用什么样的词来形容乌江寨的初秋呢?请看图给词~
[照相机] 雾是这寨中最美的景,清晨的第一缕阳光洒向寨里,雾气萦绕
[浮云]阁楼低处,几许青植隐露,如披上一层白雾轻纱,迷恋着,缭绕着
[微风]踏着青石,漫步于市井长巷,望一角惊一景,是雾满阁楼,是光照碧波,是瓦楼檐角
[太阳]每一方青石,每一片瓦黛,每一扇木门都在秋声里映画着自己的痕迹,四舍板壁上荡漾开的一圈又一圈水渍波纹……
#初秋纪念册# #记录美好生活# #你好乌江寨#
[照相机] 雾是这寨中最美的景,清晨的第一缕阳光洒向寨里,雾气萦绕
[浮云]阁楼低处,几许青植隐露,如披上一层白雾轻纱,迷恋着,缭绕着
[微风]踏着青石,漫步于市井长巷,望一角惊一景,是雾满阁楼,是光照碧波,是瓦楼檐角
[太阳]每一方青石,每一片瓦黛,每一扇木门都在秋声里映画着自己的痕迹,四舍板壁上荡漾开的一圈又一圈水渍波纹……
#初秋纪念册# #记录美好生活# #你好乌江寨#
#八木勇征[超话]#
八木勇征が舞台『脳内ポイズンベリー』で観客に届けたい「最高の時間」
animageplus.jp/articles/detail/46453
――もともと作品をご存知だったそうですね。
八木 最初に映画を観て、それから原作漫画を読みました。前にも舞台化されていたことは、今回の出演が決まってから知ったのですが、その舞台の映像はあえて観ていません。今は自分の吉田を作らなきゃいけないので。だから今回の公演が終わってから観るのもいいなと思っています。
――映画とはまた違う舞台版ならではの魅力や、舞台だからこそ面白いという部分をお聞かせください。
八木 いちこたち現実の世界と、僕たち脳内組とのお芝居の掛け合いですね。細かいセリフのバトンパスは見どころだと思います。生でやるからこそ本当にチームプレーが必要で、一人一人の芝居の歯車が全部かみ合うことで成り立っている舞台だなと、稽古を重ねていく中で感じています。観る時は、「いちこと越智さんと早乙女くんたちのやりとり」が現実の世界で、「僕たち脳内組がやっている会議」は、いちこの頭の中で今、起こっていること、そういった形で観ていただけると分かりやすいと思います。
――いちこの心情描写を脳内の住人による会議で表現するというのは、舞台向きの設定だなと感じました。
八木 「いちこって今こういう感じで越智さんや早乙女くんと喋っているけれど、頭の中ではこういうふうに考えているんだ」と、観ていてすごく分かりやすくなっていると思います。それと、一番最後に越智さんの脳内のシーンもあって。いちこと同じように越智さんの頭の中でも脳内会議が行われていたという見せ方になっているんです。そこは今回の舞台版ならではのシーンなので、原作を読んだ方も新鮮に楽しんでいただけると思います。
――演じられる吉田と共感できるところや、自分と重なる部分はありますか?
八木 人に対して警戒心があるところかな(笑)。
――そうなんですか(笑)。
八木 吉田って、早乙女くんのことは好きだけれど「本当にこの人を信じていいのか」と慎重になったり、早乙女くんの反応が思っていた感じと違った時に「でも好き」と揺れたりするじゃないですか。越智さんの時も、すごく大人だしいい人だからこそ警戒心が強くなったり、ハトコちゃんに「越智さんってどう?」「本当にキュンキュンとかする?」みたいに聞いたりする。そういったところは自分も分かるなと思いました。
――逆にまったく共感できず、役として思いっきり作らないとできない部分などはありましたか?
八木 それはなかったです。擬人化キャラクターといっても人の感情なので、誰しもが思っていることだと思うし。だから「これマジ意味分かんないな」というのはなかったですね。
――ちなみに、八木さんの脳内で思考・感情として一番強いのは?
