古代博物学者プリニウスの観察によって究めようとする知性と心性、劇画でありありと―ヤマザキ マリ/とり・みき『プリニウス12』本村 凌二による書評
10/25(水) 6:00配信
◆観察で究めようとする知性と心性
プリニウスは1世紀に実在した人物だから、まずは『世界史辞典』(角川学芸出版)の素描「ローマの軍人、政治家、学者。北イタリアのコモの騎士身分の家に生まれる。23歳頃から12年間ライン地方で軍務に服し、イタリア帰国後10年ほど文筆活動に専念。ウェスパシアヌス帝により属州財務に登用され、見聞を広めつつ著作活動を続けた。晩年ナポリ湾ミセヌムの艦隊司令官に任じられ、79年ヴェスヴィオ火山の噴火の際にポンペイ近くのスタビアエで殉職。多作であったが、百科全書的な情報の宝庫たる『博物誌』全37巻のみ現存する」で輪郭がわかってもらえる。
こんな男だから、幼少期から昆虫や樹木に好奇心あふれ、長じて自然界の森羅万象に目が向かったとしても不思議ではない。とにかく何事も自分の目で確かめないと気がすまない。万巻の書に通じていながら、多少の危険があっても現物を観察したい男だった。さかのぼれば、自然現象や動植物の生態への関心も半端ではなかった。かくして古代の膨大な知識が『博物誌』として集大成されたのだ。
イタリア通として知られるヤマザキマリであるが、博物学者プリニウスについてはそもそも「どうしてもこの男が描きたかった」という。さすがに奇人のような偉人の生と死をとりあげるのは目のつけどころがいい。しかも、その執念を実らせるために、相棒に情景描写に巧みなとり・みきを迎えているところが心にくい。鬼に金棒、待ち望まれた合作が完結したのだ。
なぜ地震はおきるのか、なぜ雷鳴が轟くのか。近代科学の洗礼にあずからぬ古代人なら、神々のせいにしたい。だが、頭脳明晰な男には、観察にもとづく合理的な説明がいる。ほかにも、『博物誌』のなかには、書物からの引用や自分の体験を交えて、種々雑多な話題がとりあげられているが、それらを嘘八百やでたらめと断じるべきではない。プリニウスにとっては、自然の謎に迫るために真剣に検討すべき話題であったはずだ。
ところで、この最終巻では、属州ヒスパニア・タラコネンシスからローマに帰還したプリニウスが、親しいウェスパシアヌス帝に出会う場面がある。『博物誌』は同帝に捧げられているから、お互いの友愛が感じられて感動的である。それが史実であったか問うのは、いささか野暮ったいようでもある。
79年夏、ウェスウィウス山が噴火した。プリニウスはそれを目撃する。艦隊司令官としてナポリ湾の港にいたのだから、「燃える山」の実態を知りたくて船を出す。好奇心あふれる男だから、火山の大爆発という自然の大異変に直面すれば、出来事を調査せずにはおれなかった。もともと喘息もちにもかかわらず、降りしきる火山灰・火山礫のなかで息絶えるという壮絶な死に様。観察によって究めようとする古代人の知性と心性が、劇画でこそよく浮かび上がる。
今日の基準からすれば、『博物誌』には虚実こもごもの説明も少なくない。だが、それらは嘘でも大ボラでもない。そこにこそ古代人の心がありありと透けて見える。専門研究者なら避けて通りたい心と知識の系譜学だが、その地平を切り開くには劇画という手法がある。しかも、表情豊かな人物画と緻密をきわめる情景画がほどよく調和していているのだから、心から拍手をおくりたい。
[書き手] 本村 凌二
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。
専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞。著作に『多神教と一神教』『愛欲のローマ史』『はじめて読む人のローマ史1200年』『ローマ帝国 人物列伝』『競馬の世界史』『教養としての「世界史」の読み方』『英語で読む高校世界史』『裕次郎』『教養としての「ローマ史」の読み方』など多数。
[書籍情報]『プリニウス12』
著者:ヤマザキマリ/とり・みき / 出版社:新潮社 / 発売日:2023年07月7日 / ISBN:4107726207
毎日新聞 2023年7月22日掲載
本村 凌二
10/25(水) 6:00配信
◆観察で究めようとする知性と心性
