热血高燃,这是什么宝藏漫改剧,太还原了剧名:《镇魂街之热血再燃》
主演:敖瑞鹏,张予曦,金珈
集数:24集(待播)
播出平台:优酷
改编自原创漫画家许辰创作的国漫IP《镇魂街》
敖瑞鹏演过《少年歌行》里的雷无桀,江湖义气少年感满满,在这里饰演曹焱兵简直太贴恋
剧情介绍
拥有武神躯的魏武后人曹焱兵、身负神秘守护灵的夏玲、前镇魂将北落师门三人带着各自不同的目的共同前往空神之森寻找芦花古楼,一路险象环生,危机重重。
他们一路相互扶持,完成了困境中的历练与成长,也发现了一些惊天秘密。
主演:敖瑞鹏,张予曦,金珈
集数:24集(待播)
播出平台:优酷
改编自原创漫画家许辰创作的国漫IP《镇魂街》
敖瑞鹏演过《少年歌行》里的雷无桀,江湖义气少年感满满,在这里饰演曹焱兵简直太贴恋
剧情介绍
拥有武神躯的魏武后人曹焱兵、身负神秘守护灵的夏玲、前镇魂将北落师门三人带着各自不同的目的共同前往空神之森寻找芦花古楼,一路险象环生,危机重重。
他们一路相互扶持,完成了困境中的历练与成长,也发现了一些惊天秘密。
从焦虑抑郁看怪病多肾虚
原创 中医任巧生#中医##抑郁症#
古人曾说:“怪病多痰”,是从痰气变化多端的性质来认识的。
怪病多由痰作祟,诚然不虚。但我根据临床观察,很多怪病不仅仅是痰作祟,更多的是“肾虚”在作祟。
而且肾虚这个病机十分隐蔽,有时候绝大多数大夫都看不到背后的“肾虚”之本。
就比如我治过的癫痫,发作起来吓人把,是公认的怪病、疑难病。常规治法无非是祛风化痰、开窍醒脑之类的。
我发现按常规治法来治,效果不明显。以补肾健脾、助阳化气治反而见效快。下面这个患者,看舌象主要是瘀热很重,然而化瘀清热开窍效果不好,反而用补肾滋阴和阳之剂收效。
第二个是神经精神类疾病,也是典型的怪病。最常见的焦虑症、抑郁症,会出现千奇百怪的躯体症状。
有跟我说胳肢窝瘙痒难耐的,有跟我说两乳房中间有个东西,有跟我说感觉心脏刺痛的,有跟我说胃里堵着石头或堵着气儿,还有跟我说后脑勺发酸的,还有说脚底板发麻,早晨起来胸口有石头压着等等。
症状千奇百怪,但躯体症状有一个特点,就是这个患者往往对症状的描述特别具体,位置也很清楚,经过各种检查又找不到原因。
这种情况大多数大夫都会从肝论治,疏肝解郁、化痰行气、补气养血等,反正就是效果不理想。
凡是遇到这种,我就从肾来治,大多数能有效。补肾活血,健脾升清是大法。
为什么怪病的背后总有“肾虚”在作祟呢?一般怪病时间比较长,久病及肾。另一方面呢,肾虚之后会引起多系统紊乱,没有一个肾虚的病人是单纯的肾虚,一旦出现肾虚,必然有其他四脏的问题,或伴有心肝火旺、或伴有肺脾气虚、或痰湿阻滞经络、或气滞血瘀经脉、或湿浊蒙蔽官窍等等。
肾虚这个病机往往藏得很深,患者来就诊的时候,望闻问切之后得出的是各种标证,而肾虚在标证突出的时候是看不出来的,虽然标证突出当先治标,然而临床奇怪就在这里,治标效果就是不好!
