#金子隼也[超话]#
今日の写真はカレンダーのアザーから。
最近少しずつ寒くなってきたけど、いつ食べてもアイスって美味しいよね。
皆さんがおすすめのアイスはなんですか?
お待ちしてまーす。
カレンダー先行予約は12日まで!
ぜひ!!!!
#僕はビスケットサンド
#明日は
#ウルトラマントリガー
#12話
#放送です
#お楽しみに
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亀梨和也が天才弁護士を演じる「正義の天秤」【制作統括 独占インタビュー!VOL.3】――鷹野の過去が明らかに!
はや中盤となった、亀梨和也さんが主演を務める土曜ドラマ「正義の天秤」(NHK総合)。全5回の放送なので仕方ないのですが、終わりが見えつつあり、すでに寂しい今日このごろ。TVガイドwebでは5週にわたり制作統括・真鍋斎さんから各回の注目ポイントを伺っていますが、今回は第3話のお話を伺いました! また、TVガイドwebの姉妹ブランドである「みんなドラマ」では、真鍋さんの第2話のアフタートークをお届け中です!
前回の第2話(10月2日放送)では、ブログに書かれた裁判の評議内容が原因の殺人に見えた事件が、鷹野和也(亀梨和也)らの調査により、容疑者・楠田隼人(笠松将)の妹を守ろうとする“優しさ”ゆえに偶発的に起きた過失だと判明しました。そんな楠田に対して、鷹野は被害者・山内愛理沙(森迫永依)の名誉やその母の思いを踏みにじっただけでなく、妹・悠美(吉谷彩子)も兄に罪を背負わせたことに苦しんでいたと告げ、衝撃を受けた楠田はあらためて罪の重さを知ることとなりました。
――第1話もそうでしたが、第2話も息つく暇がなく、あっという間に終わっちゃいました。
「テンポ良く見られるように作っているので、そう感じていただけてうれしいです」
――50分が短く感じました! 今回は第3話の見どころを聞く回ですが、第2話でどうしても伺いたいことがありまして…。恋人・雨宮久美子(大島優子)が雨に濡れないように鷹野が白衣で傘を作って建物まで一緒に走るシーンは、どのように作られたのでしょうか?
「あのシーンは元々雨のシーンではなかったのですが、撮影当日に雨が降ってしまって…。撮影スケジュールがタイトだったので、雨でも撮影をしなければいけなかったんです。2人で傘をさしていても良かったのですが、チーフ演出の片岡(敬司)のアイデアで、にわか雨が降ってきて、白衣を傘のように使うという設定のシーンが生まれました。雨が降ったということを逆手に取った良いシーンになりました」
――とてもすてきなシーンでした! そして、第3話は強盗殺人事件の求刑を無期懲役から懲役30年に減刑した杉村徹平(北山宏光)に対して、鷹野が検事の長谷川政尚(高橋克実)との裏取引を疑うことになりますが、もしかして鷹野と杉村がバチバチと対立するシーンが見られたりするのでしょうか?
「バチバチとやり合ってケンカをするということはないです。鷹野と杉村は上司と部下という関係で、それぞれのキャラクターと立場にあった対応をしていますよ」
――バチバチはしないんですね(笑)。今回、新たに登場する長谷川検事を高橋克実さんが演じていらっしゃいますが、撮影に入られた様子はいかがでしたか?
「楽しんでいらっしゃいました。長谷川は“ミスター検察官”と呼ばれる非常に厳格な検事の役なので、『僕でいいんですか?』とおっしゃっていましたが、私は原作を読んだ時から、高橋さんのイメージでした」
――高橋さんの厳格な役というのは、あまり拝見したことがないので楽しみです! さらに、久美子が追っていた“安倍川事件”の詳細も明らかになってくるようですが…。
「そうですね。第3話で初めて“安倍川事件”という名前が出てきます。第1話、第2話は鷹野の弁護の仕方が物語の中心になっていましたが、第3話では鷹野自身の過去や抱えているものがだんだん分かってきます。鷹野と久美子のなれそめも明らかになりますし、回を追うにつれて物語は濃密になっていくと思います。第3話はその入り口ですね」
――なるほど。また、検事と言えば、第2話の最後に一ノ瀬眞人検事(萩原聖人)が久美子の病室を訪れていたので、一ノ瀬と久美子の関係も気になっています!
