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いつも明るい向井さんが
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#フジテレビ
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古谷徹×武内駿輔:アムロの演技に導かれ ドアンはイメージぴったり! 「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」対談 mantan-web.jp/article/20220520dog00m200029000c.html
◇40年ぶり劇場版 15歳のアムロが「すごくうれしい」
--古谷さんが劇場版で15歳のアムロを演じるのは、1982年公開の「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙」以来になります。
古谷さん 毎年のようにゲームなどいろいろなメディアで15歳のアムロの声を収録していたので、迷いなく、すんなり入ることができました。40年ぶりの劇場版で主人公としてアムロを演じることはものすごくうれしいことです。安彦良和先生の絵、大きなスクリーンで演じることを楽しみにしていました。
--武内さんは、出演が決まり、感じたことは?
武内さん 親の影響で1970、80年代のアニメを見て、その年代の声優の方に憧れ、声優を目指すようになりました。憧れていた「ガンダム」に参加できることがうれしかったですし、光栄でした。古谷さんをはじめとする皆さんと掛け合うことができ、プレッシャーもありましたが、ワクワクしていました。ドアンは、大先輩の古谷さんが演じるアムロを導く存在でないといけません。声優ならではのことですよね。うまくやろう!とするのではなく、役としての年齢感を丁寧に作り込み、自分自身の等身大の感性をぶつけていこうとしました。
--テレビアニメ第15話「ククルス・ドアンの島」は、根強い人気のエピソードです。
古谷さん いきなり「ククルス・ドアン」なんだ!?とびっくりしました。(安彦さんのマンガが原作のアニメ)「THE ORIGIN」の流れがあったので、(テレビアニメ第1話の)「ガンダム大地に立つ!!」から始まるのかな?と期待をしていたところもあったので。あの話をどうやって映画にするんだろう?という疑問がありました。独立したエピソードですし、一本の映画として成立しやすいのかもしれません。
--「機動戦士ガンダム」らしいエピソードなのかもしれません。
古谷さん アムロと敵であるジオン脱走兵のドアンの触れ合いが描かれています。壁を乗り越えて分かり合うのが大きなテーマになっていて、すてきなお話です。テレビシリーズは諸事情で、映像、表現の部分でもったいないところもありました。それが、ファンの間でも話題になっているのですが。安彦良和先生がすごい熱量で、緻密に丁寧に映像化してくださったことがうれしいです。
--武内さんが感じる「機動戦士ガンダム」の魅力は?
武内さん 「ガンダム」は長く続いていますし、いろいろなシリーズがあり、知識がないと見られないのかな?と思うかもしれません。でも、触れてみると、大事なのはそこじゃないんですよね。設定が分からなくても楽しめる作品です。今回の映画は特にそうです。「ガンダム」を知るきっかけになるかもしれません。なぜ、人が争うのか?を一方の視点だけで描くのではなく、さまざまな意見を描く。視聴者は、中立な立場で見ることができます。今では、そういう作品も増えましたが、当時としてはどっちが敵なの?となる作品は珍しかったのかもしれません。そこが魅力だと感じています。
◇話題のドアン専用ザクの魅力 ディテールにも注目
--劇場版になった「ククルス・ドアンの島」の印象は?
武内さん 第15話を基にしていますが、ドアンの人物像が若干変わっています。作り込まれ、明確になったこともあります。子供の人数も増え、それぞれの性格などもしっかり描かれています。僕が印象的だったのは、アムロに突っかかるアムロと同年代の青年です。第15話では、若いアムロの葛藤が描かれていましたが、同年代のキャラクターが登場することで、アムロがもがく様子がより見えてきたところがあります。
古谷さん アムロは、ドアン、子供たちと触れ合い、敵の中にもこんなに心の優しいよい人がいるんだ……と見方が変わります。武内さんも言っていたように、アムロが、同世代の子供と触れ合う中で、ドアンに対する見方が変わっていきます。結局、戦いで犠牲になるのは子供たちです。それを守るのは大人だと考えさせられました。
--ドアン専用ザクのデザインも話題になっています。
武内さん 当時、意図せず生まれた雰囲気を残しつつ、改修したという設定によって、スタイリッシュに見えます。オリジナリティーもあり、いいデザインですよね。個人的に、主人公じゃない方のメカを好きになる傾向があるので、すごくテンションが上がりました。しかも、アムロと戦えるわけですから。うれしいです。
古谷さん 独特の迫力、存在感があります。それに、しなやかなんですよね。最新の技術で描かれた映像を見て、感動しました。これだよな!と。
武内さん 僕はザク、ズゴック、アッガイが好きなんです。モノアイだけど、表情を感じ取れるようなところもあります。ファーストガンダム(テレビアニメ第1作)を見返し、「ククルス・ドアンの島」のモビルスーツを見ると、やっぱり普遍的な魅力がある!と感じました。現代に合わせてデザインを変えても、ザク、ガンダムだと分かる。すごいことですよね。今見ても古く感じない。
--第15話では、ザクがパンチを繰り出したり、石を投げるシーンも話題になりました。
武内さん その要素も反映されていて、おっ!となるところはあります。楽しみにしていただければ。
古谷さん ドアン専用ザクとガンダムが戦い、アムロは必死だけど、まだ完璧にガンダムを操れません。必死さや未熟さが現れます。もちろん格好いいシーンもありますよ!