プリニウスは1世紀に実在した人物だから、まずは『世界史辞典』(角川学芸出版)の素描「ローマの軍人、政治家、学者。北イタリアのコモの騎士身分の家に生まれる。23歳頃から12年間ライン地方で軍務に服し、イタリア帰国後10年ほど文筆活動に専念。ウェスパシアヌス帝により属州財務に登用され、見聞を広めつつ著作活動を続けた。晩年ナポリ湾ミセヌムの艦隊司令官に任じられ、79年ヴェスヴィオ火山の噴火の際にポンペイ近くのスタビアエで殉職。多作であったが、百科全書的な情報の宝庫たる『博物誌』全37巻のみ現存する」で輪郭がわかってもらえる。
こんな男だから、幼少期から昆虫や樹木に好奇心あふれ、長じて自然界の森羅万象に目が向かったとしても不思議ではない。とにかく何事も自分の目で確かめないと気がすまない。万巻の書に通じていながら、多少の危険があっても現物を観察したい男だった。さかのぼれば、自然現象や動植物の生態への関心も半端ではなかった。かくして古代の膨大な知識が『博物誌』として集大成されたのだ。
イタリア通として知られるヤマザキマリであるが、博物学者プリニウスについてはそもそも「どうしてもこの男が描きたかった」という。さすがに奇人のような偉人の生と死をとりあげるのは目のつけどころがいい。しかも、その執念を実らせるために、相棒に情景描写に巧みなとり・みきを迎えているところが心にくい。鬼に金棒、待ち望まれた合作が完結したのだ。
なぜ地震はおきるのか、なぜ雷鳴が轟くのか。近代科学の洗礼にあずからぬ古代人なら、神々のせいにしたい。だが、頭脳明晰な男には、観察にもとづく合理的な説明がいる。ほかにも、『博物誌』のなかには、書物からの引用や自分の体験を交えて、種々雑多な話題がとりあげられているが、それらを嘘八百やでたらめと断じるべきではない。プリニウスにとっては、自然の謎に迫るために真剣に検討すべき話題であったはずだ。
ところで、この最終巻では、属州ヒスパニア・タラコネンシスからローマに帰還したプリニウスが、親しいウェスパシアヌス帝に出会う場面がある。『博物誌』は同帝に捧げられているから、お互いの友愛が感じられて感動的である。それが史実であったか問うのは、いささか野暮ったいようでもある。
79年夏、ウェスウィウス山が噴火した。プリニウスはそれを目撃する。艦隊司令官としてナポリ湾の港にいたのだから、「燃える山」の実態を知りたくて船を出す。好奇心あふれる男だから、火山の大爆発という自然の大異変に直面すれば、出来事を調査せずにはおれなかった。もともと喘息もちにもかかわらず、降りしきる火山灰・火山礫のなかで息絶えるという壮絶な死に様。観察によって究めようとする古代人の知性と心性が、劇画でこそよく浮かび上がる。
今日の基準からすれば、『博物誌』には虚実こもごもの説明も少なくない。だが、それらは嘘でも大ボラでもない。そこにこそ古代人の心がありありと透けて見える。専門研究者なら避けて通りたい心と知識の系譜学だが、その地平を切り開くには劇画という手法がある。しかも、表情豊かな人物画と緻密をきわめる情景画がほどよく調和していているのだから、心から拍手をおくりたい。
[書き手] 本村 凌二
東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、2014年4月~2018年3月まで早稲田大学国際教養学部特任教授。
専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞。著作に『多神教と一神教』『愛欲のローマ史』『はじめて読む人のローマ史1200年』『ローマ帝国 人物列伝』『競馬の世界史』『教養としての「世界史」の読み方』『英語で読む高校世界史』『裕次郎』『教養としての「ローマ史」の読み方』など多数。
[書籍情報]『プリニウス12』
著者:ヤマザキマリ/とり・みき / 出版社:新潮社 / 発売日:2023年07月7日 / ISBN:4107726207
毎日新聞 2023年7月22日掲載
本村 凌二
齋藤飛鳥、乃木坂46・遠藤さくらからもらった思い出に残る誕生日プレゼント「なかなか使えなくて、取ってある」
10/24(火) 6:30配信
■衝撃的な展開の映像化は「想像することがすごく楽しかった」
2017年よりヤングマガジンにて連載中の漫画『マイホームヒーロー』がドラマ化し、10月24日よりMBS/TBSほかにて放送を開始する。平凡なサラリーマンが愛する一人娘の彼氏を殺害し、その死体を隠蔽するという衝撃的な展開で話題を呼んだ本作に、佐々木蔵之介演じる鳥栖哲雄の一人娘・鳥栖零花役で出演するのが、元乃木坂46の齋藤飛鳥だ。グループを卒業し、家族のことを考える時間が増えていたという彼女に、本作への思いやファンを意識した今後の展望を語ってもらった。
