【WEB】20210426 cinemas PLUS interview

「その背中を見ただけで、背負った過去を感じられる男にしたかった」映画『FUNNY BUNNY』主演・#中川大志#が追求した”説得力”とは

「世界を救うのは、いつだって想像力だ」

4/29(木・祝)より、映画館&auスマートパスプレミアムにて同時ロードショーとなる本作『FUNNY BUNNY』。主演を務めるのは、2021年だけで本作含め4本の出演映画公開が決まっている俳優・中川大志さん。

2011年に放送されたドラマ「家政婦のミタ」で演じた阿須田家の長男役を皮切りに、「夜行観覧車」「重版出来!」「賭ケグルイ」「G線上のあなたと私」「親バカ青春白書」などに出演。2019年には、映画『坂道のアポロン』『覚悟はいいかそこの女子。』での演技が評価され、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。

本作『FUNNY BUNNY』では、小説家を名乗る不可思議な男・剣持聡を演じる。これまでとは一風変わった役柄を演じるにあたり、どんな想いで臨んだのか。中川大志さんに直接伺った。

すでに”剣持像”があったからこそ、演じるのが怖かった

ーー中川さんが演じられた主人公の剣持聡は、全編を通して印象的なセリフが多いですよね。中川さん自身、演じられたうえでお気に入りのセリフはありますか?

中川大志さん(以下、中川):もっとも象徴的なセリフは「世界を救うのは、いつだって想像力だ」ですね。想像力、想像力と何度も繰り返すんですよ、この剣持という男が。ひとつ印象的なセリフを挙げるとしたら、やっぱりこの言葉になりますね。

ーー作品のキャッチコピーにもなっていますよね。「想像力」はこの作品の大きなテーマだと思います。

原作の小説を読んでから撮影に入ったと伺いましたが、実際に小説を読まれたときの印象と、脚本を読まれたときの印象に違いはありましたか?

中川:飯塚監督と初めてお仕事をさせてもらった高校1~2年生の頃、「これ読んでみて」って『FUNNY BUNNY』の小説をいただいたのが、この作品との出会いでした。

ただ、その時点では映画化や配役の話はまったくなかったんですよ。僕自身も読者のひとりとして読んだだけで、まさか自分が主人公の剣持をやるなんて思ってもいなくて。最初は僕も『FUNNY BUNNY』のファンのひとりだったんです。

一読者として小説を読むうちに、自分の中で剣持や漆原のキャラクター像が出来上がっていきました。「やっぱり剣持っていう男はこうあってほしいよな」っていう”剣持像”が出来上がっていたので、まさかそれを自分が演じることになるとは……。

映画化の話が具体的になるまでの間も、飯塚監督とは何度か一緒にお仕事をさせてもらいました。そのたびに「いつか『FUNNY BUNNY』の映画を撮りたいよね」と話していたんです。紆余曲折あってようやく叶いました。

剣持聡というキャラクターを自分がしっかり体現できるかどうかは、プレッシャーでもありましたね。このキャラクターが好きだからこそ、自分の”剣持像”を崩したくない想いが強かったです。

ーー剣持聡という男を演じるにあたり「説得力が大事」というお話もされていました。説得力を増すための役作りについて、どんな工夫をされたんでしょうか?

中川:剣持は小説家なので、発する言葉に力があるし重みもある。その背中を見ただけで、背負っている過去の重さを感じられる男にしたいと思っていました。

これから『FUNNY BUNNY』を観てくださる皆さまにも、剣持を取り巻く周りのキャラクターにとっても、剣持という男の言葉に重みや説得力がないといけない。でないと、ただの寒い変なやつになっちゃいますからね(笑)。

たとえ夜中に電話で呼び出されたとしても「アイツが言うなら仕方ないな」って、ついて行きたくなる男にしなくちゃいけなかった。だからこそ僕自身も、剣持の背負っている重さを感じながら演じようと思って臨みましたね。そうでなければ、何を言っても響かないよな、って。

主人公・剣持との共通点は”釣り”?

