中谷美紀さんins
台風が接近中とのこと、災禍が最小限に止まりますようお祈りいたしております。
早速ですが、東映70周年記念映画「THE LEGEND&BUTTERFLY」へ出演させていただきますことを、ご報告申し上げます。
古沢良太さんの笑いあり、涙ありの脚本を礎に、かつてNHKのドラマ「白洲次郎」にて、大変お世話になった大友啓史監督がメガホンを取り、東映が長きにわたり培って来た叡智と技術の集大成とも言える本作は戦国時代を舞台に織田信長と、その正室濃姫の愛の物語です。
織田信長に扮するのは、TBSのドラマ「織田信長天下を取ったバカ」以来25年ぶりに、再び猛々しい姿で孤高のもののふとして、抑制の効いた自然な演技でスクリーンを席巻する木村拓哉さん。
そして、父、斎藤道三に渡された懐刀を胸に、信長の寝首を掻くこともいとわずに政略結婚をさせられながら、いつしか殿の愛を求め、孤独にもだえる濃姫を情感豊かに演じる綾瀬はるかさん。
25年前は濃姫を演じさせていただいた私も、齢を重ねまして、演技者としても、ひとりの人間としても大好きな綾瀬はるかさん演じる濃姫にお仕えする侍従頭である各務野(かがみの)を演じております。
10代で信長の元に渋々嫁ぐ濃姫のお転婆ぶりがかわいらしく、封建的な世にもかかわらず、殿の面子お構いなしで自己主張を堂々とする姿にはハラハラさせられ、それでいて、次第に信長に惹かれつつも、素直になれず、いつまでもお互いの距離を縮めることのできないもどかしさが、愛おしくありました。
木村拓哉さんから放たれるオーラと、戦の背景を背負った殺気に、スタッフ、キャストが自然と追随し、綾瀬はるかさんの歳を追うごとに変容する佇まいを息を呑んで見つめるような緊張感のある現場でした。
その一方で、常に数百名がうごめく大所帯にもかかわらず、チームワークは大変よろしく、笑いが止まらなくなる場面も度々ありました。
共演には、伊藤英明さん、宮沢氷魚さん、市川染五郎さん、北大路欣也さんが名を連ねています。
これまで、「龍馬伝」や「るろうに剣心」など、時代劇の常識をことごとく破り、新たな時代を切り拓いていらした大友監督の作品ですから、紋切り型のお行儀のよろしい時代劇になるはずはなく、壮大なスケールの人間味溢れる作品に仕上がっていることと思います。
「THE LEGEND&BUTTERFLY」は、2023年1月23日より全国公開となります。
ぜひご期待くださいませ。
皆様のご無事を切に願いつつ…..。
台風が接近中とのこと、災禍が最小限に止まりますようお祈りいたしております。
早速ですが、東映70周年記念映画「THE LEGEND&BUTTERFLY」へ出演させていただきますことを、ご報告申し上げます。
古沢良太さんの笑いあり、涙ありの脚本を礎に、かつてNHKのドラマ「白洲次郎」にて、大変お世話になった大友啓史監督がメガホンを取り、東映が長きにわたり培って来た叡智と技術の集大成とも言える本作は戦国時代を舞台に織田信長と、その正室濃姫の愛の物語です。
織田信長に扮するのは、TBSのドラマ「織田信長天下を取ったバカ」以来25年ぶりに、再び猛々しい姿で孤高のもののふとして、抑制の効いた自然な演技でスクリーンを席巻する木村拓哉さん。
そして、父、斎藤道三に渡された懐刀を胸に、信長の寝首を掻くこともいとわずに政略結婚をさせられながら、いつしか殿の愛を求め、孤独にもだえる濃姫を情感豊かに演じる綾瀬はるかさん。
25年前は濃姫を演じさせていただいた私も、齢を重ねまして、演技者としても、ひとりの人間としても大好きな綾瀬はるかさん演じる濃姫にお仕えする侍従頭である各務野(かがみの)を演じております。
10代で信長の元に渋々嫁ぐ濃姫のお転婆ぶりがかわいらしく、封建的な世にもかかわらず、殿の面子お構いなしで自己主張を堂々とする姿にはハラハラさせられ、それでいて、次第に信長に惹かれつつも、素直になれず、いつまでもお互いの距離を縮めることのできないもどかしさが、愛おしくありました。