【写真】オトナっぽさとかわいらしさが共存! 齋藤飛鳥、撮り下ろしショット
――本作への出演が決まった時の思いを聞かせてください。
齋藤:このお話を頂いた時、ちょうど別のスタッフさんが通りかかって「その話が来てるなら、絶対やった方がいいよ!」と言われたんです。原作の漫画はすごく人気で、スタッフさんの中にもハマっている方が多いとお聞きして、そんな人気の作品からお話を頂けたことは光栄だなと思いました。私もそこから原作をしっかりと読み込んで、私の好きな感じの作品だったのでうれしかったです。原作がとにかく面白いんですが「これをどうやって映像にするんだろう」と思って、よりワクワクしました。想像することがすごく楽しかったです。
――零花を演じる上で大切にしたことはなんですか。
齋藤:零花ちゃんは、ちょっと生意気で抜けているところもある普通の大学生で、かわいらしく愛くるしい女の子です。この作品はサスペンスやミステリーなどの要素もありますが、どんなシーンも根底には必ず愛があると思うんです。零花ちゃんは両親の愛をすごくたくさん受けて育っている女の子なので、愛されていることも、家族を愛していることも忘れないよう意識しました。
■一流俳優との共演「テキパキと進んでいきながらも、終始和やか」
――共演者の方々の印象はいかがでしたか。
齋藤:皆さん本当に一流の方たちばかりだったので、現場はテキパキと進んでいきながらも、終始和やかな空気でした。佐々木蔵之介さんとは初めてご一緒したんですが、事前に私のことを調べてきてくださっていたようで、私に寄り添ってたくさん会話をしてくださったので、すごくうれしかったです。母親役の木村多江さんも最初から私のことを「飛鳥、飛鳥」とかわいがってくださって、「私の娘はすごいのよ」とスタッフさんに言ってくださっていたりもして(笑)。距離感近く接してくださったので、私からも母親のように思えて、スッと役に入れました。
――難しかったシーンなどはありますか。
齋藤:重たいシーンもありますが、零花ちゃんが出てくる場面はほっこりと笑えるようなシーンになると思うので、空気を軽くしたいなと自分では思っていました。私はそこまでたくさんお芝居をやってきたというわけでもないので、間合いやテンポを蔵之介さんや監督に細かく教えていただきながら、楽しく参加させていただきました。
■乃木坂46卒業後は「不思議と家族のことを考えることが増えた」
――今作を通して、家族という存在について思ったことがあれば聞かせてください。
齋藤:私はグループを卒業してから環境が大きく変化して、不思議と家族のことを考えることが増えていました。この作品の中でもそうですが、現実もいつどうなってしまうかって分からないですよね。だから、零花ちゃんがお父さんに誕生日プレゼントをあげていたように、私も記念日にはアクションを起こしたいなと思いました。
――零花と齋藤さんには、なにか共通点はありますか。
齋藤:気分屋なところですかね(笑)。零花ちゃんって、自分の気分を優先して生きている子な気がするんです。お父さんの帰りが遅くて「もう先にご飯食べようよ」とお母さんに文句を言っていたりして、私もそんな感じだなと思いました(笑)。あまり待つのは好きじゃないし、セリフの一つ一つが私もよく言うような言葉だった気がします。ただ、皆さんの知っている齋藤飛鳥は零花ちゃんのように愛くるしくないと思うので、愛くるしいと思っていただけるように頑張ります(笑)。
■乃木坂46・遠藤さくらからの誕生日プレゼント「なかなか使えなくて、取ってある」
――今作は佐々木さん演じる哲雄の誕生日に物語が始まりますが、齋藤さん自身がこれまでに印象的だった誕生日を教えてください。
齋藤:私は誕生日が8月で、学生時代は夏休みだったので誰からも祝ってもらえなくて寂しい思いをしていたんです。でもグループに入ってからは夏にツアーがあって、何度かあった誕生日当日の公演で、大きなケーキを出してもらったり、会場の皆さんがバースデーソングを歌ってくれたりしたことが、今となっては二度とできない貴重な経験だなと思います。あんなに大きなハッピーバースデーの歌は聞いたことないです(笑)。
――これまでの誕生日にもらったもので思い出に残っているものはありますか。
