平家物語
へいけものがたり
戦記文学。十二巻。作者未詳。十三世紀前半の成立か。『源平盛衰記』四十八巻は、数ある異本の一つ。『保元物語』『平治物語』『承久記』とともに「四部合戦状」といわれる(『蔗軒日録』など)。治承四年(一一八〇)―元暦元年(一一八四)に展開された源平合戦の描写を軸に、その前後の平家一門の興隆と滅亡とを、仏教的な無常観を背景に記している。書名のゆえんもここにある。異本が数多く派生したため、相互に本文転化の過程を追い系統づけられないほど、混淆を示している。したがって、外見上の特徴を把えて大きく分類する方法で整理されている。もと三巻といわれ、それが六巻、十二巻、四十八巻などと倍増されてきたとされるが、原本の形態を具体的に示すことは不可能に近い。作者として伝えられている人々や成立年代についての諸説が、必ずしも広範囲の賛同を得ていないのも、この本文の混淆に一因があるといえよう。
〔語り本系の諸本〕
どの分類に属する本が、原『平家物語』の姿を遺しているかはしばらく措くとして、諸本は、盲人の職能集団であった当道(とうどう)座の琵琶法師の語りのもとになった諸本と、それ以外、つまりはじめから読むために書き写された諸本とに分けられる。前者に属するものには、鎌倉時代中ごろにはすでに分派していたと推定される一方(いちがた)流と八坂流との二系統の本文がある。一方流のもとは、覚一検校(応安四年(一三七一)没)が応安四年に、後白河法皇の大原御幸の話を中心に据え、平清盛の娘で安徳天皇の生母であった建礼門院平徳子の晩年の話を前後に配して一巻となし、これを本篇十二巻の枠外に置き、灌頂巻と名づけ秘曲として伝えようとしたもので、最も流布している本文である(『日本古典文学大系』三二・三三、『日本古典文学全集』二九・三〇など)。一方流の語り手は、「―一」の名をもつ。これに対して、今までどおりの本文を語っていこうとしたのが八坂流で、京の八坂に住んでいた城玄(城元)検校の流れを汲むゆえに八坂流といわれ、また語り手が「城―」と名乗ったため城方流ともいわれた(『屋代本平家物語』、『校定百二十句本平家物語』、『平家物語中院本と研究』(『未刊国文資料』八・九・一一・一二)など)。当道座に属し『平家物語』を語った琵琶法師は、南北朝―室町時代前半には五、六百人もいたといわれ(『碧山日録』)、『平家物語』の本文に節をつけて琵琶法師が語る平曲は、中世を代表する文芸であった。
〔読み本系の諸本〕
これら当道座内に伝来した本文に対し、今日、略本系・広本系とよばれている本文がある。前者は、四部合戦状本(『四部合戦状本平家物語』)、源平闘諍録本(『源平闘諍録と研究』(『未刊国文資料』二期一四))、南都本(『南都本南都異本平家物語』(影印))などであり、相互に異同があるが、一括して分類されている。この略本系に較べ、後者は、より広範囲の記述を含んでいるゆえに広本系とよばれるが、延慶本(『応永書写延慶本平家物語』)、長門本(『平家物語長門本』、『岡山大学本平家物語』)や『新定源平盛衰記』(新人物往来社)がある。当道座系統の本文が、京都ないしは貴族社会から生まれたものと思われるのに対して、これらの略本系・広本系の本文は、源頼朝の挙兵以降の記述などに、その真偽の判定はしばらく措くとしても、東国すなわち武家社会から得たと思われる資料をもとにしている部分が多くみられる。しかも、これらには琵琶法師が語るには適さないような文体と思われる部分が多いので、読物として扱われてきたものとされている。なお広本系の三本は、同一の祖本から派生した近い関係にある本文である。
〔成立年代〕
