memo
EdgeLine
会見は丸山、さとうほなみとともに劇中衣装で臨むことに。登場するなり丸山はヘドウィグになりきっているのか「みなさん大変な世の中ですけど頑張っていきましょう!」と励ましの声を報道陣にかけたかと思えば「あーらご機嫌麗しゅう」「スキャンダルお断りよ!」「Are you OK?」「さぁ、はじめましょ」など“丸山節”を言いたい放題でスタート。
現時点の手応えとして「お客さんが入ってからかしらね、よく分かんないわ。でも、楽しそうってことだけは分かってるは。よろしくって感じ」と、キャラを崩さず話す丸山。これにさとうが「ずっとそんな感じなんですか……」と、呆れ気味な声を出すと丸山も「ずっとこれはヤバいな(笑)」と、普段の調子に戻す。
初ミュージカルということで丸山は「どういう自分が湧き上がってくるのかとか、お客さんがどんな反応になるのかとか考えていて。でも、初めてのミュージカルをほなみさんと全力でと思っています。生バンドの方々もいるので臨場感を感じてもらえれば」と、意気込んだ。
ドラッグクイーン衣装をセットするまでに以前の公演スタッフも手伝っているということもあり、約15分でできるのだとか。そんなスタッフの手際に「プロの技術はすごいなって。ドラッグクイーンとかメイクしていくうえで気持ちを盛り上げていってくれて、成り立ってるなということを実感しています」と、感謝していた。
体作りへは、ライブツアーと本舞台のけいこを繰り返したことにより出来上がっていったそうだが、本日、その“仕上げ”があるとも。腕を高く挙げるとともにスネを強調した丸山は「この取材会の後、断髪式をやるんです!」と高らかに宣言。しかし、これを横で見ていたさとうは「脇を見せている写真に写りたくない(苦笑)」と、少々距離をとられてしまう結果にもなっていた。
続けて、丸山とさとうがお互いの印象を語ることに。丸山はさとうへ「素直で分からないことはずばっと聞きに行ったり、すぐやってみるというレスポンスが素晴らしなと。一緒にやっていて頼れる方と思いました。別のお仕事ではリズム帯だったりするので、これは何か面白いことが起こりそうな予感がしていたのですが、その通りでした」というと、さとうは「自由度の高い方だなと感じています。お芝居をしていても歌っていてもそのままの丸山さんでイキイキされているなというのが分かります。一緒にやらせて頂いて、楽しいです」と、気持ちも高まるそうだ。
ドラッグクイーンということで、普段の役作りと違う部分へヒールという丸山。「ヒールが高いうえに角ばっているから動くときに制限があって。このヒールを履いてけいこしていると自然と役になっていっている感じで。7センチくらいの高さがあるんですけど、これを穿いて動いている女性を尊敬します。女性の気持ちをちょっと体感させてもらってます」と、ならではのコメントもしていた。
本作では、ヘドウィグのこれまでの生い立ちと現在の心情を歌で表し、ひとり語りで表現していく。“片割れ”探しもあるということで、丸山の“片割れ”は誰かという質問も飛んだが、ここは「全国にいるファンのみんなです!」と、アイドルとして100点満点の返しで笑いを誘っていた。
ほかにも『関ジャニ∞』のメンバーから激励があった?と尋ねると、「村上(信五)くんは北京から『応援してるぜ』みたいな感じで。安(安田章大)は割とひとことで『行ってらっしゃい』と。たちょ(大倉忠義)は『無事に幕が開けて終わることを待ってます』と。横さん(横山裕)は寡黙な人なんで終わってからおつかれと来ると思います。4人4様で心があったまって元気をもらえました」と、メンバーのらしさが伝わるメッセージが寄せられたのだとか。さらに、本作のビジュアルを見たメンバーから「誰か忘れましたけど、『これ丸!?』って、反応してくれました。すごく嬉しかったです」と、テンションのあがることを言われたそうだ。
ちなみに、さとうへも所属するバンド『ゲスの極み乙女』のメンバーから激励をもらえた?との質問もあったが、「誰からももらってないですね」と、ぽつんと答えて、丸山がメンバー1人1人の名前を挙げてツッコみつつ「見えない繋がりがあるんだと思う」と、まとめていた。