八木 僕の脳内は<瞬間の衝動>のハトコちゃんが一番強いですね。もちろんネガティブなことを考えたり、ポジティブなことを考えたり……というのはあるんですけど、基本はその場の感情でバッっと決めることが多いです。思い立ったら吉日タイプの即行動派です。
――そうなんですね。では吉田としてではなく、八木さんご自身として主人公のいちこにアドバイスするなら、どんな言葉をかけますか?
八木 アドバイスですか? そうですね、「好きな人に対して、その人を傷つけないための嘘はつかないほうがいいよ」と言いたいですね。自分の気持ちに正直になったほうがいいというのもありますが、優しさの嘘って、本当に正面向かって接したい人には、つくべきじゃないと思うんです。
――芝居する際、舞台と映像ではどのような部分に違いを感じますか? 舞台で演技する時に気をつけることを教えてださい。
八木 映像はレンズの向こうで観てくださってる方に伝わる演技、細かい表情などで伝えるものだと思っていて。一方、舞台は正面だったり、左右だったり、上のほうだったりと様々な角度からたくさんのお客さんが観てくださっています。自分は360度どう見えているんだろうという意識を常に持ちながら、お芝居をしなきゃいけない。演出の佐藤祐市さんに言っていただいたことなんですけど、僕はどうしてもお芝居にのめり込みすぎると、一対一の「面と面の世界」だけでやってしまうことがあったので、そこは特に気をつけなければと思っています。
――では、舞台だからこそ楽しいと感じるところは?
八木 やるたびに、セリフや間、尺がすべて同じタイミングではないところです。そういったところを自分自身で感じるのもすごく楽しいですし、そこに自分が合わせていくのも、他のキャストの方々が合わせていくのも、公演によって違う歯車の噛み合い方をすると思うので、やっていて楽しいな、新鮮だなと思いますね。
八木勇征が舞台『脳内ポイズンベリー』で観客に届けたい「最高の時間」
animageplus.jp/articles/detail/46453
――もともと作品をご存知だったそうですね。
八木 最初に映画を観て、それから原作漫画を読みました。前にも舞台化されていたことは、今回の出演が決まってから知ったのですが、その舞台の映像はあえて観ていません。今は自分の吉田を作らなきゃいけないので。だから今回の公演が終わってから観るのもいいなと思っています。
――映画とはまた違う舞台版ならではの魅力や、舞台だからこそ面白いという部分をお聞かせください。
八木 いちこたち現実の世界と、僕たち脳内組とのお芝居の掛け合いですね。細かいセリフのバトンパスは見どころだと思います。生でやるからこそ本当にチームプレーが必要で、一人一人の芝居の歯車が全部かみ合うことで成り立っている舞台だなと、稽古を重ねていく中で感じています。観る時は、「いちこと越智さんと早乙女くんたちのやりとり」が現実の世界で、「僕たち脳内組がやっている会議」は、いちこの頭の中で今、起こっていること、そういった形で観ていただけると分かりやすいと思います。
――いちこの心情描写を脳内の住人による会議で表現するというのは、舞台向きの設定だなと感じました。
八木 「いちこって今こういう感じで越智さんや早乙女くんと喋っているけれど、頭の中ではこういうふうに考えているんだ」と、観ていてすごく分かりやすくなっていると思います。それと、一番最後に越智さんの脳内のシーンもあって。いちこと同じように越智さんの頭の中でも脳内会議が行われていたという見せ方になっているんです。そこは今回の舞台版ならではのシーンなので、原作を読んだ方も新鮮に楽しんでいただけると思います。
――演じられる吉田と共感できるところや、自分と重なる部分はありますか?
八木 人に対して警戒心があるところかな(笑)。
――そうなんですか(笑)。
八木 吉田って、早乙女くんのことは好きだけれど「本当にこの人を信じていいのか」と慎重になったり、早乙女くんの反応が思っていた感じと違った時に「でも好き」と揺れたりするじゃないですか。越智さんの時も、すごく大人だしいい人だからこそ警戒心が強くなったり、ハトコちゃんに「越智さんってどう?」「本当にキュンキュンとかする?」みたいに聞いたりする。そういったところは自分も分かるなと思いました。
――逆にまったく共感できず、役として思いっきり作らないとできない部分などはありましたか?
