原文:
ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長(享年87)から性被害を受けていたと訴えている問題を巡り、同事務所が14日、公式見解を発表した。藤島ジュリー景子社長が初めて顔を出し、動画と一問一答形式の文書も公開した。
動画には藤島氏が自ら出演し、「株式会社ジャニーズ事務所代表取締役社長、藤島ジュリーでございます。この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます。そして関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。大変遅くなりましたが、各方面よりいただいていたご質問に対して、このあと書面にて回答させていただきます」と語っている。
(以下、一問一答)
――なぜ、すぐに会見を行わなかったのか。
「まずは事実を確認し、責任を持って対応すべきだと考えました。個人のプライバシーにも関わる非常にデリケートかつセンシティブな問題であったため、カウンセラーや弁護士など専門家の協力を得ながら、声をあげられた方とのご対面、社内調査、具体的対応策についての協議等を慎重に進めておりましたことから、広く皆様にお伝えするまで時間が経ってしまいました。対応が遅くなった点に関しまして、お詫びいたします」
――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発について、どのように受け止めているのか。
「事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました。あらためて事実確認をしっかりと行い、真摯に対応しなければならないと思いました」
――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発は事実か。
「当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません。加えて会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております。一方で、当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております」
――ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか。
「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした。このことを説明する上では、当時のジャニーズ事務所がどのような意思決定で運営されていたかについて、ご説明する必要があると思います。週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました。情けないことに、この二人以外は私を含め、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は、できない状況でした。また管轄外の現場で起きたことや、それに対してどのような指示が行われていたのか等も、そもそも全社で共有されることはなく、取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました。振り返るまでもなく、その状態は普通ではなかったと思います。ただ、1962年の創業時からずっとこの体制で成長してきたこともあり、ジャニーとメリーの二人体制=ジャニーズ事務所であることを、所属する全員が当然のこととして受け入れてしまっていたように思います。私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております」
――2003年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか。また何も対策をしなかったのか。
「この訴訟は、週刊文春の記事に対し『許しがたい虚偽である』とメリーが憤慨し、名誉毀損であるとしてジャニーズ事務所側が文藝春秋社らを訴えたものでしたが、その詳細については私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できておりませんでした。あくまで私の推測ですが、メリー自身もジャニーの問題とされている行為に対しては、心の底から『やっているはずがない、ありえない』そう思っていたからこそ、自ら民事裁判で訴えに出たのだと思っております。最終的に私どもが一部敗訴し、週刊文春の記事が名誉毀損とまでは言えないと判断されましたが、当時の裁判を担当した弁護士、裁判に関わった役員へのヒアリングによるとその時点でもジャニー本人は自らの加害を強く否定していたこともあり、結局メリー及び同弁護士から、ジャニーに対して『誤解されるようなことはしないように』と厳重注意をするにとどまったようです。いずれにせよ私個人としては、取締役という立場でありながら、積極的にその責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えております」
カウアン・オカモト氏とは「長い時間お互いにお話をしました」
――再発防止策をどのように考えているか。
