秋山図(下)
芥川龍之介
煙客翁が私わたしにこの話を聴かせたのは、始めて秋山図を見た時から、すでに五十年近い星霜せいそうを経過した後のちだったのです。その時は元宰げんさい先生も、とうに物故ぶっこしていましたし、張氏ちょうしの家でもいつの間まにか、三度まで代が変っていました。ですからあの秋山図も、今は誰の家に蔵されているか、いや、未いまだに亀玉きぎょくの毀やぶれもないか、それさえ我々にはわかりません。煙客翁は手にとるように、秋山図の霊妙を話してから、残念そうにこう言ったものです。
「あの黄一峯は公孫大嬢こうそんたいじょうの剣器けんきのようなものでしたよ。筆墨はあっても、筆墨は見えない。ただ何とも言えない神気しんきが、ただちに心に迫って来るのです。――ちょうど龍翔りょうしょうの看かんはあっても、人や剣つるぎが我々に見えないのと同じことですよ」
それから一月ひとつきばかりの後のち、そろそろ春風しゅんぷうが動きだしたのを潮しおに、私は独り南方へ、旅をすることになりました。そこで翁おうにその話をすると、
「ではちょうど好いい機会だから、秋山しゅうざんを尋ねてご覧らんなさい。あれがもう一度世に出れば、画苑がえんの慶事けいじですよ」と言うのです。
私ももちろん望むところですから、早速翁を煩わずらわせて、手紙を一本書いてもらいました。が、さて遊歴ゆうれきの途とに上ってみると、何かと行く所も多いものですから、容易に潤州じゅんしゅうの張氏の家を訪れる暇ひまがありません。私は翁の書を袖そでにしたなり、とうとう子規ほととぎすが啼なくようになるまで、秋山しゅうざんを尋ねずにしまいました。
その内にふと耳にはいったのは、貴戚きせきの王氏おうしが秋山図を手に入れたという噂うわさです。そういえば私わたしが遊歴中、煙客翁えんかくおうの書を見せた人には、王氏を知っているものも交まじっていました。王氏はそういう人からでも、あの秋山図が、張氏ちょうしの家に蔵してあることを知ったのでしょう。何でも坊間ぼうかんの説によれば、張氏の孫は王氏おうしの使を受けると、伝家の彝鼎いていや法書とともに、すぐさま大癡たいちの秋山図を献じに来たとかいうことです。そうして王氏は喜びのあまり、張氏の孫を上座に招じて、家姫かきを出したり、音楽を奏したり、盛な饗宴きょうえんを催したあげく、千金を寿じゅにしたとかいうことです。私はほとんど雀躍じゃくやくしました。滄桑五十載そうそうごじっさいを閲けみした後のちでも、秋山図はやはり無事だったのです。のみならず私も面識がある、王氏の手中に入ったのです。昔は煙客翁がいくら苦心をしても、この図を再び看みることは、鬼神きじんが悪にくむのかと思うくらい、ことごとく失敗に終りました。が、今は王氏の焦慮しょうりょも待たず、自然とこの図が我々の前へ、蜃楼しんろうのように現れたのです。これこそ実際天縁が、熟したと言う外ほかはありません。私は取る物も取りあえず、金阊きんしょうにある王氏の第宅ていたくへ、秋山を見に出かけて行きました。
今でもはっきり覚えていますが、それは王氏の庭の牡丹ぼたんが、玉欄ぎょくらんの外そとに咲き誇った、風のない初夏の午過ひるすぎです。私は王氏の顔を見ると、揖ゆうもすますかすまさない内に、思わず笑いだしてしまいました。
「もう秋山図はこちらの物です。煙客先生もあの図では、ずいぶん苦労をされたものですが、今度こそはご安心なさるでしょう。そう思うだけでも愉快です」
王氏も得意満面でした。
「今日きょうは煙客先生や廉州れんしゅう先生も来られるはずです。が、まあ、お出でになった順に、あなたから見てもらいましょう」
王氏は早速かたわらの壁に、あの秋山図を懸かけさせました。水に臨んだ紅葉こうようの村、谷を埋うずめている白雲はくうんの群むれ、それから遠近おちこちに側立そばだった、屏風びょうぶのような数峯の青せい、――たちまち私の眼の前には、大癡老人が造りだした、天地よりもさらに霊妙な小天地が浮び上ったのです。私は胸を躍おどらせながら、じっと壁上の画を眺めました。