八木 それはなかったです。擬人化キャラクターといっても人の感情なので、誰しもが思っていることだと思うし。だから「これマジ意味分かんないな」というのはなかったですね。
――ちなみに、八木さんの脳内で思考・感情として一番強いのは?
八木 僕の脳内は<瞬間の衝動>のハトコちゃんが一番強いですね。もちろんネガティブなことを考えたり、ポジティブなことを考えたり……というのはあるんですけど、基本はその場の感情でバッっと決めることが多いです。思い立ったら吉日タイプの即行動派です。
――そうなんですね。では吉田としてではなく、八木さんご自身として主人公のいちこにアドバイスするなら、どんな言葉をかけますか?
八木 アドバイスですか? そうですね、「好きな人に対して、その人を傷つけないための嘘はつかないほうがいいよ」と言いたいですね。自分の気持ちに正直になったほうがいいというのもありますが、優しさの嘘って、本当に正面向かって接したい人には、つくべきじゃないと思うんです。
――芝居する際、舞台と映像ではどのような部分に違いを感じますか? 舞台で演技する時に気をつけることを教えてださい。
八木 映像はレンズの向こうで観てくださってる方に伝わる演技、細かい表情などで伝えるものだと思っていて。一方、舞台は正面だったり、左右だったり、上のほうだったりと様々な角度からたくさんのお客さんが観てくださっています。自分は360度どう見えているんだろうという意識を常に持ちながら、お芝居をしなきゃいけない。演出の佐藤祐市さんに言っていただいたことなんですけど、僕はどうしてもお芝居にのめり込みすぎると、一対一の「面と面の世界」だけでやってしまうことがあったので、そこは特に気をつけなければと思っています。
――では、舞台だからこそ楽しいと感じるところは?
八木 やるたびに、セリフや間、尺がすべて同じタイミングではないところです。そういったところを自分自身で感じるのもすごく楽しいですし、そこに自分が合わせていくのも、他のキャストの方々が合わせていくのも、公演によって違う歯車の噛み合い方をすると思うので、やっていて楽しいな、新鮮だなと思いますね。
my family受赏 脚本赏
黑岩勉 访问全文
「マイファミリー」で脚本賞を初受賞した感想を聞かせてください。
選んでいただいて、ありがとうございます。「週刊ザテレビジョン」は高校時代、お金がない中で買って読んでいただけに、すごくうれしいです。これまで脚本を担当した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年、TBS系)が作品賞を取ったときもうれしかったですが、脚本賞では縁がないのかなと思っていました。
「マイファミリー」は連続ドラマの新しいフォーマットを見せるという挑戦をした作品だったので、脚本を評価していただいたのはありがたいです。
投票した審査員や記者からは「連続ドラマの特性を生かし、事件を決着させながら次へとつないでいく展開が見事だった」と評価されました。原作のないドラマオリジナルですが、そもそもこの物語はどうやって発想したのですか?
昔から誘拐事件を描くサスペンスが好きで、誘拐ものがやりたかったんです。それを全10話の連続ドラマでやってみようと思いました。誘拐ものは映画のフォーマットには当てはまりやすいけれど、連続ドラマでは一つの事件で引っ張るのは難しい。何か新しいフォーマットを作れればいいなと考えたのが始まりでした。
リアルタイムで連続誘拐事件を見ているような感じで、1回も休みを入れずに作れるように構成を考えました。そして、二宮和也さんが主演だということも早い段階で決まったので、主人公・鳴沢温人のキャラクターは基本的に二宮さんに“当て書き”をしました。
温人は最初、娘を誘拐された“被害者”だったのに、第4話以降、犯人に利用され、まるで“共犯者”のような立場になってしまいます。そこが誘拐ものとして斬新でしたね。
僕も主人公の立場が入れ替わるところがポイントだと思いました。被害者だったはずが、犯人が誰だか分からないままにどんどん巻き込まれていく。そして、「マイファミリー」のタイトルどおり、犯人から「私たちはファミリーですから」と言われ仲間として扱われてしまう場面が一番ゾッとするところになるので、中盤のピークに持っていこうと考えました。
その後も温人の周囲の人が誘拐され、二転三転して最後に真犯人が判明しましたが、この展開は第1話執筆時から決めていましたか?
