標準和名 デンキウナギ (電気鰻)
分 類 デンキウナギ目・デンキウナギ亜目・デンキウナギ科、或いはギュムノートゥス科・デンキウナギ属
学 名 Electrophorus electricus
英 名 Electric eel
分 布 南アメリカ
生息環境 河川や沼など
全 長 2.4m 程度
検索
デンキウナギはアマゾン川やオリノコ川を中心とする南アメリカ北西部に分布していて、名前には「ウナギ」と付いているが、ウナギとは全く別の種類に属している。
デンキウナギ目の中では最大種で、全長は2.4m程にも成長する。
体は細長く全体に円筒形だが、頭部は縦扁し、後部から尾部にかけては側扁している。
眼は小さく、口は平たくてやや上向きについている。
体色は暗褐色から黒色で、頭部の下面と喉は黄色からオレンジ色をしている。
肛門は鰓蓋の下辺りにあり、内臓器官は前部の20%程に集中している。
また、鰭は胸びれとしりびれだけで、長いしりびれを波打つようにして泳ぐ。
沼や流れの緩やかな水草の多い河川などに生息し、主に小魚などを食べるが、若魚は底性の無脊椎動物なども食べる。
夜行性の魚で、昼間は物陰などで休んでいることが多い。
デンキウナギは強い電気を発することでよく知られているが、1回の放電量は500~600Vにも達する。
この強い電気によって獲物を麻痺ませて捕らえるが、放電は体に触れたときに行われる。
この為、川を渡っている人や動物なども、デンキウナギに誤って触れたり踏みつけたりして感電することがあるが、放電は獲物を捕らえるだけでなく、弱電を発してレーダーのようにも使っていると考えられている。
発電器官は筋肉の細胞が「発電板」に特殊化したもので、肛門より後部の長い尾はほとんど発電器官になっている。
これらの発電板は数千個に及び、一度に放電することによって強い電気を発生させている。
放電時には自も僅かに感電しているが、体内の脂肪などによって、強く感電することはない。
また、デンキウナギは顎の粘液膜を通じて空気呼吸ができることも知られている。
これは、水温の上昇とともに水中の酸素量が減少することに適応していると言われている。
デンキウナギは地域によっては食用に利用されるが、捕らえるときは、予め刺激して放電させた後に捕まえるようにする。
これには水面を棒などで叩いて放電させる方法などが取られ、疲れて放電できなくなった後に捕らえる。
尚、本種だけでデンキウナギ属を形成しているが、ギュムノートゥス科に分類されることもある。
また、デンキナマズの仲間も強い電気を放出するが、デンキウナギ目のアプテロノートゥス科(ゴースト科)に属しているブラックゴーストなども、弱い電気を発生させることが知られている。
分 類 デンキウナギ目・デンキウナギ亜目・デンキウナギ科、或いはギュムノートゥス科・デンキウナギ属
学 名 Electrophorus electricus
英 名 Electric eel
分 布 南アメリカ
生息環境 河川や沼など
全 長 2.4m 程度
検索
デンキウナギはアマゾン川やオリノコ川を中心とする南アメリカ北西部に分布していて、名前には「ウナギ」と付いているが、ウナギとは全く別の種類に属している。
デンキウナギ目の中では最大種で、全長は2.4m程にも成長する。
体は細長く全体に円筒形だが、頭部は縦扁し、後部から尾部にかけては側扁している。
眼は小さく、口は平たくてやや上向きについている。
体色は暗褐色から黒色で、頭部の下面と喉は黄色からオレンジ色をしている。
肛門は鰓蓋の下辺りにあり、内臓器官は前部の20%程に集中している。
また、鰭は胸びれとしりびれだけで、長いしりびれを波打つようにして泳ぐ。
沼や流れの緩やかな水草の多い河川などに生息し、主に小魚などを食べるが、若魚は底性の無脊椎動物なども食べる。
夜行性の魚で、昼間は物陰などで休んでいることが多い。
デンキウナギは強い電気を発することでよく知られているが、1回の放電量は500~600Vにも達する。