木村拓哉さんから放たれるオーラと、戦の背景を背負った殺気に、スタッフ、キャストが自然と追随し、綾瀬はるかさんの歳を追うごとに変容する佇まいを息を呑んで見つめるような緊張感のある現場でした。
その一方で、常に数百名がうごめく大所帯にもかかわらず、チームワークは大変よろしく、笑いが止まらなくなる場面も度々ありました。
共演には、伊藤英明さん、宮沢氷魚さん、市川染五郎さん、北大路欣也さんが名を連ねています。
これまで、「龍馬伝」や「るろうに剣心」など、時代劇の常識をことごとく破り、新たな時代を切り拓いていらした大友監督の作品ですから、紋切り型のお行儀のよろしい時代劇になるはずはなく、壮大なスケールの人間味溢れる作品に仕上がっていることと思います。
「THE LEGEND&BUTTERFLY」は、2023年1月23日より全国公開となります。
ぜひご期待くださいませ。
皆様のご無事を切に願いつつ…..。
这个剧情(゜ロ゜)
☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:**:;;;:*☆*:;;;:
人気グループ・SixTONESの京本大我(27)が、10月スタートの日本テレビ系シンドラ枠『束の間の一花』(毎週月曜 深0:59)で連ドラ単独初主演を務めることが決定した。余命宣告を受けている「哲学講師」と「生徒」、いつ終わりを迎えるかわからない日々を過ごすふたりの儚(はかな)くも温かい“束の間”の恋の物語。ヒロインには、藤原さくら(26)が起用された。
千田原一花(せんだわら・いちか/藤原)は、高校2年の春、医師から余命2年の宣告を受ける。その宣告期間を越えた一花は、いつ終わりを迎えるか分からない日々を過ごしながら大学生となる。そこで“生きる希望”となる哲学講師の萬木昭史先生(ゆるぎ・あきふみ/京本)に出会う。哲学講師の萬木は、優しく「生きる意味」を授業で説く。一花は萬木の講師室に通い詰め、2人は次第に距離を縮める。
「先生がいればずっと生きていられる気がする」。しかし、萬木先生はある日突然、大学を辞め、一花の前から姿を消す。探しに探して、やっと会えた先生は「死ぬんだってさ、俺。くたばり損ないってやつだ」。奇しくも余命宣告をされた同じ境遇のふたり。ほかの人にはわからない痛みを分かち合い、お互いが生きる希望になれるのか。どんなに頑張ってもこの恋は死んでしまうのか。何気ない日常を、これまでよりもっと大事に思えるラブストーリーをつむいでいく。
京本演じる萬木は大学で穏やかな日々を送りながら哲学を教える講師。「単位ゆるゆるのユルギ」と授業は人気だが、聞いている生徒は少ない。唯一、真面目に授業を受ける一花と交流を深めるが、ある日余命宣告を受け大学を辞職する。
一方、藤原演じる一花は3年前に「余命2年」と宣告された女子大生。病気を感じさせない元気で明るい性格。大学入学初日に、親切にしてくれた男性が「ユルギ先生」と知り、授業を選択し距離を縮める。それは一花にとって萬木が「生きる喜びと力」と感じたからだった。
■キャスト・スタッフコメント
▼京本大我(SixTONES)萬木昭史役
久しぶりにいただいたドラマが主演ということに、まずびっくりしました。自分としては生徒役もそんなに演じてきたこともなかったので、いきなり先生役ということでちょっとハードルを感じます。でも今、27歳だからこそできる演技で挑みたいなと思います。
萬木は余命宣告を受けたことによって、より周りとの環境を遮断してしまうような、孤独を自ら選んでいこうとするキャラクターですが、僕自身、特別「ワー」って明るいタイプじゃなかったり「友達いっぱい作ろうぜ」っていうキャラクターでもないので、萬木の感じは等身大でいけるかなと思っています。
このお話はー見悲しそうに感じられると思いますが、一花という明るいキャラクターが側にいてくれるからこそ、萬木の気持ちもどんどん前に向いて、一緒に今を生きていこう、今を大事に生きていこうという間違いなくカ強い、明るいエネルギーがたくさん詰まっています。きっと見ていただける皆さんに活かというか、すごく大きなパワーを与えられるすてきな作品だと思っていますので、ぜひ見てください!!