「再発防止策を講じるにあたっては、初期の段階から弁護士をはじめ、様々な分野の有識者の方々から、会社としての問題点や改善策についてご指摘やご意見をいただいてまいりました。大前提として、私が代表に就任して以降は、エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て、コンプライアンスの強化を進めており、『ホットライン(匿名相談窓口)の設置』、未成年に対する『保護者同伴の説明会の実施』、『コンプライアンス教育の実施』、『保護者宅からの活動参加』等を推進してまいりました。しかし今回の件を受け、二度と同じような事態を起こさないためにも、外部からの協力も得ながら『コンプライアンス委員会』を設置しており、これまで以上に取り組みを強化、徹底させてまいります。さらには、企業のあり方や社会的責任として不安な点がないか、社内外に適切なコミュニケーションが行われているか、また社内の価値観や常識だけで物事を判断していないか等、外部の厳しい目で指摘する役割として、社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めております。新しい社外取締役については、確定次第改めて発表させていだく予定です」
――何故、第三者委員会を設置して徹底調査をしないのか。
「当初よりこの問題は、社内のみで解決すべきではないとの観点で、第三者委員会の設置による実態の徹底究明のあり方についても、弁護士や外部の専門家・有識者を交えて検討いたしました。しかし調査段階で、本件でのヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいこと、ヒアリングを受ける方それぞれの状況や心理的負荷に対しては、外部の専門家からも十分注意し、慎重を期する必要があると指導を受けたこともあり、今回の問題については別の方法を選択するに至りました。既に告発された方、また今後あらたな相談をご希望される方のために、外部のカウンセラーや有識者、弁護士や医師の指導のもと、相談をお受けする外部窓口を月内に設置致します。相談者の秘匿性を守り、客観的にお話をお聞きするため、外部の専門家の協力を得る予定です」
――カウアン・オカモト氏とは会ったのか。会ったのであれば何のために会ったのか。
「お会いしました。私が直接お会いして、長い時間お互いにお話をしました。今後このようなことが二度と起こってはならない。その為にも彼が声をあげられたということを深く理解しました。一方でご本人以外の他人のプライバシーに関わる問題や、憶測を助長するようなご発言に関しては、私の見解をお伝えさせていただきました。まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけを下さったと受け止めております」
――被害を訴えてきた方たちに対して、どのように向き合う予定か。
「デリケートな内容であり、詳細については検討中ではありますが、被害を訴えておられる方々、精神的に苦しんでおられる方々に対しては、カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります。それをやらずして、私たちに未来はないと考えております」
――ご自身の経営責任をどう考えているか。また責任がある場合どう責任を取るとお考えか。
「責任はあったと考えております。当時の私は、取締役とはいいながらも名ばかりとなっており、その職責を果たせていませんでした。また本件については自らも積極的に知ろうとしたり、追求しなかったことについて責任があると考えております。責任の取り方ですが、私が辞職する選択肢も考えました。ただ今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えております。あらゆる厳しいご意見も真摯に受け止め、所属しているタレントたちの今、そして未来への想いを尊重しながら対話を重ねていく、それが自分にできる責任の取り方だと考えております。
あらためまして心よりお詫び申し上げます」
(一問一答ここまで)
同問題は、今年に入って元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)が一部メディアで告発して始まった。「(2019年7月に亡くなった)ジャニー喜多川さんに15歳の頃から性的な行為を受けていた」とする主張で、4月12日には都内の日本外国特派員協会で記者会見を開催していた。これらを受け、ジャニーズ事務所が社員や所属タレントへ聞き取り調査を行っていた。
オカモト氏はブラジル人と日本人の両親から生まれ、2012年にジャニーズ事務所に入所。16年にアーティストとして海外進出を目指し、同事務所を退所している。会見もさまざまな形で同問題について言及し、13日夜に自身のYouTubeチャンネルを更新。藤島氏と対面し、約2時間にわたって話し合ったことなどを明かしていた。
ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長(享年87)から性被害を受けていたと訴えている問題を巡り、同事務所が14日、公式見解を発表した。藤島ジュリー景子社長が初めて顔を出し、動画と一問一答形式の文書も公開した。
動画には藤島氏が自ら出演し、「株式会社ジャニーズ事務所代表取締役社長、藤島ジュリーでございます。この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます。そして関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。大変遅くなりましたが、各方面よりいただいていたご質問に対して、このあと書面にて回答させていただきます」と語っている。
(以下、一問一答)
――なぜ、すぐに会見を行わなかったのか。