この強い電気によって獲物を麻痺ませて捕らえるが、放電は体に触れたときに行われる。
この為、川を渡っている人や動物なども、デンキウナギに誤って触れたり踏みつけたりして感電することがあるが、放電は獲物を捕らえるだけでなく、弱電を発してレーダーのようにも使っていると考えられている。
発電器官は筋肉の細胞が「発電板」に特殊化したもので、肛門より後部の長い尾はほとんど発電器官になっている。
これらの発電板は数千個に及び、一度に放電することによって強い電気を発生させている。
放電時には自も僅かに感電しているが、体内の脂肪などによって、強く感電することはない。
また、デンキウナギは顎の粘液膜を通じて空気呼吸ができることも知られている。
これは、水温の上昇とともに水中の酸素量が減少することに適応していると言われている。
デンキウナギは地域によっては食用に利用されるが、捕らえるときは、予め刺激して放電させた後に捕まえるようにする。
これには水面を棒などで叩いて放電させる方法などが取られ、疲れて放電できなくなった後に捕らえる。
尚、本種だけでデンキウナギ属を形成しているが、ギュムノートゥス科に分類されることもある。
また、デンキナマズの仲間も強い電気を放出するが、デンキウナギ目のアプテロノートゥス科(ゴースト科)に属しているブラックゴーストなども、弱い電気を発生させることが知られている。
ペンギンってどんな生き物?
ペンギンとは、鳥綱ペンギン目に属する種の総称で、現生するのはペンギン科のみです。
海鳥に分類されますが、皆さんご存知の通り、ペンギンは空を飛ぶことができません。
翼は「フリッパー」と呼ばれるヒレのようになっており、泳ぐ時にのみ使われます。
他の鳥類とは異なり、陸上でも胴体を垂直に立てて行動することができる点が特徴です。
寿命は野生下だと20年弱のものが多く、飼育下では最長39年が記録されていますが、平均すると20年程度でしょう。
南半球に広く生息しており、寒い地域では南極大陸、暖かい地域ではガラパゴス諸島など、その種によって生活している地域は異なります。
世界に住むペンギンは18種!
世界に住むペンギンは、以下の18種です。
・コウテイペンギン属:コウテイペンギン・オウサマペンギン
・アデリーペンギン属:アデリーペンギン・ジェンツーペンギン・ヒゲペンギン
・マカロニペンギン属:マカロニペンギン・イワトビペンギン・フィヨルドランドペンギ・ン・スネアーズペンギン・シュレーターペンギン・ロイヤルペンギン
・キンメペンギン属:キンメペンギン
・コガタペンギン属:コガタペンギン・ハネジロペンギン
・フンボルトペンギン属:フンボルトペンギン・ケープペンギン・マゼランペンギン・ガラパゴスペンギン
中でもコウテイペンギン・オウサマペンギン・アデリーペンギン・ジェンツーペンギン・ヒゲペンギン・マカロニペンギン・イワトビペンギン・コガタペンギン・フンボルトペンギン・ケープペンギン・マゼランペンギンの11種は日本の水族館で会うことができ、その総数は4000羽以上にもなるんだとか。
これは世界で飼育されている個体の約3分の1にもなり、日本はペンギン飼育大国と言っても過言ではないのです!
ちなみに4月25日は「世界ペンギンの日」に指定されています。
南極大陸のアデリーペンギンが夏の繁殖後に海に移動する途中、毎年4月25日前後にアメリカの南極観測基地「マクマード基地」でペンギンたちが通過していく姿が見られたそうです。その姿を基地の人たちがお祝いするようになり、このような記念日になりました。
なんだかとても可愛らしい由来ですが、実は野生下で数を減らしているペンギンたちのことを忘れてはならないという意味でも、毎年この日が大切な日になっているのです。
IUCNのレッドリストによると、外来種による捕食や気候変動、重油の流出、漁業や観光などの人間の活動も個体数の減少につながっています。
ペンギンの飼育大国として、一人ひとりが少しずつでもペンギンたちが暮らしやすい環境を守ろうとしたり、意識したりすることで、この危機を乗り越えていかなければいけませんね……!
