インタビュー 2023/6/1 7:30
作家・凪良ゆうが語る、『怪物』が問いかけるメッセージ「分断が叫ばれる時代において、なにが私たちに大切なのか」
第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で脚本賞と、LGBT+やクィアなどを扱った映画に贈られる独立賞のクィア・パルム賞を受賞し、世界的にも注目を集めている『怪物』(6月2日公開)。
今回MOVIE WALKER PRESSでは、かねてから是枝監督と坂元の作品群を追ってきたという作家の凪良ゆうにインタビューを敢行。『怪物』を観た感想から、自作との関連性、是枝監督と坂元による共作に見出した創造の新たな地平まで、感じたことを前後編でたっぷりお届けする。
「個々で解釈のバリエーションが生まれる映画だと感じました」
男女の恋愛物語を軸に、親の呪縛や子どもの無力さといった「家族」に内在する苦しさも描き、第20回本屋大賞を受賞した小説「汝、星のごとく」。誘拐犯の被害者と加害者が再会し、世間の冷酷な視線とはまるで違う特別な関係を結んでいく「流浪の月」など、人間の営みを圧倒的な筆力で書く凪良。是枝作品や坂元作品のファンであると言われると、多くを説明されなくても納得してしまうのは、作品の根底に共通する“なにか”を感じるからだろう。
『怪物』の舞台は、大きな湖のある郊外の町。平穏だった小学校で起きたけんかをきっかけに、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)と生徒思いの学校教師(永山瑛太)、子どもたちの主張が食い違い、次第にメディアを巻き込むほどの大事へと発展してしまう。それぞれの視点から語られる、ある一つの事件とそれぞれの正義。俳優たちの名演や思いがけない展開にどんどんと引き込まれ、感情を大きく揺さぶられる。
凪良も「とてもおもしろく拝見しました。ですが、それをひとつの感想では言い表せない」と、物語の奥深さを体感したようだ。「小説で言うところの“行間”がある映画で、余白からなにを想像し、なにを思うのか、個々で解釈のバリエーションが生まれる映画だと感じました。伏線を回収して答え合わせをするような単純さではなくて、見た人それぞれで映画の受け止め方がぜんぜん違うだろうと。なので、映画の感想を話すときも、共感しあうというより『私はこう思ったけれどあなたはどう思う?』という議論が楽しくなる映画ではないでしょうか」。鑑賞した人の体験が物語の受け止め方に関わる本作は、鑑賞後に語りたくなるし、語り合うことで成熟していく。
その奥深い作品世界を彷徨いながらも、印象に残ったのが「子どもたちのピュアな演技」だったという。同じクラスになった麦野湊(黒川想矢)と星川依里(柊木陽太)。思いをうまく言葉にできない子どもの無力さと抵抗するように、2人は絶対的な信頼関係を築いていく。「大人たちが抱える物語が複雑で、重たい雰囲気がただようなかで、子どもたちの演技がものすごくピュアで、ストレートで、懸命に生きる姿が印象に残っています」。
「是枝監督の子どもの映し方、今作も子どもたちの“目"がとても良かった」
子どもの演出といえば、是枝監督の代名詞。『誰も知らない』(04)で、当時若干14歳の柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を最年少で受賞するなど、世界的にも高い評価を受けている。大人社会と対峙するように、子どもたちの無垢さや自由さが際立つ演技は映画を掌握する力があり、それは本作も同様だ。凪良も、是枝監督の子どもの映し方に引き込まれると話す。
「是枝監督の作品はとても好きで、特に子どもの映し方が記憶に残っています。今作も黒川さんと柊木さん、2人の目がとてもいい。大人と子どもの瞳の一番のちがいは、白目が澄んでいるかどうか。青みがかった白目には無垢であるがゆえの残酷なまでの強さと潔癖さ、一方で抵抗の手段を持たないがゆえの脆さが混在しています。是枝監督が撮る子どもの瞳にはそれらが鮮やかに映し出されていて、画面越しにじっと見つめられると、大人としてなにかを問い質されているような切迫感を覚えます」。