▼藤原さくら・千田原一花
実は数年前にこの原作を読んでいて、友達と「すごく面白かったよね」という話をしていたので、最初に出演のお話をいただいたときは率直にびっくりしました。今まで演じたことがないような、前向きでとても明るいはつらつな役で、積極的に先生にアタックするようなところも、演じるのがすごく楽しみです。
余命宣告されたらきっと塞ぎこんじゃう人が多いと思うんですけど、ちょっと一花ちゃんは変わっていて、それでも毎日生きることを楽しんでいる女の子だなと思いました。病気とどう向き合うかということより、好きな人ができて、毎日が明るく、そのことが生きがいになっていく所に焦点をあてていきたいと思いました。
見てくださる視聴者の皆さんの身の回りの家族だったり、恋人だったり、友達との時間が、かけがえのないものに感じられる作品になるように、私たちも頑張って演じさせていただきたいと思います。ぜひご覧ください。
▼タダノなつ(原作)
ドラマ化の知らせを聞いたとき寝起きでしたので、まだ夢のような心地です!
連載を始める時、自分の死について深く考える機会があったのですが、世界のやさしさに対して死って怖すぎるということに思い当たりました。人生の終わりは理不尽で救いようのないものだと思いたくないー心で描いていたような記憶があります。
そんな『東の間の一花』にまた息を吹き込んでいただけること、主人公たちの新たな人生を見られることがうれしくて仕方がありません。
私にとって大切な物語になることを確信しています。楽しみです…!
▼大井章生プロデューサー
このドラマは、何気ない日常をこれまでよりもっと大事に思える、そんな物語だと思います。でも暗いお話ではなくて、明るくて前向きで。一花にとって萬木先生は余命を伸ばしてしまうぐらい生きる希望で。萬木もまたそんなー花に再会して生きる意味をみつけて…「人を好きになる」こんなにも人生を輝かせる。そう思わせてくれる2人の恋の物語に共感して、見ていただいた方の心に何かポッと灯るものがあれば、これ以上のことはありません!京本さんがどのように孤独な哲学講師・萬木を演じてくださるのか私も楽しみですし、藤原さんが今まで演じたことのない役どころの一花を演じる姿もワクワクです!ぜひご覧ください!
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人気グループ・SixTONESの京本大我(27)が、10月スタートの日本テレビ系シンドラ枠『束の間の一花』(毎週月曜 深0:59)で連ドラ単独初主演を務めることが決定した。余命宣告を受けている「哲学講師」と「生徒」、いつ終わりを迎えるかわからない日々を過ごすふたりの儚(はかな)くも温かい“束の間”の恋の物語。ヒロインには、藤原さくら(26)が起用された。
千田原一花(せんだわら・いちか/藤原)は、高校2年の春、医師から余命2年の宣告を受ける。その宣告期間を越えた一花は、いつ終わりを迎えるか分からない日々を過ごしながら大学生となる。そこで“生きる希望”となる哲学講師の萬木昭史先生(ゆるぎ・あきふみ/京本)に出会う。哲学講師の萬木は、優しく「生きる意味」を授業で説く。一花は萬木の講師室に通い詰め、2人は次第に距離を縮める。
「先生がいればずっと生きていられる気がする」。しかし、萬木先生はある日突然、大学を辞め、一花の前から姿を消す。探しに探して、やっと会えた先生は「死ぬんだってさ、俺。くたばり損ないってやつだ」。奇しくも余命宣告をされた同じ境遇のふたり。ほかの人にはわからない痛みを分かち合い、お互いが生きる希望になれるのか。どんなに頑張ってもこの恋は死んでしまうのか。何気ない日常を、これまでよりもっと大事に思えるラブストーリーをつむいでいく。
京本演じる萬木は大学で穏やかな日々を送りながら哲学を教える講師。「単位ゆるゆるのユルギ」と授業は人気だが、聞いている生徒は少ない。唯一、真面目に授業を受ける一花と交流を深めるが、ある日余命宣告を受け大学を辞職する。
一方、藤原演じる一花は3年前に「余命2年」と宣告された女子大生。病気を感じさせない元気で明るい性格。大学入学初日に、親切にしてくれた男性が「ユルギ先生」と知り、授業を選択し距離を縮める。それは一花にとって萬木が「生きる喜びと力」と感じたからだった。
■キャスト・スタッフコメント
▼京本大我(SixTONES)萬木昭史役
久しぶりにいただいたドラマが主演ということに、まずびっくりしました。自分としては生徒役もそんなに演じてきたこともなかったので、いきなり先生役ということでちょっとハードルを感じます。でも今、27歳だからこそできる演技で挑みたいなと思います。
萬木は余命宣告を受けたことによって、より周りとの環境を遮断してしまうような、孤独を自ら選んでいこうとするキャラクターですが、僕自身、特別「ワー」って明るいタイプじゃなかったり「友達いっぱい作ろうぜ」っていうキャラクターでもないので、萬木の感じは等身大でいけるかなと思っています。
このお話はー見悲しそうに感じられると思いますが、一花という明るいキャラクターが側にいてくれるからこそ、萬木の気持ちもどんどん前に向いて、一緒に今を生きていこう、今を大事に生きていこうという間違いなくカ強い、明るいエネルギーがたくさん詰まっています。きっと見ていただける皆さんに活かというか、すごく大きなパワーを与えられるすてきな作品だと思っていますので、ぜひ見てください!!