空は飛べない……でもこんな特技が!
「ペンギンってどんな生き物?」の項目でご紹介した通り、ペンギンは海鳥ですが空を飛ぶことができません。
……が! 空を飛べないかわりに泳ぐのは大得意!
野生のペンギンは陸上で歩いてるときとは違い、水中を猛スピードで泳いでエサを獲らえます。
種類によって異なりますが、時速30km以上の速さで泳ぐことができるペンギンも!
ペンギンは泳ぐだけではなく、潜るのも得意としています。
一般的に200mを超えると深海と呼ばれますが、ジェンツーペンギンは200m以上、キングペンギンは300m以上、コウテイペンギンにいたっては500m以上も潜るんだとか!
深海にペンギン……想像がつかず「本当に大丈夫?」と心配になってしまいますが、きっと潜り慣れた彼らにとっては意外と深海は庭みたいなものなのかもしれませんね……!
ペンギンの恋愛は一途!
群れをなすペンギンは基本的に、一夫一妻制のペアを形成します。
ペアになると、そのまま一生を添い遂げるそうですよ。
そのため、同じペアで子作りを繰り返すことがほとんど。
数いるペンギンの中でもマゼランペンギンは特にペアの絆が強く、離婚率(と言って良いのかは謎ですが……)が他のペンギンよりも圧倒的に少ないんだとか!
また自然界のペンギンは巣を作り、夜になると互いにその場所に帰ってきます。
巣に帰ってきた後は、お互い羽づくろいをしたり、くちばしでつつき合ったり、夫婦仲良く過ごすそうです。
実はこの絆、オスとメスの間に限ったものではありません。ペンギンはオスとメスのペアだけではなく、オス同士、メス同士でペアになったりすることもあるそうです。
ペンギンとは、鳥綱ペンギン目に属する種の総称で、現生するのはペンギン科のみです。
海鳥に分類されますが、皆さんご存知の通り、ペンギンは空を飛ぶことができません。
翼は「フリッパー」と呼ばれるヒレのようになっており、泳ぐ時にのみ使われます。
他の鳥類とは異なり、陸上でも胴体を垂直に立てて行動することができる点が特徴です。
寿命は野生下だと20年弱のものが多く、飼育下では最長39年が記録されていますが、平均すると20年程度でしょう。
南半球に広く生息しており、寒い地域では南極大陸、暖かい地域ではガラパゴス諸島など、その種によって生活している地域は異なります。
世界に住むペンギンは18種!
世界に住むペンギンは、以下の18種です。
・コウテイペンギン属:コウテイペンギン・オウサマペンギン
・アデリーペンギン属:アデリーペンギン・ジェンツーペンギン・ヒゲペンギン
・マカロニペンギン属:マカロニペンギン・イワトビペンギン・フィヨルドランドペンギ・ン・スネアーズペンギン・シュレーターペンギン・ロイヤルペンギン
・キンメペンギン属:キンメペンギン
・コガタペンギン属:コガタペンギン・ハネジロペンギン
・フンボルトペンギン属:フンボルトペンギン・ケープペンギン・マゼランペンギン・ガラパゴスペンギン
中でもコウテイペンギン・オウサマペンギン・アデリーペンギン・ジェンツーペンギン・ヒゲペンギン・マカロニペンギン・イワトビペンギン・コガタペンギン・フンボルトペンギン・ケープペンギン・マゼランペンギンの11種は日本の水族館で会うことができ、その総数は4000羽以上にもなるんだとか。
これは世界で飼育されている個体の約3分の1にもなり、日本はペンギン飼育大国と言っても過言ではないのです!
