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荒牧慶彦&梅津瑞樹、剣劇で魅せる新感覚「三國志」に挑戦! 共演キャストも徹底解説<インタビュー>
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2024/03/30 20:00
剣劇「三國志演技~孫呉」にW主演する(左から)荒牧慶彦、梅津瑞樹撮影=西村康
2024年春、との新たな挑戦が始まる。

4月5日(金)より明治座にて、荒牧が企画し、梅津と共にW主演を果たす剣劇「三國志演技〜孫呉」が開幕する。孫家に仕えた才能あふれる周瑜を演じる荒牧と、孫呉の礎を築いた勇猛果敢な孫策を演じる梅津。2人は舞台『刀剣乱舞』での共演以降、多くの作品や企画で共演している。

そんな2人がW主演として挑む本作への思いや、共演者の印象などを聞いた。

お互いの存在は「もっと知りたい」「いろんな景色を見せてくれる」

――荒牧さんが企画を手掛ける「三國志演技〜孫呉」。どんな作品になりそうでしょうか。

荒牧:小さい頃から大好きな『三國志』 の物語を“もっと多くの人に知ってもらいたい”“殺陣にスポットを当てた作品を作れたら”という気持ちから、剣劇「三國志演技〜孫呉」というタイトルにしました。

今回は『三國志』 の中でも、孫呉の孫策と周瑜を中心とした物語です。企画ということで僕の名前が先にきていますが、物語の主軸は梅ちゃん(梅津)が演じる孫策。僕は、周瑜としてそのサポートに回る役柄となります。

梅津:なるほど。(取材時点では稽古前のため)まだ僕はビジュアル撮影のときに、ふわっといくつかキーワードを聞いただけの状態なので、どんな作品になるのだろうか…と思っているところです。

――梅津さん演じる孫策と荒牧さん演じる周瑜は、強い絆で結ばれた義兄弟で親友という関係性です。お2人はお互いのことをどういった存在だと感じていますか。

荒牧:僕は梅ちゃんのことが“すごく気になる”って感じですね。性格的にも人柄的にも不思議な子なので。最初の共演時から「もっと知りたい、梅ちゃんのこんなところが見てみたい」って思うことが多かったです。

梅津:初めてご一緒したときから、僕にとっては背中を追いかけている、ずっと先に立っている人ですね。

最初のご縁から時間が経った今でも、追いかけたいと思える人だし、毎年“こんなことをするんだ!”って驚かされるので「自分も負けてられないな、いろんなことやっていこう」と、背中を見ながら常々思っています。だって明治座で、お味噌汁も作るんですよ?

――お味噌汁ですか?

荒牧:そうなんです。今回ありがたいことにいろいろなご縁がつながって、オリジナルのお味噌汁を作らせてもらうことになりまして。僕と梅ちゃんが作ったフリーズドライのお味噌汁をグッズで出します。

梅津:もう意味が分からないじゃないですか? 人生で味噌汁を作る機会がこようとは(笑)。

荒牧:僕も思ってなかったよ(笑)。

梅津:面白いですよね。まっきーさんはこうやって、僕にいろんな景色を見せてくれる存在です。

廣野凌大、早乙女友貴etc...荒牧&梅津から見る共演者のイメージは?
剣劇「三國志演技~孫呉」にW主演する(左から)荒牧慶彦、梅津瑞樹撮影=西村康
――共演者の方々も豪華な顔ぶれが揃っていますが、その役どころや印象について教えてください。まずは廣野凌大さん演じる孫権は、梅津さん演じる孫策と兄弟役ですね。

荒牧:共演したことあるんだっけ?

梅津:一応あります。ただ、もうだいぶ昔ですね。すごくいい人らしいというのは噂で聞くのですが。

荒牧:僕は絡むことが多いんですが、彼は彼なりのポリシーがあって、彼なりのキャラクター性で、登り詰めていこうとしている人という印象ですね。

彼のキャラクター性って結構尖っているし、多分否定されることも多いんだろうけど、それを貫くためのしっかりとした土台はあるんですよ。自分の生き方を貫くからこそ、まわりへのリスペクトだったり、感謝だったり、礼儀正しさだったりをすごく持っている。

