⭐️V系放映会⭐️SETLIST 蜉蝣
蜉蝣 tour04-05 落首炎上全国公演「白黒の魔術師」最終公演渋谷公会堂
1.holy needle
2.サクラクラクラ
3.螺旋首
4.摩擦信仰
5.3・2・1
6.恍惚地獄
7.憎しみの独り芝居
8.愛のサベージ
9.怨み言
10.傘
11.白い鴉
12.絶望にサヨナラ
13.恋唄
14.光の影
15.呪縛音
16.痺れ心
17.迷走本能
18.XII dizzy
EN1
19.別離路
20.私。
EN2
21.夕暮れの謝罪
EN3
22.縄
蜉蝣 tour04-05 落首炎上全国公演「白黒の魔術師」最終公演渋谷公会堂
1.holy needle
2.サクラクラクラ
3.螺旋首
4.摩擦信仰
5.3・2・1
6.恍惚地獄
7.憎しみの独り芝居
8.愛のサベージ
9.怨み言
10.傘
11.白い鴉
12.絶望にサヨナラ
13.恋唄
14.光の影
15.呪縛音
16.痺れ心
17.迷走本能
18.XII dizzy
EN1
19.別離路
20.私。
EN2
21.夕暮れの謝罪
EN3
22.縄
【新闻】髙橋ひかると大久保桜子の共通点は「ゲームでポテチ!」ドラマ『リビングの松永さん』
中島健人が主演、髙橋ひかるがヒロインを務めるドラマ『リビングの松永さん』(毎週火曜午後11時)。女子高生・園田美己を演じる髙橋ひかるさんと、シェアハウスの住人・服部あかねを演じる大久保桜子さんは今回のドラマが初共演。お互いの印象から役作りのこと、趣味の話までいろいろと伺いました。
―今作が初共演のお2人、お互いの印象を教えてください。
【髙橋】桜子さんとは同じ事務所なんですが、このドラマの衣装合わせで初めてお話しました。これまでの役柄から不思議系っぽいイメージがあって、まなざしの強さも印象的だったから、意志の強い人なのかなと思っていました。実際は話し方が柔らかくて、表情もとても豊か。桜子さんはぱっと明るい表情でみんなを笑顔にしてくれる人です。
【大久保】ひかるちゃんはイメージ通りの人でした。天真らんまんで周囲を明るくする人だなって。私より年下だけど、現場での気の配り方や、その場を明るく盛り上げようとする気持ちがすごく伝わって、すてきな女性だなって思っています。
―それぞれのキャラクター設定でこだわっているところは?
【髙橋】美己はどんなことにも全力で、そこがかわいいところです。自分自身は、大人になるにつれて小さなことには驚かなくなり、だんだん感情表現がソフトになってきたので、美己の感情の豊かさを大切にして演じています。
【大久保】私はひかるちゃんとは逆で、自分自身はうれしいことがあると顔に出るし、悲しいことにはけっこう落ち込むタイプ。でもあかねはあんまり自分の感情を表に出さないので、私は普段よりも気持ちをおさえて撮影に臨んでいます。
―セットがとってもかわいいですね。お芝居をしてみてどう感じましたか?
【髙橋】セットは細かいところまで作り込まれていて、冷蔵庫に「俺のプリン食べたでしょ」ってメッセージが書かれているなど、シェアハウスで暮らす住人たちが本当にそこに生きている感じがしてすごくお芝居がしやすいです。あとは、リビングのホワイトボードにはキャスト自身のちょっとした情報も書かれています。藤原(大祐)さんのアーティスト活動のことが書かれていたり、向井さんはSnow Manの頭文字をとって“SM”のイニシャルが書かれていたり。そういうところも楽しんでもらえるんじゃないかな。
私のお気に入りスポットはホワイトボード下のソファです。そこに座っているとみんなの様子がよく見渡せるので。
【大久保】ホワイトボードに書かれているあかねの字はカクカクしていて個性的で、イメージ通りでした。あかねのメッセージを見て、自分で思い描いていたキャラクターとの答え合わせができたことは、役作りの上で自信にもつながった気がします。
セットの中では私はヨギボーがお気に入り! 本当に寝ちゃいそうになるんですけどリラックスできます。
―プライベートでハマっている趣味や仕事以外でやりたいことがあったら教えてください。
【大久保】趣味はソファに寝転がりながらポテチを抱えてゲームをすることです。
【髙橋】めっちゃわかる! ちなみにポテチは何味が好きですか?