ちなみに4月25日は「世界ペンギンの日」に指定されています。
南極大陸のアデリーペンギンが夏の繁殖後に海に移動する途中、毎年4月25日前後にアメリカの南極観測基地「マクマード基地」でペンギンたちが通過していく姿が見られたそうです。その姿を基地の人たちがお祝いするようになり、このような記念日になりました。
なんだかとても可愛らしい由来ですが、実は野生下で数を減らしているペンギンたちのことを忘れてはならないという意味でも、毎年この日が大切な日になっているのです。
IUCNのレッドリストによると、外来種による捕食や気候変動、重油の流出、漁業や観光などの人間の活動も個体数の減少につながっています。
ペンギンの飼育大国として、一人ひとりが少しずつでもペンギンたちが暮らしやすい環境を守ろうとしたり、意識したりすることで、この危機を乗り越えていかなければいけませんね……!
空は飛べない……でもこんな特技が!
「ペンギンってどんな生き物?」の項目でご紹介した通り、ペンギンは海鳥ですが空を飛ぶことができません。
……が! 空を飛べないかわりに泳ぐのは大得意!
野生のペンギンは陸上で歩いてるときとは違い、水中を猛スピードで泳いでエサを獲らえます。
種類によって異なりますが、時速30km以上の速さで泳ぐことができるペンギンも!
ペンギンは泳ぐだけではなく、潜るのも得意としています。
一般的に200mを超えると深海と呼ばれますが、ジェンツーペンギンは200m以上、キングペンギンは300m以上、コウテイペンギンにいたっては500m以上も潜るんだとか!
深海にペンギン……想像がつかず「本当に大丈夫?」と心配になってしまいますが、きっと潜り慣れた彼らにとっては意外と深海は庭みたいなものなのかもしれませんね……!
ペンギンの恋愛は一途!
群れをなすペンギンは基本的に、一夫一妻制のペアを形成します。
ペアになると、そのまま一生を添い遂げるそうですよ。
そのため、同じペアで子作りを繰り返すことがほとんど。
数いるペンギンの中でもマゼランペンギンは特にペアの絆が強く、離婚率(と言って良いのかは謎ですが……)が他のペンギンよりも圧倒的に少ないんだとか!
また自然界のペンギンは巣を作り、夜になると互いにその場所に帰ってきます。
巣に帰ってきた後は、お互い羽づくろいをしたり、くちばしでつつき合ったり、夫婦仲良く過ごすそうです。
実はこの絆、オスとメスの間に限ったものではありません。ペンギンはオスとメスのペアだけではなく、オス同士、メス同士でペアになったりすることもあるそうです。
世界で最も深海に住む「奇妙な姿」のタコを発見...世界的なアニメキャラに似た外見からついた呼び名は?