そうですね。最初の段階で結末までのプロットは完成していました。だから、脚本に取り掛かってから「どういう展開にしよう」と悩むことはなかったのですが、真相が明らかになるタイミングは悩みました。
東堂(濱田岳)の娘が過去に誘拐されたことはどの段階で明かすか、東堂はいつ自分の罪を告白するのか、それらを同時に伝えるのか小出しにするのかなど…。ドラマの撮影が始まると、役者さんの演技によってそこは調整しましたし、隠してもしょうがない部分は早めに明かすなど、いろいろ考えました。
スマホの通信機能やゲームアプリなどを駆使した展開は、考えるのが大変だったのではないでしょうか。
実は令和になってから身代金目的の誘拐事件は発生していないんですよね。昭和から平成の初期までしか起きていない。これだけ防犯カメラが多くなり、GPS追跡システムが発達し、ほとんどの人がスマホを持っている。そんな中で、誘拐事件が起きたらどうなるかということは、何度もシミュレーションしました。
犯人からの電話連絡も「無機質で無感情な声が最も怖いのでは」と思い、これまでのドラマではボイスチェンジャーを使っていたところを、AIによるテキスト読み上げ機能という設定にしました。
視聴者の皆さんも「誘拐犯は誰なのか」と盛り上がっていましたね。
その反応は感じていました。ただ、プロデューサーさんたちと一致していたのは「考察ドラマにはならないようにしよう」ということ。誘拐事件が起きてしまうけれど、結果的にそれによって各家族の絆が強くなる。温人の会社の仲間を含めてファミリーが絆を深める話にしたかった。
元々、この連続誘拐事件は一人の女の子が「家庭を壊したくない」と思ったことから始まっているわけで、その子の家はハッピーになれなかったけれど、彼女のその強い思いが、最終的にいろいろな家族を幸せに導いたというように見えればいいなとも思っていました。
ところで、黒岩さんは、こういったアクション・サスペンス作も書く一方で、アニメ「ONE PIECE」の脚本を手掛けたり、前作「消えた初恋」(2021年、テレビ朝日系)ではボーイズラブ(BL)に挑戦したりするなど、ジャンルレスに仕事をしてらっしゃいますね。
意識的に違うジャンルを選んでいるわけではないけれど、一つのジャンルしかできない人と思われたくはない。どんなジャンルも書ける作家になりたいですね。
以前から「ラブコメを書きたい」とも言ってきたんですが、なかなかチャンスがなく、「消えた初恋」は「深夜枠でBLですがラブコメです」と振っていただいたので、二つ返事で引き受けました。BLというジャンルではあったけれど、人間愛というか、「人を好きになるって素晴らしいことだよね」ということを描いたつもりです。
「マイファミリー」もそうですよね。サスペンス要素はあるけれど、家族愛で人間愛。「TOKYO MER―」もコロナ禍の中、奮闘している医療従事者の姿を描きたいという思いがありました。脚本家になったばかりの頃は、展開や構成に一番、興味があったんですけれど、最近は歳を取ったからか、人間ドラマを描きたいという思いが強くなりましたね。
2022年4月クールはTVerでの全局ライブ配信が始まる一方、地上波でのドラマ視聴率が全体的に下がってしまうなど、動きがありました。ドラマの作り手として、この状況をどう見ていますか?
そうですね。僕らドラマの脚本家は芸術家ではないので、世の中が求めている商品を作らないといけない。では、「求められているものは何か?」と考えると、やっぱりシンプルな家族の物語というよりは、もうちょっとスピード感のあるパッケージでないと見てもらえないだろうなと…。今回は、その仕掛けを作ったことで、根底にある家族のドラマを見てもらえたらという挑戦でした。
よく言われるように、TVerも録画視聴もあるから、「もはや視聴率は関係ないのか?」と考えると、やはり作り手には数字が宿命としてつきまとうし、「どうやってリアルタイムで見てもらうのか」という工夫を放棄してしまうのは違うという気がしますね。それを放棄したら、ドラマはどんどんダメになっていくような気がして、すごく怖い。
「マイファミリー」は4月クールで平均視聴率トップ。最終回の視聴率は16%を超えました。どうしたらこんなヒット作を作れるのでしょうか?