そして丸山から「こういう世の中だからこそ、こういう劇がみなさんの心に届くのではないかなと思います。来て頂いたら、ガンガンみんなの中にあるものを発散させられると思います」と、アピールしていた。
その後のゲネプロでは、全編英語のロックを丸山が歌いこなす姿や、ステージ上での生着替えもあったりと、パワフルさを窺わせる仕上がりを披露していた。
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会見は丸山、さとうほなみとともに劇中衣装で臨むことに。登場するなり丸山はヘドウィグになりきっているのか「みなさん大変な世の中ですけど頑張っていきましょう!」と励ましの声を報道陣にかけたかと思えば「あーらご機嫌麗しゅう」「スキャンダルお断りよ!」「Are you OK?」「さぁ、はじめましょ」など“丸山節”を言いたい放題でスタート。
現時点の手応えとして「お客さんが入ってからかしらね、よく分かんないわ。でも、楽しそうってことだけは分かってるは。よろしくって感じ」と、キャラを崩さず話す丸山。これにさとうが「ずっとそんな感じなんですか……」と、呆れ気味な声を出すと丸山も「ずっとこれはヤバいな(笑)」と、普段の調子に戻す。
初ミュージカルということで丸山は「どういう自分が湧き上がってくるのかとか、お客さんがどんな反応になるのかとか考えていて。でも、初めてのミュージカルをほなみさんと全力でと思っています。生バンドの方々もいるので臨場感を感じてもらえれば」と、意気込んだ。
ドラッグクイーン衣装をセットするまでに以前の公演スタッフも手伝っているということもあり、約15分でできるのだとか。そんなスタッフの手際に「プロの技術はすごいなって。ドラッグクイーンとかメイクしていくうえで気持ちを盛り上げていってくれて、成り立ってるなということを実感しています」と、感謝していた。
体作りへは、ライブツアーと本舞台のけいこを繰り返したことにより出来上がっていったそうだが、本日、その“仕上げ”があるとも。腕を高く挙げるとともにスネを強調した丸山は「この取材会の後、断髪式をやるんです!」と高らかに宣言。しかし、これを横で見ていたさとうは「脇を見せている写真に写りたくない(苦笑)」と、少々距離をとられてしまう結果にもなっていた。
続けて、丸山とさとうがお互いの印象を語ることに。丸山はさとうへ「素直で分からないことはずばっと聞きに行ったり、すぐやってみるというレスポンスが素晴らしなと。一緒にやっていて頼れる方と思いました。別のお仕事ではリズム帯だったりするので、これは何か面白いことが起こりそうな予感がしていたのですが、その通りでした」というと、さとうは「自由度の高い方だなと感じています。お芝居をしていても歌っていてもそのままの丸山さんでイキイキされているなというのが分かります。一緒にやらせて頂いて、楽しいです」と、気持ちも高まるそうだ。
ドラッグクイーンということで、普段の役作りと違う部分へヒールという丸山。「ヒールが高いうえに角ばっているから動くときに制限があって。このヒールを履いてけいこしていると自然と役になっていっている感じで。7センチくらいの高さがあるんですけど、これを穿いて動いている女性を尊敬します。女性の気持ちをちょっと体感させてもらってます」と、ならではのコメントもしていた。
本作では、ヘドウィグのこれまでの生い立ちと現在の心情を歌で表し、ひとり語りで表現していく。“片割れ”探しもあるということで、丸山の“片割れ”は誰かという質問も飛んだが、ここは「全国にいるファンのみんなです!」と、アイドルとして100点満点の返しで笑いを誘っていた。
ほかにも『関ジャニ∞』のメンバーから激励があった?と尋ねると、「村上(信五)くんは北京から『応援してるぜ』みたいな感じで。安(安田章大)は割とひとことで『行ってらっしゃい』と。たちょ(大倉忠義)は『無事に幕が開けて終わることを待ってます』と。横さん(横山裕)は寡黙な人なんで終わってからおつかれと来ると思います。4人4様で心があったまって元気をもらえました」と、メンバーのらしさが伝わるメッセージが寄せられたのだとか。さらに、本作のビジュアルを見たメンバーから「誰か忘れましたけど、『これ丸!?』って、反応してくれました。すごく嬉しかったです」と、テンションのあがることを言われたそうだ。