深海探査のライブストリーミング中に、珍しくてかわいいタコが発見され、研究者たちを喜ばせた。海洋探査トラストのユーチューブチャンネル「EVノーチラス」のライブストリーミング中、画面に現れたのは「ダンボオクトパス」と呼ばれるタコ。海底を探査するROV(遠隔操作型無人潜水機)「ヘラクレス」のカメラに収められた。
【動画】深海の撮影中に現れ、大きな「耳」を羽ばたかせるように泳ぐダンボオクトパスの姿
この奇妙なタコは、水深1683メートル、つまり、海面から約1マイルの地点で、ROVの上を漂っていた。撮影された場所は、中部太平洋の北西ハワイ諸島。約150万平方キロに及ぶ海洋保護区「パパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメント」にある、無名の海山からほど近い場所だ。
このタコが遠隔カメラの視界に入ってくると、海上にいた探査船(EV)ノーチラスの乗組員が「ワォ、ライブで見られるなんてうれしいなあ」と喜ぶ声が聞こえた。「あのパタパタ動く耳を見てみなよ!」
始めのうち、研究者たちはタコがあまりに青白いことに驚いていたが、次第に明るい光と暗い海のコントラストのせいかもしれないと気がついた。「背景が真っ青で、そこに光が反射しているから、実際よりもさらに白く見えるんだろうね」と、ある乗組員は話している。
EVノーチラスの研究者たちは、海底から20メートルほどの地点を漂っていたこのタコについて、ダンボオクトパスの可能性が高いと考えている。研究者の一人は動画の中で、「ジュウモンジダコの一種のようだ」と語っている。「素晴らしい眺めだ」
■羽ばたく「ひれ」がディズニーのキャラのよう
ダンボオクトパスは、深海に暮らすヒゲダコ亜目メンダコ科ジュウモンジダコ属の総称で、羽ばたく「ひれ」がディズニー映画の有名なゾウ「ダンボ」の大きな耳に似ていることから、このような愛称が付けられた。最も深い場所に生息するタコと考えられており、水深約1000~4000メートルで確認されている。深海で暮らしているため、めったに出会うことができないタコだ。
海洋探査トラストは、声明の中で次のように述べている。「このダンボオクトパスは、中部太平洋の深海でよく見られる底生の(海底に暮らし、海底の近くを泳ぐ)ヒゲダコで、海洋探査トラストは過去数年にわたって探査を続けてきた」
「ダンボオクトパスは、あの有名なダンボの耳に似たひれを使って水中を進み、カイアシ、ワラジムシ、多毛類、端脚類など、さまざまな深海生物を探して丸呑みする」
ダンボオクトパスは、その希少さゆえに、確実に種を存続させる独創的な方法を持っている。ほかのダンボオクトパスに遭遇するめったにないチャンスを生かすため、雌はさまざまな発育段階の卵を持ち運んでおり、受精に適した環境に出会うまで、精子を長く保存しておくこともできる。そして、海底の硬い面に産卵する。
しかし、こんな水圧の高い深海で、彼らはなぜ生きていけるのか。ダンボオクトパスのような深海生物は、人が使っている深海探査艇とは異なり、構造的に高圧に耐える必要はない。
■深海の動物が水圧で潰されることがない理由
英サウサンプトン大学の教授で、海洋探査とサイエンスコミュニケーションを専門とするジョン・コプリーは本誌の取材に対し、「深海に暮らす動物たちが、深海の圧力で押しつぶされることはない。私たちの肺のような、気体で満たされた部分がないためだ」と説明する。
「例えば、鉄の棒を深海まで落としても、圧力によって壊れることはない。固体でできていて、圧縮されないのだ。液体も、ほとんど圧縮されない」。つまり、液体と固体だけの深海のタコも、圧力で潰されることはないということだ。
ノーチラスは、珍しい不思議な生き物たちを見つけるため、これからも深海に潜り続ける。「海には約200万種の動物が暮らしているが、生物学者がこれまでに記録したのはその10%程度にすぎない」とコプリーは話す。「私たちは、探査のたびに新種の動物が発見されるペースから、それ以外の『未知の生物』についても推定できる」
「体積で言うと、海の大部分は、水深200メートルより深い『深海』にあたる。海洋生物の少なくとも半分は深海生物と考えて差し支えないだろう。つまり、深海にはおそらく、少なくとも100万種の動物が暮らしているということだ」
(翻訳:ガリレオ)
ジェス・トムソン
