台風8号 13日に東海 関東甲信に上陸見込み 線状降水帯も
2022年8月12日 20時55分
台風8号は13日の日中に東海や関東甲信にかなり接近し上陸する見込みです。太平洋側では大雨のおそれがあり、静岡県など東海では13日の日中に線状降水帯の発生も予想されています。お盆の時期とも重なることから最新の情報を確認するようにしてください。
気象庁の観測によりますと、台風8号は12日の午後6時には、紀伊半島の南およそ280キロにあって1時間におよそ15キロの速さで北北東へ進んでいます。
中心の気圧は1002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで暴風域はありませんが、中心の南東側330キロ以内と北西側165キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
台風周辺の暖かく湿った空気の影響で東海などには発達した雨雲がかかっていて、12日の午後8時までの1時間には
▽静岡県富士宮市で47.5ミリ、
▽山梨県富士河口湖町で31ミリの激しい雨が降りました。
台風は、このあとやや速度を上げて13日、土曜日の日中、東海や関東甲信にかなり接近し、上陸する見込みです。台風の接近に伴い東海や関東甲信では局地的に、雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、14日日曜日にかけて大雨になるおそれがあります。
静岡県など東海にはあす日中、発達した雨雲が次々連なる線状降水帯が発生して災害の危険度が急激に高まる可能性があるとしています。
13日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽静岡県で300ミリ
▽関東甲信で200ミリ
▽静岡県をのぞく東海地方で150ミリ
▽東北南部で100ミリ
と予想され、その後14日夕方までの24時間雨量は
▽静岡県で100ミリから200ミリ
▽関東甲信で100ミリから150ミリ
▽静岡県をのぞく東海地方と東北南部で50ミリから100ミリ
と予想され、静岡県を中心に総雨量がかなり増えるおそれがあります。
東海で線状降水帯が発生した場合は局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
また、しだいに風が強まり海上を中心に非常に強い風が吹く見込みです。
関東と伊豆諸島、それに東海では13日に予想される最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルで、波の高さは5メートルとうねりを伴ってしけると予想されています。
気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の急な増水、それに高波に警戒するよう呼びかけています。
強風や落雷、竜巻などの激しい突風にも十分注意が必要です。
お盆の時期とも重なることから最新の情報を確認するようにしてください。
海や川など屋外のレジャーは台風が近づく前から十分な注意が必要です。
交通への影響
13日の東海や関東甲信への台風8号の接近に伴い、一部で交通への影響が見込まれています。
【全日空】
台風の接近に伴って13日、
▽静岡や八丈島を発着する10便の欠航が決まっているほか、
13日の午後3時以降、
▽羽田を発着する便に影響が出る可能性があるということです。
【日本航空】
現時点で台風の接近に伴う欠航はない見通しです。
【JR各社】
◇東海道・東北・上越・北陸、それに山形の各新幹線は、現時点で13日の台風の接近に伴う計画的な運休の予定はないとしていますが、
▽秋田新幹線については、大雨の影響で盛岡駅と秋田駅の間で運休や遅れが発生する可能性があるということです。
◇在来線では、
▽千葉県の木更津駅と上総亀山駅を結ぶ久留里線で、13日の夕方ごろから深夜にかけて19本が運休するほか、
▽JR千葉支社管内の総武本線や、成田線、鹿島線、内房線、外房線、東金線が、夕方以降、運転を取りやめる可能性があるということです。
【都内の主要な鉄道】
13日は、風や雨の影響で列車の遅れや、運転見合わせが発生する場合があるとするところもありますが、現時点で計画的な運休の予定はないということです。
【高速道路】
NEXCO東日本と中日本、それに首都高速道路によりますと、東海や関東甲信の高速道路のうち、▽新東名高速道路は、新静岡インターチェンジと藤枝岡部インターチェンジの間の上下線で、▽東名高速道路は、沼津インターチェンジと富士インターチェンジの間の上下線で、13日の昼から夕方ごろにかけて通行止めになる可能性があるということです。
台風の接近に伴う交通への影響は、今後の雨の降り方などの状況によることから、交通各社はホームページなどで最新の情報を確認するとともに、スケジュールに余裕を持って移動するよう呼びかけています。
2022年8月12日 20時55分
台風8号は13日の日中に東海や関東甲信にかなり接近し上陸する見込みです。太平洋側では大雨のおそれがあり、静岡県など東海では13日の日中に線状降水帯の発生も予想されています。お盆の時期とも重なることから最新の情報を確認するようにしてください。
