美しさを追い求め 友さえも罵れば,
這い回る修羅の道 代わりに何を得ただろう,猛り立つ声には 切なさが隠れている,
誰がその背中を 撫でてやろうとしただろう,流離うまま 嵐の中 まだ胸に夢を灯し,
渦を巻いて飛ぶ鳥の 姿を倣えばいい,
ずっと羽ばたいていた未来へ向かう旅路中,
道の正しさは風に託して ただ進んでいけ,
夢を見ていたんだ風に煽られて,
導いておくれあの空の果てへ。
這い回る修羅の道 代わりに何を得ただろう,猛り立つ声には 切なさが隠れている,
誰がその背中を 撫でてやろうとしただろう,流離うまま 嵐の中 まだ胸に夢を灯し,
渦を巻いて飛ぶ鳥の 姿を倣えばいい,
ずっと羽ばたいていた未来へ向かう旅路中,
道の正しさは風に託して ただ進んでいけ,
夢を見ていたんだ風に煽られて,
導いておくれあの空の果てへ。
コブクロ、2年ぶりの有観客ツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2021 Star Made』が地元大阪で完結!
■「またいつか大きな声で、みんなで歌おう! それまでこの轍(わだち)を繋げて行ってください」(小渕健太郎)
有観客では2019年の20周年ツアー以来2年ぶりとなるコブクロの全国ツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2021 Star Made』。
7月16日、千葉・森のホール21(松戸市文化会館)からスタートした同ツアーが、11月6日、大阪・フェスティバルホールで感動のファイナルを迎えた。
今回のツアーは8月4日にリリースされた5年ぶりとなる10枚目のニューアルバム『Star Made』の新曲を中心に、コブクロの代表曲やストリート時代からの懐かしい曲を織り交ぜたステージ。力強さと温かみを持ち合わせた小渕と黒田の圧倒的なハーモニーで包み込む圧巻のライブを繰り広げられた。
幕が上がってメンバーがバンドとともに姿を表すと盛大な拍手が広がり、ライブを待ちかねていた観客は早くも総立ちの状態に。
アルバムと同じく「Star Song」からスタートして、「晴々」「ONE TIMES ONE」と続いた序盤。「大阪のみんな、一緒に心の中で歌おう!」と小渕が呼びかけ、黒田は「カモン!」と発して鼓舞するように力強く拳を突き上げる。
今はコロナ禍で声が出せない状況だが、観客も手を挙げ手拍子して一体化し、明るく爽快な雰囲気で盛り上がっていった。
MCで小渕は、「無事に大阪でファイナルまでたどり着くことができました! 来てくれて本当にありがとう!」とみんなに感謝し、ツアーができた喜びを笑顔で伝える。
そんなライブ前半のハイライトは「卒業」。ピアノとストリングスをバックに気持ちが込められた黒田の歌声が響き渡り、息を飲んで聴き入っていた観客から長く続く大きな拍手が送られた。
中盤には、ストリート時代からのコブクロのラブソングの原点「赤い糸」、その続編としてあらたにできた「露光」を2曲続けて歌う。小渕が「長く歌ってきたからこそ生まれた奇跡」とうれしそうに話していたのも印象的だ。
「風をみつめて」から後半に入り、エレクトロポップ調の「両忘」は異色の雰囲気で引き込む。さらに「灯ル祈リ」は黒田が渾身のボーカルで熱唱。最後はふたりがアカペラで歌う圧巻の展開で魅了し、鳴り止まないスタンディングオベーションに包まれた。
その後は一転、黒田がここまでの小渕のMCを振り返りツッコミを入れていくコブクロらしい笑えるトークタイムに。
また、今回のツアーに足を運べなかったファンのために、10月28日の有明ガーデンシアターで収録されたライブ映像が、11月27日に配信されることもアナウンスされた。
そして、「コンパス」から熱いロックモードで畳み掛けて、高揚感溢れる「大阪SOUL」で本編を終える。
アンコールでは「またいつか大きな声で、みんなで歌おう! それまでこの轍(わだち)を繋げて行ってください」と小渕が切実な思いを伝えて「轍」を。