武内さん 戦いを盛り上げるための背景の作り込みもすごいですよね。決闘、命を懸けた盛り上がりが背景によってパワーアップしています。ディテールにも注目していただければ。
◇古谷徹の魂を感じる! 武内駿輔の演技に「いける!」
--武内さんの演技を聞いた印象は?
古谷さん 昨年12月に一人でアフレコをして、当時は誰がドアンを演じるか知らなかったので、こういう声だろうな?と想像していたんです。別録(ど)りなので、大丈夫なのかな?という不安もありました。完成した映像を見て、武内さんの声を初めて聞きました。武内さんとは会ったこともなかったので、どんな人なのかな?とも思っていたけど、ドアンの声を聞いて、僕が思っていたイメージにぴったりだ!となりました。よかった!と安どしましたし、いける!と思いました。
武内さん 本当にうれしいです。ありがとうございます。僕は、古谷さんの声を聞きながら収録しました。プレッシャーもありましたが、古谷さんの演技に導いていただきました。長年アムロを演じられてきた古谷さんの魂を感じました。今回はいい経験になりました。僕も将来、こうなりたい!と思いました。
--お二人の熱演もあり、「ククルス・ドアンの島」は素晴らしい作品になりました。
古谷さん いつか「THE ORIGIN」で、また15歳のアムロを演じるものとも思っていましたし、正直に言うともう一度、ファーストガンダムでアムロを全部演じたいとも思っていました。でも、安彦先生、みんなの力を集結し、熱い思いによってできた「ククルス・ドアンの島」が、すてきな映画になり、すごくよかったと思っています。
◇40年ぶり劇場版 15歳のアムロが「すごくうれしい」
--古谷さんが劇場版で15歳のアムロを演じるのは、1982年公開の「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙」以来になります。
古谷さん 毎年のようにゲームなどいろいろなメディアで15歳のアムロの声を収録していたので、迷いなく、すんなり入ることができました。40年ぶりの劇場版で主人公としてアムロを演じることはものすごくうれしいことです。安彦良和先生の絵、大きなスクリーンで演じることを楽しみにしていました。
--武内さんは、出演が決まり、感じたことは?
武内さん 親の影響で1970、80年代のアニメを見て、その年代の声優の方に憧れ、声優を目指すようになりました。憧れていた「ガンダム」に参加できることがうれしかったですし、光栄でした。古谷さんをはじめとする皆さんと掛け合うことができ、プレッシャーもありましたが、ワクワクしていました。ドアンは、大先輩の古谷さんが演じるアムロを導く存在でないといけません。声優ならではのことですよね。うまくやろう!とするのではなく、役としての年齢感を丁寧に作り込み、自分自身の等身大の感性をぶつけていこうとしました。
--テレビアニメ第15話「ククルス・ドアンの島」は、根強い人気のエピソードです。
古谷さん いきなり「ククルス・ドアン」なんだ!?とびっくりしました。(安彦さんのマンガが原作のアニメ)「THE ORIGIN」の流れがあったので、(テレビアニメ第1話の)「ガンダム大地に立つ!!」から始まるのかな?と期待をしていたところもあったので。あの話をどうやって映画にするんだろう?という疑問がありました。独立したエピソードですし、一本の映画として成立しやすいのかもしれません。
--「機動戦士ガンダム」らしいエピソードなのかもしれません。
古谷さん アムロと敵であるジオン脱走兵のドアンの触れ合いが描かれています。壁を乗り越えて分かり合うのが大きなテーマになっていて、すてきなお話です。テレビシリーズは諸事情で、映像、表現の部分でもったいないところもありました。それが、ファンの間でも話題になっているのですが。安彦良和先生がすごい熱量で、緻密に丁寧に映像化してくださったことがうれしいです。
--武内さんが感じる「機動戦士ガンダム」の魅力は?