「これは徐々にという感じですね。ネタバレにもなるからまだ言えませんが、徐々にじわじわと一ノ瀬の輪郭もはっきりしてきます」
――知りたいところですが、推理しながら楽しみます! 最後にあらためて真鍋さん的見どころを教えてください!
「先ほどもお話しましたが、第3話は鷹野の過去が明らかになり、ストーリーもヒートアップしていきます。この作品は『正義とは何か?』という定義めいたことを訴えたいわけでは決してなく、登場人物がそれぞれに抱えている正義に対する価値観や倫理観が、どうぶつかり合うかというところが見どころだと思っています。今週もお楽しみいただけるとうれしいです」
――ありがとうございました!
杉村の担当していた事件に加え、久美子の追っていた“安倍川事件”も登場するので、第3話も1秒たりとも見逃せません! ドラマ放送後には、無料の会員制コミュニティーサイト「TVガイドみんなドラマ」で制作統括・真鍋さんのアフタートークも公開しますので、そちらもお見逃しなく!
はや中盤となった、亀梨和也さんが主演を務める土曜ドラマ「正義の天秤」(NHK総合)。全5回の放送なので仕方ないのですが、終わりが見えつつあり、すでに寂しい今日このごろ。TVガイドwebでは5週にわたり制作統括・真鍋斎さんから各回の注目ポイントを伺っていますが、今回は第3話のお話を伺いました! また、TVガイドwebの姉妹ブランドである「みんなドラマ」では、真鍋さんの第2話のアフタートークをお届け中です!
前回の第2話(10月2日放送)では、ブログに書かれた裁判の評議内容が原因の殺人に見えた事件が、鷹野和也(亀梨和也)らの調査により、容疑者・楠田隼人(笠松将)の妹を守ろうとする“優しさ”ゆえに偶発的に起きた過失だと判明しました。そんな楠田に対して、鷹野は被害者・山内愛理沙(森迫永依)の名誉やその母の思いを踏みにじっただけでなく、妹・悠美(吉谷彩子)も兄に罪を背負わせたことに苦しんでいたと告げ、衝撃を受けた楠田はあらためて罪の重さを知ることとなりました。
――第1話もそうでしたが、第2話も息つく暇がなく、あっという間に終わっちゃいました。
「テンポ良く見られるように作っているので、そう感じていただけてうれしいです」
――50分が短く感じました! 今回は第3話の見どころを聞く回ですが、第2話でどうしても伺いたいことがありまして…。恋人・雨宮久美子(大島優子)が雨に濡れないように鷹野が白衣で傘を作って建物まで一緒に走るシーンは、どのように作られたのでしょうか?
「あのシーンは元々雨のシーンではなかったのですが、撮影当日に雨が降ってしまって…。撮影スケジュールがタイトだったので、雨でも撮影をしなければいけなかったんです。2人で傘をさしていても良かったのですが、チーフ演出の片岡(敬司)のアイデアで、にわか雨が降ってきて、白衣を傘のように使うという設定のシーンが生まれました。雨が降ったということを逆手に取った良いシーンになりました」
――とてもすてきなシーンでした! そして、第3話は強盗殺人事件の求刑を無期懲役から懲役30年に減刑した杉村徹平(北山宏光)に対して、鷹野が検事の長谷川政尚(高橋克実)との裏取引を疑うことになりますが、もしかして鷹野と杉村がバチバチと対立するシーンが見られたりするのでしょうか?
「バチバチとやり合ってケンカをするということはないです。鷹野と杉村は上司と部下という関係で、それぞれのキャラクターと立場にあった対応をしていますよ」
――バチバチはしないんですね(笑)。今回、新たに登場する長谷川検事を高橋克実さんが演じていらっしゃいますが、撮影に入られた様子はいかがでしたか?
「楽しんでいらっしゃいました。長谷川は“ミスター検察官”と呼ばれる非常に厳格な検事の役なので、『僕でいいんですか?』とおっしゃっていましたが、私は原作を読んだ時から、高橋さんのイメージでした」
――高橋さんの厳格な役というのは、あまり拝見したことがないので楽しみです! さらに、久美子が追っていた“安倍川事件”の詳細も明らかになってくるようですが…。
「そうですね。第3話で初めて“安倍川事件”という名前が出てきます。第1話、第2話は鷹野の弁護の仕方が物語の中心になっていましたが、第3話では鷹野自身の過去や抱えているものがだんだん分かってきます。鷹野と久美子のなれそめも明らかになりますし、回を追うにつれて物語は濃密になっていくと思います。第3話はその入り口ですね」
――なるほど。また、検事と言えば、第2話の最後に一ノ瀬眞人検事(萩原聖人)が久美子の病室を訪れていたので、一ノ瀬と久美子の関係も気になっています!