ちなみに、さとうへも所属するバンド『ゲスの極み乙女』のメンバーから激励をもらえた?との質問もあったが、「誰からももらってないですね」と、ぽつんと答えて、丸山がメンバー1人1人の名前を挙げてツッコみつつ「見えない繋がりがあるんだと思う」と、まとめていた。
そして丸山から「こういう世の中だからこそ、こういう劇がみなさんの心に届くのではないかなと思います。来て頂いたら、ガンガンみんなの中にあるものを発散させられると思います」と、アピールしていた。
その後のゲネプロでは、全編英語のロックを丸山が歌いこなす姿や、ステージ上での生着替えもあったりと、パワフルさを窺わせる仕上がりを披露していた。
『刑事7人』第8話にTravis Japan松倉海斗がゲスト出演「突然のサプライズに飛び跳ねて喜びました」
Travis Japan/ジャニーズJr.の松倉海斗が、東山紀之主演ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系 毎週(水)後9・00~9・54)の第8話(9月8日放送)にゲスト出演することが決定した。
本作は、東山演じる天樹悠を中心に、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)の刑事たち、そして法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)という個性あふれる7人が、時代とともに複雑化する超凶悪犯罪や難解な未解決事件に挑む人気シリーズ。
テレビ朝日のドラマ初出演となる松倉が第8話で演じるのは、拓海の警察学校時代の同期で、今は拓海とルームシェアをしながらレストランでアルバイトをする伊藤優。あることをきっかけに、優が14年前に起きた女児突き落とし事件の被害者の兄である可能性が浮上する。松倉は、拓海の前ではごく普通の明るい友人として振る舞う一方、実は複雑な心情を抱えているという難役に挑む。
松倉海斗(Travis Japan/ジャニーズJr.)コメント
『刑事7人』の出演が決まった時は、めちゃくちゃうれしかったです。マネージャーさんから出演を知らされた時の会話を今も鮮明に覚えています。マネージャーさんから「紅ショウガは食べられる?」と聞かれたので、「はい、食べられます!」と答えた直後に、突然「ドラマ決まったよ」と言われ…正直「どういう会話の流れ?」とは思いましたが(笑)。この突然のサプライズに、飛び跳ねて喜びました。
東山さんとご一緒するシーンはなかったのですが、撮影現場でごあいさつをさせていただいた際に、僕の名前を覚えていてくださったことだけでもうれしかったのですが、「少しおバカな一面もあるけど、いい奴」とのお褒めの言葉もいただき(笑)、感無量でした! 今回僕が演じる伊藤優は、とても不器用な性格で、過去の出来事が故に劣等感を抱いていたり、悲観的に考えやすかったり、繊細な面を持つ一方で、心を許している人への愛や温もりが深く、優しい役柄だなと感じました。また、白洲さん演じる野々村拓海の親友ということで、撮影現場では白洲さんとご一緒するシーンが多かったのですが、とても優しくて、そして何より大人の男性の魅力があふれ出ていてすてきな方でした。撮影合間も気さくに話しかけてくださり、お互いの趣味のことを話したり、僕のジャニーズ活動の話を聞いてくださったり…。おかげで、和気あいあいと楽しく、そして全身全霊で撮影に挑む事が出来ました。ありがとうございます!
第8話は全編通して、拓海と優の友情を感じられる回になっています。人と人が寄り添い、支え合う事で生きていける。そんな思いが込められているのではないかと感じ、深く考えさせられるお話です。ぜひ、放送を楽しみに待っていてください!!