気象庁の観測によりますと、台風8号は12日の午後6時には、紀伊半島の南およそ280キロにあって1時間におよそ15キロの速さで北北東へ進んでいます。
中心の気圧は1002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで暴風域はありませんが、中心の南東側330キロ以内と北西側165キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。
台風周辺の暖かく湿った空気の影響で東海などには発達した雨雲がかかっていて、12日の午後8時までの1時間には
▽静岡県富士宮市で47.5ミリ、
▽山梨県富士河口湖町で31ミリの激しい雨が降りました。
台風は、このあとやや速度を上げて13日、土曜日の日中、東海や関東甲信にかなり接近し、上陸する見込みです。台風の接近に伴い東海や関東甲信では局地的に、雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り、14日日曜日にかけて大雨になるおそれがあります。
静岡県など東海にはあす日中、発達した雨雲が次々連なる線状降水帯が発生して災害の危険度が急激に高まる可能性があるとしています。
13日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽静岡県で300ミリ
▽関東甲信で200ミリ
▽静岡県をのぞく東海地方で150ミリ
▽東北南部で100ミリ
と予想され、その後14日夕方までの24時間雨量は
▽静岡県で100ミリから200ミリ
▽関東甲信で100ミリから150ミリ
▽静岡県をのぞく東海地方と東北南部で50ミリから100ミリ
と予想され、静岡県を中心に総雨量がかなり増えるおそれがあります。
東海で線状降水帯が発生した場合は局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
また、しだいに風が強まり海上を中心に非常に強い風が吹く見込みです。
関東と伊豆諸島、それに東海では13日に予想される最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートルで、波の高さは5メートルとうねりを伴ってしけると予想されています。
気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の急な増水、それに高波に警戒するよう呼びかけています。
強風や落雷、竜巻などの激しい突風にも十分注意が必要です。
お盆の時期とも重なることから最新の情報を確認するようにしてください。
海や川など屋外のレジャーは台風が近づく前から十分な注意が必要です。
交通への影響
13日の東海や関東甲信への台風8号の接近に伴い、一部で交通への影響が見込まれています。
【全日空】
台風の接近に伴って13日、
▽静岡や八丈島を発着する10便の欠航が決まっているほか、
13日の午後3時以降、
▽羽田を発着する便に影響が出る可能性があるということです。
【日本航空】
現時点で台風の接近に伴う欠航はない見通しです。
【JR各社】
◇東海道・東北・上越・北陸、それに山形の各新幹線は、現時点で13日の台風の接近に伴う計画的な運休の予定はないとしていますが、
▽秋田新幹線については、大雨の影響で盛岡駅と秋田駅の間で運休や遅れが発生する可能性があるということです。
◇在来線では、
▽千葉県の木更津駅と上総亀山駅を結ぶ久留里線で、13日の夕方ごろから深夜にかけて19本が運休するほか、
▽JR千葉支社管内の総武本線や、成田線、鹿島線、内房線、外房線、東金線が、夕方以降、運転を取りやめる可能性があるということです。
【都内の主要な鉄道】
13日は、風や雨の影響で列車の遅れや、運転見合わせが発生する場合があるとするところもありますが、現時点で計画的な運休の予定はないということです。
【高速道路】
NEXCO東日本と中日本、それに首都高速道路によりますと、東海や関東甲信の高速道路のうち、▽新東名高速道路は、新静岡インターチェンジと藤枝岡部インターチェンジの間の上下線で、▽東名高速道路は、沼津インターチェンジと富士インターチェンジの間の上下線で、13日の昼から夕方ごろにかけて通行止めになる可能性があるということです。
台風の接近に伴う交通への影響は、今後の雨の降り方などの状況によることから、交通各社はホームページなどで最新の情報を確認するとともに、スケジュールに余裕を持って移動するよう呼びかけています。
夏アニメ『異世界おじさん』第2話放送後インタビュー:福山 潤さん(たかふみ役)|上京したての孤独を癒やしてくれたゲームとは?【連載 第2回】
ーー原作の魅力を教えてください。
福山:おじさんが異世界に転生して無双するお話かと思いきや、おじさんが異世界で「無双してた」。という切り口で過去の異世界と現在の現実世界でのちょっとズレたコメディ、に加えてSEGAへの愛があふれる偏りポイントも含めた、魅力あふれる作品ですね。
ーーTVアニメ『異世界おじさん』はいかがでしたか? アニメならではの魅力はどんなところでしょうか?