【大久保】うす塩がいちばん好きなんですけど、サワークリームオニオンもいいですね。
【髙橋】えっ、私も同じ! 最高ですよね〜(笑)。桜子さんはどんなゲームをしますか?
【大久保】私はFPS(ファーストパーソン・シューティング)といって、武器を使って敵を倒すゲームをやっています。オンラインで友だちと「危ない!」とか話しながらプレイしています。
【髙橋】撮影の待ち時間にもゲームしてますよね? ゲーム仲間がいるんですか?
【大久保】リアルの友人とはゲーム仲間にならないようにしているんです。翌日の仕事のこととか気になっちゃうので……まったく知らない人とゲームを通して友だちになって、互いの素性を明かさずに遊んでいます。ひかるちゃんもゲームをするんだよね?
【髙橋】私もMMORPGといって、オンラインで世界中の知らない人と旅をしたり、ドラゴンを倒しに行ったりするようなゲームをやっていました。自分がまったく知らない人たちと知り合ってコミュニケーションするのって楽しいですよね。
【大久保】仕事から離れてリフレッシュにもなるし、オンラインゲームで出会う人って、普段仕事で知り合う人とはタイプが違う人が多い気がするから、役作りにもなるな、とも思います。めちゃくちゃ早口でしゃべる人がいたり、逆にすごくゆっくりなテンポで話す人がいたり、あんまり人と会話するのが得意じゃない人もいて。声だけでコミュニケーションをするから、相手の話し方の特徴を聞くのもすごく面白い。こういう役が来たらこの人のこんな話し方を参考にしたいな、とか勝手に考えて楽しんでいます。
#高桥光[超话]##高桥光##髙橋ひかる#
中島健人が主演、髙橋ひかるがヒロインを務めるドラマ『リビングの松永さん』(毎週火曜午後11時)。女子高生・園田美己を演じる髙橋ひかるさんと、シェアハウスの住人・服部あかねを演じる大久保桜子さんは今回のドラマが初共演。お互いの印象から役作りのこと、趣味の話までいろいろと伺いました。
―今作が初共演のお2人、お互いの印象を教えてください。
【髙橋】桜子さんとは同じ事務所なんですが、このドラマの衣装合わせで初めてお話しました。これまでの役柄から不思議系っぽいイメージがあって、まなざしの強さも印象的だったから、意志の強い人なのかなと思っていました。実際は話し方が柔らかくて、表情もとても豊か。桜子さんはぱっと明るい表情でみんなを笑顔にしてくれる人です。
【大久保】ひかるちゃんはイメージ通りの人でした。天真らんまんで周囲を明るくする人だなって。私より年下だけど、現場での気の配り方や、その場を明るく盛り上げようとする気持ちがすごく伝わって、すてきな女性だなって思っています。
―それぞれのキャラクター設定でこだわっているところは?
【髙橋】美己はどんなことにも全力で、そこがかわいいところです。自分自身は、大人になるにつれて小さなことには驚かなくなり、だんだん感情表現がソフトになってきたので、美己の感情の豊かさを大切にして演じています。
【大久保】私はひかるちゃんとは逆で、自分自身はうれしいことがあると顔に出るし、悲しいことにはけっこう落ち込むタイプ。でもあかねはあんまり自分の感情を表に出さないので、私は普段よりも気持ちをおさえて撮影に臨んでいます。
―セットがとってもかわいいですね。お芝居をしてみてどう感じましたか?