『刑事7人』
テレビ朝日系
2021年9月8日(水)後9・00~9・54
Travis Japan/ジャニーズJr.の松倉海斗が、東山紀之主演ドラマ『刑事7人』(テレビ朝日系 毎週(水)後9・00~9・54)の第8話(9月8日放送)にゲスト出演することが決定した。
本作は、東山演じる天樹悠を中心に、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)の刑事たち、そして法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)という個性あふれる7人が、時代とともに複雑化する超凶悪犯罪や難解な未解決事件に挑む人気シリーズ。
テレビ朝日のドラマ初出演となる松倉が第8話で演じるのは、拓海の警察学校時代の同期で、今は拓海とルームシェアをしながらレストランでアルバイトをする伊藤優。あることをきっかけに、優が14年前に起きた女児突き落とし事件の被害者の兄である可能性が浮上する。松倉は、拓海の前ではごく普通の明るい友人として振る舞う一方、実は複雑な心情を抱えているという難役に挑む。
松倉海斗(Travis Japan/ジャニーズJr.)コメント
『刑事7人』の出演が決まった時は、めちゃくちゃうれしかったです。マネージャーさんから出演を知らされた時の会話を今も鮮明に覚えています。マネージャーさんから「紅ショウガは食べられる?」と聞かれたので、「はい、食べられます!」と答えた直後に、突然「ドラマ決まったよ」と言われ…正直「どういう会話の流れ?」とは思いましたが(笑)。この突然のサプライズに、飛び跳ねて喜びました。
東山さんとご一緒するシーンはなかったのですが、撮影現場でごあいさつをさせていただいた際に、僕の名前を覚えていてくださったことだけでもうれしかったのですが、「少しおバカな一面もあるけど、いい奴」とのお褒めの言葉もいただき(笑)、感無量でした! 今回僕が演じる伊藤優は、とても不器用な性格で、過去の出来事が故に劣等感を抱いていたり、悲観的に考えやすかったり、繊細な面を持つ一方で、心を許している人への愛や温もりが深く、優しい役柄だなと感じました。また、白洲さん演じる野々村拓海の親友ということで、撮影現場では白洲さんとご一緒するシーンが多かったのですが、とても優しくて、そして何より大人の男性の魅力があふれ出ていてすてきな方でした。撮影合間も気さくに話しかけてくださり、お互いの趣味のことを話したり、僕のジャニーズ活動の話を聞いてくださったり…。おかげで、和気あいあいと楽しく、そして全身全霊で撮影に挑む事が出来ました。ありがとうございます!
第8話は全編通して、拓海と優の友情を感じられる回になっています。人と人が寄り添い、支え合う事で生きていける。そんな思いが込められているのではないかと感じ、深く考えさせられるお話です。ぜひ、放送を楽しみに待っていてください!!
『刑事7人』
テレビ朝日系
2021年9月8日(水)後9・00~9・54
田中哲司×松田龍平が挑む伝説の舞台。ふた組の恋が今に何を響かせるか 『近松心中物語』キャストインタビュー【前編:忠兵衛&与兵衛】
初演は、42年前の1979年。戦後を代表する劇作家・秋元松代が、近松門左衛門の『冥途の飛脚』をベースに創作し、蜷川幸雄の演出で千回を超える上演が重ねられて、演劇界の金字塔と評された。その『近松心中物語』が、長塚圭史の演出で新たに立ち上がる。描かれるのは、境遇の違うふた組の男女の、心中へと追い詰められていく恋物語だ。今回はまず、その男側のふたりが登場。遊女・梅川を愛する忠兵衛役の田中哲司と、心中に憧れる妻・お亀に寄り添う与平衛役の松田龍平が、男の胸の内や、名作に挑む思いを語った。
哲司さんとの共演は「逆に警戒しています(笑)」(松田)
──舞台では、長塚圭史さん演出の『冒した者』(2013年)で共演経験のあるおふたりですが、お互いにどんな印象をお持ちですか。
田中 これはあくまでも僕の感覚なんですけど、役とか芝居へのアプローチの仕方が、僕とは全然違うところからくるなと思ったんです。芝居で絡んでみて気づいたのですが、独特のものがあってとても刺激になります。なので当時、ふたりで向かい合って座って長いセリフのやりとりをしたのが、すごく楽しかったんですよ。僕はあまりしゃべってなかったです(笑)。ほぼ龍平くんがしゃべってました。だから今回は、忠兵衛が与平衛に、梅川の身請けの手付金を借りに行くシーンでふたりでしゃべるので、そこが楽しみですね。
松田 『冒した者』ほんと楽しかったなぁ。あの舞台は今も自分の中に大きく残ってますね。哲司さんの佇まいとか、雰囲気に救われていました。実は、最後の通し稽古の途中、ふたりで向かいあってるシーンで、セリフが飛んじゃったんですけど、その時もめちゃくちゃスムーズに助けてもらって。
田中 そんなことあった? ちゃんと助けられた?