「まずは事実を確認し、責任を持って対応すべきだと考えました。個人のプライバシーにも関わる非常にデリケートかつセンシティブな問題であったため、カウンセラーや弁護士など専門家の協力を得ながら、声をあげられた方とのご対面、社内調査、具体的対応策についての協議等を慎重に進めておりましたことから、広く皆様にお伝えするまで時間が経ってしまいました。対応が遅くなった点に関しまして、お詫びいたします」
――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発について、どのように受け止めているのか。
「事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました。あらためて事実確認をしっかりと行い、真摯に対応しなければならないと思いました」
――BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発は事実か。
「当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません。加えて会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております。一方で、当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております」
――ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか。
「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした。このことを説明する上では、当時のジャニーズ事務所がどのような意思決定で運営されていたかについて、ご説明する必要があると思います。週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました。情けないことに、この二人以外は私を含め、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は、できない状況でした。また管轄外の現場で起きたことや、それに対してどのような指示が行われていたのか等も、そもそも全社で共有されることはなく、取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました。振り返るまでもなく、その状態は普通ではなかったと思います。ただ、1962年の創業時からずっとこの体制で成長してきたこともあり、ジャニーとメリーの二人体制=ジャニーズ事務所であることを、所属する全員が当然のこととして受け入れてしまっていたように思います。私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております」
――2003年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか。また何も対策をしなかったのか。
「この訴訟は、週刊文春の記事に対し『許しがたい虚偽である』とメリーが憤慨し、名誉毀損であるとしてジャニーズ事務所側が文藝春秋社らを訴えたものでしたが、その詳細については私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できておりませんでした。あくまで私の推測ですが、メリー自身もジャニーの問題とされている行為に対しては、心の底から『やっているはずがない、ありえない』そう思っていたからこそ、自ら民事裁判で訴えに出たのだと思っております。最終的に私どもが一部敗訴し、週刊文春の記事が名誉毀損とまでは言えないと判断されましたが、当時の裁判を担当した弁護士、裁判に関わった役員へのヒアリングによるとその時点でもジャニー本人は自らの加害を強く否定していたこともあり、結局メリー及び同弁護士から、ジャニーに対して『誤解されるようなことはしないように』と厳重注意をするにとどまったようです。いずれにせよ私個人としては、取締役という立場でありながら、積極的にその責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えております」
カウアン・オカモト氏とは「長い時間お互いにお話をしました」
――再発防止策をどのように考えているか。
「再発防止策を講じるにあたっては、初期の段階から弁護士をはじめ、様々な分野の有識者の方々から、会社としての問題点や改善策についてご指摘やご意見をいただいてまいりました。大前提として、私が代表に就任して以降は、エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て、コンプライアンスの強化を進めており、『ホットライン(匿名相談窓口)の設置』、未成年に対する『保護者同伴の説明会の実施』、『コンプライアンス教育の実施』、『保護者宅からの活動参加』等を推進してまいりました。しかし今回の件を受け、二度と同じような事態を起こさないためにも、外部からの協力も得ながら『コンプライアンス委員会』を設置しており、これまで以上に取り組みを強化、徹底させてまいります。さらには、企業のあり方や社会的責任として不安な点がないか、社内外に適切なコミュニケーションが行われているか、また社内の価値観や常識だけで物事を判断していないか等、外部の厳しい目で指摘する役割として、社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めております。新しい社外取締役については、確定次第改めて発表させていだく予定です」
――何故、第三者委員会を設置して徹底調査をしないのか。