【髙橋】セットは細かいところまで作り込まれていて、冷蔵庫に「俺のプリン食べたでしょ」ってメッセージが書かれているなど、シェアハウスで暮らす住人たちが本当にそこに生きている感じがしてすごくお芝居がしやすいです。あとは、リビングのホワイトボードにはキャスト自身のちょっとした情報も書かれています。藤原(大祐)さんのアーティスト活動のことが書かれていたり、向井さんはSnow Manの頭文字をとって“SM”のイニシャルが書かれていたり。そういうところも楽しんでもらえるんじゃないかな。
私のお気に入りスポットはホワイトボード下のソファです。そこに座っているとみんなの様子がよく見渡せるので。
【大久保】ホワイトボードに書かれているあかねの字はカクカクしていて個性的で、イメージ通りでした。あかねのメッセージを見て、自分で思い描いていたキャラクターとの答え合わせができたことは、役作りの上で自信にもつながった気がします。
セットの中では私はヨギボーがお気に入り! 本当に寝ちゃいそうになるんですけどリラックスできます。
―プライベートでハマっている趣味や仕事以外でやりたいことがあったら教えてください。
【大久保】趣味はソファに寝転がりながらポテチを抱えてゲームをすることです。
【髙橋】めっちゃわかる! ちなみにポテチは何味が好きですか?
【大久保】うす塩がいちばん好きなんですけど、サワークリームオニオンもいいですね。
【髙橋】えっ、私も同じ! 最高ですよね〜(笑)。桜子さんはどんなゲームをしますか?
【大久保】私はFPS(ファーストパーソン・シューティング)といって、武器を使って敵を倒すゲームをやっています。オンラインで友だちと「危ない!」とか話しながらプレイしています。
【髙橋】撮影の待ち時間にもゲームしてますよね? ゲーム仲間がいるんですか?
【大久保】リアルの友人とはゲーム仲間にならないようにしているんです。翌日の仕事のこととか気になっちゃうので……まったく知らない人とゲームを通して友だちになって、互いの素性を明かさずに遊んでいます。ひかるちゃんもゲームをするんだよね?
【髙橋】私もMMORPGといって、オンラインで世界中の知らない人と旅をしたり、ドラゴンを倒しに行ったりするようなゲームをやっていました。自分がまったく知らない人たちと知り合ってコミュニケーションするのって楽しいですよね。
【大久保】仕事から離れてリフレッシュにもなるし、オンラインゲームで出会う人って、普段仕事で知り合う人とはタイプが違う人が多い気がするから、役作りにもなるな、とも思います。めちゃくちゃ早口でしゃべる人がいたり、逆にすごくゆっくりなテンポで話す人がいたり、あんまり人と会話するのが得意じゃない人もいて。声だけでコミュニケーションをするから、相手の話し方の特徴を聞くのもすごく面白い。こういう役が来たらこの人のこんな話し方を参考にしたいな、とか勝手に考えて楽しんでいます。
#高桥光[超话]##高桥光##髙橋ひかる#
手巾(下)
芥川龍之介
――とうとう、いけませんでしたかなあ。丁度、これからと云ふ年だつたのですが……私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。
――昨日が、丁度初七日でございます。
――やはり病院の方で……
――さやうでございます。
――いや、実際、意外でした。
――何しろ、手のつくせる丈だけは、つくした上なのでございますから、あきらめるより外は、ございませんが、それでも、あれまでに致して見ますと、何かにつけて、愚痴が出ていけませんものでございます。
こんな対話を交換してゐる間に、先生は、意外な事実に気がついた。それは、この婦人の態度なり、挙措きよそなりが、少しも自分の息子の死を、語つてゐるらしくないと云ふ事である。眼には、涙もたまつてゐない。声も、平生の通りである。その上、口角には、微笑さへ浮んでゐる。これで、話を聞かずに、外貌だけ見てゐるとしたら、誰でも、この婦人は、家常茶飯事を語つてゐるとしか、思はなかつたのに相違ない。――先生には、これが不思議であつた。