松田 はい(笑)。サラッと助けてもらったのを覚えてます。だから今回もまた助けてもらえるという安心感で、逆に、またセリフが出てこないみたいなことが起きるんじゃないかと思って、警戒してます(笑)。
「与平衛が龍平くんなので安心」(田中)
──前回共演されたのが三好十郎さんの戯曲で日本の名作でしたが、今回も伝説の舞台と言われているような名作ですね。
田中 この『近松心中物語』は、ニナガワカンパニーにいた僕にとっては、本当に敷居が高い作品です。本番の舞台を観たことはないのですが、やっぱり大きな存在なんですよね。しかも、その忠兵衛役をやるので、心して挑まねばならないなと思っています。ただ、与平衛が龍平くんなので安心であったりもします。ちょっと気弱な遊び人で、人に流される与平衛っていうのがすでに見えてくるので。今は、「よし、そっちは大丈夫だ、あとはこっちが頑張ればいい」という感じになれています。
松田 たくさんの人に愛されてる作品ですから、プレッシャーはありますが、面白くなるに違いないという期待を胸に、これから皆さんと作っていけたらと思っています。ただ、哲司さんが演じる忠兵衛の年齢が20代だって聞いて、大丈夫かなって、さっき話していたんですけど(笑)。
田中 (笑)。それを圭史くんに聞いて、そうか、若いから心中できるんだよな、若い命が散っていくから悲しいんだよなと思えるんです。当初それが頭になかったから、このまま稽古に入ってたら危ないところでした。だから、若さゆえっていうところを、動きとか感情の揺れで、ちゃんと出さなきゃいけないなと思いますね。それこそ歌舞伎でも有名な“封印切”のシーンなんかは、はっちゃけてウワーッと。
松田 オジサンが無理しちゃってる感じに見えないようにしないと(笑)。
田中 心中へ追い詰められる悲壮感にちゃんとつながるように演じなければと思っています。片や龍平くんの与平衛とお亀には、本当に笑える面白いシーンもあるよね。
松田 与平衛とお亀では温度差が面白いですよね。お亀は、与兵衛のことが好きで仕方ないと言う感じで、与兵衛は色々うんざりしちゃって、乞食にでもなって、自由に暮らすのも良いかもと思っていて。ふたりが心中に向かっていくところも、お亀のロマンチックモードに、なんとかついていってる感じで(笑)。 与平衛は心優しい真っ直ぐな男なんですけど、後先考えず「わかった」と言ってしまうんです。与兵衛は間違ったことはしていないように思うんだけど、なんか、ずれちゃってて。その感じがすごく魅力的なんですよ。
──ちなみに、それぞれのお相手となる、梅川役の笹本玲奈さん、お亀役の石橋静河さんの印象は?
田中 笹本さんは『ピーターパン』の主演でデビューされていて芸歴が長いですし。ミュージカル畑の方だから、どういう感じの芝居でこられるのか、ワクワクしてます。やっぱり思わぬものがきたほうが、予定調和よりも全然楽しいですからね。ふたりでどんなものが作れるか、本当に楽しみにしています。
松田 僕は石橋さんのことは、親の繋がりもあって小さい頃から知ってるんです。お亀と与兵衛も幼なじみなので、繋がるところがあるのは面白いですし、お芝居するのが楽しみです。
描かれていることは、今の時代とまったく変わらない(田中)
──身請けのお金が工面できない忠兵衛と、忠兵衛にお金を貸せる与平衛。この物語にはそうした境遇の違いが様々にあって、それを今の格差や貧富の問題につながるものとして描きたいと長塚さんはおっしゃっています。おふたりは、今にどんなものが届く芝居になると思われますか。
田中 ここに描かれていることは、今の時代とまったく変わらないですよね。忠兵衛は、何百両何千両のお金を扱う仕事をしていながら給料は少なくて、女のために使い込みを働いてしまう。だから、若さもそうですけど、遊女になるしかなかった梅川も含め、貧しいっていうことは強調して出していかないといけないなと思いますね。
松田 でも、現代で「心中」っていう言葉を聞くと、家族で無理心中。みたいなイメージがありますけど、この時代に、自由に恋愛をすることが出来なかった男女にとって「心中」は最後のチャンスだったのかもしれないですね。心中にポジティブ、みたいな(笑)。哲司さんは「心中」どうですか?