僕が偉そうに言うことではないですけど、やっぱり諦めずに工夫をするしかないですね。エンターテインメントとして工夫する、全てのシーンを面白くするという意気込みで作るしかないんですよね。
今は、面白いものが他にもたくさんあるから、一瞬でも「面白くない」と思われてしまう隙(すき)があると、見る人はそっぽを向いてしまう。テレビ屋にとっては本当にきつい状況だけれど、やっていくしかない。
そうやって、ドラマの作り手はみんな頑張っているとは思うけれど、特にこの日曜劇場枠はキャスト、スタッフの皆さんが深いこだわりを持ってクオリティーを追求してくれるので、脚本を書く立場としても喜びが大きい。今回、良いチームで仕事できたことが本当にうれしかったです。
黑岩勉 访问全文
「マイファミリー」で脚本賞を初受賞した感想を聞かせてください。
選んでいただいて、ありがとうございます。「週刊ザテレビジョン」は高校時代、お金がない中で買って読んでいただけに、すごくうれしいです。これまで脚本を担当した「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年、TBS系)が作品賞を取ったときもうれしかったですが、脚本賞では縁がないのかなと思っていました。
「マイファミリー」は連続ドラマの新しいフォーマットを見せるという挑戦をした作品だったので、脚本を評価していただいたのはありがたいです。
投票した審査員や記者からは「連続ドラマの特性を生かし、事件を決着させながら次へとつないでいく展開が見事だった」と評価されました。原作のないドラマオリジナルですが、そもそもこの物語はどうやって発想したのですか?
昔から誘拐事件を描くサスペンスが好きで、誘拐ものがやりたかったんです。それを全10話の連続ドラマでやってみようと思いました。誘拐ものは映画のフォーマットには当てはまりやすいけれど、連続ドラマでは一つの事件で引っ張るのは難しい。何か新しいフォーマットを作れればいいなと考えたのが始まりでした。
リアルタイムで連続誘拐事件を見ているような感じで、1回も休みを入れずに作れるように構成を考えました。そして、二宮和也さんが主演だということも早い段階で決まったので、主人公・鳴沢温人のキャラクターは基本的に二宮さんに“当て書き”をしました。
温人は最初、娘を誘拐された“被害者”だったのに、第4話以降、犯人に利用され、まるで“共犯者”のような立場になってしまいます。そこが誘拐ものとして斬新でしたね。
僕も主人公の立場が入れ替わるところがポイントだと思いました。被害者だったはずが、犯人が誰だか分からないままにどんどん巻き込まれていく。そして、「マイファミリー」のタイトルどおり、犯人から「私たちはファミリーですから」と言われ仲間として扱われてしまう場面が一番ゾッとするところになるので、中盤のピークに持っていこうと考えました。
その後も温人の周囲の人が誘拐され、二転三転して最後に真犯人が判明しましたが、この展開は第1話執筆時から決めていましたか?