――昔、先生が、伯林ベルリンに留学してゐた時分の事である。今のカイゼルのおとうさんに当る、ウイルヘルム第一世が、崩御された。先生は、この訃音ふいんを行きつけの珈琲店コオヒイてんで耳にしたが、元より一通りの感銘しかうけやうはない。そこで、何時ものやうに、元気のいい顔をして、杖を脇にはさみながら、下宿へ帰つて来ると、下宿の子供が二人、扉ドアをあけるや否や、両方から先生の頸くびに抱きついて、一度にわつと泣き出した。一人は、茶色のジヤケツトを着た、十二になる女の子で、一人は、紺の短いズボンをはいた、九つになる男の子である。子煩悩な先生は、訳がわからないので、二人の明い色をした髪の毛を撫でながら、しきりに「どうした。どうした。」と云つて慰めた。が、子供は中々泣きやまない。さうして、洟はなをすすり上げながら、こんな事を云ふ。
――おぢいさまの陛下が、おなくなりなすつたのですつて。
先生は、一国の元首の死が、子供にまで、これ程悲まれるのを、不思議に思つた。独り皇室と人民との関係と云ふやうな問題を、考へさせられたばかりではない。西洋へ来て以来、何度も先生の視聴を動かした、西洋人の衝動的な感情の表白が、今更のやうに、日本人たり、武士道の信者たる先生を、驚かしたのである。その時の怪訝くわいがと同情とを一つにしたやうな心もちは、未いまだに忘れようとしても、忘れる事が出来ない。――先生は、今も丁度、その位な程度で、逆に、この婦人の泣かないのを、不思議に思つてゐるのである。
が、第一の発見の後には、間もなく、第二の発見が次いで起つた。――
丁度、主客の話題が、なくなつた青年の追懐から、その日常生活のデイテイルに及んで、更に又、もとの追懐へ戻らうとしてゐた時である。何かの拍子で、朝鮮団扇が、先生の手をすべつて、ぱたりと寄木モザイクの床の上に落ちた。会話は無論寸刻の断続を許さない程、切迫してゐる訳ではない。そこで、先生は、半身を椅子から前へのり出しながら、下を向いて、床の方へ手をのばした。団扇は、小さなテエブルの下に――上靴にかくれた婦人の白足袋の側に落ちてゐる。
その時、先生の眼には、偶然、婦人の膝が見えた。膝の上には、手巾を持つた手が、のつてゐる。勿論これだけでは、発見でも何でもない。が、同時に、先生は、婦人の手が、はげしく、ふるへてゐるのに気がついた。ふるへながら、それが感情の激動を強ひて抑へようとするせゐか、膝の上の手巾を、両手で裂かないばかりに緊かたく、握つてゐるのに気がついた。さうして、最後に、皺くちやになつた絹の手巾が、しなやかな指の間で、さながら微風にでもふかれてゐるやうに、繍ぬひとりのある縁ふちを動かしてゐるのに気がついた。――婦人は、顔でこそ笑つてゐたが、実はさつきから、全身で泣いてゐたのである。
団扇を拾つて、顔をあげた時に、先生の顔には、今までにない表情があつた。見てはならないものを見たと云ふ敬虔けいけんな心もちと、さう云ふ心もちの意識から来る或満足とが、多少の芝居気で、誇張されたやうな、甚はなはだ、複雑な表情である。
――いや、御心痛は、私のやうな子供のない者にも、よくわかります。
先生は、眩まぶしいものでも見るやうに、稍やや、大仰おほぎやうに、頸を反らせながら、低い、感情の籠つた声でかう云つた。
――有難うございます。が、今更、何と申しましても、かへらない事でございますから……
婦人は、心もち頭を下げた。晴々した顔には、依然として、ゆたかな微笑が、たたへてゐる。――
* * *
それから、二時間の後である。先生は、湯にはいつて、晩飯をすませて、食後の桜実さくらんばうをつまんで、それから又、楽々と、ヴエランダの籐椅子に腰を下した。