福山:ビジュアルの演出面から感じたことですが、コメディとしての緩急を画面の中でかなり気を使いながら構築している印象を得ました。というと評論っぽくなりますが、素直に面白い仕上がりになっていて嬉しかったです。
細かいところで言えば、異世界でのおじさんを視聴する演出が、一見してわかるように工夫されていて、そこから現実のたかふみやおじさんの様子との対比などもとても面白かったです。
音響面では、かなり試行錯誤して音作りをしたのではないかと感じました。BGMを入れる入れないシーンの匙加減や、台詞とのバランスなど、結構勇気のいる選択をしていて、しかもそれが上手くいっているから面白く観て聴けるんだろうと思います。
まぁゴタクは抜きにしてアニメ版も面白い作品だということです(笑)。
ーーたかふみを演じるときに意識していたことはどんなことですか?
福山:ディレクションとしては、根本的なところとして、僕が感じる見た目や年齢設定から感じるポイントよりも若干年齢感を下げて作ってみて、というオーダーをいただきました。
コメディとしての仕掛けや、おじさんとのバランス、そして先のエピソードの展開等を総合的に見て、そういう指示を出していると思うのですが、それを第1話で提示していただけたので、そこから先はとてもスムーズに構築することができました。
あとは各シーンにおいてツッコミの役割を担うので、その匙加減を派手にいくか、会話なりにいくかのジャッジを丁寧に判断していただきました。
僕のアイデアもかなり柔軟に受け入れてもいただけて、演出を受けることも提示することも、かなり楽しい収録でした。
ーーたかふみはどんなキャラクターで、どんなところを見てほしいですか?
福山:根は悪い奴ではないのは勿論なのですが、若干歪んだ闇を垣間見せるところが彼の最大の魅力だと思います(笑)。
おじさんと血縁なんだな、と感じるほど自身の色恋には鈍感で自身への承認がややひねくれているところも面白いですね。
鬱屈したモノや現実逃避としての妄想が、おじさんの帰還によって昇華されていくところも含めて愛すべき馬鹿の一人なのだと思います。
ーー第2話で印象的だったシーンはどこですか?
福山:まずは冒頭のセガサターンのソフトランキングについてのおじさんの感情ですね。
そこは全くの同意見でしたw
あと、それを知らないたかふみとの温度差と無駄に派手な落雷&放電下でのおじさんの慟哭の叫び。
きっと共感を得た方も少なくないはず。
ーーたかふみは、おじさん、藤宮との掛け合いが多いですが、掛け合いはいかがでしたか?
福山:藤宮の小松さんには収録でかなり助けられました。
収録でのタイミングや、たかふみと藤宮のユニゾン、掛け合いのテンポ感などなど、そういった部分でかなり僕に合わせて演じてくれていたんです。
小松さんのやりやすいポイントも別にあったと思うのですが、そういうところをサラッとカバーしてくれていたりしてとても助かりました。
そして、小松さんと2人で子安さんのおじさんから繰り出されるパワーワードの数々に爆笑もしていました。
その様を、子安さんは別室での同時収録形式だったため見れていません(笑)。作中よろしく子安さんも孤独と戦っていたのです。
ーーSEGA愛が強いアニメですが、福山さんがSEGAのゲーム機で一番好きだったゲームは何ですか?