「当初よりこの問題は、社内のみで解決すべきではないとの観点で、第三者委員会の設置による実態の徹底究明のあり方についても、弁護士や外部の専門家・有識者を交えて検討いたしました。しかし調査段階で、本件でのヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいこと、ヒアリングを受ける方それぞれの状況や心理的負荷に対しては、外部の専門家からも十分注意し、慎重を期する必要があると指導を受けたこともあり、今回の問題については別の方法を選択するに至りました。既に告発された方、また今後あらたな相談をご希望される方のために、外部のカウンセラーや有識者、弁護士や医師の指導のもと、相談をお受けする外部窓口を月内に設置致します。相談者の秘匿性を守り、客観的にお話をお聞きするため、外部の専門家の協力を得る予定です」
――カウアン・オカモト氏とは会ったのか。会ったのであれば何のために会ったのか。
「お会いしました。私が直接お会いして、長い時間お互いにお話をしました。今後このようなことが二度と起こってはならない。その為にも彼が声をあげられたということを深く理解しました。一方でご本人以外の他人のプライバシーに関わる問題や、憶測を助長するようなご発言に関しては、私の見解をお伝えさせていただきました。まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけを下さったと受け止めております」
――被害を訴えてきた方たちに対して、どのように向き合う予定か。
「デリケートな内容であり、詳細については検討中ではありますが、被害を訴えておられる方々、精神的に苦しんでおられる方々に対しては、カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります。それをやらずして、私たちに未来はないと考えております」
――ご自身の経営責任をどう考えているか。また責任がある場合どう責任を取るとお考えか。
「責任はあったと考えております。当時の私は、取締役とはいいながらも名ばかりとなっており、その職責を果たせていませんでした。また本件については自らも積極的に知ろうとしたり、追求しなかったことについて責任があると考えております。責任の取り方ですが、私が辞職する選択肢も考えました。ただ今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えております。あらゆる厳しいご意見も真摯に受け止め、所属しているタレントたちの今、そして未来への想いを尊重しながら対話を重ねていく、それが自分にできる責任の取り方だと考えております。
あらためまして心よりお詫び申し上げます」
(一問一答ここまで)
同問題は、今年に入って元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏(26)が一部メディアで告発して始まった。「(2019年7月に亡くなった)ジャニー喜多川さんに15歳の頃から性的な行為を受けていた」とする主張で、4月12日には都内の日本外国特派員協会で記者会見を開催していた。これらを受け、ジャニーズ事務所が社員や所属タレントへ聞き取り調査を行っていた。
オカモト氏はブラジル人と日本人の両親から生まれ、2012年にジャニーズ事務所に入所。16年にアーティストとして海外進出を目指し、同事務所を退所している。会見もさまざまな形で同問題について言及し、13日夜に自身のYouTubeチャンネルを更新。藤島氏と対面し、約2時間にわたって話し合ったことなどを明かしていた。
2023年3月31日(金)、TOHOシネマズ西宮OSにて『The Son 息子』を鑑賞。
17歳になり思春期、反抗期を迎える息子と父親との関係は難しい。ゼレール監督の「家族3部作」の第1部『ファーザー』(20年)は認知症の父親に焦点を当てたが、第2部たる本作では、17歳の息子ニコラスに焦点を。
両親の離婚が思春期の息子に与える影響はさまざまだが、養育してくれている母親の家から、浮気した女と再婚した父親の家への引っ越しを願う息子は珍しい。しかし、弁護士として大成功し、大統領選挙に立候補する上院議員の選挙参謀チームへの参加が求められるほど有能な父親なら、それもありなん。しかし、その妻は今、生まれたばかりの息子の世話に大変だから、良き弁護士と良き父親の“2足のわらじ”はうまくいくの?
そんな心配は無用!そう思わせる展開の中、ある日ニコラスのベッドの下から自傷用のナイフが発見されたから大変。これは一体なぜ?さらに、現実に起きた自傷行為の結果、舞台は精神病院での攻防になるが、その結末は?
舞台劇のような緊迫感いっぱいの映画はメチャ面白い。それは『ファーザー』でも立証されたが、本作も同じだ。幸せ?それとも最悪?本作ラストの二通りの展開をしっかり確認し、舞台劇の醍醐味をたっぷりと味わいたい。
17歳になり思春期、反抗期を迎える息子と父親との関係は難しい。ゼレール監督の「家族3部作」の第1部『ファーザー』(20年)は認知症の父親に焦点を当てたが、第2部たる本作では、17歳の息子ニコラスに焦点を。
両親の離婚が思春期の息子に与える影響はさまざまだが、養育してくれている母親の家から、浮気した女と再婚した父親の家への引っ越しを願う息子は珍しい。しかし、弁護士として大成功し、大統領選挙に立候補する上院議員の選挙参謀チームへの参加が求められるほど有能な父親なら、それもありなん。しかし、その妻は今、生まれたばかりの息子の世話に大変だから、良き弁護士と良き父親の“2足のわらじ”はうまくいくの?
そんな心配は無用!そう思わせる展開の中、ある日ニコラスのベッドの下から自傷用のナイフが発見されたから大変。これは一体なぜ?さらに、現実に起きた自傷行為の結果、舞台は精神病院での攻防になるが、その結末は?