この雲煙邱壑うんえんきゅうがくは、紛まぎれもない黄一峯こういっぽうです、癡翁ちおうを除いては何人なんぴとも、これほど皴点しゅんてんを加えながら、しかも墨を活いかすことは――これほど設色せっしょくを重くしながら、しかも筆が隠れないことは、できないのに違いありません。しかし――しかしこの秋山図は、昔一たび煙客翁が張氏の家に見たという図と、たしかに別な黄一峯こういっぽうです。そうしてその秋山図しゅうざんずよりも、おそらくは下位にある黄一峯です。
私わたしの周囲には王氏を始め、座にい合せた食客しょっかくたちが、私の顔色かおいろを窺うかがっていました。ですから私は失望の色が、寸分すんぶんも顔へ露あらわれないように、気を使う必要があったのです。が、いくら努めてみても、どこか不服な表情が、我知らず外へ出たのでしょう。王氏はしばらくたってから、心配そうに私へ声をかけました。
「どうです?」
私は言下ごんかに答えました。
「神品です。なるほどこれでは煙客えんかく先生が、驚倒きょうとうされたのも不思議はありません」
王氏はやや顔色を直しました。が、それでもまだ眉まゆの間には、いくぶんか私の賞讃しょうさんに、不満らしい気色けしきが見えたものです。
そこへちょうど来合せたのは、私に秋山の神趣を説いた、あの煙客先生です。翁は王氏に会釈えしゃくをする間まも、嬉しそうな微笑を浮べていました。
「五十年前ぜんに秋山図を見たのは、荒れ果てた張氏の家でしたが、今日きょうはまたこういう富貴ふうきのお宅に、再びこの図とめぐり合いました。まことに意外な因縁です」
煙客翁はこう言いながら、壁上の大癡たいちを仰ぎ見ました。この秋山がかつて翁の見た秋山かどうか、それはもちろん誰よりも翁自身が明らかに知っているはずです。ですから私も王氏同様、翁がこの図を眺める容子ようすに、注意深い眼を注いでいました。すると果然かぜん翁の顔も、みるみる曇ったではありませんか。
しばらく沈黙が続いた後のち、王氏はいよいよ不安そうに、おずおず翁へ声をかけました。
「どうです? 今も石谷せきこく先生は、たいそう褒ほめてくれましたが、――」
私は正直な煙客翁が、有体ありていな返事をしはしないかと、内心冷ひや冷ひやしていました。しかし王氏を失望させるのは、さすがに翁も気の毒だったのでしょう。翁は秋山を見終ると、叮嚀ていねいに王氏へ答えました。
「これがお手にはいったのは、あなたのご運が好よいのです。ご家蔵かぞうの諸宝しょほうもこの後のちは、一段と光彩を添えることでしょう」
しかし王氏はこの言葉を聞いても、やはり顔の憂色ゆうしょくが、ますます深くなるばかりです。
その時もし廉州れんしゅう先生が、遅おくれ馳ばせにでも来なかったなら、我々はさらに気まずい思いをさせられたに違いありません。しかし先生は幸いにも、煙客翁の賞讃が渋りがちになった時、快活に一座へ加わりました。
「これがお話の秋山図ですか?」
先生は無造作むぞうさな挨拶あいさつをしてから、黄一峯こういっぽうの画えに対しました。そうしてしばらくは黙然もくねんと、口髭くちひげばかり噛かんでいました。
「煙客先生えんかくせんせいは五十年前ぜんにも、一度この図をご覧になったそうです」
王氏はいっそう気づかわしそうに、こう説明を加えました。廉州れんしゅう先生はまだ翁から、一度も秋山しゅうざんの神逸しんいつを聞かされたことがなかったのです。
「どうでしょう? あなたのご鑑裁かんさいは」
先生は歎息たんそくを洩らしたぎり、不相変あいかわらず画を眺めていました。
「ご遠慮のないところを伺うかがいたいのですが、――」
王氏は無理に微笑しながら、再び先生を促しました。
「これですか? これは――」
廉州先生はまた口を噤つぐみました。
「これは?」
「これは癡翁ちおう第一の名作でしょう。――この雲煙の濃淡をご覧なさい。元気淋漓りんりじゃありませんか。林木なぞの設色せっしょくも、まさに天造てんぞうとも称すべきものです。あすこに遠峯が一つ見えましょう。全体の布局ふきょくがあのために、どのくらい活いきているかわかりません」