武内さん 「ガンダム」は長く続いていますし、いろいろなシリーズがあり、知識がないと見られないのかな?と思うかもしれません。でも、触れてみると、大事なのはそこじゃないんですよね。設定が分からなくても楽しめる作品です。今回の映画は特にそうです。「ガンダム」を知るきっかけになるかもしれません。なぜ、人が争うのか?を一方の視点だけで描くのではなく、さまざまな意見を描く。視聴者は、中立な立場で見ることができます。今では、そういう作品も増えましたが、当時としてはどっちが敵なの?となる作品は珍しかったのかもしれません。そこが魅力だと感じています。
◇話題のドアン専用ザクの魅力 ディテールにも注目
--劇場版になった「ククルス・ドアンの島」の印象は?
武内さん 第15話を基にしていますが、ドアンの人物像が若干変わっています。作り込まれ、明確になったこともあります。子供の人数も増え、それぞれの性格などもしっかり描かれています。僕が印象的だったのは、アムロに突っかかるアムロと同年代の青年です。第15話では、若いアムロの葛藤が描かれていましたが、同年代のキャラクターが登場することで、アムロがもがく様子がより見えてきたところがあります。
古谷さん アムロは、ドアン、子供たちと触れ合い、敵の中にもこんなに心の優しいよい人がいるんだ……と見方が変わります。武内さんも言っていたように、アムロが、同世代の子供と触れ合う中で、ドアンに対する見方が変わっていきます。結局、戦いで犠牲になるのは子供たちです。それを守るのは大人だと考えさせられました。
--ドアン専用ザクのデザインも話題になっています。
武内さん 当時、意図せず生まれた雰囲気を残しつつ、改修したという設定によって、スタイリッシュに見えます。オリジナリティーもあり、いいデザインですよね。個人的に、主人公じゃない方のメカを好きになる傾向があるので、すごくテンションが上がりました。しかも、アムロと戦えるわけですから。うれしいです。
古谷さん 独特の迫力、存在感があります。それに、しなやかなんですよね。最新の技術で描かれた映像を見て、感動しました。これだよな!と。
武内さん 僕はザク、ズゴック、アッガイが好きなんです。モノアイだけど、表情を感じ取れるようなところもあります。ファーストガンダム(テレビアニメ第1作)を見返し、「ククルス・ドアンの島」のモビルスーツを見ると、やっぱり普遍的な魅力がある!と感じました。現代に合わせてデザインを変えても、ザク、ガンダムだと分かる。すごいことですよね。今見ても古く感じない。
--第15話では、ザクがパンチを繰り出したり、石を投げるシーンも話題になりました。
武内さん その要素も反映されていて、おっ!となるところはあります。楽しみにしていただければ。
古谷さん ドアン専用ザクとガンダムが戦い、アムロは必死だけど、まだ完璧にガンダムを操れません。必死さや未熟さが現れます。もちろん格好いいシーンもありますよ!
武内さん 戦いを盛り上げるための背景の作り込みもすごいですよね。決闘、命を懸けた盛り上がりが背景によってパワーアップしています。ディテールにも注目していただければ。
◇古谷徹の魂を感じる! 武内駿輔の演技に「いける!」
--武内さんの演技を聞いた印象は?