これら諸本のうち、どの本が原『平家物語』に近いかについては、前後関係を推測する説は数多いが、本文系統が確立していないため、定かではない。このような状況であるから、内部徴証によって成立時代を決めようとしても、はたしてその部分が原『平家物語』の本文であるかどうか、簡単には決定しにくい。諸本のなかでは、延慶本が延慶三年(一三一〇)書写の本奥書を有していて、確実な最古の書写年代を示す本であるが、仁治元年(一二四〇)の園城寺僧頼舜の書状(東山御文庫本『兵範記』紙背文書)にみえる「治承物語六巻号平家」は、おそらく『平家物語』の存在を外部から示した最古の言及であろう(『治承物語』と書名扱いにするか、「治承年間の物語」と読むかは不明)。したがって、この仁治元年以前に成立年代を置き、以降、それぞれに増補されたと考えられているが、さらにさかのぼって承久年間(一二一九―二二)以前の成立として考えようとする人々もいる。
〔作者・素材〕
作者としては、信濃前司藤原行長が天台座主慈円の庇護下に琵琶法師生仏の協力を得て作ったとする説(『徒然草』)が、幾つかの状況証拠にも支えられて有力ではあるが、確証は得られない。作者はどのような材料を使って叙述したかという典拠論になるが、これも原『平家物語』の本文と増補部分の本文とが明確になっていないことが多いため、立場立場でそれぞれに考えるよりほか仕方がないが、このような場合には水戸藩が編輯した『参考源平盛衰記』(『(改定)史籍集覧』篇外三―五)が諸本の本文や平安時代末期・鎌倉時代初期の貴族の日記などを対比させているので便利である。近年、作者の座右に年代記が置かれていたに相違ないという考えから、その年代記がどのようなものであるかに関心が向けられているが、『愚管抄』における『簾中抄』帝王御次第などのように、最略の年代記を使ってでも、抄節という古来伝統的に受け継いできた技術を以てすれば、大部の書物を完成できるのではないか、との指摘もある。なお、諸本については、主な翻刻のみを掲げた。
[参考文献]
『平家物語』(『増補国語国文学研究史大成』九)、市古貞次編『平家物語研究事典』
(益田 宗)
へいけものがたり
戦記文学。十二巻。作者未詳。十三世紀前半の成立か。『源平盛衰記』四十八巻は、数ある異本の一つ。『保元物語』『平治物語』『承久記』とともに「四部合戦状」といわれる(『蔗軒日録』など)。治承四年(一一八〇)―元暦元年(一一八四)に展開された源平合戦の描写を軸に、その前後の平家一門の興隆と滅亡とを、仏教的な無常観を背景に記している。書名のゆえんもここにある。異本が数多く派生したため、相互に本文転化の過程を追い系統づけられないほど、混淆を示している。したがって、外見上の特徴を把えて大きく分類する方法で整理されている。もと三巻といわれ、それが六巻、十二巻、四十八巻などと倍増されてきたとされるが、原本の形態を具体的に示すことは不可能に近い。作者として伝えられている人々や成立年代についての諸説が、必ずしも広範囲の賛同を得ていないのも、この本文の混淆に一因があるといえよう。
〔語り本系の諸本〕
どの分類に属する本が、原『平家物語』の姿を遺しているかはしばらく措くとして、諸本は、盲人の職能集団であった当道(とうどう)座の琵琶法師の語りのもとになった諸本と、それ以外、つまりはじめから読むために書き写された諸本とに分けられる。前者に属するものには、鎌倉時代中ごろにはすでに分派していたと推定される一方(いちがた)流と八坂流との二系統の本文がある。一方流のもとは、覚一検校(応安四年(一三七一)没)が応安四年に、後白河法皇の大原御幸の話を中心に据え、平清盛の娘で安徳天皇の生母であった建礼門院平徳子の晩年の話を前後に配して一巻となし、これを本篇十二巻の枠外に置き、灌頂巻と名づけ秘曲として伝えようとしたもので、最も流布している本文である(『日本古典文学大系』三二・三三、『日本古典文学全集』二九・三〇など)。一方流の語り手は、「―一」の名をもつ。これに対して、今までどおりの本文を語っていこうとしたのが八坂流で、京の八坂に住んでいた城玄(城元)検校の流れを汲むゆえに八坂流といわれ、また語り手が「城―」と名乗ったため城方流ともいわれた(『屋代本平家物語』、『校定百二十句本平家物語』、『平家物語中院本と研究』(『未刊国文資料』八・九・一一・一二)など)。当道座に属し『平家物語』を語った琵琶法師は、南北朝―室町時代前半には五、六百人もいたといわれ(『碧山日録』)、『平家物語』の本文に節をつけて琵琶法師が語る平曲は、中世を代表する文芸であった。