今まで黙っていた廉州先生は、王氏のほうを顧かえりみると、いちいち画の佳所かしょを指さしながら、盛さかんに感歎の声を挙あげ始めました。その言葉とともに王氏の顔が、だんだん晴れやかになりだしたのは、申し上げるまでもありますまい。
私はその間あいだに煙客翁と、ひそかに顔を見合せました。
「先生、これがあの秋山図ですか?」
私が小声にこう言うと、煙客翁は頭を振りながら、妙な瞬まばたきを一つしました。
「まるで万事が夢のようです。ことによるとあの張家ちょうけの主人は、狐仙こせんか何かだったかもしれませんよ」
「秋山図の話はこれだけです」
王石谷おうせきこくは語り終ると、おもむろに一碗の茶を啜すすった。
「なるほど、不思議な話です」
恽南田うんなんでんは、さっきから銅檠どうけいの焔ほのおを眺めていた。
「その後ご王氏も熱心に、いろいろ尋たずねてみたそうですが、やはり癡翁の秋山図と言えば、あれ以外に張氏も知らなかったそうです。ですから昔煙客先生が見られたという秋山図は、今でもどこかに隠れているか、あるいはそれが先生の記憶の間違いに過ぎないのか、どちらとも私にはわかりません。まさか先生が張氏の家へ、秋山図を見に行かれたことが、全体幻まぼろしでもありますまいし、――」
「しかし煙客先生えんかくせんせいの心の中うちには、その怪しい秋山図が、はっきり残っているのでしょう。それからあなたの心の中なかにも、――」
「山石の青緑だの紅葉の硃しゅの色だのは、今でもありあり見えるようです」
「では秋山図がないにしても、憾うらむところはないではありませんか?」
恽王うんおうの両大家は、掌たなごころを拊うって一笑した。
芥川龍之介
煙客翁が私わたしにこの話を聴かせたのは、始めて秋山図を見た時から、すでに五十年近い星霜せいそうを経過した後のちだったのです。その時は元宰げんさい先生も、とうに物故ぶっこしていましたし、張氏ちょうしの家でもいつの間まにか、三度まで代が変っていました。ですからあの秋山図も、今は誰の家に蔵されているか、いや、未いまだに亀玉きぎょくの毀やぶれもないか、それさえ我々にはわかりません。煙客翁は手にとるように、秋山図の霊妙を話してから、残念そうにこう言ったものです。
「あの黄一峯は公孫大嬢こうそんたいじょうの剣器けんきのようなものでしたよ。筆墨はあっても、筆墨は見えない。ただ何とも言えない神気しんきが、ただちに心に迫って来るのです。――ちょうど龍翔りょうしょうの看かんはあっても、人や剣つるぎが我々に見えないのと同じことですよ」
それから一月ひとつきばかりの後のち、そろそろ春風しゅんぷうが動きだしたのを潮しおに、私は独り南方へ、旅をすることになりました。そこで翁おうにその話をすると、
「ではちょうど好いい機会だから、秋山しゅうざんを尋ねてご覧らんなさい。あれがもう一度世に出れば、画苑がえんの慶事けいじですよ」と言うのです。
私ももちろん望むところですから、早速翁を煩わずらわせて、手紙を一本書いてもらいました。が、さて遊歴ゆうれきの途とに上ってみると、何かと行く所も多いものですから、容易に潤州じゅんしゅうの張氏の家を訪れる暇ひまがありません。私は翁の書を袖そでにしたなり、とうとう子規ほととぎすが啼なくようになるまで、秋山しゅうざんを尋ねずにしまいました。
その内にふと耳にはいったのは、貴戚きせきの王氏おうしが秋山図を手に入れたという噂うわさです。そういえば私わたしが遊歴中、煙客翁えんかくおうの書を見せた人には、王氏を知っているものも交まじっていました。王氏はそういう人からでも、あの秋山図が、張氏ちょうしの家に蔵してあることを知ったのでしょう。何でも坊間ぼうかんの説によれば、張氏の孫は王氏おうしの使を受けると、伝家の彝鼎いていや法書とともに、すぐさま大癡たいちの秋山図を献じに来たとかいうことです。そうして王氏は喜びのあまり、張氏の孫を上座に招じて、家姫かきを出したり、音楽を奏したり、盛な饗宴きょうえんを催したあげく、千金を寿じゅにしたとかいうことです。私はほとんど雀躍じゃくやくしました。滄桑五十載そうそうごじっさいを閲けみした後のちでも、秋山図はやはり無事だったのです。のみならず私も面識がある、王氏の手中に入ったのです。昔は煙客翁がいくら苦心をしても、この図を再び看みることは、鬼神きじんが悪にくむのかと思うくらい、ことごとく失敗に終りました。が、今は王氏の焦慮しょうりょも待たず、自然とこの図が我々の前へ、蜃楼しんろうのように現れたのです。これこそ実際天縁が、熟したと言う外ほかはありません。私は取る物も取りあえず、金阊きんしょうにある王氏の第宅ていたくへ、秋山を見に出かけて行きました。