古谷さん 昨年12月に一人でアフレコをして、当時は誰がドアンを演じるか知らなかったので、こういう声だろうな?と想像していたんです。別録(ど)りなので、大丈夫なのかな?という不安もありました。完成した映像を見て、武内さんの声を初めて聞きました。武内さんとは会ったこともなかったので、どんな人なのかな?とも思っていたけど、ドアンの声を聞いて、僕が思っていたイメージにぴったりだ!となりました。よかった!と安どしましたし、いける!と思いました。
武内さん 本当にうれしいです。ありがとうございます。僕は、古谷さんの声を聞きながら収録しました。プレッシャーもありましたが、古谷さんの演技に導いていただきました。長年アムロを演じられてきた古谷さんの魂を感じました。今回はいい経験になりました。僕も将来、こうなりたい!と思いました。
--お二人の熱演もあり、「ククルス・ドアンの島」は素晴らしい作品になりました。
古谷さん いつか「THE ORIGIN」で、また15歳のアムロを演じるものとも思っていましたし、正直に言うともう一度、ファーストガンダムでアムロを全部演じたいとも思っていました。でも、安彦先生、みんなの力を集結し、熱い思いによってできた「ククルス・ドアンの島」が、すてきな映画になり、すごくよかったと思っています。
生きていられることが、今は幸せだと感じているーー堂本剛が、自分の歌で伝えたいこと(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)
「自分で楽曲を作って歌うということ。それは自炊に近い。心も体もすごく楽なんです」
シンガー・ソングライターの活動を始めて20周年、堂本剛は今、もっとも自分らしい状態にあるという。“本当の自分で生きられる喜び”を表現したものが、自分の作る音楽。この思いと行動が誰かの人生の、自分らしさを取り戻す幸せへとつながればうれしい……多忙なアイドル時代を駆け抜け、自身も生きづらさを抱えたからこそ見えてきた境地がある。仕事への矜持、そして死生観。堂本剛を突き動かすものとは。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
>インスタグラムの使い方を「間違いたい」
およそ1年前から堂本剛が始めたインスタグラムは、はなから不思議なものだった。ポートレートはほぼ同じアングルで、どんどん眉毛が濃くなっていき、最後には額全体がアイブロウで埋め尽くされる。コメントは一言、「どうもジャニーズです」。まるでモダンアートだ。何か強いメッセージ性を帯びているようにも見える。その後も眉毛写真の投稿は続き、ネット上ではさまざまな臆測が飛び交った。
これについて、本人はこともなげに語る。
「テーマは『インスタの使い方を間違いたい』でした。隙間時間で、他人の眉毛が太くなり、元に戻っていく写真を見るという無駄な時間をご提供することで、『笑い』『勇気』『なんでやねん』が発生すればいいなという、そんな発想です。無駄な時間って幸せだったりしませんか? 個人の日常を羅列するだけではなくて、こんな時代、笑ってほしくて、これ何? 説明して?ってみんなが困惑つっこみするようなものを軸にしました。インスタグラムを、宣伝の空間として使いつつ笑かしにかかっています。事務所の人たちがインスタをやりやすい環境にもつながればと思い、僕はこんな行動をしてみました。」
>「ジャニーズっぽくない」と言われて
「アーティスティック」「生活感がない」「不思議」「自由」……。
こうした堂本剛のイメージは、ジャニーズ事務所において相対的なものとして捉えられることが多い。堂本自身、それをよく理解していた。
「世の中に存在するイメージというものの多くは、第三者が作り上げているものじゃないですか? 僕はそんなことを言っていない、思っていないのに勝手にそうされてしまっている。その人の中では、『言いそう』で、『思ってそう』なんでしょうね。僕の周りにいる人は、僕を理解してくれています。理解するタイミングがない人は、丁寧に想像する前に疲れ、自分の情報の中だけで計算し決めつけた僕という答えを出して終わらせてしまうからか……導き出した答えと現実の僕、それが合わないから『~っぽくない』ということに自然となるんでしょうね」
かつて堂本は、「自由」ではなかった。
デビューしてすぐに大ブレーク。10代の頃は毎日3時間睡眠で、休日は年に3日。分刻みのスケジュールで動き、周囲の求めに応じて表情をつくった。しだいに堂本のメンタルには亀裂が入っていく。多忙な時期の記憶は、ほとんどが失われている。
故ジャニー喜多川の勧めでシンガー・ソングライターとなり、「自分らしく生きる選択」ができるようになったと実感した頃には、30代になっていた。
