栄養面の豊富な知識や、苦手なトマトも克服 世界で戦う石川祐希のカラダづくり

田中夕子
2023年5月31日 11:15

男女バレーボールのパリ五輪をかけた予選が開催される今年、日本代表として戦う公式戦のスタートとなるのがネーションズリーグだ。

 すでに30日に女子大会が名古屋で開幕、6日には男子大会も同じく名古屋で開幕する。19歳から35歳まで、個性あふれる顔ぶれが集う中、チームを束ねる主将は今シーズンも石川祐希が務める。

イタリアセリエA、ミラノの主軸としてプレーオフ進出を果たし、目標とするファイナル進出も十分視野に入れる、素晴らしいクラブシーズンを過ごした。終了から帰国を経て、間を置かずに代表シーズンが開幕、さぞ疲労もたまっているのではないかと案ずる声も少なくないが、石川の姿を見ればそんな不安は吹き飛ぶ。

 長い年月をかけて取り組んできた、世界で戦うカラダづくり。その成果は着実に現れている、と証言するのは石川を栄養面でサポートする(株)明治の案浦美保代氏だ。石川がプロ選手となった18年から栄養サポートを担当しているが、単にバレーボールのプレーや、見せるパフォーマンスだけでなく、継続こそが石川の凄さだと言う。

「自分をわかったうえで、何を目指し、何が必要かを取り入れて実践する。身体づくりは短期間でできるものではないからこそ、やると決めたら続けられる。それこそが、石川選手の凄さで強さだと思います」
サポート当初から「すでに土台となる知識は十分にあった」
 栄養サポートを開始するにあたり、まず明確にするのは「どうなりたいか」という目標だ。プロになったばかりの当時は、クラブだけでなく日本代表で臨むシーズンもケガに悩まされていたこともあり、まず石川が求めたのは「ケガをしない身体がつくりたい」ということ。そのための筋力アップ、パフォーマンスを維持するための持久力をつけるために、イタリアでの単身生活でも活用できる栄養に関する知識を増やしたい、と望んでいたが、すでに食事の面に関して土台となる知識は十分にあった、と案浦氏は振り返る。

「石川選手の食事を初めて見たのは、(石川が)アンダーカテゴリー日本代表で合宿をしていた時ですが、その頃から全体のバランスはよく、大きな修正が必要ない選手でした。知識もやる気もあり、実践していく真面目さもある。10代の頃から“バレーボールのためになるなら”という意識も高かったので、初歩的なところからスタートするのではなく、目的に対してアプローチすることができた。アンダーカテゴリーでの教育プラス、本人の意識も高かったからこそ、もっと先へ進むためにケガをしない身体をつくりたい、と。そのためにもまずはケガというマイナス要素を消して、いかにプラスにできるか、ということを石川選手は当時から常に考えていました」

 バレーボール選手としての意識を高く持って行動する。その片鱗が10代から見られたことを証言するのは、案浦氏だけではない。星城高在学時から、中大、現在と石川と共に歩んできたスポーツケアルーム/二光治療院のトレーナー、野口嵩広氏も同様だ。

 高校時代から石川の身体に気を配る意識は高く、指導を受けたわけではなく自らが「必要」と判断し毎日30分の入浴と直後に20分のストレッチを行うのがルーティーン。痛みのサインも逃さず、少しでも違和感を覚えれば「ここが気になる」と申し出る。当時から身体に対する感性は優れていたが、大学、日本代表、イタリアと勝負する場が広がり、戦う相手が強くなればなるほど「何が必要か」を考え、取り入れようとする。着実な変化を、野口氏も強く感じていると言う。

「大学時代から膝の痛みに悩まされ、プロになった当初もいかに膝のケガを軽減させるか、というのが1つのテーマでもありました。そのために何をすべきか。僕の意見を求め、彼も必要だと思うものを取り入れる。セルフケアに加え、大殿筋やハムストリングスを鍛えて膝の負担を減らすためにトレーニングをする。質のいい筋肉をつけるべく食事に気を配る。自分がどうしたい、どうなりたいかというイメージを具体的に言葉で上手に伝えてくれるので、解決法を探して、それぞれの意見を交えながら進化していく。イタリアはバスタブがないので、その分シャワーに時間をかけ、ストレッチの時間や自分でできる超音波治療も含め、自分の身体のために今は毎日2時間を費やす。なおかつそこに食事や栄養をプラスさせて、なりたい自分に近づけるための努力を重ねていく。その結果と変化は、目で見ていても身体を触っていても明らかです」