今でもはっきり覚えていますが、それは王氏の庭の牡丹ぼたんが、玉欄ぎょくらんの外そとに咲き誇った、風のない初夏の午過ひるすぎです。私は王氏の顔を見ると、揖ゆうもすますかすまさない内に、思わず笑いだしてしまいました。
「もう秋山図はこちらの物です。煙客先生もあの図では、ずいぶん苦労をされたものですが、今度こそはご安心なさるでしょう。そう思うだけでも愉快です」
王氏も得意満面でした。
「今日きょうは煙客先生や廉州れんしゅう先生も来られるはずです。が、まあ、お出でになった順に、あなたから見てもらいましょう」
王氏は早速かたわらの壁に、あの秋山図を懸かけさせました。水に臨んだ紅葉こうようの村、谷を埋うずめている白雲はくうんの群むれ、それから遠近おちこちに側立そばだった、屏風びょうぶのような数峯の青せい、――たちまち私の眼の前には、大癡老人が造りだした、天地よりもさらに霊妙な小天地が浮び上ったのです。私は胸を躍おどらせながら、じっと壁上の画を眺めました。
この雲煙邱壑うんえんきゅうがくは、紛まぎれもない黄一峯こういっぽうです、癡翁ちおうを除いては何人なんぴとも、これほど皴点しゅんてんを加えながら、しかも墨を活いかすことは――これほど設色せっしょくを重くしながら、しかも筆が隠れないことは、できないのに違いありません。しかし――しかしこの秋山図は、昔一たび煙客翁が張氏の家に見たという図と、たしかに別な黄一峯こういっぽうです。そうしてその秋山図しゅうざんずよりも、おそらくは下位にある黄一峯です。
私わたしの周囲には王氏を始め、座にい合せた食客しょっかくたちが、私の顔色かおいろを窺うかがっていました。ですから私は失望の色が、寸分すんぶんも顔へ露あらわれないように、気を使う必要があったのです。が、いくら努めてみても、どこか不服な表情が、我知らず外へ出たのでしょう。王氏はしばらくたってから、心配そうに私へ声をかけました。
「どうです?」
私は言下ごんかに答えました。
「神品です。なるほどこれでは煙客えんかく先生が、驚倒きょうとうされたのも不思議はありません」
王氏はやや顔色を直しました。が、それでもまだ眉まゆの間には、いくぶんか私の賞讃しょうさんに、不満らしい気色けしきが見えたものです。
そこへちょうど来合せたのは、私に秋山の神趣を説いた、あの煙客先生です。翁は王氏に会釈えしゃくをする間まも、嬉しそうな微笑を浮べていました。
「五十年前ぜんに秋山図を見たのは、荒れ果てた張氏の家でしたが、今日きょうはまたこういう富貴ふうきのお宅に、再びこの図とめぐり合いました。まことに意外な因縁です」
煙客翁はこう言いながら、壁上の大癡たいちを仰ぎ見ました。この秋山がかつて翁の見た秋山かどうか、それはもちろん誰よりも翁自身が明らかに知っているはずです。ですから私も王氏同様、翁がこの図を眺める容子ようすに、注意深い眼を注いでいました。すると果然かぜん翁の顔も、みるみる曇ったではありませんか。
しばらく沈黙が続いた後のち、王氏はいよいよ不安そうに、おずおず翁へ声をかけました。
「どうです? 今も石谷せきこく先生は、たいそう褒ほめてくれましたが、――」
私は正直な煙客翁が、有体ありていな返事をしはしないかと、内心冷ひや冷ひやしていました。しかし王氏を失望させるのは、さすがに翁も気の毒だったのでしょう。翁は秋山を見終ると、叮嚀ていねいに王氏へ答えました。
「これがお手にはいったのは、あなたのご運が好よいのです。ご家蔵かぞうの諸宝しょほうもこの後のちは、一段と光彩を添えることでしょう」
しかし王氏はこの言葉を聞いても、やはり顔の憂色ゆうしょくが、ますます深くなるばかりです。