田中 絶対できない。だから、与平衛の感じはすごくわかります。お客さんも与平衛に共感する人が多いんじゃないかな。でも、龍平くんは、お亀の心臓を突かないといけない。そんなの一発で上手くいかないよね。
松田 なかなか死ねないみたいな(笑)。それ、芝居でやってみますか?
田中 稽古でやってみる価値はあるかも。笑いにならない程度に。
松田 圭史さんにすぐ「それいらないな」って言われそう(笑)。
──その長塚さんの演出は、いかがですか。
田中 厳しくもありやさしくもあり。
松田 圭史さんは鋭いんですよね、芝居してる時の気持ちが全部バレちゃう感じで。そうなると油断できないし、遅刻も出来ないし、話を聞いてないと怒られるからなー。
田中 そりゃそうでしょ(笑)。
松田 でも、今回嬉しいですね。これまで圭史さんとやった2作は、セットが椅子ばかりだったから(笑)。『冒した者』は音楽もなくて、すごい緊張感の中で芝居してたし。『イーハトーボの劇列車』は汽車の音を役者が奏でたり。今回はみんなで楽器で盛り上がったり、色々装置もあって。
田中 音楽もあるよ。それもスチャダラパーさんが作ってくれる音楽が。
松田 もうね、本当にありがたいです(笑)。
圭史さんの舞台をやると、また一歩踏み出すきっかけをもらえる(松田)
──松田さんにとって舞台出演は今回が5作目で、そのうちの3作が長塚さん演出の作品になりますが、舞台に出るときは何か決め手となるポイントがあるんでしょうか。
松田 舞台は大変ですよね。稽古を重ねて、本番が始まったら何があっても最後まで止まらないし。ちゃんとやり切れるのか、ビビっちゃいますね(笑)。でも、なんだかんだ、これはやらないと勿体ないぞっていう、そういう絶妙なタイミングで、いつも長塚さんに声をかけてもらってる気がしてます。
田中 しかも龍平くん、圭史くんの中でも大変な作品ばかりやってるよね。
松田 そうなんですね(笑)。でも、ほんと、稽古から本番にかけて、夢中になって。舞台を終えると、なんだか一歩踏み出せるような感じがあって。
──一方田中さんは、数え切れないほど舞台に出ておられます。その中でも、この作品はどんな存在になりそうでしょうか。
田中 僕も龍平くんと似たような、「これキツイなぁ。でもやるしかないよな」みたいなところはあります。
松田 ありますね。
田中 特に圭史くんは、大変な作品をやるときに声をかけてくれるので、ちょっと追い込まれる感じになるんですよね。『浮標』(2011年、12年、16年)も『冒した者』もそうでしたけど、その都度、この年齢になってもこういうことをクリアしなきゃいけないのかっていう気持ちになる。でも、これでまた大きくなれたらいいな、自信になればいいなと思ってやっています。だから今回も、あの忠兵衛をやれたんだ、55歳で20代の忠兵衛をやれたんだって(笑)、また自信になったらいいなと思っています。
初演は、42年前の1979年。戦後を代表する劇作家・秋元松代が、近松門左衛門の『冥途の飛脚』をベースに創作し、蜷川幸雄の演出で千回を超える上演が重ねられて、演劇界の金字塔と評された。その『近松心中物語』が、長塚圭史の演出で新たに立ち上がる。描かれるのは、境遇の違うふた組の男女の、心中へと追い詰められていく恋物語だ。今回はまず、その男側のふたりが登場。遊女・梅川を愛する忠兵衛役の田中哲司と、心中に憧れる妻・お亀に寄り添う与平衛役の松田龍平が、男の胸の内や、名作に挑む思いを語った。
哲司さんとの共演は「逆に警戒しています(笑)」(松田)
──舞台では、長塚圭史さん演出の『冒した者』(2013年)で共演経験のあるおふたりですが、お互いにどんな印象をお持ちですか。
田中 これはあくまでも僕の感覚なんですけど、役とか芝居へのアプローチの仕方が、僕とは全然違うところからくるなと思ったんです。芝居で絡んでみて気づいたのですが、独特のものがあってとても刺激になります。なので当時、ふたりで向かい合って座って長いセリフのやりとりをしたのが、すごく楽しかったんですよ。僕はあまりしゃべってなかったです(笑)。ほぼ龍平くんがしゃべってました。だから今回は、忠兵衛が与平衛に、梅川の身請けの手付金を借りに行くシーンでふたりでしゃべるので、そこが楽しみですね。
松田 『冒した者』ほんと楽しかったなぁ。あの舞台は今も自分の中に大きく残ってますね。哲司さんの佇まいとか、雰囲気に救われていました。実は、最後の通し稽古の途中、ふたりで向かいあってるシーンで、セリフが飛んじゃったんですけど、その時もめちゃくちゃスムーズに助けてもらって。
田中 そんなことあった? ちゃんと助けられた?