ほかにも、是枝監督の作品を追ってきたという凪良は、「世界的に評価されている『誰も知らない』や『万引き家族』も好きですが、私は是枝監督が描くなんの変哲もない日常の風景にすごく惹かれます。たとえば『歩いても 歩いても』は、あらすじだけを読むと、映画として成り立つのだろうかという一抹の不安さえ感じるかもしれない平坦さで、実際に大きな事件は起こりません。ですが、人間模様を丁寧に描写することで、一人一人の生活や生き様みたいなものがリアルに映されていくんだなと感じました。それは、坂元裕二さんの作品世界とつながる部分なのかもしれません」と、今作でタッグを組んだ2人の共通性について分析する。
「是枝監督と坂元さん、互いの魅力が化学反応を起こしていて、“予想していた球”とは違うものが来た」
そんな凪良は、坂元の代表作のひとつであり、社会的なムーブメントを巻き起こした1991年のテレビドラマ「東京ラブストーリー」から坂元作品を追いかけているという。「当時は坂元さんのお名前はとくに意識せず、ミーハーな気持ちでドラマを楽しんでいました。ドラマをドラマとして楽しんでいただけなので、無意識に出会っていた」と当時を振り返る。
その後、年齢を重ねてドラマの脚本家にも注目するようになってきた時、いちばんにのめり込んだのが坂元作品だったと笑顔で話す凪良。「好きな作品名を挙げれば、キリがありません。『それでも、生きていく』『最高の離婚』『Woman』『大豆田とわ子と三人の元夫』…。特に好きな作品は『カルテット』ですね。坂元さんの作品はコミカルな描写を織り交ぜながらも、はらんでいるテーマが非常に重たい。その暗さやしんどさを、重いまま物語にしている作品の力強さもすばらしいですが、ユーモアと重々しさを絶妙なバランスで描いた『カルテット』は突き刺さるものがありました」。
数多、坂元作品と触れるなかで凪良が惹かれるのは、セリフの切れ味の良さ。「私自身もひとつひとつのセリフを大切に、小説を書いているのでその姿勢は坂元さんの作品に影響されたところもある」。なので、今作の変化に驚きを感じたという。「是枝監督と坂元さん、互いの魅力が化学反応を起こしていて、“予想していた球”とは違うものが来たと思いました。これまで評価されてきたことに甘んじていない、お互いにチャレンジをされたのではないかと。セリフにしても、キラーワード的なものをあえて使わず、語りすぎないように抑えている気がして、俳優さんの演技力や是枝監督の映像に託されている信頼感を感じました。ですが、何気ない描写から人物像が立ち上がっていき、物語として『どういうことなのか』考えさせながらも、先を期待させる脚本の力というのはさすがのひと言ですよね」と、2人の共作に新たな境地を見たと明かした。
「分断がさけばれる時代において、なにが私たちに大切なのか語ってくれている映画でした」
今作のプロデューサーの川村元気は、是枝監督と坂元裕二が互いをリスペクトし同じものを見ているという印象から共作を願ったという。共に創作をするなかで、キャスティングが決まると当て書きが加えられて、人物像が豊かになっていく様を間近でみた是枝監督は「勉強になった」と振り返り、坂元も初めて「監督の現場だから言葉を変えてもらっても構わない」というスタンスで臨むことができたという。こういった製作エピソードを凪良は、「そうした尊重し合う関係こそ、分断の時代のひとつの可能性ではないのだろうか」と語る。
「いくら才能のある人同士が力を合わせたとしても、個性がぶつかりあってうまくいかないこともあります。もちろん、自分の作家性を最大限発揮して創作するのだけれど、お互いをリスペクトして、譲り合うことでこそ、新たな物語が生まれる可能性がある。分断がさけばれる時代において、なにが私たちに大切なのか語ってくれている映画でしたし、そもそも創作の背景が“怪物”を生み出さないためのひとつの道を歩まれていたんだなと思いました」と、『怪物』が問いかけるメッセージと現実社会を照らし合わせながら、その物語に浸っていた。
取材・文/羽佐田瑶子
凪良老师采访前篇https://t.cn/A6p6Ki7U
作家・凪良ゆうが語る、『怪物』が問いかけるメッセージ「分断が叫ばれる時代において、なにが私たちに大切なのか」