「最近でこそ、自分らしさが尊重される時代になってきましたけど、今でも自分らしく生きられない人、素直に生きる勇気や場所がない人たちがたくさんいます。世の中は自分らしく生きている人を批判するのではなく、『自分らしく生きる幸せ』を、みんなで優しい心を持って話すだけでいいのにな、と思うんです。優しい心で話しているうちに、人は本当の自分になれるものですから」
「ジャニーズらしさ」は、年々変わっていくもの。こだわることではない。一番大事なのは自分であり、それをファンの人たちにつなげること……堂本がジャニーズに所属し続ける理由は、ここにある。
「柔らかく穏やかに、そういう感覚で僕は生きているからこそ、『ジャニーズっぽくない』カテゴリーに入れられてしまうのかもしれないけど。全てを事務所の許可を得て生きて来ました。事務所に直談判に行くこともあります。たくさんの人を動かすことになるので、一筋縄ではいかないこともある。でも理由や展望を持って話しにいくので、何言ってんの?って弾かれてしまうことはないですね。クリアしていきたいと思っていることはまだまだありますけど。少しずつです。ジャニーズは積極的にSNSに参戦する会社ではなかったけど、それが時代とともに変わってきました。僕が変化してもせずとも、変化していく時代というものがあるので、その時代に反応と順応をしたいと、柔軟に動いているところです」
ジャニーズ事務所では特別な立場にあるように見える堂本だが、単に自由なのではない。それを獲得するために、試行錯誤を続けてきたプロセスがあるのだ。
>人任せにしていたら滞るし、自分で動いたほうが早い
「自分で動く」。インタビューの間、堂本が何度も口にした言葉だ。
アイデアを形にするまでの動きはいつもスピーディーで、さらに二手、三手まで先を見ている。
「こんな世界状況の中でも、お金を出して作品を買ってくださる人がいる。僕が自分らしく仕事をしている姿を、家族や後輩君たちが見てくれている。そう考えたら、素直に動けます。人任せにしていたら滞るし、自分で動いたほうが早い。例えば伝言ゲームで、中継ぎの人が先方に納期を伝える時間が遅れ、作業していただけたはずの時間が減り、締め切りを縮めたり、完成を遅らせてしまったりすることがある。そういう仕事の仕方をする人は多いから、疲れることがあります。作り手、職人の作品に対して必要な時間、作業工程などが、その立場でない人からすると想像してあげられないんでしょうね。だから、直接やりとりすることがほとんどです。相手の心を考えて動くことも、仕事ですから。毎日くたくたですけど」
それでも音楽を作ることは、この上なく楽しい。仕事のスピード感を大切にしているのも、生まれたばかりのアイディアを、新鮮なうちに楽曲として閉じ込めたいとの思いからだ。
「極端にいえば、今このインタビュー中でも曲がひらめいたら、PCを開いてキーボードで打ち込みたくなる、というくらい、アイデアの鮮度を大切にしています」
頭の中で鳴る音楽を可視化し、音符に換えていく。音色を探して、演奏し、形作っていく。予想外に生まれるノイズやバグが、ドラマチックな音につながることがある。
「こういう一連の作業は、生きているからこそできることで、魂になったら、想像を形にすることもできなくなるんです。だから音楽を作ることは、命あることに感謝することでもあるんです。ただ、作品が出来上がって、リリースをするまでには時間がずいぶんと経過するので、リリース時にはもう自分が違うステージに行っていることがほとんど。だから、きょう曲を作ったら1週間後ぐらいにリリースする、そんな時代がくればいいのになって、思ったりもします。メッセージを強く込めた作品は、時代が流れている分、タイミングもクリエーティブの一部なんです」
ラブソングよりも、命や愛を歌いたい。
これは自身が心に傷を負い、パニック障害や突発性難聴に苦しんだ経験から、強く意識するようになったことだ。
「世の中の人々が、理由を持ってたどり着いた傷とか痛みに寄り添う歌詞、メロディー。その役目を持つ楽曲にあの頃の僕は救われ、もう一度生きようという気持ちにまで立ち戻れました。だから自分が作る音楽も、そういう役目でありたい。ジャニーズっぽくないと言われてもいいんです。もっとラブソングのほうが売れるよとか、うん、わかってるけど、ジャニーズにもいろんな歌が存在していいし、自分で作る音楽に、自分ではない歌声を選択することは、しない。限界の中で命を諦めようとしている人を救える音楽を作りたいって、僕は本気で思っているんです。自分と同じ経験をしている人を思いながら書いています。そんな中で少し変わったことは、世界的な問題が起き、みんなが同じ傷や痛みを共有する今、ポジティブな曲を書くようにもなりました。これまで使ってこなかったような、明るい言葉を綴ったりしながら」
>シンガー・ソングライターを続けることは、ジャニーさんの思いを持続させること
10代は、毎日、命が苦しいと思って生きていた。