松田 はい(笑)。サラッと助けてもらったのを覚えてます。だから今回もまた助けてもらえるという安心感で、逆に、またセリフが出てこないみたいなことが起きるんじゃないかと思って、警戒してます(笑)。
「与平衛が龍平くんなので安心」(田中)
──前回共演されたのが三好十郎さんの戯曲で日本の名作でしたが、今回も伝説の舞台と言われているような名作ですね。
田中 この『近松心中物語』は、ニナガワカンパニーにいた僕にとっては、本当に敷居が高い作品です。本番の舞台を観たことはないのですが、やっぱり大きな存在なんですよね。しかも、その忠兵衛役をやるので、心して挑まねばならないなと思っています。ただ、与平衛が龍平くんなので安心であったりもします。ちょっと気弱な遊び人で、人に流される与平衛っていうのがすでに見えてくるので。今は、「よし、そっちは大丈夫だ、あとはこっちが頑張ればいい」という感じになれています。
松田 たくさんの人に愛されてる作品ですから、プレッシャーはありますが、面白くなるに違いないという期待を胸に、これから皆さんと作っていけたらと思っています。ただ、哲司さんが演じる忠兵衛の年齢が20代だって聞いて、大丈夫かなって、さっき話していたんですけど(笑)。
田中 (笑)。それを圭史くんに聞いて、そうか、若いから心中できるんだよな、若い命が散っていくから悲しいんだよなと思えるんです。当初それが頭になかったから、このまま稽古に入ってたら危ないところでした。だから、若さゆえっていうところを、動きとか感情の揺れで、ちゃんと出さなきゃいけないなと思いますね。それこそ歌舞伎でも有名な“封印切”のシーンなんかは、はっちゃけてウワーッと。
松田 オジサンが無理しちゃってる感じに見えないようにしないと(笑)。
田中 心中へ追い詰められる悲壮感にちゃんとつながるように演じなければと思っています。片や龍平くんの与平衛とお亀には、本当に笑える面白いシーンもあるよね。
松田 与平衛とお亀では温度差が面白いですよね。お亀は、与兵衛のことが好きで仕方ないと言う感じで、与兵衛は色々うんざりしちゃって、乞食にでもなって、自由に暮らすのも良いかもと思っていて。ふたりが心中に向かっていくところも、お亀のロマンチックモードに、なんとかついていってる感じで(笑)。 与平衛は心優しい真っ直ぐな男なんですけど、後先考えず「わかった」と言ってしまうんです。与兵衛は間違ったことはしていないように思うんだけど、なんか、ずれちゃってて。その感じがすごく魅力的なんですよ。
──ちなみに、それぞれのお相手となる、梅川役の笹本玲奈さん、お亀役の石橋静河さんの印象は?