なので、僕もすごく好きな俳優の1人なんですよね。多分梅ちゃんも好きだと思う。

梅津:なるほど。

荒牧:(廣野が演じる)弟の孫権って、若い頃はやんちゃだったみたいな説が結構あるんですよ。そのやんちゃ具合に振り回される孫策っていうのが見られるんじゃないかなって楽しみです。

梅津:僕以上にやんちゃなわけですね。

荒牧:そう! 孫策はやんちゃだけど、どこか君主として筆頭に立っている自覚はある。孫権は弟なので奔放な部分がある、そんなキャラクターにしたいなと思っています。

梅津:現時点ではまだビジュアル撮影をしただけなので、全体的にふわっとしていたのですが、この話を聞いてだいぶ孫策へのイメージがつかめてきたかもしれないです。

――程普役の富田 翔さんはいかがでしょうか。

荒牧:翔さんは大好きな先輩ですね。どんどん若い子が活躍していって、僕ら世代も含めて、僕ら以上の世代の人たちってどうしてもサブとして支えるポジションになってしまうことが多い。

それは自然なことではあるんですが、今回はそうじゃなくて、メインどころとして彼が持っている熱さや実力というものを、いかんなく発揮してもらえたらいいなと思ってオファーさせていただいたんです。

程普役・富田さん、黄蓋役・高木トモユキさん、韓当役・郷本直也さんは、ちょっと頑固で若者を認められない“偏屈なおじさん”たちにしたいなと。周瑜と孫策が実力を発揮していくから、しぶしぶ認めざるを得ない…みたいな感じにしたいんですよね。

梅津: なるほど。翔さんは僕のなかでは、ウィットに富んだ面白い方というイメージですね。そういうものがじんわりとにじむようなお芝居をされる印象なので、今回は“偏屈おじさん”をどう演じられるのか楽しみです。高木さんや郷本さんとは初共演ですね。

荒牧:トモさん(高木)はご本人そのまま、真っ直ぐな熱い男でいてもらいたいなと思っています。なおやん(郷本直也) にはスンとしているちょっとかっこよくセクシーなキャラをやってもらいたいなと構想中です。

――劉表役の冨田昌則さんも多岐にわたってご活躍されていますね。

荒牧:冨田さんは一見怖そうだけど、すっごく優しい方。劉表って優しくてみんなを包み込むんだけど、腹の中になにか隠し持っているような描かれ方をすることが多いので、そういうイメージですね。ベテランの先輩方には僕から言えることはなくて、それぞれが作ってくださるキャラクターを僕自身も楽しみにしています。

――その劉表が仕えている黄祖は、玉城裕規さんが演じられます。

荒牧:たまさん(玉城)は芝居も殺陣も、いろんなものがうまい方という印象ですね。ご本人にも不思議な色気があるので、黄祖も狂気を孕んだ人物として演じてもらいたいなと考えています。

――殺陣でいうと、早乙女友貴さん演じる太史慈VS孫策の一騎打ちは見どころの1つかなと思うのですが…。

荒牧:そう! そこはね、梅ちゃんバチバチに戦わせるからね。

梅津:考え方がポケモンバトルじゃないですか(笑)。「行け、ウメツ!」って。でも蓋を開けたら、両者が袖からバーッと走ってきて、すれ違いざまの居合で終わるかもしれないし。

荒牧:そんな楽はさせないよ(笑)。

梅津:(笑)。楽はさせていただけないようなので、どうにかしてあの早乙女さんに勝てるという説得力のある殺陣をしなきゃいけないですね。頑張らないと。

――そして孫策の父親・孫堅役をEXILEの松本利夫さんが演じます。共演経験は?

荒牧:ないんですよ。関係各所の皆さまと、孫堅にはどんな人が合うかと会議をした際にお名前が挙がって。もし出ていただけるならぜひと。僕はEXILE世代なので、個人的にすごく共演が楽しみです。

梅津:父さんはEXILE。いいですね、自慢できます(笑)。

2.5次元舞台の殺陣はキャラクターありき
4月5日(金)より明治座にて剣劇「三國志演技~孫呉」開幕!撮影=西村康
――太史慈との一騎打ち以外にも、殺陣が見どころの作品になるかと思います。殺陣へのこだわりは何かありますか。