世界のトッププレーヤーになるために苦手だったトマトも克服

ケガをしない身体づくりがマイナスをゼロにするための作業であるならば、次はゼロからどうプラスに変えていくか。イタリアで各国代表の主軸として活躍するトップ選手たちと日々対峙する中、自身が世界のトッププレーヤーになるための方法を探して実践する。そのために、セルフケアにも十分な時間を配るように、食事の面でも変化が生じた。最たるものが、長年苦手な食材としてきたトマトの克服だ。

 誰しも好みかそうでないかはあり、何でも食べられるにこしたことはないが、無理強いはしない。案浦氏は、栄養サポートを行ううえでも、具体的な献立を提示するのではなく、実際の食事を映した写真を見て、量や栄養素など必要なものを提案するのが常で、これを食べろ、食べるな、と言うことはない。

 言わずもがなトマトも同様。案浦氏もにんじんやパプリカなどを積極的に摂るのがいいのではないか、と提案してきたが、イタリアだけでなく世界各国で手軽に食することのできるトマトを食べられるようになれば、それはまたプラスでしかない。案浦氏がこう言う。

「トマトはビタミンCが摂れるだけでなく、抗酸化物質のリコピンも多く含まれています。アスリートは運動量が多く、息が上がって呼吸量が多くなる分、取り込んだ酸素から身体をさび付かせる活性化酸素も一般の人より多くつくられやすいんです。そして身体が錆びないように防いでくれるビタミンA、C、Eや赤やオレンジの食材に含まれるカルテノイドが豊富に含まれているのがトマトです。もちろん他の食材で補うこともできますが、たとえば『スイカを食べたほうがいい』と言うよりも、トマトのほうがどこでも手軽に入手できる。ましてやイタリアはトマトが料理にも豊富に使われる国なので、むしろ摂らないほうがもったいない。それならば、と苦手克服にもつながったのかもしれませんし、何より、ケガが少なくなったことや、思い描くプレーができる身体に近づいている実感が、より具体的な言葉や行動につながっているのではないでしょうか」

 妥協せず取り組む。石川の信念は、着実に形となって現れ始めている。その成果を発揮するための舞台が間もなく始まるネーションズリーグであり、そこでどんなプレーを見せるのか。ましてや故郷愛知での試合となり、楽しみは増すばかりだが、注目してほしい点がもう1つある。

 ハードスケジュールの中でも屈せぬ強靭な身体。パッと見てもわかる、大きくなった背中と太腿。それこそが、まさに石川が重点を置いて取り組み、続けてきた努力の成果であり、その背景には長い時間をかけてきた、計画的で地道な努力があった。

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「20代は死ぬほど悩んだ」。2度の本屋大賞作家・凪良ゆうに聞く“自分を生きる”ための方法
作家
キャリア
横山耕太郎 and 土屋咲花 [編集部]
May. 30, 2023, 08:10 AM

2度の本屋大賞を受賞した大人気作家・凪良ゆう。BL作家としてデビューしてから15年周年を迎えた凪良さんにインタビューした。

撮影:伊藤圭
もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う。
作家・凪良ゆうさんの2度目の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』には、この言葉が一度ではなく、繰り返し登場する。

主人公・暁海(あきみ)の母は専業主婦だが、夫の不倫が原因で精神を病む。そんな母の姿を見てきた暁海は、なんとか経済的な自立をつかみ取ろうともがく──。

同作は男女の恋愛を描いた小説だが、同時に女性のキャリアを描いた作品としても読むことができる。

凪良さん自身、アルバイトを転々とし、専業主婦だった時期もある。凪良さんは2007年、男性同士の恋愛を描いたBL(ボーズイズラブ)作家としてデビューを果たし、2017年には一般小説を発売し、一躍ベストセラー作家に駆け上がった異色のキャリアを持つ作家

そんな凪良さんに「女性のキャリア」について聞いた。(聞き手:横山耕太郎、土屋咲花 撮影:伊藤圭)
「キャリアは積めるだけ積んでおけ」
「自分の稼ぎを持っていた方がいい」と凪良さんは言う。

撮影:伊藤圭

──『汝、星のごとく』では、男性と同じ仕事をしていても、女性という理由で昇給できない苦しさも書かれています。賃金格差などジェンダーギャップが未だに大きい日本ですが、「女性のキャリア」の重要性についてどう考えていますか?
「キャリアは積めるだけ積んでおけ」と思っています。

『汝、星のごとく』でも何回も書きましたが、自分で自分を食べさせていけるというのは、自由に生きるための最低限の武器です。

素敵な仕事、儲けられる仕事を目指した方がいいということではなく、例えば離婚したくなった時に、自分が経済的に苦しいと、意に沿わない結婚生活を続けることになってしまいます。