▼藤原さくら・千田原一花
実は数年前にこの原作を読んでいて、友達と「すごく面白かったよね」という話をしていたので、最初に出演のお話をいただいたときは率直にびっくりしました。今まで演じたことがないような、前向きでとても明るいはつらつな役で、積極的に先生にアタックするようなところも、演じるのがすごく楽しみです。
余命宣告されたらきっと塞ぎこんじゃう人が多いと思うんですけど、ちょっと一花ちゃんは変わっていて、それでも毎日生きることを楽しんでいる女の子だなと思いました。病気とどう向き合うかということより、好きな人ができて、毎日が明るく、そのことが生きがいになっていく所に焦点をあてていきたいと思いました。
見てくださる視聴者の皆さんの身の回りの家族だったり、恋人だったり、友達との時間が、かけがえのないものに感じられる作品になるように、私たちも頑張って演じさせていただきたいと思います。ぜひご覧ください。
▼タダノなつ(原作)
ドラマ化の知らせを聞いたとき寝起きでしたので、まだ夢のような心地です!
連載を始める時、自分の死について深く考える機会があったのですが、世界のやさしさに対して死って怖すぎるということに思い当たりました。人生の終わりは理不尽で救いようのないものだと思いたくないー心で描いていたような記憶があります。
そんな『東の間の一花』にまた息を吹き込んでいただけること、主人公たちの新たな人生を見られることがうれしくて仕方がありません。
私にとって大切な物語になることを確信しています。楽しみです…!
▼大井章生プロデューサー
このドラマは、何気ない日常をこれまでよりもっと大事に思える、そんな物語だと思います。でも暗いお話ではなくて、明るくて前向きで。一花にとって萬木先生は余命を伸ばしてしまうぐらい生きる希望で。萬木もまたそんなー花に再会して生きる意味をみつけて…「人を好きになる」こんなにも人生を輝かせる。そう思わせてくれる2人の恋の物語に共感して、見ていただいた方の心に何かポッと灯るものがあれば、これ以上のことはありません!京本さんがどのように孤独な哲学講師・萬木を演じてくださるのか私も楽しみですし、藤原さんが今まで演じたことのない役どころの一花を演じる姿もワクワクです!ぜひご覧ください!
my family受赏 脚本赏
黑岩勉 访问全文
「マイファミリー」で脚本賞を初受賞した感想を聞かせてください。
選んでいただいて、ありがとうございます。「週刊ザテレビジョン」は高校時代、お金がない中で買って読んでいただけに、すごくうれしいです。これまで脚本を担当した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年、TBS系)が作品賞を取ったときもうれしかったですが、脚本賞では縁がないのかなと思っていました。
「マイファミリー」は連続ドラマの新しいフォーマットを見せるという挑戦をした作品だったので、脚本を評価していただいたのはありがたいです。
投票した審査員や記者からは「連続ドラマの特性を生かし、事件を決着させながら次へとつないでいく展開が見事だった」と評価されました。原作のないドラマオリジナルですが、そもそもこの物語はどうやって発想したのですか?