梅津:殺陣をやる舞台って、やっぱり2.5次元作品が多いんです。2.5次元作品だと原作があるので、役ごとの動きの特徴みたいなものが、殺陣のなかで見えるようにっていうのは意識しているかもしれないです。今回の孫策だと、荒々しい感じになるのかなと想像しています。

荒牧:ギリギリのところで止めて斬ったように見せるパフォーマンスって、本当に人の心を打つんですよ。そこがすごく僕は好きですね。『殺陣まつり〜和風三国志〜』 で百人斬りや影絵斬りを経験したことで、改めて殺陣というものが好きなんだなと実感しました。

――最後に、意気込みとともに本作におけるご自身にとって挑戦について教えてください。

梅津: “剣劇”とわざわざ書いてあるということは、おそらく殺陣が多いんだろうなと。芯のある芝居はもちろん、殺陣という部分が挑戦になるんじゃないのかなと、想像ではありますが考えています。

自他ともに干渉するのもされるのも嫌いなタイプなので、人に圧をかけるような役というのも挑戦になりそうです。その姿も含め、ぜひ楽しんでもらえたらと思います。

荒牧:“剣劇”という、舞台でもミュージカルでもない1つのジャンルを作れたらいいなと思っています。『三國志』自体や孫呉の物語を好きになってもらうのはもちろんですが、同時に殺陣ショーみたいなことがしたくて“剣劇”としました。二部には『スペシャル殺陣ショー』もありますので、そちらも楽しんでもらえる作品を皆さんに届けられるよう、しっかりと作っていきたいと思っています。

(取材・文=双海しお/スタイリスト=ヨシダミホ/ヘア&メーク=鈴木りさ/衣装協力=パンツ ¥6,930(CASPER JOHN/Sian PR)ネックレス ¥6,600 ブレスレット ¥3,850(共にAIVER/Sian PR)(荒牧) 、パンツ ¥12,980 ネックレス ¥6,600(共にAIVER/Sian PR)(梅津))
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