「これは徐々にという感じですね。ネタバレにもなるからまだ言えませんが、徐々にじわじわと一ノ瀬の輪郭もはっきりしてきます」
――知りたいところですが、推理しながら楽しみます! 最後にあらためて真鍋さん的見どころを教えてください!
「先ほどもお話しましたが、第3話は鷹野の過去が明らかになり、ストーリーもヒートアップしていきます。この作品は『正義とは何か?』という定義めいたことを訴えたいわけでは決してなく、登場人物がそれぞれに抱えている正義に対する価値観や倫理観が、どうぶつかり合うかというところが見どころだと思っています。今週もお楽しみいただけるとうれしいです」
――ありがとうございました!
杉村の担当していた事件に加え、久美子の追っていた“安倍川事件”も登場するので、第3話も1秒たりとも見逃せません! ドラマ放送後には、無料の会員制コミュニティーサイト「TVガイドみんなドラマ」で制作統括・真鍋さんのアフタートークも公開しますので、そちらもお見逃しなく!
【DIVOC-12】Interview 1/2
チャンスは自分から作っていくしかない 藤原季節
歩の年表を埋めたり衣装を着て生活することで余白をひとつひとつ埋めていった
――今作に参加されたきっかけを教えてください。
藤原 僕がW主演を務めた短編映画『中村屋酒店の兄弟』(20)が、「東京学生映画祭」というコンテストでグランプリをいただいたんですが、そのときの審査員が三島有紀子監督で、そこでご挨拶させて頂いたことがありました。いつか三島監督の作品に出演したいと思っていたので、この作品のお話をいただいたときはうれしかったですね。
――実際に作品をご覧になって、いかがでしたか?
藤原 この作品は世界の片隅で誰にも知られず生きている人たちが出会う物語だなと思っています。その人たちを取り巻く環境は閉塞しているけど、こういった状況を出会いという物語で打ち倒すんだという気概というか、気持ちにあふれた映画になっていて。現実を厳しく見つめながらも、物語にロマンを持っている三島監督だからこそ撮れた作品だと思いました。他の『DIVOC-12』の作品とはいい意味で全然似ていなくて、この作品に出演できて本当に幸せです。
――短編だけに余白が多く、説明されない部分も多かったと思います。
藤原 台本から読み取れることは本当に少なかったです。三島さんと初めて打ち合わせをしたときに、主人公の歩という人物に何があったのかが書かれた年表みたいなものをもらって、「どんどん自分で埋めていっていいから」と言われて。衣装が決まってからは普段から歩の衣装を着て生活させてもらって、歩という人物を自分の中に馴染ませていきました。最初に本を読んだ段階では余白の部分が多くて、「なぜこのセリフになってるんだろう」と簡単には結びつかなかったので、三島さんと相談しながら一つ一つ埋めていった感じです。
――それを演技で伝える難しさはありましたか?