就如抑郁一症,大多数认为是肝气郁结,心神失养之类的病机,而其实抑郁症的根本原因是肾虚、肝血亏虚、肝气亏虚。所谓的抑郁并不是情志弗郁所致的肝气郁结,而是因为肝血少了,化生肝气不足,肝气没有力量来条达,无力条达,就显得人的精神、身体缺少能量,不能振奋。肝为罢极之本,肝血肝气不足,就不耐疲劳,精神方面的疲劳就表现为抑郁,对一切都不感兴趣。
焦虑症也是一样的机理,也是肝肾不足,阴血不足,肝气不能敛藏,肝气乱窜就是各种奇怪的症状。
我治焦虑抑郁,大概率会用到大剂量生地黄以养肝血补肾阴,抑郁症肝气不足的用生黄芪升补肝气,焦虑症肝气不藏的用龙骨镇肝敛魂。肾虚是根本原因,必须治到肾的层次,才显示出可喜的效果。 https://t.cn/RcSYy3n
原创 中医任巧生#中医##抑郁症#
古人曾说:“怪病多痰”,是从痰气变化多端的性质来认识的。
怪病多由痰作祟,诚然不虚。但我根据临床观察,很多怪病不仅仅是痰作祟,更多的是“肾虚”在作祟。
而且肾虚这个病机十分隐蔽,有时候绝大多数大夫都看不到背后的“肾虚”之本。
就比如我治过的癫痫,发作起来吓人把,是公认的怪病、疑难病。常规治法无非是祛风化痰、开窍醒脑之类的。
我发现按常规治法来治,效果不明显。以补肾健脾、助阳化气治反而见效快。下面这个患者,看舌象主要是瘀热很重,然而化瘀清热开窍效果不好,反而用补肾滋阴和阳之剂收效。
第二个是神经精神类疾病,也是典型的怪病。最常见的焦虑症、抑郁症,会出现千奇百怪的躯体症状。
有跟我说胳肢窝瘙痒难耐的,有跟我说两乳房中间有个东西,有跟我说感觉心脏刺痛的,有跟我说胃里堵着石头或堵着气儿,还有跟我说后脑勺发酸的,还有说脚底板发麻,早晨起来胸口有石头压着等等。
症状千奇百怪,但躯体症状有一个特点,就是这个患者往往对症状的描述特别具体,位置也很清楚,经过各种检查又找不到原因。
这种情况大多数大夫都会从肝论治,疏肝解郁、化痰行气、补气养血等,反正就是效果不理想。
凡是遇到这种,我就从肾来治,大多数能有效。补肾活血,健脾升清是大法。
为什么怪病的背后总有“肾虚”在作祟呢?一般怪病时间比较长,久病及肾。另一方面呢,肾虚之后会引起多系统紊乱,没有一个肾虚的病人是单纯的肾虚,一旦出现肾虚,必然有其他四脏的问题,或伴有心肝火旺、或伴有肺脾气虚、或痰湿阻滞经络、或气滞血瘀经脉、或湿浊蒙蔽官窍等等。
肾虚这个病机往往藏得很深,患者来就诊的时候,望闻问切之后得出的是各种标证,而肾虚在标证突出的时候是看不出来的,虽然标证突出当先治标,然而临床奇怪就在这里,治标效果就是不好!
就如抑郁一症,大多数认为是肝气郁结,心神失养之类的病机,而其实抑郁症的根本原因是肾虚、肝血亏虚、肝气亏虚。所谓的抑郁并不是情志弗郁所致的肝气郁结,而是因为肝血少了,化生肝气不足,肝气没有力量来条达,无力条达,就显得人的精神、身体缺少能量,不能振奋。肝为罢极之本,肝血肝气不足,就不耐疲劳,精神方面的疲劳就表现为抑郁,对一切都不感兴趣。
焦虑症也是一样的机理,也是肝肾不足,阴血不足,肝气不能敛藏,肝气乱窜就是各种奇怪的症状。
我治焦虑抑郁,大概率会用到大剂量生地黄以养肝血补肾阴,抑郁症肝气不足的用生黄芪升补肝气,焦虑症肝气不藏的用龙骨镇肝敛魂。肾虚是根本原因,必须治到肾的层次,才显示出可喜的效果。 https://t.cn/RcSYy3n
詩
石川啄木
啄木鳥
いにしへ聖者が雅典アデンの森に撞つきし、
光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて
鋳いにたる巨鐘おほがね、無窮むきゆうのその声をぞ
染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。
聞け、今、巷に喘あへげる塵ちりの疾風はやち
よせ来て、若やぐ生命いのちの森の精の
聖きよきを攻むやと、終日ひねもす、啄木鳥きつつきどり、
巡りて警告いましめ夏樹なつきの髄ずゐにきざむ。
往ゆきしは三千年みちとせ、永劫えいごふ猶なほすすみて
つきざる『時』の箭や、無象の白羽の跡
追ひ行く不滅の教よ。――プラトオ、汝が
浄きを高きを天路の栄はえと云ひし
霊をぞ守りて、この森不断の糧かて、
奇くしかるつとめを小さき鳥のすなる。
隠沼
夕影しづかに番つがひの白鷺しらさぎ下り、
槇まきの葉枯かれたる樹下こしたの隠沼こもりぬにて、
あこがれ歌ふよ。――『その昔かみ、よろこび、そは
朝明あさあけ、光の揺籃ゆりごに星と眠り、
悲しみ、汝なれこそとこしへ此処ここに朽くちて、
我が喰はみ啣ふくめる泥土ひづちと融とけ沈みぬ。』――
愛の羽寄り添ひ、青瞳せいどううるむ見れば、
築地ついぢの草床、涙を我も垂たれつ。
仰あふげば、夕空さびしき星めざめて、
しぬびの光よ、彩あやなき夢ゆめの如ごとく、
ほそ糸ほのかに水底みぞこに鎖くさりひける。
哀歓かたみの輪廻めぐりは猶なほも堪へめ、
泥土ひづちに似る身ぞ。ああさは我が隠沼、
かなしみ喰はみ去る鳥さへえこそ来めや。
眠れる都
(京に入りて間もなく宿りける駿河台の新居、窓を開けば、竹林の崖下、一望甍いらかの谷ありて眼界を埋めたり。秋なれば夜毎に、甍の上は重き霧、霧の上に月照りて、永く山村僻陬へきすうの間にありし身には、いと珍らかの眺めなりしか。一夜興をえて匇々さうさう筆を染めけるもの乃すなはちこの短調七聯れんの一詩也。「枯林」より「二つの影」までの七篇は、この甍の谷にのぞめる窓の三週の仮住居になれるものなりき)
鐘鳴りぬ、
いと荘厳おごそかに
夜は重し、市いちの上。
声は皆眠れる都
瞰下みおろせば、すさまじき
野の獅子ししの死にも似たり。
ゆるぎなき
霧の巨浪おほなみ、
白う照る月影に
氷りては市を包みぬ。
港なる百船ももふねの、
それの如ごと、燈影ほかげ洩もるる。
みおろせば、
眠れる都、
ああこれや、最後をはりの日
近づける血潮の城か。
夜の霧は、墓の如、
ものみなを封じ込めぬ。
百万の
つかれし人は
眠るらし、墓の中。
天地あめつちを霧は隔てて、
照りわたる月かげは
天あめの夢地にそそがず。
声もなき
ねむれる都、
しじまりの大いなる
声ありて、霧のまにまに
ただよひぬ、ひろごりぬ、
黒潮のそのどよみと。
ああ声は
昼のぞめきに
けおされしたましひの
打なやむ罪の唸うなりか。
さては又、ひねもすの
たたかひの名残なごりの声か。
我が窓は、
濁にごれる海を
遶めぐらせる城の如、
遠寄とほよせに怖れまどへる
詩うたの胸守りつつ、
月光を隈くまなく入れぬ。
東京
かくやくの夏の日は、今
子午しご線の上にかかれり。
煙突の鉄の林や、煙皆、煤黒すすぐろき手に
何をかも攫つかむとすらむ、ただ直ひたに天をぞ射させる。
百千網ももちあみ巷巷ちまたちまたに空車行く音もなく
あはれ、今、都大路に、大真夏光動かぬ
寂寞せきばくよ、霜夜の如く、百万の心を圧せり。
千万の甍いらか今日こそ色もなく打鎮しづまりぬ。
紙の片白き千ひらを撒まきて行く通魔とほりまありと、
家家の門や又窓まど、黒布に皆とざされぬ。
百千網都大路に人の影暁星の如
いと稀まれに。――かくて、骨泣く寂滅じやくめつ死の都、見よ。