さらに、「僕らのことを絵本のように歌った曲」と言う「Always(laughing with you.)」を歌って、「明日からもどうか頑張って!」とファンにエールを送る。
黒田が「間違えた…」と歌い直すハプニングもあったが、温かみがある曲調とも相まってアットホームな雰囲気で大団円となった。
ライブを終えて、小渕は「『Star Made』完結!」と歓喜の声を上げる。一段と大きな拍手に包まれるなかで、「またツアーするから! またライブで会いましょう!」と力強く約束した。
■「またいつか大きな声で、みんなで歌おう! それまでこの轍(わだち)を繋げて行ってください」(小渕健太郎)
有観客では2019年の20周年ツアー以来2年ぶりとなるコブクロの全国ツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2021 Star Made』。
7月16日、千葉・森のホール21(松戸市文化会館)からスタートした同ツアーが、11月6日、大阪・フェスティバルホールで感動のファイナルを迎えた。
今回のツアーは8月4日にリリースされた5年ぶりとなる10枚目のニューアルバム『Star Made』の新曲を中心に、コブクロの代表曲やストリート時代からの懐かしい曲を織り交ぜたステージ。力強さと温かみを持ち合わせた小渕と黒田の圧倒的なハーモニーで包み込む圧巻のライブを繰り広げられた。
幕が上がってメンバーがバンドとともに姿を表すと盛大な拍手が広がり、ライブを待ちかねていた観客は早くも総立ちの状態に。
アルバムと同じく「Star Song」からスタートして、「晴々」「ONE TIMES ONE」と続いた序盤。「大阪のみんな、一緒に心の中で歌おう!」と小渕が呼びかけ、黒田は「カモン!」と発して鼓舞するように力強く拳を突き上げる。
今はコロナ禍で声が出せない状況だが、観客も手を挙げ手拍子して一体化し、明るく爽快な雰囲気で盛り上がっていった。
MCで小渕は、「無事に大阪でファイナルまでたどり着くことができました! 来てくれて本当にありがとう!」とみんなに感謝し、ツアーができた喜びを笑顔で伝える。
そんなライブ前半のハイライトは「卒業」。ピアノとストリングスをバックに気持ちが込められた黒田の歌声が響き渡り、息を飲んで聴き入っていた観客から長く続く大きな拍手が送られた。
中盤には、ストリート時代からのコブクロのラブソングの原点「赤い糸」、その続編としてあらたにできた「露光」を2曲続けて歌う。小渕が「長く歌ってきたからこそ生まれた奇跡」とうれしそうに話していたのも印象的だ。
「風をみつめて」から後半に入り、エレクトロポップ調の「両忘」は異色の雰囲気で引き込む。さらに「灯ル祈リ」は黒田が渾身のボーカルで熱唱。最後はふたりがアカペラで歌う圧巻の展開で魅了し、鳴り止まないスタンディングオベーションに包まれた。
その後は一転、黒田がここまでの小渕のMCを振り返りツッコミを入れていくコブクロらしい笑えるトークタイムに。
また、今回のツアーに足を運べなかったファンのために、10月28日の有明ガーデンシアターで収録されたライブ映像が、11月27日に配信されることもアナウンスされた。
そして、「コンパス」から熱いロックモードで畳み掛けて、高揚感溢れる「大阪SOUL」で本編を終える。
アンコールでは「またいつか大きな声で、みんなで歌おう! それまでこの轍(わだち)を繋げて行ってください」と小渕が切実な思いを伝えて「轍」を。
さらに、「僕らのことを絵本のように歌った曲」と言う「Always(laughing with you.)」を歌って、「明日からもどうか頑張って!」とファンにエールを送る。
黒田が「間違えた…」と歌い直すハプニングもあったが、温かみがある曲調とも相まってアットホームな雰囲気で大団円となった。
ライブを終えて、小渕は「『Star Made』完結!」と歓喜の声を上げる。一段と大きな拍手に包まれるなかで、「またツアーするから! またライブで会いましょう!」と力強く約束した。