藤原 画面の向こう側にどう届けるかというのは、監督や見てくださるお客さんにゆだねた部分は大きいです。自分自身がリアリティーを感じ、それを信じることが大切だと思いました。一つ一つ、目に見えないものを埋めていくことでようやく信じる気持ちが強くなっていくというか。自分の中でそういうものが弱いと、自分の存在は正解なのだろうかみたいな気持ちになって、立っているだけで不安になるような気がします。それを埋めていくことで初めて、現場に立っても怖くなくなるのかなと思っています。
――改めて三島監督の印象をお聞かせください。
藤原 現場でも、われ先に行くというか、誰よりも率先して傷つきにいく姿を見せてくださいます。三島さんが撮った『ぶどうのなみだ』(14)という映画は、大泉洋さん演じるアオがもがき苦しみながらやっと一本のワインを誕生させるという物語なんですけど、その主人公を地で体現している監督というか。10分の映画を撮るためにここまで魂を削っているんだなというのを間近で見せて頂きましたね。感受性が豊かな方ってたくさんいらっしゃると思うんですけど、三島さんは感受性がせき止められずにあふれ出ちゃっている感じです。
――共演した富司純子さんに対する印象を教えてください。
藤原 去年の緊急事態宣言中に、家でずっと高倉健さんの映画を見ていたんです。その中で富司さんが主演を務められている作品もあって、「この女優さん素晴らしいな」と思っていた矢先のことだったので、体が震えました。そんな伝説の方とご一緒できるんだ、と思って。でも実際にお会いするとすごく優しい方でした。完成した映画を見たときに一番驚いたのは、富司さんがあまりに軽やかに演じられていたことです。懸命さやひたむきさという分かりやすいことはさておき、もっともっとリアリティーを持って生活されていて。必死に生きていて、辛くて辛くてという人が何かを変えようとする映画じゃなくて、たくましく生きているけど「焼肉食べたい、ハーゲンダッツ食べたい」と思ったときに、人生を変えようとするっていうのはこの作品っぽいなと思いました。
一つの作品を通過するたびに大切な出会いが増えている
――富司さん演じる冬海さんと出会ったことで、歩が生き生きしてきたように思えました。
藤原 お金だとか目に見えるもの……、そういうものでしか大切なことを語れなくなっちゃっていたんだろうなと思います。僕もこの1年間でそうなってしまいそうだったんですけど、そのたびにこういう作品が人間らしいところに引き戻してくれている感じがしました。だから多分、歩にとっては冬海さんがまさにそういう存在だったのかな。大切なものはそれだけじゃないんだよと、心というものを取り戻すきっかけになったんだと思います。
――出演が発表されたときに、「この作品のことを思い出そうとすると頭が真っ白になります」とコメントされていたのも印象的です。
藤原 この作品のタイトルが入る場面を撮ったときに、余計なことは何も考えられなくなりました。自分自身がこの物語にすごく救われているんだなと思ったんです。それまで悶々とした生活を送っていて、携帯とかテレビから入ってくるいろいろな情報に自分自身が踊らされて、アタフタして暮らしていたんです。でも、あの海に立った瞬間だけは冬海さんの姿しか見えなかったので、そこに向かって駆け出していくときは、開放感に満ち溢れていました。三島さんが泥だらけになりながらそういう環境を与えてくださって、本当に頭が真っ白になるような感覚でしたね。たった2日間の撮影であそこまでひとつの役に入れ込んだことは初めてかもしれないですし、仮に撮影期間の長い作品であっても、現場に入る前に10日間役として生活するというのはやったことがなかったので、不思議な体験でした。この作品に自分自身が何かを懸けて臨んでいたな、と思います。
――『よろこびのうた』が伝えたいテーマは何だと思いますか?
藤原 言葉にするとちょっと簡単に聞こえてしまうかもしれないんですけど、不安や喜びを分かち合うということ。生きていると、一緒にいることでより悲しくなったりとか、よりうれしくなったりすることもありますよね。この人と出会わなければこんな苦しい思いをせずに済んだのにと思いつつ、この人と過ごしたから自分は豊かさを知ることができたなという。豊かさを知るのは痛みを伴うことだと思うんですけど、それがまさに歩にとって冬海さんと経験したことで、その後のカラオケのシーンでは涙が止まらなくなる。知らなくてもよかったかもしれないんですけど、僕は歩にとって必要な時間だったのかなと思いました。実はあのカラオケのシーン、ザ・ブルーハーツを歌っているんですよ。三島さんと一緒に決めたんです。
――歩が冬海さんに出会ったように、今までの人生で藤原さんにとって印象的な出会いはありますか?