齋藤:本当にいろんなものを頂いてきたので、うれしかったものはたくさんあります。その中でもかわいいなと思ったのは、22歳くらいの誕生日に遠藤さくらちゃんが図書カードをくれたんです。大人になってから図書カードをもらうことってあまりないんですけど、「実用的なものをあげよう」とたくさん考えたんだろうなとすごくかわいくて(笑)。使わないものをあげたら本当にいらないと言われると思ったんでしょうね。なかなか使えなくて、取ってあるんです。
――(笑)。最後に、今後の活動の展望を聞かせてください。
齋藤:ジャンルにこだわりはないんです。お芝居も機会があればまたやりたいと思いますが、私がやる理由があるもの、私に名指しでオファーを頂くようなものには、できるだけ期待にお応えできればなという思いがあります。また、これからもファンの方にも喜んでもらえるよう、“私らしさ”を出せるような環境も作っていけたらいいなと考えています。
(取材・文・写真:山田健史)
ドラマイズム『マイホームヒーロー』は、10月24日よりMBSにて毎週火曜24時59分、TBSにて毎週火曜25時28分放送。全国29局で放送決定。劇場版が2024年3月8日公開予定。
10/24(火) 6:30配信
■衝撃的な展開の映像化は「想像することがすごく楽しかった」
2017年よりヤングマガジンにて連載中の漫画『マイホームヒーロー』がドラマ化し、10月24日よりMBS/TBSほかにて放送を開始する。平凡なサラリーマンが愛する一人娘の彼氏を殺害し、その死体を隠蔽するという衝撃的な展開で話題を呼んだ本作に、佐々木蔵之介演じる鳥栖哲雄の一人娘・鳥栖零花役で出演するのが、元乃木坂46の齋藤飛鳥だ。グループを卒業し、家族のことを考える時間が増えていたという彼女に、本作への思いやファンを意識した今後の展望を語ってもらった。
【写真】オトナっぽさとかわいらしさが共存! 齋藤飛鳥、撮り下ろしショット
――本作への出演が決まった時の思いを聞かせてください。
齋藤:このお話を頂いた時、ちょうど別のスタッフさんが通りかかって「その話が来てるなら、絶対やった方がいいよ!」と言われたんです。原作の漫画はすごく人気で、スタッフさんの中にもハマっている方が多いとお聞きして、そんな人気の作品からお話を頂けたことは光栄だなと思いました。私もそこから原作をしっかりと読み込んで、私の好きな感じの作品だったのでうれしかったです。原作がとにかく面白いんですが「これをどうやって映像にするんだろう」と思って、よりワクワクしました。想像することがすごく楽しかったです。
――零花を演じる上で大切にしたことはなんですか。
齋藤:零花ちゃんは、ちょっと生意気で抜けているところもある普通の大学生で、かわいらしく愛くるしい女の子です。この作品はサスペンスやミステリーなどの要素もありますが、どんなシーンも根底には必ず愛があると思うんです。零花ちゃんは両親の愛をすごくたくさん受けて育っている女の子なので、愛されていることも、家族を愛していることも忘れないよう意識しました。
■一流俳優との共演「テキパキと進んでいきながらも、終始和やか」
――共演者の方々の印象はいかがでしたか。
齋藤:皆さん本当に一流の方たちばかりだったので、現場はテキパキと進んでいきながらも、終始和やかな空気でした。佐々木蔵之介さんとは初めてご一緒したんですが、事前に私のことを調べてきてくださっていたようで、私に寄り添ってたくさん会話をしてくださったので、すごくうれしかったです。母親役の木村多江さんも最初から私のことを「飛鳥、飛鳥」とかわいがってくださって、「私の娘はすごいのよ」とスタッフさんに言ってくださっていたりもして(笑)。距離感近く接してくださったので、私からも母親のように思えて、スッと役に入れました。
――難しかったシーンなどはありますか。
齋藤:重たいシーンもありますが、零花ちゃんが出てくる場面はほっこりと笑えるようなシーンになると思うので、空気を軽くしたいなと自分では思っていました。私はそこまでたくさんお芝居をやってきたというわけでもないので、間合いやテンポを蔵之介さんや監督に細かく教えていただきながら、楽しく参加させていただきました。
■乃木坂46卒業後は「不思議と家族のことを考えることが増えた」
――今作を通して、家族という存在について思ったことがあれば聞かせてください。
齋藤:私はグループを卒業してから環境が大きく変化して、不思議と家族のことを考えることが増えていました。この作品の中でもそうですが、現実もいつどうなってしまうかって分からないですよね。だから、零花ちゃんがお父さんに誕生日プレゼントをあげていたように、私も記念日にはアクションを起こしたいなと思いました。
――零花と齋藤さんには、なにか共通点はありますか。