俳優・高良健吾さんが、時の道を駆け抜ける
これまでやりたくても「時間」がなくてできなかったことに挑戦する「時間」をセイコー プレザージュが提供するこの企画。
「しまなみ海道を自転車で走ってみたい」
俳優の高良健吾さんは「挑戦してみたかったことはありますか?」との問いかけに、間髪を入れずにそう答えた。その「挑戦」のために、広島県尾道市へ。ここを起点に愛媛県今治市まで、瀬戸内海に浮かぶ島々を七つの橋で結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」を、自慢の愛車で走り抜けた。念願の「道」を走った体験、さらに俳優として歩んできたこれまでの「道」について語ってもらった。
「サイクリストの聖地」を愛車で走りたい
――自転車に興味をもったのはいつごろからですか? どんな魅力を感じていますか。
熊本県の田舎出身なので、幼いころから遊ぶのも学校に行くのも自転車はなくてはならない「足」でした。高校も自転車通学で、まわりはママチャリが多かったけれど、僕はこだわってBMXに乗っていましたね。
高校を卒業し、役者の仕事を始めるために上京してからも、自転車はいつも僕の相棒として活躍してくれました。都内って車だと渋滞に巻き込まれて時間がかかったりする。タクシー代だってバカになりません。その点、自転車は意外に速く移動できるし、お金もかからない。もちろん、風を切って走る気持ちよさも大きな魅力です。
――今回、瀬戸内しまなみ海道を自転車で走っていただきました。
去年、最初の緊急事態宣言が出たころ、新しい自転車を手に入れました。昔からずっと憧れていたニューヨーク生まれのブランド「ブルックリンマシンワークス」のピストバイクです。ピストバイクはもともとトラック競技用の自転車で、通常ギアが固定されていて、ペダルを止めるとホイールが止まります。僕は都内の街走りもしやすいようにフリーギア(ペダルを止めてもホイールが回る普通のギア)にしました。ほかにも、自転車に詳しい友達にアドバイスしてもらい、ほぼカスタムメイドで仕上げた世界に1台だけのこだわりの愛車です。
いつかこの自転車で瀬戸内しまなみ海道を走ってみたい――。瀬戸内しまなみ海道は国内はもちろん海外の自転車乗りの間でも知られ、「サイクリストの聖地」と称されるサイクリングロード。僕もいつかはと憧れていたのです。そんな中、今回の企画のお話をいただいて。即答でしたね(笑)。
――実際に走ってみて、いかがでしたか。
とにかく気持ちがよかった! 美しい海やレモン畑など瀬戸内ならではの景色がとても美しく、中でも橋からの眺めは最高でした。道中いくつもの橋を渡るのですが、高い上に風が吹き抜けるので最初はちょっとヒヤッとして。でも、そのスリリングな感じも走るごとに楽しくなっていきました。この橋を渡る感覚は瀬戸内しまなみ海道ならではの醍醐(だいご)味だと思います。
それに、自分の自転車で走るのが思っていた以上に楽しかった。これまでも旅先で自転車を借りて走ったことはあるのですが、自分の自転車を目的地まで運んでサイクリングするのは今回が初。今はコロナ禍で以前のように自由に旅ができませんが、収束してからも自転車で様々な場所を走り、巡るのは、新しい旅の形としてすごくいいんじゃないかな。
――瀬戸内しまなみ海道は高低差もあり、上り坂がきつい難所も少なくありません。
確かにしんどい場所は何カ所かありましたが、必死にこいで、自分の足だけで上れたときが最高に気持ちいい。頑張ってきたからこその絶景が目の前に広がっている。登山と同じ感覚かもしれませんね。実は今回、「立ち漕ぎはしない」と決めて走りました。きつかったけど、しんどかったけれど、だからこそ楽しいし気持ちいいし、感動もひとしおでした。
真剣に向き合ってくれた監督の言葉が今も支えに
――15年余り続けてきた俳優活動も、しんどい上り坂や難所があったのでは。分岐点となった作品や出会いはありますか?