ーー『FUNNY BUNNY』では岡山天音さん含め同世代の俳優さんとも多く共演されていますが、演じる上でどんな刺激を受けましたか?

中川:天音君とは、台本について一緒に話し合う時間が多かったですね。「結局のところ、これってどういうことなんだろう?」って、明確に示されていない部分がこの作品には結構あるんですよ。観る方の想像力に委ねられるというか。

お互いの「自分はこう思う!」って解釈を、撮影の合間に台本を突き合わせながら、ずっと話していました。

ーー意見をぶつけ合うことも?

中川:「ここは、こういうことなんじゃないか」「こういう可能性もあるよね」とふたりで話し合ううちに、監督に聞きに行くこともありましたね。

脚本家に聞いちゃったら負けとも思っているので、あんまり聞きたくはないんですけど……(笑)でも「どうしてもこれだけは明確にしておきたい!」と思う部分については、監督を巻き込んで話し合いました。すごく刺激になりましたし、楽しい現場でしたね。

ーー丁寧に話し合いながら作り上げていったんですね。

この『FUNNY BUNNY』は、中川さん演じる剣持と岡山さん演じる漆原が、とある理由から夜の図書館に侵入するシーンから始まります。もし中川さんが、普段は禁止されている場所に入っていいよと言われたら、どこに行きたいですか?

中川:そうですねえ……釣りが趣味なので、釣り禁止のエリアに入ってみたいです!

ーー普段は禁止されているところで、釣りを?

中川:普段は絶対やらないですけどね、絶対に、普段は!(笑)結局そういうところが一番釣れるんですよ。人が入っていないから。

ーーあ、そうか!普段は人がいないから、釣れやすいんですね。

釣りといえば、小説版『FUNNY BUNNY』では剣持自身も釣りが趣味だと書かれていますね。もしかしたら飯塚監督、最初から中川さんを当て書きで書かれてるのかなと思ったのですが……。

中川:いやいやいやいやいや!監督がこの小説を書かれている時期は、おそらく僕とも出会っていないですし、はるか昔の話ですから。

ーー失礼しました、想像力を発揮し過ぎてしまいました。

中川:でも、気になるなあ。聞いてみます、監督に。

自分の経験や記憶を引っ張り出し、全力で演じた

ーー剣持と中川さん自身の共通点はどこにあると感じましたか?

中川:この映画が伝えたいことや、剣持が繰り返し発言している言葉自体に、僕自身もすごく共感できるんです。自分自身の経験も含めて、今の僕が持っている力をすべて剣持のキャラクターに乗せて、全力で演じられた自信はありますね。

ーー中川さんはこれまでも、役を演じる上で「自分の中にあるものしか出せない」とおっしゃっていますよね。

中川:そうですね。自分の経験や記憶から引っ張り出すことしかできないです。結局は、僕でしかないですから。

だからこそ、剣持の経験値と近しい自分自身の経験を掘り返して演じないといけなかったので、その点は少しキツかったかもしれません。やっぱり剣持すげえなあ!って思いましたね。

ーー『FUNNY BUNNY』のキャッチコピーにもなっている「想像力が世界を救う」になぞらえて、想像力のほかにどういった力が私たちにあれば、世界を救えると思いますか?

中川:難しい質問ですね。どういった力があれば……?難しい!難しいですよ、その質問は(笑)。どういう力なんですかね……。

それで言ったら、想像力っていろんなことを網羅しますよね。たとえば「人の痛みがわかれば世界を救える!」って僕が言ったとしても、それっていわば想像力のことですし。

ーーそう考えると、この作品が言っているとおり、やっぱり想像力が世界を救うのかもしれませんね。

それでは最後に、これから『FUNNY BUNNY』をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします!