福山:セガサターンを買い、メガドライブも買い、ゲームギアも実は持っていました。
それぞれに好きなものはありますが、メガドライブですごくプレイしていたのは『シャイニングフォース』シリーズ。セガサターンで特に好きだったのは『GOTHA イスマイリア戦役』『ガーディアンヒーローズ』などですね。
調べてみたら『QUOVADIS 2 惑星強襲オヴァン・レイ』は1997年の4月発売だったようです。僕が上京してすぐなので(1997年4月上京)、慣れない環境での孤独を癒してくれていたのかもしれないですね(笑)。
ーー『異世界おじさん』3話以降の見どころをお願いします。
福山:異世界でも若きおじさんの物語も、現実でのズレたおじさんとたかふみのやり取りもずっと面白いのですが、各話に出てくるゲストキャラもかなり楽しんでいただけるので、そういったところも余すところなく味わっていただければ幸いです!
[構成・塚越淳一]
ーー原作の魅力を教えてください。
福山:おじさんが異世界に転生して無双するお話かと思いきや、おじさんが異世界で「無双してた」。という切り口で過去の異世界と現在の現実世界でのちょっとズレたコメディ、に加えてSEGAへの愛があふれる偏りポイントも含めた、魅力あふれる作品ですね。
ーーTVアニメ『異世界おじさん』はいかがでしたか? アニメならではの魅力はどんなところでしょうか?
福山:ビジュアルの演出面から感じたことですが、コメディとしての緩急を画面の中でかなり気を使いながら構築している印象を得ました。というと評論っぽくなりますが、素直に面白い仕上がりになっていて嬉しかったです。
細かいところで言えば、異世界でのおじさんを視聴する演出が、一見してわかるように工夫されていて、そこから現実のたかふみやおじさんの様子との対比などもとても面白かったです。
音響面では、かなり試行錯誤して音作りをしたのではないかと感じました。BGMを入れる入れないシーンの匙加減や、台詞とのバランスなど、結構勇気のいる選択をしていて、しかもそれが上手くいっているから面白く観て聴けるんだろうと思います。
まぁゴタクは抜きにしてアニメ版も面白い作品だということです(笑)。
ーーたかふみを演じるときに意識していたことはどんなことですか?
福山:ディレクションとしては、根本的なところとして、僕が感じる見た目や年齢設定から感じるポイントよりも若干年齢感を下げて作ってみて、というオーダーをいただきました。
コメディとしての仕掛けや、おじさんとのバランス、そして先のエピソードの展開等を総合的に見て、そういう指示を出していると思うのですが、それを第1話で提示していただけたので、そこから先はとてもスムーズに構築することができました。
あとは各シーンにおいてツッコミの役割を担うので、その匙加減を派手にいくか、会話なりにいくかのジャッジを丁寧に判断していただきました。
僕のアイデアもかなり柔軟に受け入れてもいただけて、演出を受けることも提示することも、かなり楽しい収録でした。
ーーたかふみはどんなキャラクターで、どんなところを見てほしいですか?
福山:根は悪い奴ではないのは勿論なのですが、若干歪んだ闇を垣間見せるところが彼の最大の魅力だと思います(笑)。
おじさんと血縁なんだな、と感じるほど自身の色恋には鈍感で自身への承認がややひねくれているところも面白いですね。
鬱屈したモノや現実逃避としての妄想が、おじさんの帰還によって昇華されていくところも含めて愛すべき馬鹿の一人なのだと思います。
ーー第2話で印象的だったシーンはどこですか?
福山:まずは冒頭のセガサターンのソフトランキングについてのおじさんの感情ですね。
そこは全くの同意見でしたw
あと、それを知らないたかふみとの温度差と無駄に派手な落雷&放電下でのおじさんの慟哭の叫び。
きっと共感を得た方も少なくないはず。
ーーたかふみは、おじさん、藤宮との掛け合いが多いですが、掛け合いはいかがでしたか?