かくやくの夏の日は、今
子午線の上にかかれり。
何方いづかたゆ流れ来ぬるや、黒星よ、真北の空に
飛ぶを見ぬ。やがて大路の北の涯はて、天路に聳そそる
層楼の屋根にとまれり。唖唖ああとして一声、――これよ
凶鳥まがどりの不浄の烏からす。――骨あさる鳥なり、はたや、
死の空にさまよひ叫ぶ怨恨ゑんこんの毒嘴どくはしの鳥。
鳥啼なきぬ、二度。――いかに、其声の猶なほ終らぬに、
何方ゆ現れ来しや、幾尺の白髪かき垂れ、
いな光る剣捧ささげし童顔の翁おきなあり。ああ、
黒長裳くろながも静かに曳ひくや、寂寞の戸に反響こだまして、
沓くつの音全都に響き、唯一人大路を練れり。
有りとある磁石の針は
子午線の真北を射せり。
吹角つのぶえ
みちのくの谷の若人、牧の子は
若葉衣の夜心に、
赤葉の芽ぐみ物燻くゆる五月さつきの丘の
柏かしは木立をたもとほり、
落ちゆく月を背に負ひて、
東白しののめの空のほのめき――
天あめの扉との真白き礎もとゆ湧く水の
いとすがすがし。――
ひたひたと木陰地こさぢに寄せて、
足もとの朝草小露明らみぬ。
風はも涼すずし。
みちのくの牧の若人露ふみて
もとほり心角くだ吹けば、
吹き、また吹けば、
渓川たにがはの石津瀬いはつせはしる水音も
あはれ、いのちの小鼓こつづみの鳴の遠音とほねと
ひびき寄す。
ああ静心しづごころなし。
丘のつづきの草の上へに
白き光のまろぶかと
ふとしも動く物の影。――
凹くぼみの埓かこひの中に寝て、
心うゑたる暁の夢よりさめし
小羊の群は、静かにひびき来る
角の遠音にあくがれて、
埓こえ、草をふみしだき、直ひたに走りぬ。
暁の声する方かたの丘の辺へに。――
ああ歓よろこびの朝の舞、
新乳にひちの色の衣して、若き羊は
角ふく人の身を繞めぐり、
すずしき風に啼なき交かはし、また小躍こをどりぬ。
あはれ、いのちの高丘に
誰ぞ角吹かば、
我も亦またこの世の埓をとびこえて、
野ゆき、川ゆき、森をゆき、
かの山越えて、海越えて、
行かましものと、
みちのくの谷の若人、いやさらに
角吹き吹きて、静心なし。
年老いし彼は商人
年老いし彼は商人あきびと。
靴くつ、鞄かばん、帽子、革帯かはおび、
ところせく列ならべる店に
坐り居て、客のくる毎ごと、
尽日ひねもすや、はた、電燈の
青く照る夜も更ふくるまで、
てらてらに禿はげし頭を
礼ゐやあつく千度ちたび下げつつ、
なれたれば、いと滑なめらかに
数数の世辞をならべぬ。
年老いし彼はあき人。
かちかちと生命いのちを刻む
ボンボンの下の帳場や、
簿記台ぼきだいの上に低たれたる
其その頭、いと面白おもしろし。
その頭低たるる度毎たびごと、
彼が日は短くなりつ、
年こそは重みゆきけれ。
かくて、見よ、髪の一条ひとすぢ
落ちつ、また、二条、三条、
いつとなく抜けたり、遂つひに
面白し、禿げたる頭。
その頭、禿げゆくままに、
白壁の土蔵どざうの二階、
黄金の宝の山は
(目もはゆし、暗やみの中にも。)
積まれたり、いと堆うづたかく。
埃及エジプトの昔の王は
わが墓の大金字塔だいピラミドを
つくるとて、ニルの砂原、
十万の黒兵者くろつはものを
二十年はたとせも役えきせしといふ。
年老いしこの商人あきびとも
近つ代の栄の王者、
幾人の小僧つかひて、
人の見ぬ土蔵の中に
きづきたり、宝の山を。――
これこそは、げに、目もはゆき
新世あらたよの金字塔ピラミドならし、
霊魂たましひの墓の標しるしの。
石川啄木
啄木鳥
いにしへ聖者が雅典アデンの森に撞つきし、