第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で脚本賞と、LGBT+やクィアなどを扱った映画に贈られる独立賞のクィア・パルム賞を受賞し、世界的にも注目を集めている『怪物』(6月2日公開)。
今回MOVIE WALKER PRESSでは、かねてから是枝監督と坂元の作品群を追ってきたという作家の凪良ゆうにインタビューを敢行。『怪物』を観た感想から、自作との関連性、是枝監督と坂元による共作に見出した創造の新たな地平まで、感じたことを前後編でたっぷりお届けする。
「個々で解釈のバリエーションが生まれる映画だと感じました」
男女の恋愛物語を軸に、親の呪縛や子どもの無力さといった「家族」に内在する苦しさも描き、第20回本屋大賞を受賞した小説「汝、星のごとく」。誘拐犯の被害者と加害者が再会し、世間の冷酷な視線とはまるで違う特別な関係を結んでいく「流浪の月」など、人間の営みを圧倒的な筆力で書く凪良。是枝作品や坂元作品のファンであると言われると、多くを説明されなくても納得してしまうのは、作品の根底に共通する“なにか”を感じるからだろう。
『怪物』の舞台は、大きな湖のある郊外の町。平穏だった小学校で起きたけんかをきっかけに、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)と生徒思いの学校教師(永山瑛太)、子どもたちの主張が食い違い、次第にメディアを巻き込むほどの大事へと発展してしまう。それぞれの視点から語られる、ある一つの事件とそれぞれの正義。俳優たちの名演や思いがけない展開にどんどんと引き込まれ、感情を大きく揺さぶられる。
凪良も「とてもおもしろく拝見しました。ですが、それをひとつの感想では言い表せない」と、物語の奥深さを体感したようだ。「小説で言うところの“行間”がある映画で、余白からなにを想像し、なにを思うのか、個々で解釈のバリエーションが生まれる映画だと感じました。伏線を回収して答え合わせをするような単純さではなくて、見た人それぞれで映画の受け止め方がぜんぜん違うだろうと。なので、映画の感想を話すときも、共感しあうというより『私はこう思ったけれどあなたはどう思う?』という議論が楽しくなる映画ではないでしょうか」。鑑賞した人の体験が物語の受け止め方に関わる本作は、鑑賞後に語りたくなるし、語り合うことで成熟していく。
その奥深い作品世界を彷徨いながらも、印象に残ったのが「子どもたちのピュアな演技」だったという。同じクラスになった麦野湊(黒川想矢)と星川依里(柊木陽太)。思いをうまく言葉にできない子どもの無力さと抵抗するように、2人は絶対的な信頼関係を築いていく。「大人たちが抱える物語が複雑で、重たい雰囲気がただようなかで、子どもたちの演技がものすごくピュアで、ストレートで、懸命に生きる姿が印象に残っています」。
「是枝監督の子どもの映し方、今作も子どもたちの“目"がとても良かった」
子どもの演出といえば、是枝監督の代名詞。『誰も知らない』(04)で、当時若干14歳の柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を最年少で受賞するなど、世界的にも高い評価を受けている。大人社会と対峙するように、子どもたちの無垢さや自由さが際立つ演技は映画を掌握する力があり、それは本作も同様だ。凪良も、是枝監督の子どもの映し方に引き込まれると話す。
「是枝監督の作品はとても好きで、特に子どもの映し方が記憶に残っています。今作も黒川さんと柊木さん、2人の目がとてもいい。大人と子どもの瞳の一番のちがいは、白目が澄んでいるかどうか。青みがかった白目には無垢であるがゆえの残酷なまでの強さと潔癖さ、一方で抵抗の手段を持たないがゆえの脆さが混在しています。是枝監督が撮る子どもの瞳にはそれらが鮮やかに映し出されていて、画面越しにじっと見つめられると、大人としてなにかを問い質されているような切迫感を覚えます」。