そうですね。最初の段階で結末までのプロットは完成していました。だから、脚本に取り掛かってから「どういう展開にしよう」と悩むことはなかったのですが、真相が明らかになるタイミングは悩みました。
東堂(濱田岳)の娘が過去に誘拐されたことはどの段階で明かすか、東堂はいつ自分の罪を告白するのか、それらを同時に伝えるのか小出しにするのかなど…。ドラマの撮影が始まると、役者さんの演技によってそこは調整しましたし、隠してもしょうがない部分は早めに明かすなど、いろいろ考えました。
スマホの通信機能やゲームアプリなどを駆使した展開は、考えるのが大変だったのではないでしょうか。
実は令和になってから身代金目的の誘拐事件は発生していないんですよね。昭和から平成の初期までしか起きていない。これだけ防犯カメラが多くなり、GPS追跡システムが発達し、ほとんどの人がスマホを持っている。そんな中で、誘拐事件が起きたらどうなるかということは、何度もシミュレーションしました。
犯人からの電話連絡も「無機質で無感情な声が最も怖いのでは」と思い、これまでのドラマではボイスチェンジャーを使っていたところを、AIによるテキスト読み上げ機能という設定にしました。
視聴者の皆さんも「誘拐犯は誰なのか」と盛り上がっていましたね。
その反応は感じていました。ただ、プロデューサーさんたちと一致していたのは「考察ドラマにはならないようにしよう」ということ。誘拐事件が起きてしまうけれど、結果的にそれによって各家族の絆が強くなる。温人の会社の仲間を含めてファミリーが絆を深める話にしたかった。
元々、この連続誘拐事件は一人の女の子が「家庭を壊したくない」と思ったことから始まっているわけで、その子の家はハッピーになれなかったけれど、彼女のその強い思いが、最終的にいろいろな家族を幸せに導いたというように見えればいいなとも思っていました。
ところで、黒岩さんは、こういったアクション・サスペンス作も書く一方で、アニメ「ONE PIECE」の脚本を手掛けたり、前作「消えた初恋」(2021年、テレビ朝日系)ではボーイズラブ(BL)に挑戦したりするなど、ジャンルレスに仕事をしてらっしゃいますね。
意識的に違うジャンルを選んでいるわけではないけれど、一つのジャンルしかできない人と思われたくはない。どんなジャンルも書ける作家になりたいですね。
以前から「ラブコメを書きたい」とも言ってきたんですが、なかなかチャンスがなく、「消えた初恋」は「深夜枠でBLですがラブコメです」と振っていただいたので、二つ返事で引き受けました。BLというジャンルではあったけれど、人間愛というか、「人を好きになるって素晴らしいことだよね」ということを描いたつもりです。
「マイファミリー」もそうですよね。サスペンス要素はあるけれど、家族愛で人間愛。「TOKYO MER―」もコロナ禍の中、奮闘している医療従事者の姿を描きたいという思いがありました。脚本家になったばかりの頃は、展開や構成に一番、興味があったんですけれど、最近は歳を取ったからか、人間ドラマを描きたいという思いが強くなりましたね。
2022年4月クールはTVerでの全局ライブ配信が始まる一方、地上波でのドラマ視聴率が全体的に下がってしまうなど、動きがありました。ドラマの作り手として、この状況をどう見ていますか?
そうですね。僕らドラマの脚本家は芸術家ではないので、世の中が求めている商品を作らないといけない。では、「求められているものは何か?」と考えると、やっぱりシンプルな家族の物語というよりは、もうちょっとスピード感のあるパッケージでないと見てもらえないだろうなと…。今回は、その仕掛けを作ったことで、根底にある家族のドラマを見てもらえたらという挑戦でした。
よく言われるように、TVerも録画視聴もあるから、「もはや視聴率は関係ないのか?」と考えると、やはり作り手には数字が宿命としてつきまとうし、「どうやってリアルタイムで見てもらうのか」という工夫を放棄してしまうのは違うという気がしますね。それを放棄したら、ドラマはどんどんダメになっていくような気がして、すごく怖い。
「マイファミリー」は4月クールで平均視聴率トップ。最終回の視聴率は16%を超えました。どうしたらこんなヒット作を作れるのでしょうか?
僕が偉そうに言うことではないですけど、やっぱり諦めずに工夫をするしかないですね。エンターテインメントとして工夫する、全てのシーンを面白くするという意気込みで作るしかないんですよね。
今は、面白いものが他にもたくさんあるから、一瞬でも「面白くない」と思われてしまう隙(すき)があると、見る人はそっぽを向いてしまう。テレビ屋にとっては本当にきつい状況だけれど、やっていくしかない。
そうやって、ドラマの作り手はみんな頑張っているとは思うけれど、特にこの日曜劇場枠はキャスト、スタッフの皆さんが深いこだわりを持ってクオリティーを追求してくれるので、脚本を書く立場としても喜びが大きい。今回、良いチームで仕事できたことが本当にうれしかったです。
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