18歳のときに出演した映画『M』の廣木隆一監督との出会いは、役者としてやっていく上で大きなターニングポイントになりました。当時の僕はまだ熊本に住んでおり、撮影のために東京に通っていました。今でも人前でセリフを言うのは緊張しますが、若くて役者としてもまだまだ駆け出しで、緊張と恥ずかしさでいっぱいでした。「演じる」とは何かもわからない、なんのテクニックもない。そんな僕に、廣木監督はこんな言葉をかけてくれました。
「役としてちゃんとその場にいなさい」
どういう意味だろう? とものすごく考えました。そして、僕の中から役が生まれ自分のものとして演じられるようになることを、監督は待っていてくれた。そのときの感覚は今も大切にしていて、「この役としてどういよう」「どうしたら説得力が出るか」は、どの作品でも常に心に留め、考え、準備をして取り組んでいます。
今思えば、18歳のガキに向き合い、真剣な言葉をかけていただけたのは大きかったなぁと。学生のころってどこか大人をナメているものだけど、廣木監督の言葉で大人に対する印象もガラリと変わりました。
――今回は「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series GMT」を身につけて走っていただきました。普段、腕時計は使っていますか?
何本か持っています。以前は、スマホで確認しようが腕時計を見ようが、時間さえわかれば正直どちらでもいいと思っていました。でも、あるとき「こっち(腕時計)だわ」と思えたことがあって。なんていうのかな、もう一つ「味」がほしかった。以来、シチュエーションや気分で腕時計を選ぶことを楽しんでいます。
こだわりは「自分の腕にどう収まるか」。デザインや機能、つけ心地はもちろんですが、いい具合の収まり方があるんです。今回の時計はケースサイズが42.2mmで、腕がそんなに太くない僕にはちょっと大きいかな? と思ったんです。でも着けてみるとものすごく収まりがいい。それなりに厚さもあるのに、このしっくりと収まる感じは初めての感覚でした。
着け心地もとてもよかった。僕はあまり気にせずにガシガシ使いたいタイプ。ちょっと傷がついているぐらいがかっこいいと思っているので。今回のサイクリングのようにアクティブなシーンにもピッタリですね。
――ほかにはどんなシチュエーションで着けてみたいですか?
スタイリッシュなデザインだからスーツにも合うと思います。旅先でサイクリングするときはもちろん、ちょっとフォーマルなレストランに行くときなどにもいいですね。また、GMT機能(時針、分針、秒針の3本に加わる4本目の24時針=GMT針によって、もう一つの時刻を表示する機能)が搭載されているので、海外旅行に連れていったら大活躍してくれるに違いありません。
時間は有限。限りあるなかで挑戦を続けたい
――コロナ禍に見舞われ、世界中の人々がこれまでとは違う時間を過ごしています。改めて「時間」「時」をどうとらえていますか?
時間は有限。人生は1回限りでいつかは終わる。その感覚は以前から持っていましたが、より強くそう感じるようになったかもしれません。もちろん、今はコロナで我慢しなければいけないことも多いけど、やりたいこと、行きたいところがあったら、僕はできるだけすぐに行動したいと思っています。40代になったら、50代になったら……というお楽しみもあるけれど、そこまで生きているかなんてわからないから。
それに年齢を重ねるうちに時間の流れがどんどん速くなっている。あっという間にすぎていく。そんな風にも感じています。でも、それは当たり前のことで、ネガティブにはとらえていません。残されている時間が限られているからと、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと焦ったりはしない。今読んでいる本を、今日は昨日よりも1行読み進めることができた……。そのぐらいの感じがいい、と思っています。
――俳優として、これからどんな景色を描いていますか。
外国の人と関われたらいいなと思っています。運とチャンスに恵まれるのなら、海外作品に参加してみたい。そう願っています。