ほかにも、是枝監督の作品を追ってきたという凪良は、「世界的に評価されている『誰も知らない』や『万引き家族』も好きですが、私は是枝監督が描くなんの変哲もない日常の風景にすごく惹かれます。たとえば『歩いても 歩いても』は、あらすじだけを読むと、映画として成り立つのだろうかという一抹の不安さえ感じるかもしれない平坦さで、実際に大きな事件は起こりません。ですが、人間模様を丁寧に描写することで、一人一人の生活や生き様みたいなものがリアルに映されていくんだなと感じました。それは、坂元裕二さんの作品世界とつながる部分なのかもしれません」と、今作でタッグを組んだ2人の共通性について分析する。
「是枝監督と坂元さん、互いの魅力が化学反応を起こしていて、“予想していた球”とは違うものが来た」
そんな凪良は、坂元の代表作のひとつであり、社会的なムーブメントを巻き起こした1991年のテレビドラマ「東京ラブストーリー」から坂元作品を追いかけているという。「当時は坂元さんのお名前はとくに意識せず、ミーハーな気持ちでドラマを楽しんでいました。ドラマをドラマとして楽しんでいただけなので、無意識に出会っていた」と当時を振り返る。
その後、年齢を重ねてドラマの脚本家にも注目するようになってきた時、いちばんにのめり込んだのが坂元作品だったと笑顔で話す凪良。「好きな作品名を挙げれば、キリがありません。『それでも、生きていく』『最高の離婚』『Woman』『大豆田とわ子と三人の元夫』…。特に好きな作品は『カルテット』ですね。坂元さんの作品はコミカルな描写を織り交ぜながらも、はらんでいるテーマが非常に重たい。その暗さやしんどさを、重いまま物語にしている作品の力強さもすばらしいですが、ユーモアと重々しさを絶妙なバランスで描いた『カルテット』は突き刺さるものがありました」。
数多、坂元作品と触れるなかで凪良が惹かれるのは、セリフの切れ味の良さ。「私自身もひとつひとつのセリフを大切に、小説を書いているのでその姿勢は坂元さんの作品に影響されたところもある」。なので、今作の変化に驚きを感じたという。「是枝監督と坂元さん、互いの魅力が化学反応を起こしていて、“予想していた球”とは違うものが来たと思いました。これまで評価されてきたことに甘んじていない、お互いにチャレンジをされたのではないかと。セリフにしても、キラーワード的なものをあえて使わず、語りすぎないように抑えている気がして、俳優さんの演技力や是枝監督の映像に託されている信頼感を感じました。ですが、何気ない描写から人物像が立ち上がっていき、物語として『どういうことなのか』考えさせながらも、先を期待させる脚本の力というのはさすがのひと言ですよね」と、2人の共作に新たな境地を見たと明かした。
「分断がさけばれる時代において、なにが私たちに大切なのか語ってくれている映画でした」
今作のプロデューサーの川村元気は、是枝監督と坂元裕二が互いをリスペクトし同じものを見ているという印象から共作を願ったという。共に創作をするなかで、キャスティングが決まると当て書きが加えられて、人物像が豊かになっていく様を間近でみた是枝監督は「勉強になった」と振り返り、坂元も初めて「監督の現場だから言葉を変えてもらっても構わない」というスタンスで臨むことができたという。こういった製作エピソードを凪良は、「そうした尊重し合う関係こそ、分断の時代のひとつの可能性ではないのだろうか」と語る。
「いくら才能のある人同士が力を合わせたとしても、個性がぶつかりあってうまくいかないこともあります。もちろん、自分の作家性を最大限発揮して創作するのだけれど、お互いをリスペクトして、譲り合うことでこそ、新たな物語が生まれる可能性がある。分断がさけばれる時代において、なにが私たちに大切なのか語ってくれている映画でしたし、そもそも創作の背景が“怪物”を生み出さないためのひとつの道を歩まれていたんだなと思いました」と、『怪物』が問いかけるメッセージと現実社会を照らし合わせながら、その物語に浸っていた。
取材・文/羽佐田瑶子
凪良老师采访前篇https://t.cn/A6p6Ki7U
【詳しく】地震相次いだ5月 専門家の見解 巨大地震との関係は
2023年6月9日 20時03分
各地で地震が相次いだ5月。
能登半島では震度6強を観測。千葉県や伊豆諸島、鹿児島県などで5弱以上の揺れが5回発生し、「緊急地震速報」の発表は12回にのぼりました。
ふだんと比べて地震が多い気がするけれど、いったいどうして?
想定される巨大地震との関係は?
