知らず、涙がこぼれた。
終わりながらも明確な終末をもたらす神が居ない事。
それがこの世界の破滅なのだと、今漸く理解した。
――――唄を、響かせよう。
死した大地に、今こそ麗しい終焉の聖歌を。
喜悦に咽ぶが良い、全ての生命、全ての大地。
お前達が望んで已まなかったものが、いまや与えられるのだ。

一瞬、思考が混濁する。彼女は次に何をすべきか？
敵を見つけなければならない。
けれどその予測が立たない事に、彼女は漠然とした違和感を感じた。
人間として暮らし始めて日の浅い深緋は、爆発の衝撃が三半規管を揺らし、反響しやすい小部屋の中の大音響が聴覚を削いで、五感を削られていたことに気付く筈もない。
そしてその為に視界――――それ自体は減らずとも、知覚できる範囲――――を減らし、能力を大幅に削がれた事にも気付けない。
深緋は折れる脚を無理矢理立たせると、小屋に背を向けて索敵を開始する。
その直後だった。
敵の銃口が現れたのは、爆発していた筈の小屋の中からだ。
――――彼はずっと其処に居たのだ。
理屈から行けば爆発は下から上へと向かう為に爆発源より下に居れば衝撃はかわせると言う事になるが、所詮理屈なだけに半地下に潜んでおくのは賭だった。
それだけにこれ以上の機会は無かった。
暗殺者は勝利の瞬間迄気を抜かないが、自分が勝利したかどうかはその寸前に理解する。
死角から完璧に急所へと照準した両手の拳銃。
確信と共にその引き金を――――
「桜」
感覚は、一瞬で断絶された。
『――――勝てますよ』
――――後は、ただ
「…………」

#八木莉可子[超话]#

20240302【ig】yagirikaco_official ​

フジテレビ系

「ザ・ノンフィクション」
居場所をさがして ～僕と家族とシェアハウス～

語りをさせていただきました。
明日、3月3日(日) 14:00～14:55
放送となっております。

皆さま、是非ご覧ください

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居場所のない若者たちがたどり着き、肩を寄せ合って暮らすシェアハウスがある。都内で4カ所のシェアハウスを運営する荒井佑介さん（34）は、10代の頃から周囲と折り合いが悪く、家族の中にも居場所を見つけられずにいた。そんな自身の経験から、若者たちの居場所をつくり、自立支援を行うシェアハウスの運営を始めたのだ。荒井さんの元に集まってくるのは、家出、家庭内暴力、ひきこもり…など、心に傷を負った若者ばかりだ。居場所がない実家を飛び出して上京、所持金もなく、公園で野宿をしていたタクヤさん（仮名・23）は、シェアハウスに入居してからも、なかなか自立に向けて動き出せずにいた。親との関係がうまくいかず、心に傷を追った彼は、ある日、シェアハウスから姿を消してしまう。タクヤさんは、誰にも言えない、ある事情を抱えていた…感情的に怒ることが多かった親の影響で、人と関わることが「怖い」と感じるようになったと語るユウタさん（仮名・25）。大学時代に、就職活動の面接におじけづき、実家にひきこもるようになってしまった。「このままでは前に進めない…」社会とのつながりを取り戻すため、実家を飛び出したユウタさん。入居後、少しずつ他の住人とも会話ができるようになった彼は、再び就職活動をスタートさせるのだが…シェアハウスの暮らしで、心の傷を癒やし、人生をやり直そうと懸命に生きる若者たちを見つめた…

#フジテレビ
#ザノンフィクション