田中 笹本さんは『ピーターパン』の主演でデビューされていて芸歴が長いですし。ミュージカル畑の方だから、どういう感じの芝居でこられるのか、ワクワクしてます。やっぱり思わぬものがきたほうが、予定調和よりも全然楽しいですからね。ふたりでどんなものが作れるか、本当に楽しみにしています。
松田 僕は石橋さんのことは、親の繋がりもあって小さい頃から知ってるんです。お亀と与兵衛も幼なじみなので、繋がるところがあるのは面白いですし、お芝居するのが楽しみです。
描かれていることは、今の時代とまったく変わらない(田中)
──身請けのお金が工面できない忠兵衛と、忠兵衛にお金を貸せる与平衛。この物語にはそうした境遇の違いが様々にあって、それを今の格差や貧富の問題につながるものとして描きたいと長塚さんはおっしゃっています。おふたりは、今にどんなものが届く芝居になると思われますか。
田中 ここに描かれていることは、今の時代とまったく変わらないですよね。忠兵衛は、何百両何千両のお金を扱う仕事をしていながら給料は少なくて、女のために使い込みを働いてしまう。だから、若さもそうですけど、遊女になるしかなかった梅川も含め、貧しいっていうことは強調して出していかないといけないなと思いますね。
松田 でも、現代で「心中」っていう言葉を聞くと、家族で無理心中。みたいなイメージがありますけど、この時代に、自由に恋愛をすることが出来なかった男女にとって「心中」は最後のチャンスだったのかもしれないですね。心中にポジティブ、みたいな(笑)。哲司さんは「心中」どうですか?
田中 絶対できない。だから、与平衛の感じはすごくわかります。お客さんも与平衛に共感する人が多いんじゃないかな。でも、龍平くんは、お亀の心臓を突かないといけない。そんなの一発で上手くいかないよね。
松田 なかなか死ねないみたいな(笑)。それ、芝居でやってみますか?
田中 稽古でやってみる価値はあるかも。笑いにならない程度に。
松田 圭史さんにすぐ「それいらないな」って言われそう(笑)。
──その長塚さんの演出は、いかがですか。
田中 厳しくもありやさしくもあり。
松田 圭史さんは鋭いんですよね、芝居してる時の気持ちが全部バレちゃう感じで。そうなると油断できないし、遅刻も出来ないし、話を聞いてないと怒られるからなー。
田中 そりゃそうでしょ(笑)。
松田 でも、今回嬉しいですね。これまで圭史さんとやった2作は、セットが椅子ばかりだったから(笑)。『冒した者』は音楽もなくて、すごい緊張感の中で芝居してたし。『イーハトーボの劇列車』は汽車の音を役者が奏でたり。今回はみんなで楽器で盛り上がったり、色々装置もあって。
田中 音楽もあるよ。それもスチャダラパーさんが作ってくれる音楽が。
松田 もうね、本当にありがたいです(笑)。
圭史さんの舞台をやると、また一歩踏み出すきっかけをもらえる(松田)
──松田さんにとって舞台出演は今回が5作目で、そのうちの3作が長塚さん演出の作品になりますが、舞台に出るときは何か決め手となるポイントがあるんでしょうか。
松田 舞台は大変ですよね。稽古を重ねて、本番が始まったら何があっても最後まで止まらないし。ちゃんとやり切れるのか、ビビっちゃいますね(笑)。でも、なんだかんだ、これはやらないと勿体ないぞっていう、そういう絶妙なタイミングで、いつも長塚さんに声をかけてもらってる気がしてます。
田中 しかも龍平くん、圭史くんの中でも大変な作品ばかりやってるよね。
松田 そうなんですね(笑)。でも、ほんと、稽古から本番にかけて、夢中になって。舞台を終えると、なんだか一歩踏み出せるような感じがあって。
──一方田中さんは、数え切れないほど舞台に出ておられます。その中でも、この作品はどんな存在になりそうでしょうか。
田中 僕も龍平くんと似たような、「これキツイなぁ。でもやるしかないよな」みたいなところはあります。
松田 ありますね。
田中 特に圭史くんは、大変な作品をやるときに声をかけてくれるので、ちょっと追い込まれる感じになるんですよね。『浮標』(2011年、12年、16年)も『冒した者』もそうでしたけど、その都度、この年齢になってもこういうことをクリアしなきゃいけないのかっていう気持ちになる。でも、これでまた大きくなれたらいいな、自信になればいいなと思ってやっています。だから今回も、あの忠兵衛をやれたんだ、55歳で20代の忠兵衛をやれたんだって(笑)、また自信になったらいいなと思っています。
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