D坂の殺人事件(四)
江戸川乱歩

「警察では、君の指紋が犯人の指紋の上に重って、それを消して了ったのだと解釈しているのですが、併しそれは今の実験でも分る通り不可能なんですよ。いくら強く押した所で、指紋というものが線で出来ている以上、線と線との間に、前の指紋の跡が残る筈です。もし前後の指紋が全く同じもので、捺し方も寸分違わなかったとすれば、指紋の各線が一致しますから、或は後の指紋が先の指紋を隠して了うことも出来るでしょうが、そういうことは先ずあり得ませんし、仮令そうだとしても、この場合結論は変らないのです。
 併し、あの電燈を消したのが犯人だとすれば、スイッチにその指紋が残っていなければなりません。僕は若しや警察では君の指紋の線と線との間に残っている先の指紋を見落しているのではないかと思って、自分で検べて見たのですが、少しもそんな痕跡がないのです。つまり、あのスイッチには、後にも先にも、君の指紋が捺されているだけなのです。――どうして古本屋の人達の指紋が残っていなかったのか、それはよく分りませんが、多分、あの部屋の電燈はつけっぱなしで、一度も消したことがないのでしょう。
君、以上の事柄は一体何を語っているでしょう。僕はこういう風に考えるのですよ。一人の荒い棒縞の着物を着た男が、――その男は多分死んだ女の幼馴染で、失恋という理由なんかも考えられますね――古本屋の主人が夜店を出すことを知っていてその留守の間に女を襲うたのです。声を立てたり抵抗したりした形跡がないのですから、女はその男をよく知っていたに相違ありません。で、まんまと目的を果した男は、死骸の発見を後らす為に、電燈を消して立去ったのです。併し、この男の一期いちごの不覚は、障子の格子のあいているのを知らなかったこと、そして、驚いてそれを閉めた時に、偶然店先にいた二人の学生に姿を見られたことでした。それから、男は一旦外へ出ましたが、ふと気がついたのは、電燈を消した時、スイッチに指紋が残ったに相違ないということです。これはどうしても消して了わねばなりません。然しもう一度同じ方法で部屋の中へ忍込むのは危険です。そこで、男は一つの妙案を思いつきました。それは、自から殺人事件の発見者になることです。そうすれば、少しも不自然もなく、自分の手で電燈をつけて、以前の指紋に対する疑をなくして了うことが出来るばかりでなく、まさか、発見者が犯人だろうとは誰しも考えませんからね、二重の利益があるのです。こうして、彼は何食わぬ顔で警察のやり方を見ていたのです。大胆にも証言さえしました。しかも、その結果は彼の思う壺だったのですよ。五日たっても十日たっても、誰も彼を捕えに来るものはなかったのですからね」
この私の話を、明智小五郎はどんな表情で聴いていたか。私は、恐らく話の中途で、何か変った表情をするか、言葉を挟むだろうと予期していた。ところが、驚いたことには、彼の顔には何の表情も現れぬのだ。一体平素から心を色に現さぬ質たちではあったけれど、余り平気すぎる。彼は始終例の髪の毛をモジャモジャやりながら、黙り込んでいるのだ。私は、どこまでずうずうしい男だろうと思いながら最後の点に話を進めた。
「君はきっと、それじゃ、その犯人はどこから入って、どこから逃げたかと反問するでしょう。確に、その点が明かにならなければ、他の凡てのことが分っても何の甲斐もないのですからね。だが、遺憾いかんながら、それも僕が探り出したのですよ。あの晩の捜査の結果では、全然犯人の出て行った形跡がない様に見えました。併し、殺人があった以上、犯人が出入しなかった筈はないのですから、刑事の捜索にどこか抜目があったと考える外はありません。警察でもそれには随分苦心した様子ですが、不幸にして、彼等は、僕という一介の書生に及ばなかったのですよ。
 ナアニ、実は下らぬ事なんですがね、僕はこう思ったのです。これ程警察が取調べているのだから、近所の人達に疑うべき点は先ずあるまい。もしそうだとすれば、犯人は、何か、人の目にふれても、それが犯人だとは気づかれぬ様な方法で通ったのじゃないだろうか、そして、それを目撃した人はあっても、まるで問題にしなかったのではなかろうか、とね。つまり、人間の注意力の盲点――我々の目に盲点があると同じ様に、注意力にもそれがありますよ――を利用して、手品使が見物の目の前で、大きな品物を訳もなく隠す様に、自分自身を隠したのかも知れませんからね。そこで、僕が目をつけたのは、あの古本屋の一軒置いて隣の旭屋という蕎麦屋です」
 古本屋の右へ時計屋、菓子屋と並び、左へ足袋屋、蕎麦屋と並んでいるのだ。
「僕はあすこへ行って、事件の当夜八時頃に、便所を借りて行った男はないかと聞いて見たのです。あの旭屋は君も知っているでしょうが、店から土間続きで、裏木戸まで行ける様になっていて、その裏木戸のすぐ側に便所があるのですから、便所を借りる様に見せかけて、裏口から出て行って、又入って来るのは訳はありませんからね。――例のアイスクリーム屋は路地を出た角に店を出していたのですから、見つかる筈はありません――それに、相手が蕎麦屋ですから、便所を借りるということが極めて自然なんです。聞けば、あの晩はお上さんは不在で、主人丈が店の間にいた相ですから、おあつらえ向きなんです。君、なんとすてきな、思附おもいつきではありませんか。
 そして、案の定、丁度その時分に便所を借りた客があったのです。ただ、残念なことには、旭屋の主人は、その男の顔形とか着物の縞柄なぞを少しも覚えていないのですがね。――僕は早速この事を例の友達を通じて、小林刑事に知らせてやりましたよ。刑事は自分でも蕎麦屋を調べた様でしたが、それ以上何も分らなかったのです――」