自分は貧乏でもいいけど、子供にはちゃんとした教育を受けさせたいから離婚できない……という話もあふれています。

結婚していてもしていなくても、最低限でもいいから自分の稼ぎを持っておいた方がいいと思っています。

誤解してほしくないのですが、専業主婦が悪いと言いたい訳ではありません。私自身も専業主婦を経験しています。

これまでの小説で共通して書いてきたのは「別に誰かと比較しなくていい。みんな自分の人生を生きていくべき」

『汝、星のごとく』の主人公・暁海は、「自分らしく生きたい」と思いながらも、ずっと失敗ばかり繰り返します。それでも最後には、暁海なりの人生にたどり着くことができた。
キャリアについても、自分らしく生きられる方法を考え続けるしかないと思っています。

10代から自立「想像以上に大変だった」
本屋大賞『汝、星のごとく』では、ヤングケアラーの厳しい現実も描かれている。

撮影:伊藤圭

──経済的な自立が必要だと感じたきっかけはありますか?

私は小学5年生の時から親とは別れて養護施設で育ちました。その環境もあって、自分1人で生きていかなくちゃいけないと思うのも早かった。

とにかく施設から早く出たいといういう思いがあったのですが、実際に施設を出たら、本当に1人で生きていくしかありません。
10代の頃から自立して生活していくのは、想像以上に大変なことです。親はむしろ「借金返すのを手伝ってほしい」という人だったので、親からの援助も望めない状況でした。

ですから「専業主婦から作家デビューした」と紹介されることもあるのですが、少し違和感もあります。

10代の頃から1人で自活してきたので、専業主婦だった期間は、私の人生の中ではほんの数年間だけなんですよね。
でも同時に、「作家になれたのは、専業主婦をやらせてもらえる恵まれた環境だっただからでしょ」と言われると、それも間違いではありません。目の前の仕事や生活ばかりに追われる毎日だったら、作家としてデビューするのは難しかったかもしれません。

先日、川上未映子さん(※)の小説『黄色い家』を読んだ時、主人公の花にすごく共感しました。「ああ、この子は小説を書いてない私だな」と。
傲慢に聞こえるかもしれないですが、私は小説を書かなかったら、何の生きる手立てもないまま、経済的にも苦しい人生を送った一人だったでしょう。

こういう形で作家として注目していただけたのは幸運でしたし、小説という媒体に人生を救われたとも感じています。

※川上未映子…芥川賞作家。海外でも高く評価され『夏物語』は世界40ヵ国以上で刊行が予定されている。最新作『黄色い家』(2023年2月発売)では日本における貧困の連鎖などがテーマになっている。
「いい意味で、人を利用しても構わない」
『汝、星のごとく』には「力のある人を味方にしている、ってことも力のひとつ。(中略)手段のクリーンさは次世代に任しちゃえば?」という言葉も出てくる。

撮影:伊藤圭

──『汝、星のごとく』に登場する経済的に自立した女性・瞳子が発する「使えるものならなんでも使えばいいじゃない」などの言葉が印象的でした。
真面目な女性には難しいかもしれませんが、私は自分が1人で食べていけるようになるためだったら、いい意味で、人を利用しても構わないと思っています。

恵まれた家庭で育って、学歴を積んで、真っ当なルートで稼ぎを得られるのであれば、もちろんそれがいいと思います。

ただ、小説で書いたようなヤングケアラーなど、環境的に恵まれない人が稼ぎを得て最終的に自立するために、他人の力を素直に頼ったり利用したりすることは何も悪いことではないし、それは生きていくための一つの手段だと思っています。制度を利用するのもいいし、たくさん持っている人から、ちょっと力を貸してもらってもいい。

もちろん、人に迷惑をかけたり傷つけたりすることは避けつつですが、手段のクリーンささにあまりこだわらずに、「経済的に自立する」という最終目標だけを見据えていくのがいいと思っています。

「間違っている」と言われたとしても
「生きやすくなりたいと思ったら、自分で考えるしかない」。

撮影:伊藤圭

──女性に限らずキャリアや人生について、悩みながら生きている人も少なくありません。

過去に受けたインタビューで「どうすれば悩まずに生きていけるでしょうか?」と質問されて、思わず「悩まずに生きていくことなんて無理でしょ」って答えてしまったことがありました(笑)。
私だって20代のときは死ぬほど悩んだし、死ぬほど失敗して、もう私は駄目だと思ったこともたくさんありますが、今も何とか生きています。
もし生きやすくなりたいと思ったら、「自分はどうしたいのか」を常に考えていくしかないです。

