しかし彼の腕に凭れて歩きながら、私の喜びは無上であった。ひ弱な生まれつきのためかして、あらゆる喜びに不吉な予感のまじってくる私ではあったが、彼の腕の強い・緊迫した感じは、私の腕から私の全身へめぐるように思われた。世界の果てまで、こうして歩いて行きたいと私は思った。——『仮面の告白』

#CATTI日积月累# 【微小说对译 お見合い】

　今年の初めから、私の父と母は私にお見合いを迫るようになり、私は当然全て拒絶した。私に喜んでお見合いに行かせるために、餌で釣ったり、理詰めで攻めたり、情に訴えたり、父と母は手段を選ばずあらゆる手を尽くした。母に至っては、素晴らしい演技で涙まで流して自分の気持ちを示してみせた。とうとう私は妥協し、わが人生初のお見合いをすることになった。

　その日の夜、私の親友のジャンが家に遊びに来た。こいつは、かの有名な「名車美人法則」をつくり出したやつで、それは、女の子を自動車メーカーのロールス・ロイス、アウディ、フォルクスワーゲン・サンタナ、東風という四つのクラスに分けるといったものだった。彼が十数回お見合いした相手はほとんどが東風クラスだったという。

　しかしやつはアウディのタンちゃんとの結婚が決まると、われわれのグループから抜け出し、私の家にも長い間来ていなかったが、今日はどういう風の吹き回しか、わが家にやって来た。しかし後になって、彼がタンちゃんのためにビデオＣＤを借りに来たことが分かった。ちぇっ。しかし、彼の話を聞いて、やはりお見合いに行って見てみようと思った。そう、見るだけならなんの損もしないし、週末のイベントだと思えばいい。それにジャンは、お見合いが始まったら３分以内に私に電話をかけると約束した。私が相手のランクを判断して、もしアウディ以上のクラスだったら、私は急ぎの電話ではなかったと言い、もし東風だったら、緊急の電話がかかってきたので、すぐに行かなくてはならないと言うことにしたのだ。これはとてもいいアイデアだ！

　こうした保険があれば、何も恐れることはない。もしかしたら俺様はロールス・ロイス級を引き当てないとも限らない。どんな巡り合わせがあるかなんて、誰に分かる？

　その結果、お見合い当日、席に着くなり、親戚のおばさんが「ロールス・ロイス」を連れて入って来て、私を大喜びさせた。しとやかな美人で、話し方も上品だった。おばさんは私たちを紹介した後、口実をつくって去り、彼女と私だけが残された。くらくらして、夢の中にいるのかと思った。

　私はどうやって口火を切ろうかと考えた。うまくスタートを切れれば、半ば成功したようなものだ。彼女に優雅で格好いい本当の私を見せなければ。しかし、何もしないうちに、彼女の携帯電話が鳴り始めた。彼女は「失礼します」と言い電話に出た。二言三言ぼそぼそとしゃべると、申し訳なさそうな顔をして、「本当に申し訳ありません。同僚からの電話で急な注文が入ったとのことで、すぐに行かなければならないのです」と言った。　

　私はこうしてロールス・ロイスが私の視界の外に出てゆくのを見送った。そして私の携帯が鳴り出すのが聞こえた。涙……。

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2018/10/04 00:07

#あたしをくらえ のお稽古へゆきました。
1シーンやるだけで体力も精神も削られるハイカロリー。喜怒哀楽すべてが全力です。
ぶっ飛ぶところは全力でぶっ飛んでいて、切ないところはとっても切ない。

生きるって何だろう。
何をもって、生きるって呼ぶのだろう。
ゾンビと人間のそんなおはなしです。

https://t.cn/EhIJB6K