〔読み本系の諸本〕
これら当道座内に伝来した本文に対し、今日、略本系・広本系とよばれている本文がある。前者は、四部合戦状本(『四部合戦状本平家物語』)、源平闘諍録本(『源平闘諍録と研究』(『未刊国文資料』二期一四))、南都本(『南都本南都異本平家物語』(影印))などであり、相互に異同があるが、一括して分類されている。この略本系に較べ、後者は、より広範囲の記述を含んでいるゆえに広本系とよばれるが、延慶本(『応永書写延慶本平家物語』)、長門本(『平家物語長門本』、『岡山大学本平家物語』)や『新定源平盛衰記』(新人物往来社)がある。当道座系統の本文が、京都ないしは貴族社会から生まれたものと思われるのに対して、これらの略本系・広本系の本文は、源頼朝の挙兵以降の記述などに、その真偽の判定はしばらく措くとしても、東国すなわち武家社会から得たと思われる資料をもとにしている部分が多くみられる。しかも、これらには琵琶法師が語るには適さないような文体と思われる部分が多いので、読物として扱われてきたものとされている。なお広本系の三本は、同一の祖本から派生した近い関係にある本文である。
〔成立年代〕
これら諸本のうち、どの本が原『平家物語』に近いかについては、前後関係を推測する説は数多いが、本文系統が確立していないため、定かではない。このような状況であるから、内部徴証によって成立時代を決めようとしても、はたしてその部分が原『平家物語』の本文であるかどうか、簡単には決定しにくい。諸本のなかでは、延慶本が延慶三年(一三一〇)書写の本奥書を有していて、確実な最古の書写年代を示す本であるが、仁治元年(一二四〇)の園城寺僧頼舜の書状(東山御文庫本『兵範記』紙背文書)にみえる「治承物語六巻号平家」は、おそらく『平家物語』の存在を外部から示した最古の言及であろう(『治承物語』と書名扱いにするか、「治承年間の物語」と読むかは不明)。したがって、この仁治元年以前に成立年代を置き、以降、それぞれに増補されたと考えられているが、さらにさかのぼって承久年間(一二一九―二二)以前の成立として考えようとする人々もいる。
〔作者・素材〕
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『平家物語』(『増補国語国文学研究史大成』九)、市古貞次編『平家物語研究事典』
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#犬饲贵丈# #出演情报#
NTV土10新剧「最好的老师 1年后、我被学生■了」出演女主同事 地理历史老师 犬饲三三!
「 7月15日(土)よる10時スタート日本テレビ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」」 林結起哉 役 / 犬飼貴丈
评论
■犬飼貴丈 コメント
林先生は、自分に自信があって上手くやれていると思っている先生なのですが、九条先生を通して、今後それがどう変わっていくんだろうと楽しみに感じました。職員室でのやり取りは、唯一ちょっと力の抜けるシーンだと思うので、教室と職員室との対比の面白さが出せたらいいなと思います。この作品は、1人1人が勇気を出して一歩踏み出していくお話でもあると思うのですが、見ている人たちも、そういう生徒たちの葛藤や一歩踏み出す様子、九条先生の真摯に生徒と向き合う様子を通して感じるものは絶対にあると思うので、1話1話に込められたメッセージが視聴者の方々に届いて、毎週土曜日が楽しみになってくれればいいなと思います。
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