長い夏の夕暮は、何時までも薄明りをただよはせて、硝子戸ガラスどをあけはなした広いヴエランダは、まだ容易に、暮れさうなけはひもない。先生は、そのかすかな光の中で、さつきから、左の膝を右の膝の上へのせて、頭を籐椅子の背にもたせながら、ぼんやり岐阜提灯の赤い房を眺めてゐる。例のストリントベルクも、手にはとつて見たものの、まだ一頁も読まないらしい。それも、その筈である。――先生の頭の中は、西山篤子夫人のけなげな振舞で、未だに一ぱいになつてゐた。
先生は、飯を食ひながら、奥さんに、その一部始終を、話して聞かせた。さうして、それを、日本の女の武士道だと賞讃した。日本と日本人とを愛する奥さんが、この話を聞いて、同情しない筈はない。先生は、奥さんに熱心な聴き手を見出した事を、満足に思つた。奥さんと、さつきの婦人と、それから岐阜提灯と――今では、この三つが、或倫理的な背景を持つて、先生の意識に浮んで来る。
先生はどの位、長い間、かう云ふ幸福な回想に耽ふけつてゐたか、わからない。が、その中に、ふと或雑誌から、寄稿を依頼されてゐた事に気がついた。その雑誌では「現代の青年に与ふる書」と云ふ題で、四方の大家に、一般道徳上の意見を徴してゐたのである。今日の事件を材料にして、早速、所感を書いて送る事にしよう。――かう思つて、先生は、ちよいと頭を掻いた。
掻いた手は、本を持つてゐた手である。先生は、今まで閑却されてゐた本に、気がついて、さつき入れて置いた名刺を印に、読みかけた頁を、開いて見た。丁度、その時、小間使が来て、頭の上の岐阜提灯をともしたので、細こまかい活字も、さほど読むのに煩はしくない。先生は、別に読む気もなく、漫然と眼を頁の上に落した。ストリントベルクは云ふ。――
――私の若い時分、人はハイベルク夫人の、多分巴里パリから出たものらしい、手巾のことを話した。それは、顔は微笑してゐながら、手は手巾を二つに裂くと云ふ、二重の演技であつた、それを我等は今、臭味メツツヘンと名づける。……
先生は、本を膝の上に置いた。開いたまま置いたので、西山篤子と云ふ名刺が、まだ頁のまん中にのつてゐる。が、先生の心にあるものは、もうあの婦人ではない。さうかと云つて、奥さんでもなければ日本の文明でもない。それらの平穏な調和を破らうとする、得体の知れない何物かである。ストリントベルクの指弾した演出法と、実践道徳上の問題とは、勿論ちがふ。が、今、読んだ所からうけとつた暗示の中には、先生の、湯上りののんびりした心もちを、擾みださうとする何物かがある。武士道と、さうしてその型マニイルと――
先生は、不快さうに二三度頭を振つて、それから又上眼を使ひながら、ぢつと、秋草を描いた岐阜提灯の明い灯を眺め始めた。……
创作背景
芥川在发表《手绢》的前五年,日本极权主义者以社会主义想暗杀天皇为借口,制造了1911年的所谓的“大逆事件”,杀害了以幸德秋水为首的社会主义者,严密地控制了舆论。日本被笼罩在一片黑暗的危机之中,在这种形式下,许多作家欲言不能,只好采取避开敏感的主题进行创作的态度。然而,芥川龙之介的小说《手绢》其主题是直刺当时日本政府,大肆宣扬已经变味的不伦不类的武士道,并将其强制到每一个日本人身上,这样,他不得不采取迂回的方法含蓄地对这一现象给予讽刺。芥川给友人秦丰吉的明信片上提及,《手绢》是以新渡户稻造为原型的小说,在《明日道德》一文中,芥川明确表示了对这位高中校长兼伦理课老师观点的否定。芥川听了新渡户稻造的课之后,非常气愤,愤怒情绪持续了四、五年,这种排斥延续到《手绢》这部小说中。
芥川龍之介
――とうとう、いけませんでしたかなあ。丁度、これからと云ふ年だつたのですが……私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。
――昨日が、丁度初七日でございます。
――やはり病院の方で……
――さやうでございます。
――いや、実際、意外でした。
――何しろ、手のつくせる丈だけは、つくした上なのでございますから、あきらめるより外は、ございませんが、それでも、あれまでに致して見ますと、何かにつけて、愚痴が出ていけませんものでございます。