「いろんな人に助けていただいて、もう一度生きよう、そう思わせてもらえたから僕は生きているんです。その人たちがいなかったら、今この世に僕はいません。当時は変人扱いされたけれど、でも、人は、傷つけば死にたいと思ってしまうものです。そんな人が世の中にはたくさんいること、それをみんなで理解して生きるべきだと、僕は思う。生きたいのに、生きられない人もいるんですよ」
ジャニーズだから、命や愛をテーマにした重い歌を歌ってはいけない? それは違う、と堂本は首を振る。
「ポップな曲はたくさんの人の心を幸せにする。それも理解はしています。命と愛が重たいと言うのなら、人は重たい存在となってしまいます。僕らは愛の果てに生まれた命なのに。重たいと認識してしまうのは悲しいし不思議です。だから、人が理由あってたどり着いた涙や傷に寄り添った曲も、たくさんの人の心を幸せにすると、本気で僕は思っています。死にたいと思わされてしまった経験がない人からは理解されづらいんですけど。僕自身がそう思った過去が悲しくもありました。でも、生きていられることが、今は幸せだと感じていることを、歌を通してあの頃の自分にも、同じように過ごす人たちにも伝えたい。一人で音楽を作る時は、その心を生きたいと思うし、提供したいと思っています」
ジャニーズ事務所には、ほかに“シンガー・ソングライター”として立っている者はいない。
「ジャニーさんに声をかけてもらって、この会社に入り、またジャニーさんからの提案を受けてシンガー・ソングライターになった。形がないゼロの状態から始まり、1にすること。そして、1から2……10へとつなげていくのは生半可な思いでいたら不可能なことですからね」
「そして、いまだやっているのが僕だけだからそれはそれは大変なことも多いけど、ある程度の分かりきった答えに向かうのもつまらないし、続けてこられたのはそれを楽しんできているからです。続けることは、ジャニーさんの思いを持続させることにもなると思っています。今はジャニーズの中で、音楽家のエリアは大きくないですけど、ここを整理整頓する位置にいられたらいいなとは思ってます。後輩君たちにも歌いたい歌があるだろうし、一人ひとりの歌唱スキルを把握して、声の魅力を引き出してもあげたいし、そういうディレクションまでを、本当はやってあげたいですね」
才能のある人たちを、解き放ってあげたい。堂本はまっすぐにそう語った。
今年はシンガー・ソングライターとして、デビュー20周年。ENDRECHERIとして精力的に楽曲をリリース、夏フェスへの参加も決まった。GYAOでの新番組「つよしP」を始動し、ZOZOとのファッションデザインやLINE VOOMなど、さまざまな企画を展開する。
「『決めつけ』るのではなく、素直に発想を出すこと、変で、妙で、面白くて、独創的なモノをたくさん作り、それらをいろんなコンテンツを通して表現する一度きりの僕の人生でありたい。そして『本当の自分を生きることの幸せ』が伝染していくといいなと思っています。僕の心が、『決めつけ』で苦しんで生きている人たちの心に届いて、自分らしく生きてみようという笑顔を与えられたなら、とても幸せだなって思います」
「自分で楽曲を作って歌うということ。それは自炊に近い。心も体もすごく楽なんです」
シンガー・ソングライターの活動を始めて20周年、堂本剛は今、もっとも自分らしい状態にあるという。“本当の自分で生きられる喜び”を表現したものが、自分の作る音楽。この思いと行動が誰かの人生の、自分らしさを取り戻す幸せへとつながればうれしい……多忙なアイドル時代を駆け抜け、自身も生きづらさを抱えたからこそ見えてきた境地がある。仕事への矜持、そして死生観。堂本剛を突き動かすものとは。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
>インスタグラムの使い方を「間違いたい」
およそ1年前から堂本剛が始めたインスタグラムは、はなから不思議なものだった。ポートレートはほぼ同じアングルで、どんどん眉毛が濃くなっていき、最後には額全体がアイブロウで埋め尽くされる。コメントは一言、「どうもジャニーズです」。まるでモダンアートだ。何か強いメッセージ性を帯びているようにも見える。その後も眉毛写真の投稿は続き、ネット上ではさまざまな臆測が飛び交った。
これについて、本人はこともなげに語る。
「テーマは『インスタの使い方を間違いたい』でした。隙間時間で、他人の眉毛が太くなり、元に戻っていく写真を見るという無駄な時間をご提供することで、『笑い』『勇気』『なんでやねん』が発生すればいいなという、そんな発想です。無駄な時間って幸せだったりしませんか? 個人の日常を羅列するだけではなくて、こんな時代、笑ってほしくて、これ何? 説明して?ってみんなが困惑つっこみするようなものを軸にしました。インスタグラムを、宣伝の空間として使いつつ笑かしにかかっています。事務所の人たちがインスタをやりやすい環境にもつながればと思い、僕はこんな行動をしてみました。」