 私は少し言葉を切って、明智に発言の余裕を与えた。彼の立場は、この際何とか一言云わないでいられぬ筈だ。ところが、彼は相変らず頭を掻廻しながら、すまし込んでいるのだ。私はこれまで、敬意を表する意味で間接法を用いていたのを直接法に改めねばならなかった。
「君、明智君、僕のいう意味が分るでしょう。動かぬ証拠が君を指さしているのですよ。白状すると、僕はまだ心の底では、どうしても君を疑う気になれないのですが、こういう風に証拠が揃っていては、どうも仕方がありません。……僕は、もしやあの長屋の内に、太い棒縞の浴衣を持っている人がないかと思って、随分骨を折って調べて見ましたが、一人もありません。それも尤もっともですよ。同じ棒縞の浴衣でも、あの格子に一致する様な派手なのを着る人は珍らしいのですからね。それに、指紋のトリックにしても、便所を借りるというトリックにしても、実に巧妙で、君の様な犯罪学者でなければ、一寸真似の出来ない芸当ですよ。それから、第一おかしいのは、君はあの死人の細君と幼馴染だといっていながら、あの晩、細君の身許調べなんかあった時に、側で聞いていて、少しもそれを申立てなかったではありませんか。
 さて、そうなると唯一の頼みは Alibi の有無です。ところが、それも駄目なんです。君は覚えていますか、あの晩帰り途で、白梅軒へ来るまで君が何処どこにいたかということを、僕は聞きましたね。君は一時間程、その辺を散歩していたと答えたでしょう。仮令、君の散歩姿を見た人があったとしても、散歩の途中で、蕎麦屋の便所を借りるなどはあり勝ちのことですからね。明智君、僕のいうことが間違っていますか。どうです。もし出来るなら君の弁明を聞こうじゃありませんか」
 読者諸君、私がこういって詰めよった時、奇人明智小五郎は何をしたと思います。面目なさに俯伏して了ったとでも思うのですか。どうしてどうして、彼はまるで意表外のやり方で、私の荒胆あらぎもをひしいだのです。というのは、彼はいきなりゲラゲラと笑い出したのです。
「いや失敬失敬、決して笑うつもりではなかったのですけれど、君は余り真面目だもんだから」明智は弁解する様に云った。「君の考えは却々なかなか面白いですよ。僕は君の様な友達を見つけたことを嬉しく思いますよ。併し、惜しいことには、君の推理は余りに外面的で、そして物質的ですよ。例えばですね。僕とあの女との関係についても、君は、僕達がどんな風な幼馴染だったかということを、内面的に心理的に調べて見ましたか。僕が以前あの女と恋愛関係があったかどうか。又現に彼女を恨うらんでいるかどうか。君にはそれ位のことが推察出来なかったのですか。あの晩、なぜ彼女を知っていることを云わなかったか、その訳は簡単ですよ。僕は何も参考になる様な事柄を知らなかったのです。僕は、まだ小学校へも入らぬ時分に彼女と分れた切りなのですからね。尤も、最近偶然そのことが分って、二三度話し合ったことはありますけれど」
「では、例えば指紋のことはどういう風に考えたらいいのですか?」
「君は、僕があれから何もしないでいたと思うのですか。僕もこれで却々やったのですよ。D坂は毎日の様にうろついていましたよ。殊に古本屋へはよく行きました。そして主人をつかまえて色々探ったのです。――細君を知っていたことはその時打明けたのですが、それが却かえって便宜になりましたよ――君が新聞記者を通じて警察の模様を知った様に、僕はあの古本屋の主人から、それを聞出していたんです。今の指紋のことも、じきに分りましたから、僕も妙に思って検しらべて見たのですが、ハハ……、笑い話ですよ。電球の線が切れていたのです。誰も消しやしなかったのですよ。僕がスイッチをひねった為に燈ひがついたと思ったのは間違で、あの時、慌てて電燈を動かしたので、一度切れたタングステンが、つながったのですよ。スイッチに僕の指紋丈けしかなかったのは、当りまえなのです。あの晩、君は障子のすき間から電燈のついているのを見たと云いましたね。とすれば、電球の切れたのは、その後ですよ。古い電球は、どうもしないでも、独りでに切れることがありますからね。それから、犯人の着物の色のことですが、これは僕が説明するよりも……」
 彼はそういって、彼の身辺の書物の山を、あちらこちら発掘していたが、やがて、一冊の古ぼけた洋書を掘りだして来た。
「君、これを読んだことがありますか、ミュンスターベルヒの『心理学と犯罪』という本ですが、この『錯覚』という章の冒頭を十行許ばかり読んで御覧なさい」
 私は、彼の自信ありげな議論を聞いている内に、段々私自身の失敗を意識し始めていた。で、云われるままにその書物を受取って、読んで見た。そこには大体次の様なことが書いてあった。
嘗かつて一つの自動車犯罪事件があった。法廷に於て、真実を申立てる旨むね宣誓した証人の一人は、問題の道路は全然乾燥してほこり立っていたと主張し、今一人の証人は、雨降りの挙句で、道路はぬかるんでいたと誓言した。一人は、問題の自動車は徐行していたともいい、他の一人は、あの様に早く走っている自動車を見たことがないと述べた。又前者は、その村道には二三人しか居なかったといい、後者は、男や女や子供の通行人が沢山あったと陳述した。この両人の証人は、共に尊敬すべき紳士で、事実を曲弁したとて、何の利益がある筈もない人々だった。
私がそれを読み終るのを待って明智は更らに本の頁を繰りながら云った。
「これは実際あったことですが、今度は、この『証人の記憶』という章があるでしょう。その中程の所に、予あらかじめ計画して実験した話があるのですよ。丁度着物の色のことが出てますから、面倒でしょうが、まあ一寸読んで御覧なさい」
 それは左の様な記事であった。

