君だけなんだ
どんな涙も どんな笑顔も
全ては君のためにあるから
まだこの胸の中 生きづいたまま
小さな灯し火のような想いを
風に吹かれぬように
雨に濡れないように
ずっと抱きしめてた
ただ 真っ直ぐなまま願う強さも
泣き出しそうになる脆い自分も
君が居なきゃ知らなかったんだよ
偶然の中で運命を見つけた
君がいるだけで世界は変わった

〔江水散花雪〕山姥切国広のsolo

流れ抜く水を覗き込む
揺らめく己があえなく消えゆく
流れは止められた水を覗き込む
鋭い碧眼　じっとりと見つめる
お前は誰だ　俺か
俺だとしたら　いつの俺だ
かつての俺か　この先の俺か
俺は…俺だ
（水は何処へ行く）
明るいのは苦手だ
鏡のように俺を照らし出す
止まらぬ大河の中
水だけが行き先を知っている
大河の水面に映る俺
保てぬ輪郭　ぼやけて移ろう
丁度いい　そのくらいが
丁度いい

花の雨
泣いているのは　空か花か
濡れそぼつ身が儚く散って
傘に残さるるは　君の名残
咲く君も　散る君も
婀娜（あだ）めかしい徒名草（あだなぐさ）
行潦（にはたづみ）　浮かぶ筏
君の名残

古池の水面に映る俺
確かな輪郭
見紛うことなし
石一つで　生まれる波紋
風吹かずとも　生まれる漣（さざなみ）
何かが変わる　何かが変わる
波打つ水面に映る俺
不確かな輪郭
だとしても　これは俺だ
だからこそ　俺は　俺だ

散る一片　一片
同じ花はない
枝と別れ　空に舞う
美しさはそこ迄
地に落ちて池に浮かび
瞬く間に朽ちてゆく
醜く　儚く
聞かせて欲しい
どんなふうに生きてきた？
恋焦がれた夜　夢語った時代
絶命の声は何故
産声に似ているのか
塞がれて流れ失くす
美しさはそこ迄
散り果てて池に沈み
瞬く間に腐りゆく
美しく　美しく
散る一片　一片
同じ命はない
俺も　その一片