たとえ○○さんが成功していたとしても、その成功方法を自分ができるわけでもないし、人それぞれ正解へのルートは違います。

自分が決めたやり方に対して、大多数の人から「お前は間違っている」と言われることもあるかもしれない。

でもどこかで覚悟を決めて、失敗してもいいから、私はこれをやるんだと決める強さを持つこと。そういう自分の気持ちを少しずつ育てていくことだと思います。
凪良ゆう:1973年生まれ、京都市在住。2007年にBLジャンルの初著書を刊行しデビュー。BL作家として活躍し『美しい彼』シリーズ(2014年〜)は2021年にドラマ化され2023年4月には映画化された。2017年には初の文芸小説『神さまのビオトープ』を刊行。2019年の『流浪の月』で本屋大賞を受賞し、2022年に実写映画化。2020年の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補にもなった『汝、星のごとく』で2度目の本屋大賞受賞。本屋大賞を2度受賞したのは、作家・恩田陸さん以来の2人目。
https://t.cn/A6py92JP

一篇超好的文章!提出当今日本社会对面试性别刻板印象的质疑。#当今社会男女现状#
「就活セクシズムやめて」就職活動で男女“らしさ”の押しつけ 社会人のマナーやルールに疑問も

性はナチュラルで綺麗に見えるメイクをすること」
「男性は座るときこぶし一つ分足を開いて座ること」

【写真を見る】「就活セクシズムやめて」就職活動で男女“らしさ”の押しつけ 社会人のマナーやルールに疑問も

このように就職活動の際、「男らしさ」や「女らしさ」を求められることを「就活セクシズム」と呼びます。

この現状を変えたいと訴える人たちが、文部科学省に署名を提出しました。活動の原点となったのは、自らが「就活セクシズム」に苦しんだ過去でした。

■「家から出られなくなった」 就活で直面した“らしさ”の壁

「男女のラベルを通さずただ人間として見て欲しい」

水野優望さん(33)。戸籍上女性として産まれましたが、幼い頃から「女性」というフィルターを通して見られることに違和感を抱き続けていたといいます。その水野さんが「FtX」という言葉に出会ったのは、20代前半のこと。「FtX」とは戸籍上女性として産まれるも、自身を女性でも男性でもないと認識している人のことをいいます。

水野さん
「あ、これだと思って。すごく居心地がいい言葉だなと思って。細かくラベリングしなくていいんだ。まだ決めなくていいんだという感じがするので、居心地がいいです」

そんな水野さんでしたが、21歳のとき、就職活動で大きな壁にぶつかります。

就職活動で必要なものをそろえている時、「女らしさ」を求められていることを感じたのです。

水野さん
「パンツスーツであってもレディースのものってちょっとパツパツなんですよね。そうじゃないものを探したけど無くて」

レディース用のスーツコーナーで見かけるスーツは、どれもウエストのラインが絞られていました。

水野さん
「『女性らしいラインを演出』みたいな宣伝文句が本当に気持ち悪くて」
「体のラインを出すよりはマシかと思ってブカブカのスーツを買いました」

靴も探しましたが、レディースコーナーに置いてあるのはヒールのあるパンプスばかり。水野さんはヒールを履きたくありませんでしたが、「ヒールのない靴を履くと面接で落とされるのではないか」という不安がよぎりました。

結果的に、ヒールはあるものの、甲の部分が隠れて肌があまり見えない靴を購入しました。また、カバンだけは、メンズ用として売られているものを買ったといいます。

さらに水野さんを戸惑わせたのは、大学の友人たちの“突然の変化”です。

水野さん
「友達が、今までしてなかったような女性用のスーツに身を包んで、ストッキングを履いている姿を目にした瞬間に、もうパニックになっちゃって」

元々はさまざまなジェンダー表現をしていたはずの仲間たちが「男らしさ」「女らしさ」に染まっていくなかで、ひとり取り残されていく感覚になったといいます。

「男性女性の二元論の世界にみんなが吸い込まれていく中で、自分だけがいつまでもここにいて、死ぬまでこうなのかなと」

面接が始まると、さらに戸惑いが募ります。

女性用のスーツを着ることや化粧をすることがどうしてもできず、ネクタイをしてノーメイクで面接会場に向かった水野さん。しかし、“女性らしさ”がないことを理由に落とされるのではという恐怖から、会場近くに着くとネクタイを外し、少し化粧をしてから面接に臨んだといいます。