こんな対話を交換してゐる間に、先生は、意外な事実に気がついた。それは、この婦人の態度なり、挙措きよそなりが、少しも自分の息子の死を、語つてゐるらしくないと云ふ事である。眼には、涙もたまつてゐない。声も、平生の通りである。その上、口角には、微笑さへ浮んでゐる。これで、話を聞かずに、外貌だけ見てゐるとしたら、誰でも、この婦人は、家常茶飯事を語つてゐるとしか、思はなかつたのに相違ない。――先生には、これが不思議であつた。
――昔、先生が、伯林ベルリンに留学してゐた時分の事である。今のカイゼルのおとうさんに当る、ウイルヘルム第一世が、崩御された。先生は、この訃音ふいんを行きつけの珈琲店コオヒイてんで耳にしたが、元より一通りの感銘しかうけやうはない。そこで、何時ものやうに、元気のいい顔をして、杖を脇にはさみながら、下宿へ帰つて来ると、下宿の子供が二人、扉ドアをあけるや否や、両方から先生の頸くびに抱きついて、一度にわつと泣き出した。一人は、茶色のジヤケツトを着た、十二になる女の子で、一人は、紺の短いズボンをはいた、九つになる男の子である。子煩悩な先生は、訳がわからないので、二人の明い色をした髪の毛を撫でながら、しきりに「どうした。どうした。」と云つて慰めた。が、子供は中々泣きやまない。さうして、洟はなをすすり上げながら、こんな事を云ふ。
――おぢいさまの陛下が、おなくなりなすつたのですつて。
先生は、一国の元首の死が、子供にまで、これ程悲まれるのを、不思議に思つた。独り皇室と人民との関係と云ふやうな問題を、考へさせられたばかりではない。西洋へ来て以来、何度も先生の視聴を動かした、西洋人の衝動的な感情の表白が、今更のやうに、日本人たり、武士道の信者たる先生を、驚かしたのである。その時の怪訝くわいがと同情とを一つにしたやうな心もちは、未いまだに忘れようとしても、忘れる事が出来ない。――先生は、今も丁度、その位な程度で、逆に、この婦人の泣かないのを、不思議に思つてゐるのである。
が、第一の発見の後には、間もなく、第二の発見が次いで起つた。――
丁度、主客の話題が、なくなつた青年の追懐から、その日常生活のデイテイルに及んで、更に又、もとの追懐へ戻らうとしてゐた時である。何かの拍子で、朝鮮団扇が、先生の手をすべつて、ぱたりと寄木モザイクの床の上に落ちた。会話は無論寸刻の断続を許さない程、切迫してゐる訳ではない。そこで、先生は、半身を椅子から前へのり出しながら、下を向いて、床の方へ手をのばした。団扇は、小さなテエブルの下に――上靴にかくれた婦人の白足袋の側に落ちてゐる。
その時、先生の眼には、偶然、婦人の膝が見えた。膝の上には、手巾を持つた手が、のつてゐる。勿論これだけでは、発見でも何でもない。が、同時に、先生は、婦人の手が、はげしく、ふるへてゐるのに気がついた。ふるへながら、それが感情の激動を強ひて抑へようとするせゐか、膝の上の手巾を、両手で裂かないばかりに緊かたく、握つてゐるのに気がついた。さうして、最後に、皺くちやになつた絹の手巾が、しなやかな指の間で、さながら微風にでもふかれてゐるやうに、繍ぬひとりのある縁ふちを動かしてゐるのに気がついた。――婦人は、顔でこそ笑つてゐたが、実はさつきから、全身で泣いてゐたのである。
団扇を拾つて、顔をあげた時に、先生の顔には、今までにない表情があつた。見てはならないものを見たと云ふ敬虔けいけんな心もちと、さう云ふ心もちの意識から来る或満足とが、多少の芝居気で、誇張されたやうな、甚はなはだ、複雑な表情である。
――いや、御心痛は、私のやうな子供のない者にも、よくわかります。
先生は、眩まぶしいものでも見るやうに、稍やや、大仰おほぎやうに、頸を反らせながら、低い、感情の籠つた声でかう云つた。
――有難うございます。が、今更、何と申しましても、かへらない事でございますから……