昔から誘拐事件を描くサスペンスが好きで、誘拐ものがやりたかったんです。それを全10話の連続ドラマでやってみようと思いました。誘拐ものは映画のフォーマットには当てはまりやすいけれど、連続ドラマでは一つの事件で引っ張るのは難しい。何か新しいフォーマットを作れればいいなと考えたのが始まりでした。
リアルタイムで連続誘拐事件を見ているような感じで、1回も休みを入れずに作れるように構成を考えました。そして、二宮和也さんが主演だということも早い段階で決まったので、主人公・鳴沢温人のキャラクターは基本的に二宮さんに“当て書き”をしました。
温人は最初、娘を誘拐された“被害者”だったのに、第4話以降、犯人に利用され、まるで“共犯者”のような立場になってしまいます。そこが誘拐ものとして斬新でしたね。
僕も主人公の立場が入れ替わるところがポイントだと思いました。被害者だったはずが、犯人が誰だか分からないままにどんどん巻き込まれていく。そして、「マイファミリー」のタイトルどおり、犯人から「私たちはファミリーですから」と言われ仲間として扱われてしまう場面が一番ゾッとするところになるので、中盤のピークに持っていこうと考えました。
その後も温人の周囲の人が誘拐され、二転三転して最後に真犯人が判明しましたが、この展開は第1話執筆時から決めていましたか?
そうですね。最初の段階で結末までのプロットは完成していました。だから、脚本に取り掛かってから「どういう展開にしよう」と悩むことはなかったのですが、真相が明らかになるタイミングは悩みました。
東堂(濱田岳)の娘が過去に誘拐されたことはどの段階で明かすか、東堂はいつ自分の罪を告白するのか、それらを同時に伝えるのか小出しにするのかなど…。ドラマの撮影が始まると、役者さんの演技によってそこは調整しましたし、隠してもしょうがない部分は早めに明かすなど、いろいろ考えました。
スマホの通信機能やゲームアプリなどを駆使した展開は、考えるのが大変だったのではないでしょうか。
実は令和になってから身代金目的の誘拐事件は発生していないんですよね。昭和から平成の初期までしか起きていない。これだけ防犯カメラが多くなり、GPS追跡システムが発達し、ほとんどの人がスマホを持っている。そんな中で、誘拐事件が起きたらどうなるかということは、何度もシミュレーションしました。
犯人からの電話連絡も「無機質で無感情な声が最も怖いのでは」と思い、これまでのドラマではボイスチェンジャーを使っていたところを、AIによるテキスト読み上げ機能という設定にしました。
視聴者の皆さんも「誘拐犯は誰なのか」と盛り上がっていましたね。
その反応は感じていました。ただ、プロデューサーさんたちと一致していたのは「考察ドラマにはならないようにしよう」ということ。誘拐事件が起きてしまうけれど、結果的にそれによって各家族の絆が強くなる。温人の会社の仲間を含めてファミリーが絆を深める話にしたかった。
元々、この連続誘拐事件は一人の女の子が「家庭を壊したくない」と思ったことから始まっているわけで、その子の家はハッピーになれなかったけれど、彼女のその強い思いが、最終的にいろいろな家族を幸せに導いたというように見えればいいなとも思っていました。
ところで、黒岩さんは、こういったアクション・サスペンス作も書く一方で、アニメ「ONE PIECE」の脚本を手掛けたり、前作「消えた初恋」(2021年、テレビ朝日系)ではボーイズラブ(BL)に挑戦したりするなど、ジャンルレスに仕事をしてらっしゃいますね。
意識的に違うジャンルを選んでいるわけではないけれど、一つのジャンルしかできない人と思われたくはない。どんなジャンルも書ける作家になりたいですね。
以前から「ラブコメを書きたい」とも言ってきたんですが、なかなかチャンスがなく、「消えた初恋」は「深夜枠でBLですがラブコメです」と振っていただいたので、二つ返事で引き受けました。BLというジャンルではあったけれど、人間愛というか、「人を好きになるって素晴らしいことだよね」ということを描いたつもりです。
「マイファミリー」もそうですよね。サスペンス要素はあるけれど、家族愛で人間愛。「TOKYO MER―」もコロナ禍の中、奮闘している医療従事者の姿を描きたいという思いがありました。脚本家になったばかりの頃は、展開や構成に一番、興味があったんですけれど、最近は歳を取ったからか、人間ドラマを描きたいという思いが強くなりましたね。
2022年4月クールはTVerでの全局ライブ配信が始まる一方、地上波でのドラマ視聴率が全体的に下がってしまうなど、動きがありました。ドラマの作り手として、この状況をどう見ていますか?