役者の世界に関わらず、僕のまわりには挑戦し続けている大人たちがいる。かっこいい大人もいる。その影響は大きくて、僕も「歳をとる」よりも「歳を重ねて」いきたい。いい枯れ方をしていきたい。限りある「時間」の中で、いろいろな挑戦をポジティブに続けていきたいですね。
(文・中津海麻子 写真・高橋雄大)
※今回の企画は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で取材・撮影を行いました。
https://t.cn/A6Mv3h8T
これまでやりたくても「時間」がなくてできなかったことに挑戦する「時間」をセイコー プレザージュが提供するこの企画。
「しまなみ海道を自転車で走ってみたい」
俳優の高良健吾さんは「挑戦してみたかったことはありますか?」との問いかけに、間髪を入れずにそう答えた。その「挑戦」のために、広島県尾道市へ。ここを起点に愛媛県今治市まで、瀬戸内海に浮かぶ島々を七つの橋で結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」を、自慢の愛車で走り抜けた。念願の「道」を走った体験、さらに俳優として歩んできたこれまでの「道」について語ってもらった。
「サイクリストの聖地」を愛車で走りたい
――自転車に興味をもったのはいつごろからですか? どんな魅力を感じていますか。
熊本県の田舎出身なので、幼いころから遊ぶのも学校に行くのも自転車はなくてはならない「足」でした。高校も自転車通学で、まわりはママチャリが多かったけれど、僕はこだわってBMXに乗っていましたね。
高校を卒業し、役者の仕事を始めるために上京してからも、自転車はいつも僕の相棒として活躍してくれました。都内って車だと渋滞に巻き込まれて時間がかかったりする。タクシー代だってバカになりません。その点、自転車は意外に速く移動できるし、お金もかからない。もちろん、風を切って走る気持ちよさも大きな魅力です。
――今回、瀬戸内しまなみ海道を自転車で走っていただきました。
去年、最初の緊急事態宣言が出たころ、新しい自転車を手に入れました。昔からずっと憧れていたニューヨーク生まれのブランド「ブルックリンマシンワークス」のピストバイクです。ピストバイクはもともとトラック競技用の自転車で、通常ギアが固定されていて、ペダルを止めるとホイールが止まります。僕は都内の街走りもしやすいようにフリーギア(ペダルを止めてもホイールが回る普通のギア)にしました。ほかにも、自転車に詳しい友達にアドバイスしてもらい、ほぼカスタムメイドで仕上げた世界に1台だけのこだわりの愛車です。
いつかこの自転車で瀬戸内しまなみ海道を走ってみたい――。瀬戸内しまなみ海道は国内はもちろん海外の自転車乗りの間でも知られ、「サイクリストの聖地」と称されるサイクリングロード。僕もいつかはと憧れていたのです。そんな中、今回の企画のお話をいただいて。即答でしたね(笑)。
――実際に走ってみて、いかがでしたか。
とにかく気持ちがよかった! 美しい海やレモン畑など瀬戸内ならではの景色がとても美しく、中でも橋からの眺めは最高でした。道中いくつもの橋を渡るのですが、高い上に風が吹き抜けるので最初はちょっとヒヤッとして。でも、そのスリリングな感じも走るごとに楽しくなっていきました。この橋を渡る感覚は瀬戸内しまなみ海道ならではの醍醐(だいご)味だと思います。
それに、自分の自転車で走るのが思っていた以上に楽しかった。これまでも旅先で自転車を借りて走ったことはあるのですが、自分の自転車を目的地まで運んでサイクリングするのは今回が初。今はコロナ禍で以前のように自由に旅ができませんが、収束してからも自転車で様々な場所を走り、巡るのは、新しい旅の形としてすごくいいんじゃないかな。
――瀬戸内しまなみ海道は高低差もあり、上り坂がきつい難所も少なくありません。
確かにしんどい場所は何カ所かありましたが、必死にこいで、自分の足だけで上れたときが最高に気持ちいい。頑張ってきたからこその絶景が目の前に広がっている。登山と同じ感覚かもしれませんね。実は今回、「立ち漕ぎはしない」と決めて走りました。きつかったけど、しんどかったけれど、だからこそ楽しいし気持ちいいし、感動もひとしおでした。
真剣に向き合ってくれた監督の言葉が今も支えに
――15年余り続けてきた俳優活動も、しんどい上り坂や難所があったのでは。分岐点となった作品や出会いはありますか?