藤原 たくさんありましたね。この映画でいえば冬海さん、三島監督との出会い、あと『DIVOC-12』には12本の映画が集まっていて、同世代の俳優や新しい監督たちともたくさん出会うことができました。僕の人生でいえば、二十歳のときの松田美由紀さんとの出会い、『his』(20)という映画で宮沢氷魚という男に出会ったこと、『佐々木、イン、マイマイン』(20)の細川岳。一つの作品を通過するたびに大切な出会いがどんどん増えている感じがします。逆にそれがあるから続けていられるのかもしれません。
――具体的にお名前があがった松田さんと宮沢さんとの出会いは、藤原さんにとってどんな出来事だったのでしょうか。
藤原 最近『his』を見直したんですけど、宮沢くんは一滴の涙も流さずに悲しみを表現していたんだなと思ったんです。なんて正々堂々と演技する人だろう、とすごい発見でした。一方の僕は、すべてのシーンでめそめそ泣きそうな感じで芝居していたんですけど、それを包むように宮沢くんは演技してくれたんだなと思って。撮影が終わって数年経って、こんなに支えてもらっていたんだなと彼の優しさに改めて気づきました。あんな俳優になりたいという意味でもすごく尊敬しています。高倉健さんの映画にハマっているときは、彼の家の前に「高倉健さんの映画観て」と置き手紙したこともありました(笑)。美由紀さんは僕にとって、唯一怒ってくれる存在。僕が熊本の天草で撮影していた「のさりの島」という映画の現場に会いに来てくれたこともあります。言葉では尽くせない恩がありますね。
https://t.cn/A6M6b0Pd
チャンスは自分から作っていくしかない 藤原季節
歩の年表を埋めたり衣装を着て生活することで余白をひとつひとつ埋めていった
――今作に参加されたきっかけを教えてください。
藤原 僕がW主演を務めた短編映画『中村屋酒店の兄弟』(20)が、「東京学生映画祭」というコンテストでグランプリをいただいたんですが、そのときの審査員が三島有紀子監督で、そこでご挨拶させて頂いたことがありました。いつか三島監督の作品に出演したいと思っていたので、この作品のお話をいただいたときはうれしかったですね。
――実際に作品をご覧になって、いかがでしたか?
藤原 この作品は世界の片隅で誰にも知られず生きている人たちが出会う物語だなと思っています。その人たちを取り巻く環境は閉塞しているけど、こういった状況を出会いという物語で打ち倒すんだという気概というか、気持ちにあふれた映画になっていて。現実を厳しく見つめながらも、物語にロマンを持っている三島監督だからこそ撮れた作品だと思いました。他の『DIVOC-12』の作品とはいい意味で全然似ていなくて、この作品に出演できて本当に幸せです。
――短編だけに余白が多く、説明されない部分も多かったと思います。
藤原 台本から読み取れることは本当に少なかったです。三島さんと初めて打ち合わせをしたときに、主人公の歩という人物に何があったのかが書かれた年表みたいなものをもらって、「どんどん自分で埋めていっていいから」と言われて。衣装が決まってからは普段から歩の衣装を着て生活させてもらって、歩という人物を自分の中に馴染ませていきました。最初に本を読んだ段階では余白の部分が多くて、「なぜこのセリフになってるんだろう」と簡単には結びつかなかったので、三島さんと相談しながら一つ一つ埋めていった感じです。
――それを演技で伝える難しさはありましたか?
藤原 画面の向こう側にどう届けるかというのは、監督や見てくださるお客さんにゆだねた部分は大きいです。自分自身がリアリティーを感じ、それを信じることが大切だと思いました。一つ一つ、目に見えないものを埋めていくことでようやく信じる気持ちが強くなっていくというか。自分の中でそういうものが弱いと、自分の存在は正解なのだろうかみたいな気持ちになって、立っているだけで不安になるような気がします。それを埋めていくことで初めて、現場に立っても怖くなくなるのかなと思っています。
――改めて三島監督の印象をお聞かせください。
藤原 現場でも、われ先に行くというか、誰よりも率先して傷つきにいく姿を見せてくださいます。三島さんが撮った『ぶどうのなみだ』(14)という映画は、大泉洋さん演じるアオがもがき苦しみながらやっと一本のワインを誕生させるという物語なんですけど、その主人公を地で体現している監督というか。10分の映画を撮るためにここまで魂を削っているんだなというのを間近で見せて頂きましたね。感受性が豊かな方ってたくさんいらっしゃると思うんですけど、三島さんは感受性がせき止められずにあふれ出ちゃっている感じです。
――共演した富司純子さんに対する印象を教えてください。