そうですね。僕らドラマの脚本家は芸術家ではないので、世の中が求めている商品を作らないといけない。では、「求められているものは何か?」と考えると、やっぱりシンプルな家族の物語というよりは、もうちょっとスピード感のあるパッケージでないと見てもらえないだろうなと…。今回は、その仕掛けを作ったことで、根底にある家族のドラマを見てもらえたらという挑戦でした。
よく言われるように、TVerも録画視聴もあるから、「もはや視聴率は関係ないのか?」と考えると、やはり作り手には数字が宿命としてつきまとうし、「どうやってリアルタイムで見てもらうのか」という工夫を放棄してしまうのは違うという気がしますね。それを放棄したら、ドラマはどんどんダメになっていくような気がして、すごく怖い。
「マイファミリー」は4月クールで平均視聴率トップ。最終回の視聴率は16%を超えました。どうしたらこんなヒット作を作れるのでしょうか?
僕が偉そうに言うことではないですけど、やっぱり諦めずに工夫をするしかないですね。エンターテインメントとして工夫する、全てのシーンを面白くするという意気込みで作るしかないんですよね。
今は、面白いものが他にもたくさんあるから、一瞬でも「面白くない」と思われてしまう隙(すき)があると、見る人はそっぽを向いてしまう。テレビ屋にとっては本当にきつい状況だけれど、やっていくしかない。
そうやって、ドラマの作り手はみんな頑張っているとは思うけれど、特にこの日曜劇場枠はキャスト、スタッフの皆さんが深いこだわりを持ってクオリティーを追求してくれるので、脚本を書く立場としても喜びが大きい。今回、良いチームで仕事できたことが本当にうれしかったです。
黑岩勉 访问全文
「マイファミリー」で脚本賞を初受賞した感想を聞かせてください。
選んでいただいて、ありがとうございます。「週刊ザテレビジョン」は高校時代、お金がない中で買って読んでいただけに、すごくうれしいです。これまで脚本を担当した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年、TBS系)が作品賞を取ったときもうれしかったですが、脚本賞では縁がないのかなと思っていました。
「マイファミリー」は連続ドラマの新しいフォーマットを見せるという挑戦をした作品だったので、脚本を評価していただいたのはありがたいです。
投票した審査員や記者からは「連続ドラマの特性を生かし、事件を決着させながら次へとつないでいく展開が見事だった」と評価されました。原作のないドラマオリジナルですが、そもそもこの物語はどうやって発想したのですか?
昔から誘拐事件を描くサスペンスが好きで、誘拐ものがやりたかったんです。それを全10話の連続ドラマでやってみようと思いました。誘拐ものは映画のフォーマットには当てはまりやすいけれど、連続ドラマでは一つの事件で引っ張るのは難しい。何か新しいフォーマットを作れればいいなと考えたのが始まりでした。
リアルタイムで連続誘拐事件を見ているような感じで、1回も休みを入れずに作れるように構成を考えました。そして、二宮和也さんが主演だということも早い段階で決まったので、主人公・鳴沢温人のキャラクターは基本的に二宮さんに“当て書き”をしました。
温人は最初、娘を誘拐された“被害者”だったのに、第4話以降、犯人に利用され、まるで“共犯者”のような立場になってしまいます。そこが誘拐ものとして斬新でしたね。
僕も主人公の立場が入れ替わるところがポイントだと思いました。被害者だったはずが、犯人が誰だか分からないままにどんどん巻き込まれていく。そして、「マイファミリー」のタイトルどおり、犯人から「私たちはファミリーですから」と言われ仲間として扱われてしまう場面が一番ゾッとするところになるので、中盤のピークに持っていこうと考えました。
その後も温人の周囲の人が誘拐され、二転三転して最後に真犯人が判明しましたが、この展開は第1話執筆時から決めていましたか?