中川:『FUNNY BUNNY』は、今この時代に観るからこそ刺さる映画です。なかなか人との繋がりを感じにくいご時世で、どうしても満たされない寂しさや孤独感を癒やすメッセージが、この映画には詰まっています。ぜひ大きいスクリーンや音の力を感じながら観ていただきたいですね。

ただ今回は、劇場公開と配信が同時という、僕にとっても初めての形です。なかなか劇場に行きたくても行けない方は、ぜひ配信でご覧いただければと思います。スピード感のあるかっこいい映画になっていると思うので、ぜひ楽しんでください!

https://t.cn/A6cnDEuf

【WEB】20210429 Real Sound interview

#中川大志#、10代から現在までを振り返る 主演作『#FUNNYBUNNY#』は「現時点での集大成」

 映画『FUNNY BUNNY』が4月29日より全国の劇場で公開、auスマートパスプレミアムにて配信される。『ステップ』『虹色デイズ』『荒川アンダー ザ ブリッジ』などの飯塚健監督が手がけ、のちに監督自らの手によって小説化もされた、2012年上演の同名舞台を映画化した。

 リアルサウンド映画部では、自称小説家の主人公・剣持聡を演じた主演の中川大志にインタビュー。これまで多くの作品でタッグを組んできた飯塚監督と出会った当時を振り返りながら、「これまでの集大成」と語る本作での挑戦と自信を明かしてくれた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画&コメント動画あり】

「映画は自分が死んだ後も一生残っていくもの」

ーー本作で中川さんが演じた剣持は、今までの中川さんのイメージにはないワイルドなキャラクターです。

中川大志(以下、中川):そうですね。かなりエネルギーを使うキャラクターでもあったので、終わった後は本当に抜け殻状態でした。とにかく、疲れる役でした(笑)。だけど、それだけ剣持を演じきったことに達成感がありますし、完成したものを観たときに飯塚監督の世界観が詰まった、すごくかっこいい映画だと純粋に感じられたことが何より嬉しいです。いろいろなメッセージが込められている作品ですが、純粋にエンタメとしても楽しめると思います。自信を持って「観てほしい」と言える映画です。

ーー役作りはどのように進めましたか?

中川:まず、原作に出会ったのが何年も前のことなんです。飯塚監督と初めて出会ってちょっとしたくらいの頃にふと渡されたんです。そのときは映画化の話は全くなかったし、まさか僕が剣持を演じるなんて思いもせずに読んでいました。読み進める中で、剣持にはこうあってほしいという自分の中での“剣持像”が勝手に出来上がっていたことが、演じる上でプレッシャーにはなりましたね。自分にない要素が多いキャラクターでもありますし。ただ、そういう部分を実際にいそうな人物として落とし込む必要がありました。日常生活のちょっとした所作も心がけて、時間をかけて作っていきました。

ーー見方を変えれば、悪役とも取れるキャラクターですよね。

中川:そうですね。一方で、人や物事に命をかけてぶつかっていける勇気と、そんな状況でも楽しめるユーモアもある。そういう剣持独自の思想やキャラクターに説得力を持たせられなかったら、この映画は成り立たないと思うんです。お客さんが剣持についてこれないと“ただの痛いやつ”になってしまう。そこは、自分の中でも大事にしていたことです。どうやったら剣持の言葉に重みを出せるのか考えたときに、やっぱり剣持が背負っている過去や痛みのようなものを自分も背負わないといけないと気づきました。自分が痛みを分かっているからこそ人の痛みに寄り添えるし、過酷な現実を見ているからこそ、手を差し伸べるだけが優しさじゃないということも分かっている。そんな剣持が背負っているものと同じぐらいの痛みが自分にはあるのかを考えて、自分の過去の実体験や記憶を堀り返して演じました。

ーーそれは辛い作業でもありますよね。

中川:辛いです。あまり思い出したくない(笑)。普段は考えたくないことにも向き合わないといけないですし。ただ、それを乗り越えられないとこの映画が完成しないと分かっていたので、やり切りましたね。映画は自分が死んだ後も一生残っていくものだから、そのことを考えたら、撮影の間だけでも一生懸命自分の痛みに向き合うことは、決しておかしなことではないと思いますし。「痛いのは一瞬だけだから」と思っていました。すごく難しいことにチャレンジしなきゃいけないという覚悟は、映画のお話をいただいた段階からしていましたね。