18歳のときに出演した映画『M』の廣木隆一監督との出会いは、役者としてやっていく上で大きなターニングポイントになりました。当時の僕はまだ熊本に住んでおり、撮影のために東京に通っていました。今でも人前でセリフを言うのは緊張しますが、若くて役者としてもまだまだ駆け出しで、緊張と恥ずかしさでいっぱいでした。「演じる」とは何かもわからない、なんのテクニックもない。そんな僕に、廣木監督はこんな言葉をかけてくれました。
「役としてちゃんとその場にいなさい」
どういう意味だろう? とものすごく考えました。そして、僕の中から役が生まれ自分のものとして演じられるようになることを、監督は待っていてくれた。そのときの感覚は今も大切にしていて、「この役としてどういよう」「どうしたら説得力が出るか」は、どの作品でも常に心に留め、考え、準備をして取り組んでいます。
今思えば、18歳のガキに向き合い、真剣な言葉をかけていただけたのは大きかったなぁと。学生のころってどこか大人をナメているものだけど、廣木監督の言葉で大人に対する印象もガラリと変わりました。
――今回は「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series GMT」を身につけて走っていただきました。普段、腕時計は使っていますか?
何本か持っています。以前は、スマホで確認しようが腕時計を見ようが、時間さえわかれば正直どちらでもいいと思っていました。でも、あるとき「こっち(腕時計)だわ」と思えたことがあって。なんていうのかな、もう一つ「味」がほしかった。以来、シチュエーションや気分で腕時計を選ぶことを楽しんでいます。
こだわりは「自分の腕にどう収まるか」。デザインや機能、つけ心地はもちろんですが、いい具合の収まり方があるんです。今回の時計はケースサイズが42.2mmで、腕がそんなに太くない僕にはちょっと大きいかな? と思ったんです。でも着けてみるとものすごく収まりがいい。それなりに厚さもあるのに、このしっくりと収まる感じは初めての感覚でした。
着け心地もとてもよかった。僕はあまり気にせずにガシガシ使いたいタイプ。ちょっと傷がついているぐらいがかっこいいと思っているので。今回のサイクリングのようにアクティブなシーンにもピッタリですね。
――ほかにはどんなシチュエーションで着けてみたいですか?
スタイリッシュなデザインだからスーツにも合うと思います。旅先でサイクリングするときはもちろん、ちょっとフォーマルなレストランに行くときなどにもいいですね。また、GMT機能(時針、分針、秒針の3本に加わる4本目の24時針=GMT針によって、もう一つの時刻を表示する機能)が搭載されているので、海外旅行に連れていったら大活躍してくれるに違いありません。
時間は有限。限りあるなかで挑戦を続けたい
――コロナ禍に見舞われ、世界中の人々がこれまでとは違う時間を過ごしています。改めて「時間」「時」をどうとらえていますか?
時間は有限。人生は1回限りでいつかは終わる。その感覚は以前から持っていましたが、より強くそう感じるようになったかもしれません。もちろん、今はコロナで我慢しなければいけないことも多いけど、やりたいこと、行きたいところがあったら、僕はできるだけすぐに行動したいと思っています。40代になったら、50代になったら……というお楽しみもあるけれど、そこまで生きているかなんてわからないから。
それに年齢を重ねるうちに時間の流れがどんどん速くなっている。あっという間にすぎていく。そんな風にも感じています。でも、それは当たり前のことで、ネガティブにはとらえていません。残されている時間が限られているからと、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと焦ったりはしない。今読んでいる本を、今日は昨日よりも1行読み進めることができた……。そのぐらいの感じがいい、と思っています。
――俳優として、これからどんな景色を描いていますか。
外国の人と関われたらいいなと思っています。運とチャンスに恵まれるのなら、海外作品に参加してみたい。そう願っています。
役者の世界に関わらず、僕のまわりには挑戦し続けている大人たちがいる。かっこいい大人もいる。その影響は大きくて、僕も「歳をとる」よりも「歳を重ねて」いきたい。いい枯れ方をしていきたい。限りある「時間」の中で、いろいろな挑戦をポジティブに続けていきたいですね。
(文・中津海麻子 写真・高橋雄大)
※今回の企画は、新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で取材・撮影を行いました。
https://t.cn/A6Mv3h8T
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