福山:藤宮の小松さんには収録でかなり助けられました。
収録でのタイミングや、たかふみと藤宮のユニゾン、掛け合いのテンポ感などなど、そういった部分でかなり僕に合わせて演じてくれていたんです。
小松さんのやりやすいポイントも別にあったと思うのですが、そういうところをサラッとカバーしてくれていたりしてとても助かりました。
そして、小松さんと2人で子安さんのおじさんから繰り出されるパワーワードの数々に爆笑もしていました。
その様を、子安さんは別室での同時収録形式だったため見れていません(笑)。作中よろしく子安さんも孤独と戦っていたのです。
ーーSEGA愛が強いアニメですが、福山さんがSEGAのゲーム機で一番好きだったゲームは何ですか?
福山:セガサターンを買い、メガドライブも買い、ゲームギアも実は持っていました。
それぞれに好きなものはありますが、メガドライブですごくプレイしていたのは『シャイニングフォース』シリーズ。セガサターンで特に好きだったのは『GOTHA イスマイリア戦役』『ガーディアンヒーローズ』などですね。
調べてみたら『QUOVADIS 2 惑星強襲オヴァン・レイ』は1997年の4月発売だったようです。僕が上京してすぐなので(1997年4月上京)、慣れない環境での孤独を癒してくれていたのかもしれないですね(笑)。
ーー『異世界おじさん』3話以降の見どころをお願いします。
福山:異世界でも若きおじさんの物語も、現実でのズレたおじさんとたかふみのやり取りもずっと面白いのですが、各話に出てくるゲストキャラもかなり楽しんでいただけるので、そういったところも余すところなく味わっていただければ幸いです!
[構成・塚越淳一]
俳優・高良健吾さん、日常を離れ、アナログな「時」を楽しむ旅 【前編】
これまでやりたくても「時間」がなくてできなかったことに挑戦する「時間」をセイコー プレザージュが提供するこの企画。
昨年の「瀬戸内しまなみ海道」での自転車旅に続いて、俳優の高良健吾さんが再び旅立った。2日間、自然の中へ——。旅の目的は、「やりたかったことをすべて叶(かな)える」こと。とかく情報過多になりがちな日常を抜け出して、アナログな時間の流れに身を置いた高良さんは、何を感じ、どんな思いを抱いたのか。今回お届けする前編では、都会の喧噪(けんそう)から離れ、兵庫県北部の山間(やまあい)で自然をゆるりと楽しむ様子を追った。
腕時計と地図。アナログなツールでドライブへ
とある初夏の一日、高良さんが訪れたのは山間に佇(たたず)む古民家宿。やりたかったことをすべて叶える、今回の旅の拠点だ。大きな窓のあるメインルームでソファに座り、高良さんは持参した文庫本をしばし読みふける。
「本は好きです。こんな何百円で、人の考えに触れられるなんてすごいですよね。手に取らないと出会えないような言葉だったり、生き方だったり、そういうものを知ることができる。ある意味、ちょっとした旅だと思います」
そしてふと顔を上げ、明るい光が入り込む大きな窓から、山々を見つめる高良さん。そろそろ出発の時間だ。日常から離れるために、スマートフォンは置いていく。ルートは地図で、時間は腕時計で確認するアナログな旅の始まりだ。
「自分は基本アナログ。家にパソコンはないし、映画館に行くときはスマホを家に置いていくこともよくあります。スマホを気にしない分、別のものが見えてくる。こういう自然の中なら周囲をよく見るようになるし、いつもと違うアンテナも張れます」。地図を眺め、腕時計に目を向けてから、高良さんは車へ乗り込んだ。
小一時間、車を走らせて訪れたのは、歴史ある寺院。しっかりとした足取りで、初めて訪れる寺の山門をくぐる。
寺院では本堂に上がり、庭に向かってあぐらをかく。瞑想(めいそう)、これもまた高良さんがこの日、やりたかったことのひとつだ。背筋をぴしりと伸ばし、目をつぶって微動だにしない。葉ずれの音、鳥やカエルの鳴き声が止(や)んだ瞬間は、まるで時が止まっているかのようだ。
高良さんにとって瞑想は、ルーティンのようなものだという。