齋藤:気分屋なところですかね(笑)。零花ちゃんって、自分の気分を優先して生きている子な気がするんです。お父さんの帰りが遅くて「もう先にご飯食べようよ」とお母さんに文句を言っていたりして、私もそんな感じだなと思いました(笑)。あまり待つのは好きじゃないし、セリフの一つ一つが私もよく言うような言葉だった気がします。ただ、皆さんの知っている齋藤飛鳥は零花ちゃんのように愛くるしくないと思うので、愛くるしいと思っていただけるように頑張ります(笑)。
■乃木坂46・遠藤さくらからの誕生日プレゼント「なかなか使えなくて、取ってある」
――今作は佐々木さん演じる哲雄の誕生日に物語が始まりますが、齋藤さん自身がこれまでに印象的だった誕生日を教えてください。
齋藤:私は誕生日が8月で、学生時代は夏休みだったので誰からも祝ってもらえなくて寂しい思いをしていたんです。でもグループに入ってからは夏にツアーがあって、何度かあった誕生日当日の公演で、大きなケーキを出してもらったり、会場の皆さんがバースデーソングを歌ってくれたりしたことが、今となっては二度とできない貴重な経験だなと思います。あんなに大きなハッピーバースデーの歌は聞いたことないです(笑)。
――これまでの誕生日にもらったもので思い出に残っているものはありますか。
齋藤:本当にいろんなものを頂いてきたので、うれしかったものはたくさんあります。その中でもかわいいなと思ったのは、22歳くらいの誕生日に遠藤さくらちゃんが図書カードをくれたんです。大人になってから図書カードをもらうことってあまりないんですけど、「実用的なものをあげよう」とたくさん考えたんだろうなとすごくかわいくて(笑)。使わないものをあげたら本当にいらないと言われると思ったんでしょうね。なかなか使えなくて、取ってあるんです。
――(笑)。最後に、今後の活動の展望を聞かせてください。
齋藤:ジャンルにこだわりはないんです。お芝居も機会があればまたやりたいと思いますが、私がやる理由があるもの、私に名指しでオファーを頂くようなものには、できるだけ期待にお応えできればなという思いがあります。また、これからもファンの方にも喜んでもらえるよう、“私らしさ”を出せるような環境も作っていけたらいいなと考えています。
(取材・文・写真:山田健史)
ドラマイズム『マイホームヒーロー』は、10月24日よりMBSにて毎週火曜24時59分、TBSにて毎週火曜25時28分放送。全国29局で放送決定。劇場版が2024年3月8日公開予定。
齋藤飛鳥、乃木坂46時代から“夢”と“目標”を明確に分けている理由 今は「アイドルの頃にはやっていなかったことに興味」<マイホームヒーロー>
10/22(日) 18:00配信
【モデルプレス=2023/10/22】<齋藤飛鳥「マイホームヒーロー」インタビュー後編>
【写真】齋藤飛鳥の顔にあざ…「マイホームヒーロー」衝撃の場面写真
今年5月の卒業コンサートをもって乃木坂46の活動に終止符を打った、齋藤飛鳥(さいとう・あすか/25)。齋藤は10月期に“2作同時”ドラマ出演を果たすなど、卒業後も飛躍し続けている。アイドル時代から支えとなっている家族の存在や、これまでの経験から実感した「夢を叶える秘訣」などについて聞いた。
◆佐々木蔵之介主演「マイホームヒーロー」
俳優の佐々木蔵之介が主演を務める『マイホームヒーロー』(10月24日よりMBS24時59分~、TBS25時28分~ドラマイズムにてスタート/2024年3月映画公開)。原作は2017年から「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同名漫画(原作:山川直輝、漫画:朝基まさし)。平凡なサラリーマンが、愛するひとり娘の<彼氏>を殺害し、その死体を隠蔽するという衝撃的な“ノンストップファミリーサスペンス”となっている。
2023年4月にはテレビアニメ化され、ドラマ放送後の2024年3月8日には映画版の公開も決定している本作。実写版のキャストは主人公・鳥栖哲雄を演じる佐々木、鳥栖家の一人娘・鳥栖零花を演じる齋藤のほか、哲雄の妻で、良き理解者・鳥栖歌仙役に木村多江、哲雄を殺人犯と疑い執拗に追及する半グレ集団のリーダー格・間島恭一役に高橋恭平(なにわ男子)などのキャスト陣が揃っている。
◆齋藤飛鳥、撮影は「環境の変化が大きかった時期」
― 本作では新たな角度から“家族”というものを描いていますが、作品を通して家族について考えたことはありますか?