婦人は、心もち頭を下げた。晴々した顔には、依然として、ゆたかな微笑が、たたへてゐる。――
* * *
それから、二時間の後である。先生は、湯にはいつて、晩飯をすませて、食後の桜実さくらんばうをつまんで、それから又、楽々と、ヴエランダの籐椅子に腰を下した。
長い夏の夕暮は、何時までも薄明りをただよはせて、硝子戸ガラスどをあけはなした広いヴエランダは、まだ容易に、暮れさうなけはひもない。先生は、そのかすかな光の中で、さつきから、左の膝を右の膝の上へのせて、頭を籐椅子の背にもたせながら、ぼんやり岐阜提灯の赤い房を眺めてゐる。例のストリントベルクも、手にはとつて見たものの、まだ一頁も読まないらしい。それも、その筈である。――先生の頭の中は、西山篤子夫人のけなげな振舞で、未だに一ぱいになつてゐた。
先生は、飯を食ひながら、奥さんに、その一部始終を、話して聞かせた。さうして、それを、日本の女の武士道だと賞讃した。日本と日本人とを愛する奥さんが、この話を聞いて、同情しない筈はない。先生は、奥さんに熱心な聴き手を見出した事を、満足に思つた。奥さんと、さつきの婦人と、それから岐阜提灯と――今では、この三つが、或倫理的な背景を持つて、先生の意識に浮んで来る。
先生はどの位、長い間、かう云ふ幸福な回想に耽ふけつてゐたか、わからない。が、その中に、ふと或雑誌から、寄稿を依頼されてゐた事に気がついた。その雑誌では「現代の青年に与ふる書」と云ふ題で、四方の大家に、一般道徳上の意見を徴してゐたのである。今日の事件を材料にして、早速、所感を書いて送る事にしよう。――かう思つて、先生は、ちよいと頭を掻いた。
掻いた手は、本を持つてゐた手である。先生は、今まで閑却されてゐた本に、気がついて、さつき入れて置いた名刺を印に、読みかけた頁を、開いて見た。丁度、その時、小間使が来て、頭の上の岐阜提灯をともしたので、細こまかい活字も、さほど読むのに煩はしくない。先生は、別に読む気もなく、漫然と眼を頁の上に落した。ストリントベルクは云ふ。――
――私の若い時分、人はハイベルク夫人の、多分巴里パリから出たものらしい、手巾のことを話した。それは、顔は微笑してゐながら、手は手巾を二つに裂くと云ふ、二重の演技であつた、それを我等は今、臭味メツツヘンと名づける。……
先生は、本を膝の上に置いた。開いたまま置いたので、西山篤子と云ふ名刺が、まだ頁のまん中にのつてゐる。が、先生の心にあるものは、もうあの婦人ではない。さうかと云つて、奥さんでもなければ日本の文明でもない。それらの平穏な調和を破らうとする、得体の知れない何物かである。ストリントベルクの指弾した演出法と、実践道徳上の問題とは、勿論ちがふ。が、今、読んだ所からうけとつた暗示の中には、先生の、湯上りののんびりした心もちを、擾みださうとする何物かがある。武士道と、さうしてその型マニイルと――
先生は、不快さうに二三度頭を振つて、それから又上眼を使ひながら、ぢつと、秋草を描いた岐阜提灯の明い灯を眺め始めた。……
创作背景
芥川在发表《手绢》的前五年,日本极权主义者以社会主义想暗杀天皇为借口,制造了1911年的所谓的“大逆事件”,杀害了以幸德秋水为首的社会主义者,严密地控制了舆论。日本被笼罩在一片黑暗的危机之中,在这种形式下,许多作家欲言不能,只好采取避开敏感的主题进行创作的态度。然而,芥川龙之介的小说《手绢》其主题是直刺当时日本政府,大肆宣扬已经变味的不伦不类的武士道,并将其强制到每一个日本人身上,这样,他不得不采取迂回的方法含蓄地对这一现象给予讽刺。芥川给友人秦丰吉的明信片上提及,《手绢》是以新渡户稻造为原型的小说,在《明日道德》一文中,芥川明确表示了对这位高中校长兼伦理课老师观点的否定。芥川听了新渡户稻造的课之后,非常气愤,愤怒情绪持续了四、五年,这种排斥延续到《手绢》这部小说中。
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