福島で震度５弱　首都直下地震なら「被害総額１０００兆円」　震度４超が頻発　「能登レベルがどこで起きてもおかしくない」専門家
3/15(金) 17:00配信
夕刊フジ
１５日午前０時１４分ごろ、福島県で最大震度５弱を観測する地震があった。先月下旬から千葉県東方沖でも群発地震が発生するなど、東日本太平洋側の揺れへの警戒が強まっている。土木学会は１４日、首都直下地震の被害総額が１０００兆円に上るとの試算を発表したばかりだ。地震大国日本に潜むリスクが改めて浮き彫りになった。

■震度４超が頻発

気象庁によると、福島県沖を震源とする地震は、震源の深さは約５０キロで、地震の規模はマグニチュード（Ｍ）５・８だった。福島県の川俣町や楢葉町で震度５弱のほか、茨城県や栃木県など関東でも震度４を観測した。

１月１日に最大震度７を観測した能登半島地震以来、列島各地で震度４以上の地震が頻発している＝別表。気象庁の震度データベースなどによると、全国で１月以降、最大震度４以上は７８回、うち震度５弱以上は１９回も発生している（１５日朝時点）。

千葉県東方沖では、先月２７日から今月１３日までに３３回も断続的に地震が発生した。

関東では、政府が２０１３年、「３０年以内に７０％程度の確率」と想定する首都直下地震への関心が高まる。東京や千葉、埼玉、神奈川などで被害が大きく、死者は２万３０００人、全壊・焼失の建物は約６１万棟に上るとされる。

■復興に３５３兆円　連鎖倒産、大不況も

土木学会は、首都直下地震が起きた場合、道路などの損傷に伴い経済活動が低迷する「経済被害」が９５４兆円、建物損壊などの「資産被害」が４７兆円となり、経済的被害額は、約２０年間で総額１００１兆円との推計を明らかにした。財政的被害では、税収減が３６兆円で、復興事業費が３５３兆円になるという。復興予算がかさめば、増税となって跳ね返り、「連鎖倒産や、大不況を招く恐れがある」と指摘した。

能登半島地震でも建物倒壊や火災、土地の液状化現象、交通の途絶などインフラ被害も深刻だった。土木学会は、電線の地中化で電柱が倒れないようにするなどの対策が有効としたほか、埋め立て地にあり、液状化現象が起きやすい港湾施設でも耐震補強をしておくべきだとした。

夕刊フジで「警戒せよ！生死を分ける地震の基礎知識」（毎週木曜）を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「能登半島地震と同程度の揺れは列島各地どこで起きてもおかしくない。福島県沖の地震は東日本大震災の余震とみられるが、別のリスクとして千葉県の地震がある。首都圏ではＭ８級の大地震に引き続き注意すべきだ。１０００兆円という経済的損害は妥当にみえる」と分析した。

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