齋藤:(撮影の時期は)私も乃木坂46を卒業するなど、自分の環境の変化が大きかった時期なので、不思議と家族のことを考える時間が増えていたんです。劇中には零花ちゃんが哲雄さんに誕生日プレゼントをあげるシーンがあるのですが、すごく手が込んでいたり、可愛らしい物がたくさんあったりしたので、私も親のそういった記念日は大きくアクションしたいなと思いました。
― 零花は父・哲雄へ反抗的な態度を取ってしまう場面がありますが、齋藤さんご自身は反抗期を経験しましたか?
齋藤:反抗期という反抗期はなかったと思います。でも、私は中学生で乃木坂46に加入して、ちょっと忙しくしていた時期もあったので、疲れた日は仕事が終わって家に帰る前に「今日は疲れているので、何も喋りません」という連絡をしていました。それは反抗期というよりは、気遣いだったと思います。高校生になってからは一人暮らしをしていたので、両親と離れて暮らしていました。
― 現在でも、ご家族とは頻繁に連絡を取っているのでしょうか。
齋藤:母とはよく連絡を取っています。父は、こうした作品が決まったニュースが出たときなど、節目節目で「おめでとう」といった言葉を送ってくれますね。
― すごく優しいご両親なんですね。
齋藤:そうですね。優しいですし、どの親もそうかもしれないんですけど“親バカ”なので(笑)。娘のことは大好きですし、娘のやることは全部追っかけてくれています。父はあまりSNSなどはわからないようですが、母はわからないなりに兄に聞いて、私の写真やファンの方が作ってくれた動画まで全部チェックしてくれています。
◆齋藤飛鳥の夢を叶える秘訣
― 夢を追いかけているモデルプレス読者へ向けて、乃木坂46卒業後も飛躍し続けている齋藤さんが今思う「夢を叶える秘訣」を教えてください。2020年にお聞きした際は「“諦めること”をポジティブに捉える」といったお話をしていました。
齋藤:「夢と目標を分けて考えること」かなと思います。私もある人から聞いて影響を受けた考え方なのですが、夢や希望はすごくざっくりしていて良いというか。「目標は掲げた瞬間にその方向に歩いていかなきゃいけないけれど、夢はただ見るものだから何を抱いても良い」といった話を聞いたときに、たしかにその通りだなと感じたんです。
本当に叶えたいことややりたいことは「私はこれをやります」と目標として言いますが、夢はちょっとぼんやりしたものだと思うので、だからこそ何を掲げても良いと思います。2020年の私の回答にも通ずると思うんですけど、頭の片隅に「まぁ、叶わなくても良い。なんとかなるか」という気持ちを持っておくことも、私は大事にしています。
― 齋藤さんご自身も「夢」と「目標」は明確に分けて考えているのでしょうか?
齋藤:自然と分けていますね。昔から、乃木坂46にいた頃からやっていたと思うんですけど、どうしても果たしたいものは「目標」として掲げて、そこに向かって努力をしていましたが、「夢」は大きなものや、叶わないかもしれないなというものも掲げていました。明確に分けていたからこそ、夢が叶わなくて落ち込んだことはなかったと思います。なので、心のどこかに「叶うわけないか」という気持ちがあっても、それを「夢」と呼んでも別に良いんじゃないかなと、私は思っています。
― これまでの経験から実感したことないですね。最後に、今後挑戦してみたい役などがあれば教えてください!