地震が相次いだ先月、インターネット上では地震に関する声が広がりました。
「最近日本地震多すぎ」
「また地震の夢見たけど、流石に最近多くて疲れちゃう…」
「おや?地震?私が揺れてんの??」
「最近地震多すぎて完全にトラウマ…」
「南海トラフと関係ないのかな…」
防災グッズ 買い求める人増加 売り上げ2倍の店舗も
強い揺れを伴う地震が相次いだことを受け、備えを進める人も増えています。
東京 八王子市のホームセンターでは、家具転倒防止のポールや耐震用の粘着シート、手回し式のラジオといった防災グッズを買い求める人が多く訪れるようになったそうです。
5月の売り上げは去年の同じ時期と比べておよそ2倍に増えたといいます。
停電を想定した充電式の大容量電源にも問い合わせが相次ぎ、店内には特設コーナーが設けられていました。
「大きな地震が相次ぎ、防災対策の関心が高まっているのではないでしょうか。できることから少しずつ、大きな地震が起きる前に対策を始めてほしい」
5月 地震は多かったのか この10年で比べると
実感として地震が多かったように感じる5月。実際にどうだったのか。
まずは気象庁のデータベースで5月に発生した地震を調べてみました。
5月1か月だけで「震度4以上」の揺れを伴う地震は17回発生していました。
内訳は、震度6強が1回、5強が2回、5弱が3回、4の揺れが11回でした。
この10年間でみると…その結果がこちらです。
月別に見ると最も多かったのは熊本地震が発生した2016年4月で、122回と桁違いに多くなっています。
次いで北海道胆振東部地震が発生した2018年9月で21回でした。
専門家によると、一般的に規模の大きな地震のあとには揺れが強かったり、やや強かったりする地震が増える傾向にあるということです。
5月はそれに続く3番目で、この10年でみても「多かった」といえる結果となりました。
専門家「科学的にもあまりみられない“まれな現象“」
地震のメカニズムに詳しい東北大学の遠田晋次教授に聞きました。
遠田さんは規模が比較的大きく、揺れも大きくなりやすいマグニチュード 5以上の地震をもとに分析しました。
その結果、5月は27回発生し、能登半島や関東だけではなく北海道から沖縄にまでおよぶ広い範囲で起きていました。
遠田さんによると、1923年(大正12)以降、マグニチュード5以上の地震はこれまで1万回あまり。
1か月あたりで単純に平均するとおよそ9回で、5月の「27回」はこれを大きく上回っていました。
震度7を観測した2016年4月の「熊本地震」から1か月間の地震回数の27回に匹敵し、2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」の前後(8月中旬~9月中旬)の21回よりも多くなっていて、マグニチュードで見ても「特に多かったことが分かる」ということです。
「日本列島の各地で同時期に群発地震が起きた。科学的にもあまりみられない“まれな現象“が起きていたといえます」
一方で、地震活動には“ゆらぎ”があり、多い時と少ない時を繰り返していて、過去にも大きな地震が同じ時期に集中したことはあるといいます。
遠田さんは「ありえない現象が起きていたわけではない」と指摘しています。
もう1つ、気になるのは想定される巨大地震などとの関係です。
これについて遠田さんは「想定されている南海トラフの巨大地震や首都直下地震に直接関係するものではない」とみています。
「5月の地震で最も規模が大きいものが能登半島沖のマグニチュード6.5です。この規模だと地震が直接影響を与える範囲は周辺の数十キロ。南海トラフ巨大地震の想定震源域から数百キロ以上離れていて、直接影響を及ぼしたとは考えにくい。このほかの地震も想定される震源域から遠く離れていて、前兆的なものではないと考えられます」
千葉県や伊豆諸島で震度5強や5弱の揺れを観測した地震と首都直下地震との関係についても「関東は地下でプレートが重なり合う地震活動が活発な場所で、通常の活動として説明できる」としています。
遠田さんは、日本は世界的に見ても地震の多い国で大きな地震がいつ起きるかは分からず、この機会にいずれ来る大地震への備えを進めることが重要だと指摘します。
「今の科学ではいつ、どこで大きな地震が起きるか予知は困難だというのが実情です。日本は地震国であり、いつ大きな地震がおきてもおかしくありません。5月に相次いだ地震は『日本は地震が多い』という自然からの警告だと捉え、日頃からの備えを進めてほしい」
2023年6月9日 20時03分
各地で地震が相次いだ5月。
能登半島では震度6強を観測。千葉県や伊豆諸島、鹿児島県などで5弱以上の揺れが5回発生し、「緊急地震速報」の発表は12回にのぼりました。
ふだんと比べて地震が多い気がするけれど、いったいどうして?