舞台劇のような緊迫感いっぱいの映画はメチャ面白い。それは『ファーザー』でも立証されたが、本作も同じだ。幸せ?それとも最悪?本作ラストの二通りの展開をしっかり確認し、舞台劇の醍醐味をたっぷりと味わいたい。
#天空 地球 身體 生活#
大学の農系学部が研究・開発した製品と、その製品化までの道のりを紹介します。
第10回
果肉まで赤いりんごを使用した
弘前大学の「紅の夢」ドライアップル
弘前大学が育成したりんご品種「紅の夢」は果肉まで赤く、その印象的な見た目が特徴的。2016年にはアグリビジネス創出フェアに出展し、その出展がきっかけとなり、ヘルス&ビューティー分野で製品開発を考えていた(株)合食と、「紅の夢」を使用したドライフルーツの製品化に向けた共同研究が始まりました。しかし試作が始まると「紅の夢」最大の魅力である赤い色が失われてしまうという問題が発生。
果肉の美しい赤色を生かしたドライアップルが完成するまでの過程はどのようなものだったのでしょう?
独⾃の退⾊防⽌・機能性保持技術で
アントシアニン量と赤い色の保持を実現!
「紅の夢」の一番の魅力は果肉の赤色ですが、そのドライアップルを試作して1週間から2週間経過すると、赤色が退色し、黄色く変色してしまうことが分かりました。
この問題の解決に向けて、弘前大学はりんごの赤い色素成分であるアントシアニンに関するこれまでのデータを活用して有機酸や酸化抑制剤の種類や配合に関する研究を行いました。一方、(株)合食はこの研究結果を受けて100回以上の試作を行い、それをまた弘前大学が分析するという工程を繰り返して開発は進められました。そうした取り組みを続けることで、独自の退色防止・機能性保持の技術にたどり着き、美しい赤色を保った「紅の夢」のドライアップルが誕生したのです。同社の社員や同大学の学生への試食も繰り返しながら、りんご本来が持つ美味しさも追求。実証期間に約2年、共同研究開始から販売に至るまでに約3年の月日を要しました。
世にも珍しい赤い果肉のりんご「紅の夢」とは?
弘前大学が育成した「紅の夢」は、2010年に赤い果肉を持つりんごとして初めて品種登録されました。
赤い果皮の色素成分アントシアニンが果肉にも発現することで、果肉まで赤くなるのです。また、従来の赤肉りんごと比較して渋みも少なく、爽やかな酸味があり、生食でも加工でも使用することができます。
生産量はここ数年で安定してきており、市場にも出回ったり加工品が作られたりするようになりました。しかし、県外はいうまでもなく、青森県内でも知名度はまだ高くありません。「この製品化がきっかけとなってドライアップルが注目され、またその色の特徴から紅の夢が広く知られるようになってくれればありがたい。」と、開発に携わった同大学の岩井邦久教授は語ります。
果肉の鮮やかな赤い色をキープし、
「紅の夢」のドライフルーツ化に成功
まず弘前大学では、赤い果肉の色を作り出すアントシアニンの変色要因を除去することで退色防止を図ることに。有機酸と酸化抑制剤の効果について研究することで、赤い色を60日間保持する効果が確認できました。さらに、有機酸と酸化抑制剤の相乗効果を高めるための試験研究を行った結果、90日間保持することに成功しました。
色の保持に関与するアントシアニンは抗酸化作用を持つことから、アントシアニンの減少の抑制は、抗酸化作用の維持に寄与すると仮説し、「紅の夢」に含まれる他の機能性成分の濃度変化を測定したところ、これらの成分の減少も抑制できることが判明。
つまりアントシアニンの減少を抑制できれば、果肉の赤色の退色防止とともに、抗酸化作用を始めとする機能性の保持の長期化も実現するということです。
しかし、実験室ではうまくいっても工場レベルの生産規模になると、同じ工程でもりんご自体のばらつきや手間の掛け方が違うことなどが要因となり、うまくいかないことがあったのです。最終的に生産していくのは企業のため、工場サンプルを主体として研究が続けられました。
そのような状況下で効果を迅速に評価できるよう、効果があると考えられる方法を複数選択し、それらを試作品レベル、工場レベルで試すことを実践。予想していたより短期間で、結果を出すことに成功しました。