D坂の殺人事件(三)
江戸川乱歩
 

間もなく、死人の夫の古本屋が、知らせを聞いて帰って来た。彼は古本屋らしくない、きゃしゃな、若い男だったが、細君の死骸を見ると、気の弱い性質たちと見えて、声こそ出さないけれど、涙をぼろぼろ零こぼしていた。小林刑事は、彼が落着くのを待って、質問を始めた。検事も口を添えた。だが、彼等の失望したことは、主人は全然犯人の心当りがないというのだ。彼は「これに限って、人様に怨みを受ける様なものではございません」といって泣くのだ。それに、彼が色々調べた結果、物とりの仕業でないことも確められた。そこで、主人の経歴、細君の身許みもと其他様々の取調べがあったけれど、それらは別段疑うべき点もなく、この話の筋に大した関係もないので略することにする。最後に死人の身体にある多くの生傷について刑事の質問があった。主人は非常に躊躇ちゅうちょして居ったが、やっと自分がつけたのだと答えた。ところが、その理由については、くどく訊ねられたにも拘らず、余り明白な答は与えなかった。併し、彼はその夜ずっと夜店を出していたことが分っているのだから、仮令それが虐待の傷痕だったとしても、殺害の疑いはかからぬ筈だ。刑事もそう思ったのか、深く穿鑿せんさくしなかった。
 そうして、その夜の取調べは一先ず終った。私達は住所姓名などを書留められ、明智は指紋をとられて、帰途についたのは、もう一時を過ぎていた。
若し警察の捜索に手抜かりがなく、又証人達も嘘を云わなかったとすれば、これは実に不可解な事件であった。しかも、後で分った所によると、翌日から引続いて行われた、小林刑事のあらゆる取調べも何の甲斐もなくて、事件は発生の当夜のまま少しだって発展しなかったのだ。証人達は凡て信頼するに足る人々だった。十一軒の長屋の住人にも疑うべき所はなかった。被害者の国許も取調べられたけれど、これ亦、何の変った事もない。少くとも、小林刑事――彼は先にも云った通り、名探偵と噂されている人だ――が、全力を尽して捜索した限りでは、この事件は全然不可解と結論する外はなかった。これもあとで聞いたのだが、小林刑事が唯一の証拠品として、頼みをかけて持帰った例の電燈のスイッチにも、落胆したことには、明智の指紋の外ほか何物も発見することが出来なかった。明智はあの際で慌てていたせいか、そこには沢山の指紋が印せられていたが、凡て彼自身のものだった。恐らく、明智の指紋が犯人のそれを消して了ったのだろうと、刑事は判断した。
 読者諸君、諸君はこの話を読んで、ポオの「モルグ街の殺人」やドイルの「スペックルド・バンド」を聯想れんそうされはしないだろうか。つまり、この殺人事件の犯人は、人間でなくて、オランウータンだとか、印度インドの毒蛇だとかいうような種類のものだと想像されはしないだろうか。私も実はそれを考えたのだ。併し、東京のD坂あたりにそんなものが居るとも思われぬし、第一障子のすき間から、男の姿を見たという証人がある。のみならず、猿類などだったら、足跡の残らぬ筈はなく、又人目にもついた筈だ。そして、死人の頸にあった指の痕も、正に人間のそれだ。蛇がまきついたとて、あんな痕は残らぬ。
 それは兎も角、明智と私とは、その夜帰途につきながら、非常に興奮して色々と話合ったものだ。一例を上げると、まあこんな風なことを。
「君はポオの『ル・モルグ』やルルーの『黄色の部屋』などの材料になった、あのパリーの Rose Delacourt 事件を知っているでしょう。百年以上たった今日でも、まだ謎として残っているあの不思議な殺人事件を。僕はあれを思出したのですよ。今夜の事件も犯人の立去った跡のない所は、どうやら、あれに似ているではありませんか」と明智。
「そうですね。実に不思議ですね。よく、日本の建築では、外国の探偵小説にある様な深刻な犯罪は起らないなんて云いますが、僕は決してそうじゃないと思いますよ。現にこうした事件もあるのですからね。僕は何だか、出来るか出来ないか分りませんけれど、一つこの事件を探偵して見たい様な気がしますよ」
 そうして、私達はある横町で分れを告げた。其時私は、横町を曲って、彼一流の肩を振る歩き方で、さっさと帰って行く明智の後姿が、その派手な棒縞の浴衣によって暗やみの中にくっきりと浮出して見えたのを覚えている。