「だいたい寝る前にやるんです。撮影している期間は日中集中しているので、寝付きが悪かったり、途中で目が覚めたりすることもあるので、眠る前にちょっと心を落ち着かせるという感じ。今日のように自然の音に囲まれた場所だと、家の中で瞑想するよりも入りやすいですね。何も考えない、無理をしない時間が過ごせました」
自然の揺れを感じに。日常にない、贅沢時間
瞑想を終え、「ゴチャゴチャしていたものが整理された」と言う高良さんの次の目的地は、山中の釣り場。川に沿って続く遊歩道を、土の感触を確かめるように泰然と歩いていく高良さん。途中、足を止めて伸びをしたり、思いのままに満喫しているようだ。
こうして自然に囲まれながら思うのは、「自分が落ち着く場所、癒やされる場所は、自然なんだ」ということ。
「原風景が祖父母の田舎なんですよね。阿蘇と北九州の田川。きっと、そういう田舎で遊んでいた、楽しかった記憶があるんだろうと思います。自然の揺れって、見ているだけで落ち着くので、そこを求めに行っている。東京にいると、そういう揺れは風とか、上を見ないと感じられないので」
やがてたどり着いたのが、半径15mほどの滝壺(つぼ)。主にニジマスが釣れるという。海でのルアーフィッシング経験はある高良さんだが、川釣りは初挑戦。竹竿(ざお)にウキという組み合わせも、やはり初めて使う道具だそうだ。照れくさそうに「海ではルアーをなくしてばかりいたし、今回のやりたいことの中では一番自信がない」と言うものの、慣れた手つきで竿を操っている。
糸を垂らし、狙うポイントを変えながら数十分。前日の雨で濁った水面がゆらめく様子を、ただ見つめながら過ごす贅沢(ぜいたく)な時間だ。
「釣れなくても、3時間くらいは平気で過ごせますね。どれだけ時間が経ったかを確認することはあっても、苦ではないです。こうやって自然の中で過ごしている時は、時間の確認は腕時計がいいですね。それもデジタルの数字じゃなくて、針で見るっていうのがいい」
そんな話をするうちに、不意にウキが動き出した。「食いついた!」。そう思った瞬間、必死に暴れる魚の姿が。木漏れ日に輝く銀色の体はかなり大きく、高良さんもしばらく格闘したものの、魚はハリから外れて滝壺の底へと消えていった。その後すぐに再び別の獲物を捕らえるが、今度は糸が切れてしまう事態に。この装備では、少し心許(こころもと)ないようだ。
そろそろ宿に戻ろうか……と諦めかけたところで、またもウキが躍り出す。三度目の正直とばかりに、見事釣り上げた高良さん。「今日に限らず、以前から目の前で逃がしてばかりだったけど、ようやく釣れた!」と、喜びであふれんばかりの笑顔を向けた。
手を掛けるだけ愛着が増す。フォーマルな印象のモデル
「1時間で3匹なら入れ食い状態」と笑みを浮かべながら、宿へと戻ってきた。本日、予定していた夕食は屋外でのバーベキューだった。しかし、天気は下り坂。焚(た)き火台に火を入れ、炎が上がり始めるころには雨も降り出してきたため、部屋の中の囲炉裏に場所を移しての食事となった。
周囲には街灯や民家がなく、夜の帳(とばり)が下りれば辺りは真っ暗に。肉に魚、野菜も焼いて、時折、焚き火を眺めるひととき。
「焚き火って、本当に自然の揺らぎですよね。人間が作り出せない揺れというか。それこそ波だってそうだし、空だって雲の流れだったり、風の流れだったり、それって人間が絶対作り出せない。そういう場所に身を置くことが、自分にとっての癒やしですかね」。そう語る彼を包み込むように、時間はゆったりと過ぎていく。
この日、高良さんの腕で時を刻んだのは、「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097」。アナログな旅によく似合う、機械式時計だ。
「機械式時計の良さは、自分がちゃんとその時計を扱っていないといけないこと。毎日見て、定期的にちゃんとメンテナンスしてあげることでより愛着が湧きますよね。耳を近付けて音を聞きながらりゅうずを巻くのも、好きな行為ですね」