その時もし廉州れんしゅう先生が、遅おくれ馳ばせにでも来なかったなら、我々はさらに気まずい思いをさせられたに違いありません。しかし先生は幸いにも、煙客翁の賞讃が渋りがちになった時、快活に一座へ加わりました。
「これがお話の秋山図ですか?」
先生は無造作むぞうさな挨拶あいさつをしてから、黄一峯こういっぽうの画えに対しました。そうしてしばらくは黙然もくねんと、口髭くちひげばかり噛かんでいました。
「煙客先生えんかくせんせいは五十年前ぜんにも、一度この図をご覧になったそうです」
王氏はいっそう気づかわしそうに、こう説明を加えました。廉州れんしゅう先生はまだ翁から、一度も秋山しゅうざんの神逸しんいつを聞かされたことがなかったのです。
「どうでしょう? あなたのご鑑裁かんさいは」
先生は歎息たんそくを洩らしたぎり、不相変あいかわらず画を眺めていました。
「ご遠慮のないところを伺うかがいたいのですが、――」
王氏は無理に微笑しながら、再び先生を促しました。
「これですか? これは――」
廉州先生はまた口を噤つぐみました。
「これは?」
「これは癡翁ちおう第一の名作でしょう。――この雲煙の濃淡をご覧なさい。元気淋漓りんりじゃありませんか。林木なぞの設色せっしょくも、まさに天造てんぞうとも称すべきものです。あすこに遠峯が一つ見えましょう。全体の布局ふきょくがあのために、どのくらい活いきているかわかりません」
今まで黙っていた廉州先生は、王氏のほうを顧かえりみると、いちいち画の佳所かしょを指さしながら、盛さかんに感歎の声を挙あげ始めました。その言葉とともに王氏の顔が、だんだん晴れやかになりだしたのは、申し上げるまでもありますまい。
私はその間あいだに煙客翁と、ひそかに顔を見合せました。
「先生、これがあの秋山図ですか?」
私が小声にこう言うと、煙客翁は頭を振りながら、妙な瞬まばたきを一つしました。
「まるで万事が夢のようです。ことによるとあの張家ちょうけの主人は、狐仙こせんか何かだったかもしれませんよ」
「秋山図の話はこれだけです」
王石谷おうせきこくは語り終ると、おもむろに一碗の茶を啜すすった。
「なるほど、不思議な話です」
恽南田うんなんでんは、さっきから銅檠どうけいの焔ほのおを眺めていた。
「その後ご王氏も熱心に、いろいろ尋たずねてみたそうですが、やはり癡翁の秋山図と言えば、あれ以外に張氏も知らなかったそうです。ですから昔煙客先生が見られたという秋山図は、今でもどこかに隠れているか、あるいはそれが先生の記憶の間違いに過ぎないのか、どちらとも私にはわかりません。まさか先生が張氏の家へ、秋山図を見に行かれたことが、全体幻まぼろしでもありますまいし、――」
「しかし煙客先生えんかくせんせいの心の中うちには、その怪しい秋山図が、はっきり残っているのでしょう。それからあなたの心の中なかにも、――」
「山石の青緑だの紅葉の硃しゅの色だのは、今でもありあり見えるようです」
「では秋山図がないにしても、憾うらむところはないではありませんか?」
恽王うんおうの両大家は、掌たなごころを拊うって一笑した。
#日语##世界计划多彩舞台##Project SEKAI#
イベストの続きを追って行きましょう。最近は意識的にプロセカに時間を割いたのでだいぶ読み進んでいました。
今はちょうど紹介したいえむの「夢の途中、輝く星たちへ」まで読んだので、今日はこちらについて先に語ります。冒頭から司が演技の新境地を開こうとする描写がたくさんあって、「あれ?司のイベストだっけ?」とサムネを二度見しました。司に釣られて寧々も勉強を始めようかなってなって、ようやく今回の主役であるえむの悩みが浮上しましたね。ワールドワイドな夢を持つ他3人と違って、えむの夢は今のフェニランにあります。だから将来それぞれの夢が叶って別れる時は来たら、えむだけは「旅立ち」しません。それはつまり「旅立ち」で「寂しさ」を弱らげることができないということでもあります。去っていく仲間を見送るえむ、寂しさを紛らわすために普段以上に元気な笑顔で振舞うえむ、いやぁもう今から切ない気持ちになりますね!