光ぞ絶えせぬみ空の『愛の火』もて
鋳いにたる巨鐘おほがね、無窮むきゆうのその声をぞ
染めなす『緑』よ、げにこそ霊の住家。
聞け、今、巷に喘あへげる塵ちりの疾風はやち
よせ来て、若やぐ生命いのちの森の精の
聖きよきを攻むやと、終日ひねもす、啄木鳥きつつきどり、
巡りて警告いましめ夏樹なつきの髄ずゐにきざむ。
往ゆきしは三千年みちとせ、永劫えいごふ猶なほすすみて
つきざる『時』の箭や、無象の白羽の跡
追ひ行く不滅の教よ。――プラトオ、汝が
浄きを高きを天路の栄はえと云ひし
霊をぞ守りて、この森不断の糧かて、
奇くしかるつとめを小さき鳥のすなる。
隠沼
夕影しづかに番つがひの白鷺しらさぎ下り、
槇まきの葉枯かれたる樹下こしたの隠沼こもりぬにて、
あこがれ歌ふよ。――『その昔かみ、よろこび、そは
朝明あさあけ、光の揺籃ゆりごに星と眠り、
悲しみ、汝なれこそとこしへ此処ここに朽くちて、
我が喰はみ啣ふくめる泥土ひづちと融とけ沈みぬ。』――
愛の羽寄り添ひ、青瞳せいどううるむ見れば、
築地ついぢの草床、涙を我も垂たれつ。
仰あふげば、夕空さびしき星めざめて、
しぬびの光よ、彩あやなき夢ゆめの如ごとく、
ほそ糸ほのかに水底みぞこに鎖くさりひける。
哀歓かたみの輪廻めぐりは猶なほも堪へめ、
泥土ひづちに似る身ぞ。ああさは我が隠沼、
かなしみ喰はみ去る鳥さへえこそ来めや。
眠れる都
(京に入りて間もなく宿りける駿河台の新居、窓を開けば、竹林の崖下、一望甍いらかの谷ありて眼界を埋めたり。秋なれば夜毎に、甍の上は重き霧、霧の上に月照りて、永く山村僻陬へきすうの間にありし身には、いと珍らかの眺めなりしか。一夜興をえて匇々さうさう筆を染めけるもの乃すなはちこの短調七聯れんの一詩也。「枯林」より「二つの影」までの七篇は、この甍の谷にのぞめる窓の三週の仮住居になれるものなりき)
鐘鳴りぬ、
いと荘厳おごそかに
夜は重し、市いちの上。
声は皆眠れる都
瞰下みおろせば、すさまじき
野の獅子ししの死にも似たり。
ゆるぎなき
霧の巨浪おほなみ、
白う照る月影に
氷りては市を包みぬ。
港なる百船ももふねの、
それの如ごと、燈影ほかげ洩もるる。
みおろせば、
眠れる都、
ああこれや、最後をはりの日
近づける血潮の城か。
夜の霧は、墓の如、
ものみなを封じ込めぬ。
百万の
つかれし人は
眠るらし、墓の中。
天地あめつちを霧は隔てて、
照りわたる月かげは
天あめの夢地にそそがず。
声もなき
ねむれる都、
しじまりの大いなる
声ありて、霧のまにまに
ただよひぬ、ひろごりぬ、
黒潮のそのどよみと。
ああ声は
昼のぞめきに
けおされしたましひの
打なやむ罪の唸うなりか。
さては又、ひねもすの
たたかひの名残なごりの声か。
我が窓は、
濁にごれる海を
遶めぐらせる城の如、
遠寄とほよせに怖れまどへる
詩うたの胸守りつつ、
月光を隈くまなく入れぬ。
東京
かくやくの夏の日は、今
子午しご線の上にかかれり。
煙突の鉄の林や、煙皆、煤黒すすぐろき手に
何をかも攫つかむとすらむ、ただ直ひたに天をぞ射させる。
百千網ももちあみ巷巷ちまたちまたに空車行く音もなく
あはれ、今、都大路に、大真夏光動かぬ
寂寞せきばくよ、霜夜の如く、百万の心を圧せり。
千万の甍いらか今日こそ色もなく打鎮しづまりぬ。
紙の片白き千ひらを撒まきて行く通魔とほりまありと、
家家の門や又窓まど、黒布に皆とざされぬ。
百千網都大路に人の影暁星の如
いと稀まれに。――かくて、骨泣く寂滅じやくめつ死の都、見よ。