「今の自分ができるだけのことはやった」

ーー作品のテイストも、ほかの作品と少し異なっていて、どこか戯曲・ミュージカルのような印象も受けました。

中川:そういった感想をいただくことは多いんですよね。でも、僕らとしては、現場で演じていたときはそういう感覚はあまりなくて。監督ともそのことについて話していて気づいたことなのですが、図書館という最初の舞台設定が大きいかもしれないです。足音だったり、本のページをめくる音だったり、一つ一つがよく響く場所だから、お客さんが没入しやすいのかもしれない。

ーー確かに同じシチュエーションでの撮影がほとんどです。

中川:毎晩図書館に行っていましたから(笑)。宮城県にあるのですが、撮影でお借りした図書館が本当に素敵だったんですよ。実際の日中の営業が終わったあとに、スタッフさんたちが撮影の準備をして、朝まで撮影したら、僕らは昼に寝て、また夜から撮影するというルーティンでしたね。「早くここから脱出したい」と思ったこともあったんですが(笑)、その疲労感もある意味演技に反映されてリアリティが増したかもしれないです。順撮りで進行していたから、僕らも役に入り込みやすい環境でした。

ーー本作では、岡山天音さん演じる漆原聡とはバディのような関係です。

中川:漆原が天音くんでよかったと心から思っています。図書館での最後のシーンは、リハーサルを何回もしたりせずに、本番までエネルギーを温存して2人で演じました。あの場面は『FUNNY BUNNY』の象徴的なシーンだと思いますし、自分もすごく思い入れがあります。

ーー本作を観たあとにどんな気持ちで観客の方々に劇場を後にしてほしいですか?

中川:剣持は「世界を救うのは想像力なんだよ」と言っていますが、今の時代だからこそより重く響くメッセージに感じます。調べればなんでも出てきて、顔を見ずにやり取りする機会もいっぱいあると思うんですよ。そういうたくさんの情報が溢れかえっている中にいることで、全てを分かった気になってしまうのってやっぱり怖いことですよね。今、目の前にあるものを疑ったり、自分が発した言葉が他の人にとってどんな意味を持つのか、別の角度から見てみたりするのがすごく大事だと思いますし、この映画がそういうきっかけになれたら嬉しいですね。

ーー中川さんは、飯塚監督とはこれまでも『全員、片思い』や『虹色デイズ』など多くの作品でタッグを組んできました。飯塚監督と出会った当時から今までの道のりをどのように振り返りますか?

中川:飯塚さんと初めて出会ったのはドラマのオーディションのときで、自分は何十人何百人といる中の1人だったんです。第一印象は「めちゃくちゃ怖そう」なんですが(笑)、今では一番一緒にお仕事をしている監督です。これだけお仕事できるということはもちろん嬉しいことですが、回が重なるほどにプレッシャーにもなります。やっぱりその都度、自分の成長を見せたいですし。そんな中で、この『FUNNY BUNNY』は現時点での集大成だと思っています。今までの飯塚さんとの関係性がなかったらたぶんできなかったことだとも感じます。これだけ濃厚な作品なのですが、飯塚さんとは現場では役や演技に関しては、ほとんど話していないんですよ。それだけ同じ“剣持像”や作品のテーマを共有できているという感覚が自分にはありましたし、飯塚さんもそうだったのかもしれません。10代から20代になった今の自分ができるだけのことはやったという達成感が今はあります。だから、この先はこれを超えるものを生み出し続けないといけないということなので、僕ももっといろんな現場を経験して大きくなって、また監督と映画を作りたいですね。

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<応募締切>
5月12日(水)