「就活マナーみたいなものに洗脳されてたから、女性らしくないと落とされるんじゃないかっていう考えに襲われるんですよね」
「就活の女性らしさ、男性らしさに当てはまらない自分がおかしいんだ、間違っているんだ、狂っているから生きていてはいけないんだと思いました」

水野さんは徐々に追い詰められ、次第に家から出られなくなりました。そして最終的に、就職活動を断念したといいます。

■「正装はスカート」マナーブックでも強調 社会人としての男女“らしさ”に疑問

Aさん
「男女はこういうルールで分かれていますという指導にすごく違和感があります」

派遣社員として働く23歳の女性、Aさんも「就活セクシズム」に違和感を抱き続けている1人です。派遣元から配られたマナーブックには「性による区別」が多く書かれていました。

例えば「パンツスーツも可。ただし女性の正装は一般的にはスカート」という表記。

Aさん
「本当にスカートのスーツが今の主流なのかっていったらそうではないと思うんです。パンツスーツの方が仕事をしやすい職場もあると思うし。いろんな選択肢がある中で私はスカートのスーツを選ぶ、私はパンツスーツを選ぶみたいなあり方が一番いいと思うんですよね」

Aさんは、男女”らしさ”にまつわる社会人のマナーやルールに疑問を投げかけます。

「大学時代は、自分が女子だとそこまで意識しなかったんです。周りも私の人柄をみて関わってくれてたと思うし、そういう大学時代が一番自分らしく生きられたなと思います。社会に出てからは、就活のマナーひとつとっても女子男子の生き方がすごく浮き彫りになってきたなって。社会に出て急にルールですって決められて、しんどい思いをしてる人がいるのも事実だと思うんです。だからこうやってルールで男女を区別するって本当に意味があるのかなと(疑問に思う)」

■#就活セクシズムをやめてください

水野さんは同じ悩みを持つ人たちとともに、「就活セクシズム」をめぐる現状を変えたいと、2020年11月、「#就活セクシズムをやめて」をスローガンに掲げ、署名活動を始めました。さらに大手スーツ販売店などに、男女のあり方を明確に分けて記載しているパンフレットの中身を改善することなどを求めています。

水野さん
「就活生は”選ばれる”という弱い立場になってしまっている。採用側は『自分のジェンダーアイデンティティの表現に合わせたビジネスファッションで大丈夫ですよ』って言ってあげて欲しいです。女性はこう、男性はこうという型にはまらなくても『それを理由に落とすことはないですよ』っていう一言がないと、就活生は守りに入るしかないんですよね」

■足を踏まれても我慢するべき?就活生は我慢の連続

2023年5月時点で集まった署名の数は3万3000人を超えました。水野さんの元には署名とともに様々な体験談も集まりました。

「大学のマナー講座で、『パンプス着用は女性らしい足さばきのために我慢するように』と言われた」

「リクルートスーツ購入の際、『女性は絶対にスカートの方がいい』と言われた」
「『男なんだからもっと髪を短くしろ』と言われた」

「パンツスーツ+ローファーを着用していたら、『女のくせに男みたいな格好をするな』と言われた」

「『女性はパンプスを履け』と言われ履いていたが移動中に足を踏まれ、『そんな靴を履いているから悪い、我慢しろ』と言われた。そのことを学校でマナー講師に話すと、『女性だからしょうがないことだ』と言われた」

「らしさ」を求められた人からの体験談を見て、水野さんは自らが就活生だった10年前と比べて、「状況は何も変わっていない」と話します。

水野さん
「自分が就活をしようとして挫折した時から何も変わってないんだなと思ってすごくびっくりして。ちょっとでも良くなってるって思ってたんですよ。でも全然変わってなくて未だにこれか、と」
「学校の制服とかランドセルの色の男女二元論の考え方がちょっとずつ緩和されているのに、なぜか就活の場だけは全然変わってなくて呆れるというか」

水野さんらは集まった署名を4月25日、文部科学省に提出。文科省は学生の就職活動のあり方について検討・協議をしている就職問題懇談会へ意見を伝えました。

これを受け懇談会は企業や学校に対する申し合わせ文書に記された「就職活動での多様性のあり方」について、引き続き検討をしていくとしています。水野さんは、「誰もが自分らしく就職活動を行い、それが受け入れられる社会になってほしい」と話しています。

就職活動は今後の人生と向き合うタイミング。
男女でくくられた“らしさ”ではなく、個性豊かな「自分」らしさを見てもらえる社会に向け、模索は続きます。

(TBSテレビ社会部 山田優奈)


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