また、色の保持だけではなく、大切な味のバランスをとることにも注力しました。
\学生の声/
弘前大学大学院
地域共創科学研究科 産業創成科学専攻2年
食品機能科学研究室
大橋 歩 さん
「紅の夢」に含まれるポリフェノール成分と生理活性に関する研究をしています。紅の夢は新しくできた品種のため、ポリフェノール成分の濃度や組成、生理活性などについて、まだよく解明できていないことがあります。これらを解明することで「紅の夢」の食品としての価値をより高くすることができると考えています。今後は、現在検討中の生理活性以外の活性について解明することで、「紅の夢」を食べる人たちの健康に貢献できるように頑張りたいと思っています。
⾷べ⽐べが楽しい、
「青森県産ドライアップル3種アソート」
共同研究で得た退色防止・機能性保持技術により天然の赤色が見事な「紅の夢」をはじめ、「ふじ」「紅⽟」の⻘森県産りんご3種類のドライアップルを詰め合わせた「青森県産ドライアップル3種アソート」。見た目はもちろん、りんご本来の味をきちんと出すことも意識して開発された商品は、味の違いをしっかりと楽しめるものに。しっとりジューシーに仕上げたセミドライタイプなので、より生のりんごに近い味わいが楽しめます。
今後の研究について
実はこの共同研究の開始当時からすでに次の構想があったという岩井教授。今回はその第一段階と捉え、今後はりんごの機能性のさらなる研究と、これを活かした製品開発を行っていくそうです。
そして、将来的には色だけではなく、りんごが持っている成分や機能性を高め、手軽に機能性の恩恵を受けることができる食品に結び付けていきたい、という目標を掲げています。
弘前大学 農学生命科学部
青森県弘前市文京町3
0172-39-3748 (代表)
https://t.cn/A6N7UNyk
今回 教えてくれたのは・・・|
プロフィール画像
弘前大学 農学生命科学部
食料資源学科 食品機能科学研究室
岩井 邦久 教授
地域の食料資源を対象に、健康維持増進に有用な生理活性の探索、活性成分の同定、機能性成分の分析を行い、それらの知見を製品開発や地域へ還元することを目指している。最近は、機能性成分の生体内吸収とそれに影響する食品成分も研究している。モットーは「よく遊びよく学べ。」
大学の農系学部が研究・開発した製品と、その製品化までの道のりを紹介します。
第10回
果肉まで赤いりんごを使用した
弘前大学の「紅の夢」ドライアップル
弘前大学が育成したりんご品種「紅の夢」は果肉まで赤く、その印象的な見た目が特徴的。2016年にはアグリビジネス創出フェアに出展し、その出展がきっかけとなり、ヘルス&ビューティー分野で製品開発を考えていた(株)合食と、「紅の夢」を使用したドライフルーツの製品化に向けた共同研究が始まりました。しかし試作が始まると「紅の夢」最大の魅力である赤い色が失われてしまうという問題が発生。
果肉の美しい赤色を生かしたドライアップルが完成するまでの過程はどのようなものだったのでしょう?
独⾃の退⾊防⽌・機能性保持技術で
アントシアニン量と赤い色の保持を実現!
「紅の夢」の一番の魅力は果肉の赤色ですが、そのドライアップルを試作して1週間から2週間経過すると、赤色が退色し、黄色く変色してしまうことが分かりました。
この問題の解決に向けて、弘前大学はりんごの赤い色素成分であるアントシアニンに関するこれまでのデータを活用して有機酸や酸化抑制剤の種類や配合に関する研究を行いました。一方、(株)合食はこの研究結果を受けて100回以上の試作を行い、それをまた弘前大学が分析するという工程を繰り返して開発は進められました。そうした取り組みを続けることで、独自の退色防止・機能性保持の技術にたどり着き、美しい赤色を保った「紅の夢」のドライアップルが誕生したのです。同社の社員や同大学の学生への試食も繰り返しながら、りんご本来が持つ美味しさも追求。実証期間に約2年、共同研究開始から販売に至るまでに約3年の月日を要しました。
世にも珍しい赤い果肉のりんご「紅の夢」とは?