>「ジャニーズっぽくない」と言われて
「アーティスティック」「生活感がない」「不思議」「自由」……。
こうした堂本剛のイメージは、ジャニーズ事務所において相対的なものとして捉えられることが多い。堂本自身、それをよく理解していた。
「世の中に存在するイメージというものの多くは、第三者が作り上げているものじゃないですか? 僕はそんなことを言っていない、思っていないのに勝手にそうされてしまっている。その人の中では、『言いそう』で、『思ってそう』なんでしょうね。僕の周りにいる人は、僕を理解してくれています。理解するタイミングがない人は、丁寧に想像する前に疲れ、自分の情報の中だけで計算し決めつけた僕という答えを出して終わらせてしまうからか……導き出した答えと現実の僕、それが合わないから『~っぽくない』ということに自然となるんでしょうね」
かつて堂本は、「自由」ではなかった。
デビューしてすぐに大ブレーク。10代の頃は毎日3時間睡眠で、休日は年に3日。分刻みのスケジュールで動き、周囲の求めに応じて表情をつくった。しだいに堂本のメンタルには亀裂が入っていく。多忙な時期の記憶は、ほとんどが失われている。
故ジャニー喜多川の勧めでシンガー・ソングライターとなり、「自分らしく生きる選択」ができるようになったと実感した頃には、30代になっていた。
「最近でこそ、自分らしさが尊重される時代になってきましたけど、今でも自分らしく生きられない人、素直に生きる勇気や場所がない人たちがたくさんいます。世の中は自分らしく生きている人を批判するのではなく、『自分らしく生きる幸せ』を、みんなで優しい心を持って話すだけでいいのにな、と思うんです。優しい心で話しているうちに、人は本当の自分になれるものですから」
「ジャニーズらしさ」は、年々変わっていくもの。こだわることではない。一番大事なのは自分であり、それをファンの人たちにつなげること……堂本がジャニーズに所属し続ける理由は、ここにある。
「柔らかく穏やかに、そういう感覚で僕は生きているからこそ、『ジャニーズっぽくない』カテゴリーに入れられてしまうのかもしれないけど。全てを事務所の許可を得て生きて来ました。事務所に直談判に行くこともあります。たくさんの人を動かすことになるので、一筋縄ではいかないこともある。でも理由や展望を持って話しにいくので、何言ってんの?って弾かれてしまうことはないですね。クリアしていきたいと思っていることはまだまだありますけど。少しずつです。ジャニーズは積極的にSNSに参戦する会社ではなかったけど、それが時代とともに変わってきました。僕が変化してもせずとも、変化していく時代というものがあるので、その時代に反応と順応をしたいと、柔軟に動いているところです」
ジャニーズ事務所では特別な立場にあるように見える堂本だが、単に自由なのではない。それを獲得するために、試行錯誤を続けてきたプロセスがあるのだ。
>人任せにしていたら滞るし、自分で動いたほうが早い
「自分で動く」。インタビューの間、堂本が何度も口にした言葉だ。
アイデアを形にするまでの動きはいつもスピーディーで、さらに二手、三手まで先を見ている。
「こんな世界状況の中でも、お金を出して作品を買ってくださる人がいる。僕が自分らしく仕事をしている姿を、家族や後輩君たちが見てくれている。そう考えたら、素直に動けます。人任せにしていたら滞るし、自分で動いたほうが早い。例えば伝言ゲームで、中継ぎの人が先方に納期を伝える時間が遅れ、作業していただけたはずの時間が減り、締め切りを縮めたり、完成を遅らせてしまったりすることがある。そういう仕事の仕方をする人は多いから、疲れることがあります。作り手、職人の作品に対して必要な時間、作業工程などが、その立場でない人からすると想像してあげられないんでしょうね。だから、直接やりとりすることがほとんどです。相手の心を考えて動くことも、仕事ですから。毎日くたくたですけど」
それでも音楽を作ることは、この上なく楽しい。仕事のスピード感を大切にしているのも、生まれたばかりのアイディアを、新鮮なうちに楽曲として閉じ込めたいとの思いからだ。
「極端にいえば、今このインタビュー中でも曲がひらめいたら、PCを開いてキーボードで打ち込みたくなる、というくらい、アイデアの鮮度を大切にしています」
頭の中で鳴る音楽を可視化し、音符に換えていく。音色を探して、演奏し、形作っていく。予想外に生まれるノイズやバグが、ドラマチックな音につながることがある。