かくやくの夏の日は、今
子午線の上にかかれり。
何方いづかたゆ流れ来ぬるや、黒星よ、真北の空に
飛ぶを見ぬ。やがて大路の北の涯はて、天路に聳そそる
層楼の屋根にとまれり。唖唖ああとして一声、――これよ
凶鳥まがどりの不浄の烏からす。――骨あさる鳥なり、はたや、
死の空にさまよひ叫ぶ怨恨ゑんこんの毒嘴どくはしの鳥。
鳥啼なきぬ、二度。――いかに、其声の猶なほ終らぬに、
何方ゆ現れ来しや、幾尺の白髪かき垂れ、
いな光る剣捧ささげし童顔の翁おきなあり。ああ、
黒長裳くろながも静かに曳ひくや、寂寞の戸に反響こだまして、
沓くつの音全都に響き、唯一人大路を練れり。
有りとある磁石の針は
子午線の真北を射せり。
吹角つのぶえ
みちのくの谷の若人、牧の子は
若葉衣の夜心に、
赤葉の芽ぐみ物燻くゆる五月さつきの丘の
柏かしは木立をたもとほり、
落ちゆく月を背に負ひて、
東白しののめの空のほのめき――
天あめの扉との真白き礎もとゆ湧く水の
いとすがすがし。――
ひたひたと木陰地こさぢに寄せて、
足もとの朝草小露明らみぬ。
風はも涼すずし。
みちのくの牧の若人露ふみて
もとほり心角くだ吹けば、
吹き、また吹けば、
渓川たにがはの石津瀬いはつせはしる水音も
あはれ、いのちの小鼓こつづみの鳴の遠音とほねと
ひびき寄す。
ああ静心しづごころなし。
丘のつづきの草の上へに
白き光のまろぶかと
ふとしも動く物の影。――
凹くぼみの埓かこひの中に寝て、
心うゑたる暁の夢よりさめし
小羊の群は、静かにひびき来る
角の遠音にあくがれて、
埓こえ、草をふみしだき、直ひたに走りぬ。
暁の声する方かたの丘の辺へに。――
ああ歓よろこびの朝の舞、
新乳にひちの色の衣して、若き羊は
角ふく人の身を繞めぐり、
すずしき風に啼なき交かはし、また小躍こをどりぬ。
あはれ、いのちの高丘に
誰ぞ角吹かば、
我も亦またこの世の埓をとびこえて、
野ゆき、川ゆき、森をゆき、
かの山越えて、海越えて、
行かましものと、
みちのくの谷の若人、いやさらに
角吹き吹きて、静心なし。
年老いし彼は商人
年老いし彼は商人あきびと。
靴くつ、鞄かばん、帽子、革帯かはおび、
ところせく列ならべる店に
坐り居て、客のくる毎ごと、
尽日ひねもすや、はた、電燈の
青く照る夜も更ふくるまで、
てらてらに禿はげし頭を
礼ゐやあつく千度ちたび下げつつ、
なれたれば、いと滑なめらかに
数数の世辞をならべぬ。
年老いし彼はあき人。
かちかちと生命いのちを刻む
ボンボンの下の帳場や、
簿記台ぼきだいの上に低たれたる
其その頭、いと面白おもしろし。
その頭低たるる度毎たびごと、
彼が日は短くなりつ、
年こそは重みゆきけれ。
かくて、見よ、髪の一条ひとすぢ
落ちつ、また、二条、三条、
いつとなく抜けたり、遂つひに
面白し、禿げたる頭。
その頭、禿げゆくままに、
白壁の土蔵どざうの二階、
黄金の宝の山は
(目もはゆし、暗やみの中にも。)
積まれたり、いと堆うづたかく。
埃及エジプトの昔の王は
わが墓の大金字塔だいピラミドを
つくるとて、ニルの砂原、
十万の黒兵者くろつはものを
二十年はたとせも役えきせしといふ。
年老いしこの商人あきびとも
近つ代の栄の王者、
幾人の小僧つかひて、
人の見ぬ土蔵の中に
きづきたり、宝の山を。――
これこそは、げに、目もはゆき
新世あらたよの金字塔ピラミドならし、
霊魂たましひの墓の標しるしの。
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