「この『セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097』は、どちらかというとフォーマルな印象でした。白文字盤は持っていなかったんですが、いいですね。スーツのようなキレイめにも合うし、幅広いシーンで使えると思いました。(白文字盤は)似合う年齢が少し上という勝手なイメージがあったんですけど、 身につけてみると、“いや、そんなことないな”って気がしました」
そう言って、「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097」に視線を落とす高良さん。「静の旅」となった1日が、そろそろ終わろうとしている。明日は一転、「動の旅」と言えるほど、バラエティーに富んだアクティブな旅となる。そちらは後編として次回、改めてご紹介しよう。
(文・石川由紀子 写真・高橋雄大 取材協力・円覚山宗鏡寺、glaminka KAMIKAWA、日高神鍋観光協会、清滝地区コミュニティセンターの皆様)
これまでやりたくても「時間」がなくてできなかったことに挑戦する「時間」をセイコー プレザージュが提供するこの企画。
昨年の「瀬戸内しまなみ海道」での自転車旅に続いて、俳優の高良健吾さんが再び旅立った。2日間、自然の中へ——。旅の目的は、「やりたかったことをすべて叶(かな)える」こと。とかく情報過多になりがちな日常を抜け出して、アナログな時間の流れに身を置いた高良さんは、何を感じ、どんな思いを抱いたのか。今回お届けする前編では、都会の喧噪(けんそう)から離れ、兵庫県北部の山間(やまあい)で自然をゆるりと楽しむ様子を追った。
腕時計と地図。アナログなツールでドライブへ
とある初夏の一日、高良さんが訪れたのは山間に佇(たたず)む古民家宿。やりたかったことをすべて叶える、今回の旅の拠点だ。大きな窓のあるメインルームでソファに座り、高良さんは持参した文庫本をしばし読みふける。
「本は好きです。こんな何百円で、人の考えに触れられるなんてすごいですよね。手に取らないと出会えないような言葉だったり、生き方だったり、そういうものを知ることができる。ある意味、ちょっとした旅だと思います」
そしてふと顔を上げ、明るい光が入り込む大きな窓から、山々を見つめる高良さん。そろそろ出発の時間だ。日常から離れるために、スマートフォンは置いていく。ルートは地図で、時間は腕時計で確認するアナログな旅の始まりだ。
「自分は基本アナログ。家にパソコンはないし、映画館に行くときはスマホを家に置いていくこともよくあります。スマホを気にしない分、別のものが見えてくる。こういう自然の中なら周囲をよく見るようになるし、いつもと違うアンテナも張れます」。地図を眺め、腕時計に目を向けてから、高良さんは車へ乗り込んだ。
小一時間、車を走らせて訪れたのは、歴史ある寺院。しっかりとした足取りで、初めて訪れる寺の山門をくぐる。
寺院では本堂に上がり、庭に向かってあぐらをかく。瞑想(めいそう)、これもまた高良さんがこの日、やりたかったことのひとつだ。背筋をぴしりと伸ばし、目をつぶって微動だにしない。葉ずれの音、鳥やカエルの鳴き声が止(や)んだ瞬間は、まるで時が止まっているかのようだ。
高良さんにとって瞑想は、ルーティンのようなものだという。
「だいたい寝る前にやるんです。撮影している期間は日中集中しているので、寝付きが悪かったり、途中で目が覚めたりすることもあるので、眠る前にちょっと心を落ち着かせるという感じ。今日のように自然の音に囲まれた場所だと、家の中で瞑想するよりも入りやすいですね。何も考えない、無理をしない時間が過ごせました」
自然の揺れを感じに。日常にない、贅沢時間
瞑想を終え、「ゴチャゴチャしていたものが整理された」と言う高良さんの次の目的地は、山中の釣り場。川に沿って続く遊歩道を、土の感触を確かめるように泰然と歩いていく高良さん。途中、足を止めて伸びをしたり、思いのままに満喫しているようだ。
こうして自然に囲まれながら思うのは、「自分が落ち着く場所、癒やされる場所は、自然なんだ」ということ。
「原風景が祖父母の田舎なんですよね。阿蘇と北九州の田川。きっと、そういう田舎で遊んでいた、楽しかった記憶があるんだろうと思います。自然の揺れって、見ているだけで落ち着くので、そこを求めに行っている。東京にいると、そういう揺れは風とか、上を見ないと感じられないので」