「こういう一連の作業は、生きているからこそできることで、魂になったら、想像を形にすることもできなくなるんです。だから音楽を作ることは、命あることに感謝することでもあるんです。ただ、作品が出来上がって、リリースをするまでには時間がずいぶんと経過するので、リリース時にはもう自分が違うステージに行っていることがほとんど。だから、きょう曲を作ったら1週間後ぐらいにリリースする、そんな時代がくればいいのになって、思ったりもします。メッセージを強く込めた作品は、時代が流れている分、タイミングもクリエーティブの一部なんです」
ラブソングよりも、命や愛を歌いたい。
これは自身が心に傷を負い、パニック障害や突発性難聴に苦しんだ経験から、強く意識するようになったことだ。
「世の中の人々が、理由を持ってたどり着いた傷とか痛みに寄り添う歌詞、メロディー。その役目を持つ楽曲にあの頃の僕は救われ、もう一度生きようという気持ちにまで立ち戻れました。だから自分が作る音楽も、そういう役目でありたい。ジャニーズっぽくないと言われてもいいんです。もっとラブソングのほうが売れるよとか、うん、わかってるけど、ジャニーズにもいろんな歌が存在していいし、自分で作る音楽に、自分ではない歌声を選択することは、しない。限界の中で命を諦めようとしている人を救える音楽を作りたいって、僕は本気で思っているんです。自分と同じ経験をしている人を思いながら書いています。そんな中で少し変わったことは、世界的な問題が起き、みんなが同じ傷や痛みを共有する今、ポジティブな曲を書くようにもなりました。これまで使ってこなかったような、明るい言葉を綴ったりしながら」
>シンガー・ソングライターを続けることは、ジャニーさんの思いを持続させること
10代は、毎日、命が苦しいと思って生きていた。
「いろんな人に助けていただいて、もう一度生きよう、そう思わせてもらえたから僕は生きているんです。その人たちがいなかったら、今この世に僕はいません。当時は変人扱いされたけれど、でも、人は、傷つけば死にたいと思ってしまうものです。そんな人が世の中にはたくさんいること、それをみんなで理解して生きるべきだと、僕は思う。生きたいのに、生きられない人もいるんですよ」
ジャニーズだから、命や愛をテーマにした重い歌を歌ってはいけない? それは違う、と堂本は首を振る。
「ポップな曲はたくさんの人の心を幸せにする。それも理解はしています。命と愛が重たいと言うのなら、人は重たい存在となってしまいます。僕らは愛の果てに生まれた命なのに。重たいと認識してしまうのは悲しいし不思議です。だから、人が理由あってたどり着いた涙や傷に寄り添った曲も、たくさんの人の心を幸せにすると、本気で僕は思っています。死にたいと思わされてしまった経験がない人からは理解されづらいんですけど。僕自身がそう思った過去が悲しくもありました。でも、生きていられることが、今は幸せだと感じていることを、歌を通してあの頃の自分にも、同じように過ごす人たちにも伝えたい。一人で音楽を作る時は、その心を生きたいと思うし、提供したいと思っています」
ジャニーズ事務所には、ほかに“シンガー・ソングライター”として立っている者はいない。
「ジャニーさんに声をかけてもらって、この会社に入り、またジャニーさんからの提案を受けてシンガー・ソングライターになった。形がないゼロの状態から始まり、1にすること。そして、1から2……10へとつなげていくのは生半可な思いでいたら不可能なことですからね」
「そして、いまだやっているのが僕だけだからそれはそれは大変なことも多いけど、ある程度の分かりきった答えに向かうのもつまらないし、続けてこられたのはそれを楽しんできているからです。続けることは、ジャニーさんの思いを持続させることにもなると思っています。今はジャニーズの中で、音楽家のエリアは大きくないですけど、ここを整理整頓する位置にいられたらいいなとは思ってます。後輩君たちにも歌いたい歌があるだろうし、一人ひとりの歌唱スキルを把握して、声の魅力を引き出してもあげたいし、そういうディレクションまでを、本当はやってあげたいですね」
才能のある人たちを、解き放ってあげたい。堂本はまっすぐにそう語った。
今年はシンガー・ソングライターとして、デビュー20周年。ENDRECHERIとして精力的に楽曲をリリース、夏フェスへの参加も決まった。GYAOでの新番組「つよしP」を始動し、ZOZOとのファッションデザインやLINE VOOMなど、さまざまな企画を展開する。
「『決めつけ』るのではなく、素直に発想を出すこと、変で、妙で、面白くて、独創的なモノをたくさん作り、それらをいろんなコンテンツを通して表現する一度きりの僕の人生でありたい。そして『本当の自分を生きることの幸せ』が伝染していくといいなと思っています。僕の心が、『決めつけ』で苦しんで生きている人たちの心に届いて、自分らしく生きてみようという笑顔を与えられたなら、とても幸せだなって思います」
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