(下)推理

 さて、殺人事件から十日程たったある日、私は明智小五郎の宿を訪ねた。その十日の間に、明智と私とが、この事件に関して、何を為し、何を考えそして何を結論したか。読者は、それらを、この日、彼と私との間に取交された会話によって、十分察することが出来るであろう。
 それまで、明智とはカフェで顔を合していたばかりで、宿を訪ねるのは、その時が始めてだったけれど、予かねて所を聞いていたので、探すのに骨は折れなかった。私は、それらしい煙草屋の店先に立って、お上さんに、明智がいるかどうかを尋ねた。
「エエ、いらっしゃいます。一寸御待ち下さい、今お呼びしますから」
彼女はそういって、店先から見えている階段の上り口まで行って、大声に明智を呼んだ。彼はこの家の二階を間借りしているのだ。すると、
「オー」
 と変な返事をして、明智はミシミシと階段を下りて来たが、私を発見すると、驚いた顔をして「ヤー、御上りなさい」といった。私は彼の後に従って二階へ上った。ところが、何気なく、彼の部屋へ一歩足を踏み込んだ時、私はアッと魂消たまげてしまった。部屋の様子が余りにも異様だったからだ。明智が変り者だということを知らぬではなかったけれど、これは又変り過ぎていた。
 何のことはない、四畳半の座敷が書物で埋まっているのだ。真中の所に少し畳が見える丈けで、あとは本の山だ、四方の壁や襖に沿って、下の方は殆ほとんど部屋一杯に、上の方程幅が狭くなって、天井の近くまで、四方から書物の土手が迫っているのだ。外の道具などは何もない。一体彼はこの部屋でどうして寝るのだろうと疑われる程だ。第一、主客二人の坐る所もない、うっかり身動きし様ものなら、忽たちまち本の土手くずれで、圧おしつぶされて了うかも知れない。
「どうも狭くっていけませんが、それに、座蒲団ざぶとんがないのです。済みませんが、柔か相な本の上へでも坐って下さい」
 私は書物の山に分け入って、やっと坐る場所を見つけたが、あまりのことに、暫く、ぼんやりとその辺あたりを見廻していた。
 私は、かくも風変りな部屋の主である明智小五郎の為人ひととなりについて、ここで一応説明して置かねばなるまい。併し彼とは昨今のつき合いだから、彼がどういう経歴の男で、何によって衣食し、何を目的にこの人世を送っているのか、という様なことは一切分らぬけれど、彼が、これという職業を持たぬ一種の遊民であることは確かだ。強しいて云えば書生であろうか、だが、書生にしては余程風変りな書生だ。いつか彼が「僕は人間を研究しているんですよ」といったことがあるが、其時私には、それが何を意味するのかよく分らなかった。唯、分っているのは、彼が犯罪や探偵について、並々ならぬ興味と、恐るべく豊富な知識を持っていることだ。
 年は私と同じ位で、二十五歳を越してはいまい。どちらかと云えば痩やせた方で、先にも云った通り、歩く時に変に肩を振る癖がある、といっても、決して豪傑流のそれではなく、妙な男を引合いに出すが、あの片腕の不自由な、講釈師の神田伯龍を思出させる様な歩き方なのだ。伯龍といえば、明智は顔つきから声音まで、彼にそっくりだ、――伯龍を見たことのない読者は、諸君の知っている内で、所謂いわゆる好男子ではないが、どことなく愛嬌のある、そして最も天才的な顔を想像するがよい――ただ明智の方は、髪の毛がもっと長く延びていて、モジャモジャともつれ合っている。そして、彼は人と話している間にもよく、指で、そのモジャモジャになっている髪の毛を、更らにモジャモジャにする為の様に引掻廻ひっかきまわすのが癖だ。服装などは一向構わぬ方らしく、いつも木綿の着物に、よれよれの兵児帯へこおびを締めている。