そうですね。最初の段階で結末までのプロットは完成していました。だから、脚本に取り掛かってから「どういう展開にしよう」と悩むことはなかったのですが、真相が明らかになるタイミングは悩みました。
東堂(濱田岳)の娘が過去に誘拐されたことはどの段階で明かすか、東堂はいつ自分の罪を告白するのか、それらを同時に伝えるのか小出しにするのかなど…。ドラマの撮影が始まると、役者さんの演技によってそこは調整しましたし、隠してもしょうがない部分は早めに明かすなど、いろいろ考えました。
スマホの通信機能やゲームアプリなどを駆使した展開は、考えるのが大変だったのではないでしょうか。
実は令和になってから身代金目的の誘拐事件は発生していないんですよね。昭和から平成の初期までしか起きていない。これだけ防犯カメラが多くなり、GPS追跡システムが発達し、ほとんどの人がスマホを持っている。そんな中で、誘拐事件が起きたらどうなるかということは、何度もシミュレーションしました。
犯人からの電話連絡も「無機質で無感情な声が最も怖いのでは」と思い、これまでのドラマではボイスチェンジャーを使っていたところを、AIによるテキスト読み上げ機能という設定にしました。
視聴者の皆さんも「誘拐犯は誰なのか」と盛り上がっていましたね。
その反応は感じていました。ただ、プロデューサーさんたちと一致していたのは「考察ドラマにはならないようにしよう」ということ。誘拐事件が起きてしまうけれど、結果的にそれによって各家族の絆が強くなる。温人の会社の仲間を含めてファミリーが絆を深める話にしたかった。
元々、この連続誘拐事件は一人の女の子が「家庭を壊したくない」と思ったことから始まっているわけで、その子の家はハッピーになれなかったけれど、彼女のその強い思いが、最終的にいろいろな家族を幸せに導いたというように見えればいいなとも思っていました。
ところで、黒岩さんは、こういったアクション・サスペンス作も書く一方で、アニメ「ONE PIECE」の脚本を手掛けたり、前作「消えた初恋」(2021年、テレビ朝日系)ではボーイズラブ(BL)に挑戦したりするなど、ジャンルレスに仕事をしてらっしゃいますね。
意識的に違うジャンルを選んでいるわけではないけれど、一つのジャンルしかできない人と思われたくはない。どんなジャンルも書ける作家になりたいですね。
以前から「ラブコメを書きたい」とも言ってきたんですが、なかなかチャンスがなく、「消えた初恋」は「深夜枠でBLですがラブコメです」と振っていただいたので、二つ返事で引き受けました。BLというジャンルではあったけれど、人間愛というか、「人を好きになるって素晴らしいことだよね」ということを描いたつもりです。
「マイファミリー」もそうですよね。サスペンス要素はあるけれど、家族愛で人間愛。「TOKYO MER―」もコロナ禍の中、奮闘している医療従事者の姿を描きたいという思いがありました。脚本家になったばかりの頃は、展開や構成に一番、興味があったんですけれど、最近は歳を取ったからか、人間ドラマを描きたいという思いが強くなりましたね。
2022年4月クールはTVerでの全局ライブ配信が始まる一方、地上波でのドラマ視聴率が全体的に下がってしまうなど、動きがありました。ドラマの作り手として、この状況をどう見ていますか?
そうですね。僕らドラマの脚本家は芸術家ではないので、世の中が求めている商品を作らないといけない。では、「求められているものは何か?」と考えると、やっぱりシンプルな家族の物語というよりは、もうちょっとスピード感のあるパッケージでないと見てもらえないだろうなと…。今回は、その仕掛けを作ったことで、根底にある家族のドラマを見てもらえたらという挑戦でした。
よく言われるように、TVerも録画視聴もあるから、「もはや視聴率は関係ないのか?」と考えると、やはり作り手には数字が宿命としてつきまとうし、「どうやってリアルタイムで見てもらうのか」という工夫を放棄してしまうのは違うという気がしますね。それを放棄したら、ドラマはどんどんダメになっていくような気がして、すごく怖い。
「マイファミリー」は4月クールで平均視聴率トップ。最終回の視聴率は16%を超えました。どうしたらこんなヒット作を作れるのでしょうか?
僕が偉そうに言うことではないですけど、やっぱり諦めずに工夫をするしかないですね。エンターテインメントとして工夫する、全てのシーンを面白くするという意気込みで作るしかないんですよね。
今は、面白いものが他にもたくさんあるから、一瞬でも「面白くない」と思われてしまう隙(すき)があると、見る人はそっぽを向いてしまう。テレビ屋にとっては本当にきつい状況だけれど、やっていくしかない。
そうやって、ドラマの作り手はみんな頑張っているとは思うけれど、特にこの日曜劇場枠はキャスト、スタッフの皆さんが深いこだわりを持ってクオリティーを追求してくれるので、脚本を書く立場としても喜びが大きい。今回、良いチームで仕事できたことが本当にうれしかったです。
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