深海探査のライブストリーミング中に、珍しくてかわいいタコが発見され、研究者たちを喜ばせた。海洋探査トラストのユーチューブチャンネル「EVノーチラス」のライブストリーミング中、画面に現れたのは「ダンボオクトパス」と呼ばれるタコ。海底を探査するROV(遠隔操作型無人潜水機)「ヘラクレス」のカメラに収められた。
【動画】深海の撮影中に現れ、大きな「耳」を羽ばたかせるように泳ぐダンボオクトパスの姿
この奇妙なタコは、水深1683メートル、つまり、海面から約1マイルの地点で、ROVの上を漂っていた。撮影された場所は、中部太平洋の北西ハワイ諸島。約150万平方キロに及ぶ海洋保護区「パパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメント」にある、無名の海山からほど近い場所だ。
このタコが遠隔カメラの視界に入ってくると、海上にいた探査船(EV)ノーチラスの乗組員が「ワォ、ライブで見られるなんてうれしいなあ」と喜ぶ声が聞こえた。「あのパタパタ動く耳を見てみなよ!」
始めのうち、研究者たちはタコがあまりに青白いことに驚いていたが、次第に明るい光と暗い海のコントラストのせいかもしれないと気がついた。「背景が真っ青で、そこに光が反射しているから、実際よりもさらに白く見えるんだろうね」と、ある乗組員は話している。
EVノーチラスの研究者たちは、海底から20メートルほどの地点を漂っていたこのタコについて、ダンボオクトパスの可能性が高いと考えている。研究者の一人は動画の中で、「ジュウモンジダコの一種のようだ」と語っている。「素晴らしい眺めだ」
■羽ばたく「ひれ」がディズニーのキャラのよう
ダンボオクトパスは、深海に暮らすヒゲダコ亜目メンダコ科ジュウモンジダコ属の総称で、羽ばたく「ひれ」がディズニー映画の有名なゾウ「ダンボ」の大きな耳に似ていることから、このような愛称が付けられた。最も深い場所に生息するタコと考えられており、水深約1000~4000メートルで確認されている。深海で暮らしているため、めったに出会うことができないタコだ。
海洋探査トラストは、声明の中で次のように述べている。「このダンボオクトパスは、中部太平洋の深海でよく見られる底生の(海底に暮らし、海底の近くを泳ぐ)ヒゲダコで、海洋探査トラストは過去数年にわたって探査を続けてきた」
「ダンボオクトパスは、あの有名なダンボの耳に似たひれを使って水中を進み、カイアシ、ワラジムシ、多毛類、端脚類など、さまざまな深海生物を探して丸呑みする」
ダンボオクトパスは、その希少さゆえに、確実に種を存続させる独創的な方法を持っている。ほかのダンボオクトパスに遭遇するめったにないチャンスを生かすため、雌はさまざまな発育段階の卵を持ち運んでおり、受精に適した環境に出会うまで、精子を長く保存しておくこともできる。そして、海底の硬い面に産卵する。
しかし、こんな水圧の高い深海で、彼らはなぜ生きていけるのか。ダンボオクトパスのような深海生物は、人が使っている深海探査艇とは異なり、構造的に高圧に耐える必要はない。
■深海の動物が水圧で潰されることがない理由
英サウサンプトン大学の教授で、海洋探査とサイエンスコミュニケーションを専門とするジョン・コプリーは本誌の取材に対し、「深海に暮らす動物たちが、深海の圧力で押しつぶされることはない。私たちの肺のような、気体で満たされた部分がないためだ」と説明する。
「例えば、鉄の棒を深海まで落としても、圧力によって壊れることはない。固体でできていて、圧縮されないのだ。液体も、ほとんど圧縮されない」。つまり、液体と固体だけの深海のタコも、圧力で潰されることはないということだ。
ノーチラスは、珍しい不思議な生き物たちを見つけるため、これからも深海に潜り続ける。「海には約200万種の動物が暮らしているが、生物学者がこれまでに記録したのはその10%程度にすぎない」とコプリーは話す。「私たちは、探査のたびに新種の動物が発見されるペースから、それ以外の『未知の生物』についても推定できる」
「体積で言うと、海の大部分は、水深200メートルより深い『深海』にあたる。海洋生物の少なくとも半分は深海生物と考えて差し支えないだろう。つまり、深海にはおそらく、少なくとも100万種の動物が暮らしているということだ」
(翻訳:ガリレオ)
ジェス・トムソン
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