想定される巨大地震との関係は?
地震が相次いだ先月、インターネット上では地震に関する声が広がりました。
「最近日本地震多すぎ」
「また地震の夢見たけど、流石に最近多くて疲れちゃう…」
「おや?地震?私が揺れてんの??」
「最近地震多すぎて完全にトラウマ…」
「南海トラフと関係ないのかな…」
防災グッズ 買い求める人増加 売り上げ2倍の店舗も
強い揺れを伴う地震が相次いだことを受け、備えを進める人も増えています。
東京 八王子市のホームセンターでは、家具転倒防止のポールや耐震用の粘着シート、手回し式のラジオといった防災グッズを買い求める人が多く訪れるようになったそうです。
5月の売り上げは去年の同じ時期と比べておよそ2倍に増えたといいます。
停電を想定した充電式の大容量電源にも問い合わせが相次ぎ、店内には特設コーナーが設けられていました。
「大きな地震が相次ぎ、防災対策の関心が高まっているのではないでしょうか。できることから少しずつ、大きな地震が起きる前に対策を始めてほしい」
5月 地震は多かったのか この10年で比べると
実感として地震が多かったように感じる5月。実際にどうだったのか。
まずは気象庁のデータベースで5月に発生した地震を調べてみました。
5月1か月だけで「震度4以上」の揺れを伴う地震は17回発生していました。
内訳は、震度6強が1回、5強が2回、5弱が3回、4の揺れが11回でした。
この10年間でみると…その結果がこちらです。
月別に見ると最も多かったのは熊本地震が発生した2016年4月で、122回と桁違いに多くなっています。
次いで北海道胆振東部地震が発生した2018年9月で21回でした。
専門家によると、一般的に規模の大きな地震のあとには揺れが強かったり、やや強かったりする地震が増える傾向にあるということです。
5月はそれに続く3番目で、この10年でみても「多かった」といえる結果となりました。
専門家「科学的にもあまりみられない“まれな現象“」
地震のメカニズムに詳しい東北大学の遠田晋次教授に聞きました。
遠田さんは規模が比較的大きく、揺れも大きくなりやすいマグニチュード 5以上の地震をもとに分析しました。
その結果、5月は27回発生し、能登半島や関東だけではなく北海道から沖縄にまでおよぶ広い範囲で起きていました。
遠田さんによると、1923年(大正12)以降、マグニチュード5以上の地震はこれまで1万回あまり。
1か月あたりで単純に平均するとおよそ9回で、5月の「27回」はこれを大きく上回っていました。
震度7を観測した2016年4月の「熊本地震」から1か月間の地震回数の27回に匹敵し、2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」の前後(8月中旬~9月中旬)の21回よりも多くなっていて、マグニチュードで見ても「特に多かったことが分かる」ということです。
「日本列島の各地で同時期に群発地震が起きた。科学的にもあまりみられない“まれな現象“が起きていたといえます」
一方で、地震活動には“ゆらぎ”があり、多い時と少ない時を繰り返していて、過去にも大きな地震が同じ時期に集中したことはあるといいます。
遠田さんは「ありえない現象が起きていたわけではない」と指摘しています。
もう1つ、気になるのは想定される巨大地震などとの関係です。
これについて遠田さんは「想定されている南海トラフの巨大地震や首都直下地震に直接関係するものではない」とみています。
「5月の地震で最も規模が大きいものが能登半島沖のマグニチュード6.5です。この規模だと地震が直接影響を与える範囲は周辺の数十キロ。南海トラフ巨大地震の想定震源域から数百キロ以上離れていて、直接影響を及ぼしたとは考えにくい。このほかの地震も想定される震源域から遠く離れていて、前兆的なものではないと考えられます」
千葉県や伊豆諸島で震度5強や5弱の揺れを観測した地震と首都直下地震との関係についても「関東は地下でプレートが重なり合う地震活動が活発な場所で、通常の活動として説明できる」としています。
遠田さんは、日本は世界的に見ても地震の多い国で大きな地震がいつ起きるかは分からず、この機会にいずれ来る大地震への備えを進めることが重要だと指摘します。
「今の科学ではいつ、どこで大きな地震が起きるか予知は困難だというのが実情です。日本は地震国であり、いつ大きな地震がおきてもおかしくありません。5月に相次いだ地震は『日本は地震が多い』という自然からの警告だと捉え、日頃からの備えを進めてほしい」