(ORICON NEWS)小野賢章、『ガンダム』の重圧を感じた主人公役 アムロ役・古谷徹から学んだ「座長のあるべき姿」とは?https://t.cn/A6cHL4uK
映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が5月7日に公開となる。本作の主人公、ハサウェイ・ノアの声を務めたのは、人気声優・小野賢章。40年に及ぶ「ガンダム」の歴史のなかでも選ばれた人しか演じられない狭き門でありながら、そのコンテンツの大きさゆえ、各所から注目を集めてしまうという大きな重圧がかかる大役に、これまで数々の作品で主役を務め、存在感を示してきた小野も苦悩しながら演じたという。体験した人にしかわからない重圧のなか、どのように主人公役に臨んでいったのか。また、そんな小野を支えた先輩ガンダム声優の言葉とは?

――主人公、ハサウェイ・ノアの声を演じた映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が間もなく公開となります。完成した作品はご覧になられてどう思いましたか?

小野賢章 すごく、ホッとしたというのが、素直な感想です。すごく時間をかけて、いろいろ試行錯誤しながら、お芝居をさせてもらったので、終わった後も、どのテイクが使われているか、完成したものを見なければわからないなという状況だったんです。なので、観たときは「こういう感じになったのか」と、すごくホッとしました。
 作品は、やはり大人の作品でしたね。素晴らしい画の力と迫力の音も相まって、観終えたときの高揚感がすごかったです。

――確かにハサウェイを中心に繰り広げられる人間ドラマが印象的な作品ですね。連邦軍のブライト・ノア大佐の息子でありながら、「マフティー」のリーダーとして反地球連邦政府運動を行うハサウェイという役は、どのように作り上げていったのですか?

小野賢章 最初、アフレコが始まる前に、本作の世界観を全体で共有した後に、個々の役の設定や想いを、話してからスタートしました。「このお芝居の仕方は間違っている」「方向性が違っている」と指摘されるというよりは、「この方向性とは別の、こっちの方向性でもやってみよう」というような形で、いろんなパターンを試し、監督や録音演出の方と話しながらやっていきました。

――ハサウェイの心の機微は、言葉だけでなく、しぐさや視線でも表現されていました。ご自身はハサウェイという役をどのように理解し、アフレコに臨まれたのでしょうか?

小野賢章 難しくて、いまだにどういう風に話せばいいのか迷いますね。ハサウェイはアムロとシャアの意志を受け継いだ人物だと思います。2人とも、根本に「地球を守る」という考えがあって、どちらも地球のことを考えての行動だったと思うんですけど、それぞれやり方が違った。ハサウェイも2人の考え方を受け継いで、1000年先も地球が存在するために要人暗殺に走るんですけど、ハサウェイ自身も、これが正しいのか悩んでいる。自問自答しながら、苦しみながら、でも「マフティー」のリーダーでもあり、引けないところにまで来ている。
 僕自身、相当悩みましたね。ハサウェイが思っていることを、自分も思ってやらないと、観たときにしっくりこない。でもハサウェイが本当に思っているようにやってしまうと主観的になりすぎて…、ぐちゃぐちゃすぎて自分もよくわからなくなりました(笑)。どう表現していくか、村瀬修功監督たちと、話しながら進めていきました。
ガンダムに受け継がれる魅力…それは登場人物それぞれに“信念”や“正義”があること

――アムロやシャアの想いを、次世代のハサウェイに受け継がれるように、「ガンダム」という作品においても40年の歴史のなかで、受け継がれているものがあるかと思います。長きにわたり愛されている「ガンダム」という作品の魅力はどんなところにあると感じていますか?

小野賢章 「ガンダム」の魅力は、登場人物それぞれに“信念”や“正義”があることでしょうか。描かれてる側と反対側が悪として見えるだけというか。
 本作も、過激な運動者という立場を考えると、ハサウェイは悪役なはずだけど、主人公として描かれている。ハサウェイのなかにも、“信念”や“正義”があって。それを悩みながら進んでいく。ただロボット同士が戦って、勝ちました、我々の勝利です、みたいな作品ではない。
 問題提起というか、メッセージを残して、深いところまで、自分だったらどうするかなって考えさせる。それもガンダムの魅力だと思いますね。

――ハサウェイを演じたことで、何か見えたものはありましたか?