「よく訪ねて呉れましたね。その後暫く逢いませんが、例のD坂の事件はどうです。警察の方では一向犯人の見込がつかぬようではありませんか」
 明智は例の、頭を掻廻しながら、ジロジロ私の顔を眺めて云う。
「実は僕、今日はそのことで少し話があって来たんですがね」そこで私はどういう風に切り出したものかと迷いながら始めた。
「僕はあれから、種々考えて見たんですよ。考えたばかりでなく、探偵の様に実地の取調べもやったのですよ。そして、実は一つの結論に達したのです。それを君に御報告しようと思って……」
「ホウ。そいつはすてきですね。詳しく聞き度いものですね」
 私は、そういう彼の目付に、何が分るものかという様な、軽蔑と安心の色が浮んでいるのを見逃さなかった。そして、それが私の逡巡している心を激励した。私は勢込いきおいこんで話し始めた。
「僕の友達に一人の新聞記者がありましてね、それが、例の事件の係りの小林刑事というのと懇意なのです。で、僕はその新聞記者を通じて、警察の模様を詳しく知ることが出来ましたが、警察ではどうも捜査方針が立たないらしいのです。無論種々いろいろ活動はしているのですが、これという見込がつかぬのです。あの、例の電燈のスイッチですね。あれも駄目なんです。あすこには、君の指紋丈けっきゃついていないことが分ったのです。警察の考えでは、多分君の指紋が犯人の指紋を隠して了ったのだというのですよ。そういう訳で、警察が困っていることを知ったものですから、僕は一層熱心に調べて見る気になりました。そこで、僕が到達した結論というのは、どんなものだと思います、そして、それを警察へ訴える前に、君の所へ話しに来たのは何の為だと思います。
それは兎も角、僕はあの事件のあった日から、あることを気づいていたのですよ。君は覚えているでしょう。二人の学生が犯人らしい男の着物の色について、まるで違った申立てをしたことをね。一人は黒だといい、一人は白だと云うのです。いくら人間の目が不確だといって、正反対の黒と白とを間違えるのは変じゃないですか。警察ではあれをどんな風に解釈したか知りませんが、僕は二人の陳述は両方とも間違でないと思うのですよ。君、分りますか。あれはね、犯人が白と黒とのだんだらの着物を着ていたんですよ。……つまり、太い黒の棒縞の浴衣なんかですね。よく宿屋の貸浴衣にある様な……では何故それが一人に真白に見え、もう一人には真黒に見えたかといいますと、彼等は障子の格子のすき間から見たのですから、丁度その瞬間、一人の目が格子のすき間と着物の白地の部分と一致して見える位置にあり、もう一人の目が黒地の部分と一致して見える位置にあったんです。これは珍らしい偶然かも知れませんが、決して不可能ではないのです。そして、この場合こう考えるより外に方法がないのです。
さて、犯人の着物の縞柄は分りましたが、これでは単に捜査範囲が縮小されたという迄で、まだ確定的のものではありません。第二の論拠は、あの電燈のスイッチの指紋なんです。僕は、さっき話した新聞記者の友達の伝手つてで、小林刑事に頼んでその指紋を――君の指紋ですよ――よく検べさせて貰ったのです。その結果愈々いよいよ僕の考えてることが間違っていないのを確めました。ところで、君、硯すずりがあったら、一寸貸して呉れませんか」
そこで、私は一つの実験をやって見せた。先ず硯を借りる、私は右の拇指に薄く墨をつけて、懐から半紙の上に一つの指紋を捺おした。それから、その指紋の乾くのを待って、もう一度同じ指に墨をつけ前の指紋の上から、今度は指の方向を換えて念入りに押えつけた。すると、そこには互に交錯した二重の指紋がハッキリ現れた。


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