やがてたどり着いたのが、半径15mほどの滝壺(つぼ)。主にニジマスが釣れるという。海でのルアーフィッシング経験はある高良さんだが、川釣りは初挑戦。竹竿(ざお)にウキという組み合わせも、やはり初めて使う道具だそうだ。照れくさそうに「海ではルアーをなくしてばかりいたし、今回のやりたいことの中では一番自信がない」と言うものの、慣れた手つきで竿を操っている。
糸を垂らし、狙うポイントを変えながら数十分。前日の雨で濁った水面がゆらめく様子を、ただ見つめながら過ごす贅沢(ぜいたく)な時間だ。
「釣れなくても、3時間くらいは平気で過ごせますね。どれだけ時間が経ったかを確認することはあっても、苦ではないです。こうやって自然の中で過ごしている時は、時間の確認は腕時計がいいですね。それもデジタルの数字じゃなくて、針で見るっていうのがいい」
そんな話をするうちに、不意にウキが動き出した。「食いついた!」。そう思った瞬間、必死に暴れる魚の姿が。木漏れ日に輝く銀色の体はかなり大きく、高良さんもしばらく格闘したものの、魚はハリから外れて滝壺の底へと消えていった。その後すぐに再び別の獲物を捕らえるが、今度は糸が切れてしまう事態に。この装備では、少し心許(こころもと)ないようだ。
そろそろ宿に戻ろうか……と諦めかけたところで、またもウキが躍り出す。三度目の正直とばかりに、見事釣り上げた高良さん。「今日に限らず、以前から目の前で逃がしてばかりだったけど、ようやく釣れた!」と、喜びであふれんばかりの笑顔を向けた。
手を掛けるだけ愛着が増す。フォーマルな印象のモデル
「1時間で3匹なら入れ食い状態」と笑みを浮かべながら、宿へと戻ってきた。本日、予定していた夕食は屋外でのバーベキューだった。しかし、天気は下り坂。焚(た)き火台に火を入れ、炎が上がり始めるころには雨も降り出してきたため、部屋の中の囲炉裏に場所を移しての食事となった。
周囲には街灯や民家がなく、夜の帳(とばり)が下りれば辺りは真っ暗に。肉に魚、野菜も焼いて、時折、焚き火を眺めるひととき。
「焚き火って、本当に自然の揺らぎですよね。人間が作り出せない揺れというか。それこそ波だってそうだし、空だって雲の流れだったり、風の流れだったり、それって人間が絶対作り出せない。そういう場所に身を置くことが、自分にとっての癒やしですかね」。そう語る彼を包み込むように、時間はゆったりと過ぎていく。
この日、高良さんの腕で時を刻んだのは、「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097」。アナログな旅によく似合う、機械式時計だ。
「機械式時計の良さは、自分がちゃんとその時計を扱っていないといけないこと。毎日見て、定期的にちゃんとメンテナンスしてあげることでより愛着が湧きますよね。耳を近付けて音を聞きながらりゅうずを巻くのも、好きな行為ですね」
「この『セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097』は、どちらかというとフォーマルな印象でした。白文字盤は持っていなかったんですが、いいですね。スーツのようなキレイめにも合うし、幅広いシーンで使えると思いました。(白文字盤は)似合う年齢が少し上という勝手なイメージがあったんですけど、 身につけてみると、“いや、そんなことないな”って気がしました」
そう言って、「セイコー プレザージュ Sharp Edged Series SARX097」に視線を落とす高良さん。「静の旅」となった1日が、そろそろ終わろうとしている。明日は一転、「動の旅」と言えるほど、バラエティーに富んだアクティブな旅となる。そちらは後編として次回、改めてご紹介しよう。
(文・石川由紀子 写真・高橋雄大 取材協力・円覚山宗鏡寺、glaminka KAMIKAWA、日高神鍋観光協会、清滝地区コミュニティセンターの皆様)
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