小野賢章 演じてみても、答えは出ないですね。どれが正解かなんて、出せないし、出す必要もないのかなと。それは受け取る側が考え、自分が正しいと思ったものを選択していくための作品かなと思ったりします。

――声優業界においても、これまでガンダムを作り上げてきた世代から、小野さんたちの世代へそのバトンが受け継がれているように感じます。そのあたりはどのようにお考えですか?

小野賢章 うーん、どうなんですかね? 僕は世代交代という言葉はあまり使いたくないなと思っています。もちろん、先人たちが残したものを全く無視して、「俺たちの方が面白いものを作れるぜ」ということではありません。(先輩たちの残したものを)変に意識していくのではなく、一生懸命、僕たちがやれることをやっていくだけかなって思っています。

アムロ役で“ガンダム御殿”を買った古谷徹からの教え

――以前、アムロ役の声優・古谷徹さんとお話をして、古谷さんが「ガンダムやったら人生変わるぞ」と言われていました。実際、本作はご自身のキャリアにとってどのような作品になりましたか?

小野賢章 日本のアニメ史を代表する作品に関われたというのは、僕のキャリアの中ではすごく大きなターニングポイントになるのかなと思っています。ただ、まだ公開前なので、実感はしにくいですけどね。
 すごく長い時間をかけて役と向き合って作ったという印象があって。特に最近は1つの作品にここまで時間をかけるということがなかったので、役者としても探求したら、向き合ったら向き合うだけ、そこに上限がないというか。もちろん、それがいい場合と悪い場合があると思うんです。考えすぎて迷子になっちゃうみたいな(笑)。
 でも本当に役者としてすごくいい経験させてもらったなと思いました。演じていく中でどうしても主観的な見え方が多くなっていくと思うんです。でもそれって自分で演じているだけじゃ気付けないアプローチの仕方を気づかせていただく機会が多くて。これ絶対自分じゃ気づけないよなという方法が多々あったりしたので、いい経験になりました。

――「公開後に人生が変わる」のでしょうか?

小野賢章 どうなんですかねー(笑)。古谷さんはアムロ役で“ガンダム御殿”を買ったらしいです(笑)。でも、古谷さんからは、先輩としていろいろ教えていただきました。

――どのようなことを?

小野賢章 対談させていただいた時に、「座長としての在り方」のお話をしていただきました。すごく、心に刺さりましたね。ありがたいことに、これまでたくさん主人公役を演じさせていただいたんですけど、僕も年齢を重ねてきて、座長としての在り方を今後もっとちゃんと意識してみんなを引っ張っていけるような存在になっていけたらいいなと思っていたんです。スタッフさん、キャストのみなさんが、どういう人なのか、どういうことを考えているのか、どういうことをこの作品のなかでやりたいのか、話してみないとなかなかわからない部分だったりするので、食事に誘ったり、コミュニケーションを取ったりする現場の雰囲気づくりについて教えていただきました。僕も以前から大切だとは思っていたんですが、改めて思い直しましたね。このご時世、食事はなかなか難しいんですけど。

――芝居以外にも、そういった立ち居振る舞いの部分も受け継がれていくんですね。公開直前ですが、今は楽しみの方が大きいですか?

小野賢章 今たくさんの取材を受けたり、会う人会う人に「楽しみにしてます」と言われるので、ただただ、ガンダムという作品の大きさ、皆さんからどれだけ注目されているのかということは、ひしひしと感じています。知れば知るほどプレッシャーを…(笑)。
(公開が)楽しみというよりは、「この作品が皆さんにどのように受け取られるのだろう」という、不安というか、正直緊張が勝ちますよね。ドキドキです(笑)。


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