弘前大学が育成した「紅の夢」は、2010年に赤い果肉を持つりんごとして初めて品種登録されました。
赤い果皮の色素成分アントシアニンが果肉にも発現することで、果肉まで赤くなるのです。また、従来の赤肉りんごと比較して渋みも少なく、爽やかな酸味があり、生食でも加工でも使用することができます。
生産量はここ数年で安定してきており、市場にも出回ったり加工品が作られたりするようになりました。しかし、県外はいうまでもなく、青森県内でも知名度はまだ高くありません。「この製品化がきっかけとなってドライアップルが注目され、またその色の特徴から紅の夢が広く知られるようになってくれればありがたい。」と、開発に携わった同大学の岩井邦久教授は語ります。
果肉の鮮やかな赤い色をキープし、
「紅の夢」のドライフルーツ化に成功
まず弘前大学では、赤い果肉の色を作り出すアントシアニンの変色要因を除去することで退色防止を図ることに。有機酸と酸化抑制剤の効果について研究することで、赤い色を60日間保持する効果が確認できました。さらに、有機酸と酸化抑制剤の相乗効果を高めるための試験研究を行った結果、90日間保持することに成功しました。
色の保持に関与するアントシアニンは抗酸化作用を持つことから、アントシアニンの減少の抑制は、抗酸化作用の維持に寄与すると仮説し、「紅の夢」に含まれる他の機能性成分の濃度変化を測定したところ、これらの成分の減少も抑制できることが判明。
つまりアントシアニンの減少を抑制できれば、果肉の赤色の退色防止とともに、抗酸化作用を始めとする機能性の保持の長期化も実現するということです。
しかし、実験室ではうまくいっても工場レベルの生産規模になると、同じ工程でもりんご自体のばらつきや手間の掛け方が違うことなどが要因となり、うまくいかないことがあったのです。最終的に生産していくのは企業のため、工場サンプルを主体として研究が続けられました。
そのような状況下で効果を迅速に評価できるよう、効果があると考えられる方法を複数選択し、それらを試作品レベル、工場レベルで試すことを実践。予想していたより短期間で、結果を出すことに成功しました。
また、色の保持だけではなく、大切な味のバランスをとることにも注力しました。
\学生の声/
弘前大学大学院
地域共創科学研究科 産業創成科学専攻2年
食品機能科学研究室
大橋 歩 さん
「紅の夢」に含まれるポリフェノール成分と生理活性に関する研究をしています。紅の夢は新しくできた品種のため、ポリフェノール成分の濃度や組成、生理活性などについて、まだよく解明できていないことがあります。これらを解明することで「紅の夢」の食品としての価値をより高くすることができると考えています。今後は、現在検討中の生理活性以外の活性について解明することで、「紅の夢」を食べる人たちの健康に貢献できるように頑張りたいと思っています。
⾷べ⽐べが楽しい、
「青森県産ドライアップル3種アソート」
共同研究で得た退色防止・機能性保持技術により天然の赤色が見事な「紅の夢」をはじめ、「ふじ」「紅⽟」の⻘森県産りんご3種類のドライアップルを詰め合わせた「青森県産ドライアップル3種アソート」。見た目はもちろん、りんご本来の味をきちんと出すことも意識して開発された商品は、味の違いをしっかりと楽しめるものに。しっとりジューシーに仕上げたセミドライタイプなので、より生のりんごに近い味わいが楽しめます。
今後の研究について
実はこの共同研究の開始当時からすでに次の構想があったという岩井教授。今回はその第一段階と捉え、今後はりんごの機能性のさらなる研究と、これを活かした製品開発を行っていくそうです。
そして、将来的には色だけではなく、りんごが持っている成分や機能性を高め、手軽に機能性の恩恵を受けることができる食品に結び付けていきたい、という目標を掲げています。
弘前大学 農学生命科学部
青森県弘前市文京町3
0172-39-3748 (代表)
https://t.cn/A6N7UNyk
今回 教えてくれたのは・・・|
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弘前大学 農学生命科学部
食料資源学科 食品機能科学研究室
岩井 邦久 教授
地域の食料資源を対象に、健康維持増進に有用な生理活性の探索、活性成分の同定、機能性成分の分析を行い、それらの知見を製品開発や地域へ還元することを目指している。最近は、機能性成分の生体内吸収とそれに影響する食品成分も研究している。モットーは「よく遊びよく学べ。」
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