齋藤:普段の私とは違う、アイドルの頃にはやっていなかったことに興味があります。ミステリアスなのか、闇があるのか、やんちゃなのか…そういった役もやってみたいです(笑)。今回の作品でいうと、「もし『窪(半グレ組織の中心核/※実写化では音尾琢真が演じる)』に娘がいたら、そういった役にも挑戦してみたいな」と思っていました。哲雄さんの娘とは、全く違う役になったんじゃないかなと思います。
― 今後も齋藤さんの新たな一面が見られることを楽しみしています!ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆齋藤飛鳥(さいとう・あすか)プロフィール
齋藤は1998年8月10日生まれ、東京都出身。身長は158cm。2011年「乃木坂46」のオーディションに合格し、第1期生最年少メンバーとしてグループに加入。2023年5月に東京ドームにて開催された「乃木坂46齋藤飛鳥卒業コンサート」をもって、乃木坂46の活動に終止符を打った。
さらに、ドラマ『少女のみる夢』(2016年/テレビ朝日系)で本格的ドラマ初出演にして、初主演を果たすなど、幅広いジャンルで才能を発揮。2017年には乃木坂46出演の舞台『あさひなぐ』で主演を務めたほか、翌年には映画『あの頃、君を追いかけた』(2018年)でヒロインを演じた。そして、2023年10月期には『マイホームヒーロー』に加えて、フジテレビ系木曜劇場『いちばんすきな花』にも出演。卒業後も活躍の場を広げている。
【Not Sponsored 記事】
10/22(日) 18:00配信
【モデルプレス=2023/10/22】<齋藤飛鳥「マイホームヒーロー」インタビュー後編>
【写真】齋藤飛鳥の顔にあざ…「マイホームヒーロー」衝撃の場面写真
今年5月の卒業コンサートをもって乃木坂46の活動に終止符を打った、齋藤飛鳥(さいとう・あすか/25)。齋藤は10月期に“2作同時”ドラマ出演を果たすなど、卒業後も飛躍し続けている。アイドル時代から支えとなっている家族の存在や、これまでの経験から実感した「夢を叶える秘訣」などについて聞いた。
◆佐々木蔵之介主演「マイホームヒーロー」
俳優の佐々木蔵之介が主演を務める『マイホームヒーロー』(10月24日よりMBS24時59分~、TBS25時28分~ドラマイズムにてスタート/2024年3月映画公開)。原作は2017年から「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同名漫画(原作:山川直輝、漫画:朝基まさし)。平凡なサラリーマンが、愛するひとり娘の<彼氏>を殺害し、その死体を隠蔽するという衝撃的な“ノンストップファミリーサスペンス”となっている。
2023年4月にはテレビアニメ化され、ドラマ放送後の2024年3月8日には映画版の公開も決定している本作。実写版のキャストは主人公・鳥栖哲雄を演じる佐々木、鳥栖家の一人娘・鳥栖零花を演じる齋藤のほか、哲雄の妻で、良き理解者・鳥栖歌仙役に木村多江、哲雄を殺人犯と疑い執拗に追及する半グレ集団のリーダー格・間島恭一役に高橋恭平(なにわ男子)などのキャスト陣が揃っている。
◆齋藤飛鳥、撮影は「環境の変化が大きかった時期」
― 本作では新たな角度から“家族”というものを描いていますが、作品を通して家族について考えたことはありますか?
齋藤:(撮影の時期は)私も乃木坂46を卒業するなど、自分の環境の変化が大きかった時期なので、不思議と家族のことを考える時間が増えていたんです。劇中には零花ちゃんが哲雄さんに誕生日プレゼントをあげるシーンがあるのですが、すごく手が込んでいたり、可愛らしい物がたくさんあったりしたので、私も親のそういった記念日は大きくアクションしたいなと思いました。
― 零花は父・哲雄へ反抗的な態度を取ってしまう場面がありますが、齋藤さんご自身は反抗期を経験しましたか?