藤原 去年の緊急事態宣言中に、家でずっと高倉健さんの映画を見ていたんです。その中で富司さんが主演を務められている作品もあって、「この女優さん素晴らしいな」と思っていた矢先のことだったので、体が震えました。そんな伝説の方とご一緒できるんだ、と思って。でも実際にお会いするとすごく優しい方でした。完成した映画を見たときに一番驚いたのは、富司さんがあまりに軽やかに演じられていたことです。懸命さやひたむきさという分かりやすいことはさておき、もっともっとリアリティーを持って生活されていて。必死に生きていて、辛くて辛くてという人が何かを変えようとする映画じゃなくて、たくましく生きているけど「焼肉食べたい、ハーゲンダッツ食べたい」と思ったときに、人生を変えようとするっていうのはこの作品っぽいなと思いました。
一つの作品を通過するたびに大切な出会いが増えている
――富司さん演じる冬海さんと出会ったことで、歩が生き生きしてきたように思えました。
藤原 お金だとか目に見えるもの……、そういうものでしか大切なことを語れなくなっちゃっていたんだろうなと思います。僕もこの1年間でそうなってしまいそうだったんですけど、そのたびにこういう作品が人間らしいところに引き戻してくれている感じがしました。だから多分、歩にとっては冬海さんがまさにそういう存在だったのかな。大切なものはそれだけじゃないんだよと、心というものを取り戻すきっかけになったんだと思います。
――出演が発表されたときに、「この作品のことを思い出そうとすると頭が真っ白になります」とコメントされていたのも印象的です。
藤原 この作品のタイトルが入る場面を撮ったときに、余計なことは何も考えられなくなりました。自分自身がこの物語にすごく救われているんだなと思ったんです。それまで悶々とした生活を送っていて、携帯とかテレビから入ってくるいろいろな情報に自分自身が踊らされて、アタフタして暮らしていたんです。でも、あの海に立った瞬間だけは冬海さんの姿しか見えなかったので、そこに向かって駆け出していくときは、開放感に満ち溢れていました。三島さんが泥だらけになりながらそういう環境を与えてくださって、本当に頭が真っ白になるような感覚でしたね。たった2日間の撮影であそこまでひとつの役に入れ込んだことは初めてかもしれないですし、仮に撮影期間の長い作品であっても、現場に入る前に10日間役として生活するというのはやったことがなかったので、不思議な体験でした。この作品に自分自身が何かを懸けて臨んでいたな、と思います。
――『よろこびのうた』が伝えたいテーマは何だと思いますか?
藤原 言葉にするとちょっと簡単に聞こえてしまうかもしれないんですけど、不安や喜びを分かち合うということ。生きていると、一緒にいることでより悲しくなったりとか、よりうれしくなったりすることもありますよね。この人と出会わなければこんな苦しい思いをせずに済んだのにと思いつつ、この人と過ごしたから自分は豊かさを知ることができたなという。豊かさを知るのは痛みを伴うことだと思うんですけど、それがまさに歩にとって冬海さんと経験したことで、その後のカラオケのシーンでは涙が止まらなくなる。知らなくてもよかったかもしれないんですけど、僕は歩にとって必要な時間だったのかなと思いました。実はあのカラオケのシーン、ザ・ブルーハーツを歌っているんですよ。三島さんと一緒に決めたんです。
――歩が冬海さんに出会ったように、今までの人生で藤原さんにとって印象的な出会いはありますか?
藤原 たくさんありましたね。この映画でいえば冬海さん、三島監督との出会い、あと『DIVOC-12』には12本の映画が集まっていて、同世代の俳優や新しい監督たちともたくさん出会うことができました。僕の人生でいえば、二十歳のときの松田美由紀さんとの出会い、『his』(20)という映画で宮沢氷魚という男に出会ったこと、『佐々木、イン、マイマイン』(20)の細川岳。一つの作品を通過するたびに大切な出会いがどんどん増えている感じがします。逆にそれがあるから続けていられるのかもしれません。
――具体的にお名前があがった松田さんと宮沢さんとの出会いは、藤原さんにとってどんな出来事だったのでしょうか。
藤原 最近『his』を見直したんですけど、宮沢くんは一滴の涙も流さずに悲しみを表現していたんだなと思ったんです。なんて正々堂々と演技する人だろう、とすごい発見でした。一方の僕は、すべてのシーンでめそめそ泣きそうな感じで芝居していたんですけど、それを包むように宮沢くんは演技してくれたんだなと思って。撮影が終わって数年経って、こんなに支えてもらっていたんだなと彼の優しさに改めて気づきました。あんな俳優になりたいという意味でもすごく尊敬しています。高倉健さんの映画にハマっているときは、彼の家の前に「高倉健さんの映画観て」と置き手紙したこともありました(笑)。美由紀さんは僕にとって、唯一怒ってくれる存在。僕が熊本の天草で撮影していた「のさりの島」という映画の現場に会いに来てくれたこともあります。言葉では尽くせない恩がありますね。
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