King & Prince、紅白5人で初出場へ 岩橋玄樹の「思い背負って」<第69回 NHK紅白歌合戦>
2018.11.14 13:46 399,203views
King & Princeが、大みそか恒例の「第69回 NHK紅白歌合戦」に初出場することが決まり、14日、東京・渋谷の同局にて行われた発表記者会見に出席した。
今年5月に「シンデレラガール」でCDデビューを果たしたKing & Prince。先月にはメンバーの岩橋玄樹が、パニック障害の治療に専念するため、11月初旬より一定期間休養することを発表。紅白は、岩橋を除く5人での初出場となることが明らかとなった。
リーダーの岸優太は「今回は5人というかたちになってしまうんですけど、本人にも連絡をしまして、正直悔しい思いはしていたんですけど、僕たちはその彼の思いも背負って、この舞台にかかっているので、非常に強い思いを持っております」と思いを明かし、岩橋には5人の姿を見て欲しいかを問われると「玄樹くんには『見ててね』って言いましたし、『絶対見るから!』って言われました」と岩橋とのやりとりを告白。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
今回の初出場について、永瀬廉は「昨日、ジャニーさんから稽古場に呼び出されまして、その時に直接聞きました」といい、「『Youたち、ちょっと来て』って人がいないところに集められて、『誰にも内緒だからね。Youたち、紅白だから!』って言ってどこかに行きました」と所属事務所社長のジャニー喜多川氏のモノマネをまじえながら状況を説明して笑いを誘い、「だからどこに喜びをぶつけたらいいんや!?と思って、家に持って帰って消化するのが大変でした」と回顧。メンバーの反応については「みんなは顔を見合わせて、キョトンとしてた。内心『うおー!』って感じなんですけど、出せないんで」とジャニー氏の「内緒」を忠実に守っていたことを明かし、喜びは本番で爆発させるのかと聞かれると「はい。期待していてください」と笑顔を見せた。
Jr.時代にSexy Zoneのバックにつくなど、紅白のステージを踏んだ経験はあるが、自身のステージとして出場することの心境ついて質問が飛ぶと、岸は「今までJr.で出てたときはもう緊張して、毎年緊張してたんですけど、今回はメインなので責任がすごく伴いますし、たくさんの方に見られるので今から緊張しちゃってる感じですね」と恐縮しながら回答。
平野紫耀は「僕たちは今年デビューさせていただいて、まだ1年目なんですけど、年末の大舞台・紅白という番組に出させていただくということで、関係者の皆さんやスタッフの皆さん、ファンの皆さんにとても感謝しています。恩返しできるようなパフォーマンスができればと思っています」と意気込みを語った。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手一覧
出場歌手は紅白合わせて42組、特別企画1組(椎名林檎と宮本浩次)。初出場は紅組2組、白組4組の合わせて6組。会見には初出場歌手から紅組のあいみょん、DAOKO、白組のKing & Prince、純烈、そして16年ぶり出場のDA PUMP、「YOSHIKI feat. HYDE」として初出場するX JAPANのYOSHIKI、さらには企画コーナーに参加するAqours(アクア)、刀剣男士らが出席した。
紅白テーマ“3年目”の「夢を歌おう」
「第69回 NHK紅白歌合戦」ロゴ(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」ロゴ(C)モデルプレス
2016年からオリンピックイヤーを目前にした2019年(第70回)までの4年間、「夢を歌おう」をテーマに掲げている「NHK紅白歌合戦」。「平成 最後の紅白」となる今年は、新しい時代に向け新たな一歩を踏み出すような歌を世界中に届けていく。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
総合司会はウッチャンナンチャンの内村光良と同局の桑子真帆アナウンサー、紅組司会は初となる広瀬すず、白組司会は単独では初となる嵐・櫻井翔。放送は、2018年12月31日午後7時15分から11時45分まで(※中断ニュースあり)。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
2018.11.14 13:46 399,203views