齋藤:反抗期という反抗期はなかったと思います。でも、私は中学生で乃木坂46に加入して、ちょっと忙しくしていた時期もあったので、疲れた日は仕事が終わって家に帰る前に「今日は疲れているので、何も喋りません」という連絡をしていました。それは反抗期というよりは、気遣いだったと思います。高校生になってからは一人暮らしをしていたので、両親と離れて暮らしていました。
― 現在でも、ご家族とは頻繁に連絡を取っているのでしょうか。
齋藤:母とはよく連絡を取っています。父は、こうした作品が決まったニュースが出たときなど、節目節目で「おめでとう」といった言葉を送ってくれますね。
― すごく優しいご両親なんですね。
齋藤:そうですね。優しいですし、どの親もそうかもしれないんですけど“親バカ”なので(笑)。娘のことは大好きですし、娘のやることは全部追っかけてくれています。父はあまりSNSなどはわからないようですが、母はわからないなりに兄に聞いて、私の写真やファンの方が作ってくれた動画まで全部チェックしてくれています。
◆齋藤飛鳥の夢を叶える秘訣
― 夢を追いかけているモデルプレス読者へ向けて、乃木坂46卒業後も飛躍し続けている齋藤さんが今思う「夢を叶える秘訣」を教えてください。2020年にお聞きした際は「“諦めること”をポジティブに捉える」といったお話をしていました。
齋藤:「夢と目標を分けて考えること」かなと思います。私もある人から聞いて影響を受けた考え方なのですが、夢や希望はすごくざっくりしていて良いというか。「目標は掲げた瞬間にその方向に歩いていかなきゃいけないけれど、夢はただ見るものだから何を抱いても良い」といった話を聞いたときに、たしかにその通りだなと感じたんです。
本当に叶えたいことややりたいことは「私はこれをやります」と目標として言いますが、夢はちょっとぼんやりしたものだと思うので、だからこそ何を掲げても良いと思います。2020年の私の回答にも通ずると思うんですけど、頭の片隅に「まぁ、叶わなくても良い。なんとかなるか」という気持ちを持っておくことも、私は大事にしています。
― 齋藤さんご自身も「夢」と「目標」は明確に分けて考えているのでしょうか?
齋藤:自然と分けていますね。昔から、乃木坂46にいた頃からやっていたと思うんですけど、どうしても果たしたいものは「目標」として掲げて、そこに向かって努力をしていましたが、「夢」は大きなものや、叶わないかもしれないなというものも掲げていました。明確に分けていたからこそ、夢が叶わなくて落ち込んだことはなかったと思います。なので、心のどこかに「叶うわけないか」という気持ちがあっても、それを「夢」と呼んでも別に良いんじゃないかなと、私は思っています。
― これまでの経験から実感したことないですね。最後に、今後挑戦してみたい役などがあれば教えてください!
齋藤:普段の私とは違う、アイドルの頃にはやっていなかったことに興味があります。ミステリアスなのか、闇があるのか、やんちゃなのか…そういった役もやってみたいです(笑)。今回の作品でいうと、「もし『窪(半グレ組織の中心核/※実写化では音尾琢真が演じる)』に娘がいたら、そういった役にも挑戦してみたいな」と思っていました。哲雄さんの娘とは、全く違う役になったんじゃないかなと思います。
― 今後も齋藤さんの新たな一面が見られることを楽しみしています!ありがとうございました。
(modelpress編集部)
◆齋藤飛鳥(さいとう・あすか)プロフィール
齋藤は1998年8月10日生まれ、東京都出身。身長は158cm。2011年「乃木坂46」のオーディションに合格し、第1期生最年少メンバーとしてグループに加入。2023年5月に東京ドームにて開催された「乃木坂46齋藤飛鳥卒業コンサート」をもって、乃木坂46の活動に終止符を打った。
さらに、ドラマ『少女のみる夢』(2016年/テレビ朝日系)で本格的ドラマ初出演にして、初主演を果たすなど、幅広いジャンルで才能を発揮。2017年には乃木坂46出演の舞台『あさひなぐ』で主演を務めたほか、翌年には映画『あの頃、君を追いかけた』(2018年)でヒロインを演じた。そして、2023年10月期には『マイホームヒーロー』に加えて、フジテレビ系木曜劇場『いちばんすきな花』にも出演。卒業後も活躍の場を広げている。
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