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奈良県 「Go Toイート」追加販売 急きょ一時停止に
2021年4月27日　17時16分

奈良県は、２６日から始めた「Ｇｏ Ｔｏイート」の食事券の販売について、感染状況を考慮すべきだったなどとして販売を一時停止することを急きょ、決めました。

奈良県は「Ｇｏ Ｔｏイート」のキャンペーンのうち、県内で使えるプレミアムつき食事券の追加販売を２６日から始め、１万円で購入し１万２０００円分を利用できる食事券あわせて２５万セットを販売する計画でした。
しかし、市民からどういう判断で販売を決めたのかなどと批判の声が相次ぎ、県は販売を一時、停止することを決めました。
県によりますと、２６日から２７日までにあわせて１万１４２０セットの食事券が販売されたということです。
県は「計画どおり、販売を始めてしまったが、感染状況から停止すべきだった」としています。
県内では感染の急拡大で病床の使用率が７４％に上るなど、医療体制のひっ迫が深刻化していて、県はすべての病院に患者を受け入れるよう要請していました。
県は、大型連休を含む来月１１日までを感染対策の重点期間としていて、この間は、販売を停止するとしています。
奈良県の荒井知事は記者会見で「販売が始まることを失念していたというか事務的にチェックしなかった。責任はみな私にある」と述べ、陳謝しました。

【食事券の追加販売について奈良市民は】。
「Ｇｏ Ｔｏイート」の食事券の追加販売について奈良市内で聞きました。
赤ちゃん連れの３０代の女性は、「飲食店を応援したいとは思いますが、医療従事者は、安心できないと思うので、買うのは控えたほうがいいと思います」と話していました。
また、販売を一時停止したことについては「振り回された気分ですね」と話していました。
６０代の男性は、「何を考えているのかわからない。感染を拡大させるだけだ。停止して当然だ」と話していました。
７０代の女性は「信じられない。私は持病があるので心配だ。停止して当たり前だ」と話していました。
４０代の男性は「飲食店にとってはうれしいと思うが、この時期の販売は微妙だ。停止したのは反対意見があったからなんだろう」と話していました。

【県医師会“追加販売は見合わせるべき”】。
「Ｇｏ Ｔｏイート」の食事券の追加販売について、県医師会の安東範明 副会長は「県民や医療現場に対し、あまりにも配慮のない対応だ」と指摘しました。
このなかで安東副会長は「県内では入院や宿泊療養を待つ人が５００人を超えていて、医療現場は崩壊に近い状況だ。県の要請を受け、各医療機関では新型コロナの病床を増やそうとしているが、その反動で通常の医療にかなりの制限がかかっていて厳しい状況になっている」と訴えました。
そして「いま会食を奨励するような施策を進めるのは反対で、追加販売は見合わせるべきだ」と指摘しています。