King & Princeが、大みそか恒例の「第69回 NHK紅白歌合戦」に初出場することが決まり、14日、東京・渋谷の同局にて行われた発表記者会見に出席した。
今年5月に「シンデレラガール」でCDデビューを果たしたKing & Prince。先月にはメンバーの岩橋玄樹が、パニック障害の治療に専念するため、11月初旬より一定期間休養することを発表。紅白は、岩橋を除く5人での初出場となることが明らかとなった。
リーダーの岸優太は「今回は5人というかたちになってしまうんですけど、本人にも連絡をしまして、正直悔しい思いはしていたんですけど、僕たちはその彼の思いも背負って、この舞台にかかっているので、非常に強い思いを持っております」と思いを明かし、岩橋には5人の姿を見て欲しいかを問われると「玄樹くんには『見ててね』って言いましたし、『絶対見るから!』って言われました」と岩橋とのやりとりを告白。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
今回の初出場について、永瀬廉は「昨日、ジャニーさんから稽古場に呼び出されまして、その時に直接聞きました」といい、「『Youたち、ちょっと来て』って人がいないところに集められて、『誰にも内緒だからね。Youたち、紅白だから!』って言ってどこかに行きました」と所属事務所社長のジャニー喜多川氏のモノマネをまじえながら状況を説明して笑いを誘い、「だからどこに喜びをぶつけたらいいんや!?と思って、家に持って帰って消化するのが大変でした」と回顧。メンバーの反応については「みんなは顔を見合わせて、キョトンとしてた。内心『うおー!』って感じなんですけど、出せないんで」とジャニー氏の「内緒」を忠実に守っていたことを明かし、喜びは本番で爆発させるのかと聞かれると「はい。期待していてください」と笑顔を見せた。
Jr.時代にSexy Zoneのバックにつくなど、紅白のステージを踏んだ経験はあるが、自身のステージとして出場することの心境ついて質問が飛ぶと、岸は「今までJr.で出てたときはもう緊張して、毎年緊張してたんですけど、今回はメインなので責任がすごく伴いますし、たくさんの方に見られるので今から緊張しちゃってる感じですね」と恐縮しながら回答。
平野紫耀は「僕たちは今年デビューさせていただいて、まだ1年目なんですけど、年末の大舞台・紅白という番組に出させていただくということで、関係者の皆さんやスタッフの皆さん、ファンの皆さんにとても感謝しています。恩返しできるようなパフォーマンスができればと思っています」と意気込みを語った。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手一覧
出場歌手は紅白合わせて42組、特別企画1組(椎名林檎と宮本浩次)。初出場は紅組2組、白組4組の合わせて6組。会見には初出場歌手から紅組のあいみょん、DAOKO、白組のKing & Prince、純烈、そして16年ぶり出場のDA PUMP、「YOSHIKI feat. HYDE」として初出場するX JAPANのYOSHIKI、さらには企画コーナーに参加するAqours(アクア)、刀剣男士らが出席した。
紅白テーマ“3年目”の「夢を歌おう」
「第69回 NHK紅白歌合戦」ロゴ(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」ロゴ(C)モデルプレス
2016年からオリンピックイヤーを目前にした2019年(第70回)までの4年間、「夢を歌おう」をテーマに掲げている「NHK紅白歌合戦」。「平成 最後の紅白」となる今年は、新しい時代に向け新たな一歩を踏み出すような歌を世界中に届けていく。
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
「第69回 NHK紅白歌合戦」出場歌手発表記者会見に出席した(左上から時計回りに)Aqours、純烈、DA PUMP、刀剣男士、King & Prince、YOSHIKI、あいみょん、DAOKO(C)モデルプレス
総合司会はウッチャンナンチャンの内村光良と同局の桑子真帆アナウンサー、紅組司会は初となる広瀬すず、白組司会は単独では初となる嵐・櫻井翔。放送は、2018年12月31日午後7時15分から11時45分まで(※中断ニュースあり)。(modelpress編集部)
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