そしてもう一つ印象的だったイベストは雫の「弓引け、白の世界で」になります。こちらは特にお話として進展がある回ではありませんでしたが、単純に雫とまふゆのツーショット、そして弓道との組み合わせが絵的に良すぎて、とにかく美しかったからピックアップさせていただきました(最後の一枚絵は若干ホラーでしたけど)。ちなみにもし自分が日本の学校に行って部活をやるとしたら、私は一番に弓道を選びたいですね。昔なら剣道にしたかもしれないが、歳を取るにつれ、だんだん弓道に傾くこの気持ち、わかる人いるでしょうか。
イベストの続きを追って行きましょう。最近は意識的にプロセカに時間を割いたのでだいぶ読み進んでいました。
今はちょうど紹介したいえむの「夢の途中、輝く星たちへ」まで読んだので、今日はこちらについて先に語ります。冒頭から司が演技の新境地を開こうとする描写がたくさんあって、「あれ?司のイベストだっけ?」とサムネを二度見しました。司に釣られて寧々も勉強を始めようかなってなって、ようやく今回の主役であるえむの悩みが浮上しましたね。ワールドワイドな夢を持つ他3人と違って、えむの夢は今のフェニランにあります。だから将来それぞれの夢が叶って別れる時は来たら、えむだけは「旅立ち」しません。それはつまり「旅立ち」で「寂しさ」を弱らげることができないということでもあります。去っていく仲間を見送るえむ、寂しさを紛らわすために普段以上に元気な笑顔で振舞うえむ、いやぁもう今から切ない気持ちになりますね!
そしてもう一つ印象的だったイベストは雫の「弓引け、白の世界で」になります。こちらは特にお話として進展がある回ではありませんでしたが、単純に雫とまふゆのツーショット、そして弓道との組み合わせが絵的に良すぎて、とにかく美しかったからピックアップさせていただきました(最後の一枚絵は若干ホラーでしたけど)。ちなみにもし自分が日本の学校に行って部活をやるとしたら、私は一番に弓道を選びたいですね。昔なら剣道にしたかもしれないが、歳を取るにつれ、だんだん弓道に傾くこの気持ち、わかる人いるでしょうか。
嗯懒得再写小作文了抄下pyq文案。。。
まぁ一応保険かけとく(
VVS最高でしたヲタ活最高に楽しかった生きててよかったヲタクでよかったじゅりを推しててよかった
60日後また東京で会おう。来年も再来年もあんたらが定年を迎える頃も。(まぁそん時私も定年か
こっちはどこまでもいつまでもついていける自信あるから。そっちもずっとずっとダイアみたいに輝いてくださいね。オメェらは紛れもなく生粋の最高の一番のアイドルで、わたしのスーパーボーイだから
ァ最高って言ったけど、東京でさらにいいもん見せられたらそりゃもちろん嬉しいぜ。
ちなみにヲタクの永遠は感情の濃さだからそこあんま気にしないで(なにもう保険かけてるの。。。
まぁ一応保険かけとく(
VVS最高でしたヲタ活最高に楽しかった生きててよかったヲタクでよかったじゅりを推しててよかった
60日後また東京で会おう。来年も再来年もあんたらが定年を迎える頃も。(まぁそん時私も定年か
こっちはどこまでもいつまでもついていける自信あるから。そっちもずっとずっとダイアみたいに輝いてくださいね。オメェらは紛れもなく生粋の最高の一番のアイドルで、わたしのスーパーボーイだから
ァ最高って言ったけど、東京でさらにいいもん見せられたらそりゃもちろん嬉しいぜ。
ちなみにヲタクの永遠は感情の濃さだからそこあんま気にしないで(なにもう保険かけてるの。。。
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