【わたし達はおとな】web MAGAZINE

Ginza

木竜麻生×藤原季節×加藤拓也監督 『わたし達はおとな』にのぞき見る、20代の恋と日常。

──加藤さんとは舞台を含め五度目のタッグとなる藤原さんと、今回初めてのタッグとなる木竜さん。加藤さん脚本、演出についての感想をお伺いできますか?

藤原: 僕が初めて加藤さんの演出する舞台『まゆをひそめて、僕を笑って』(17)に出たのは、23歳くらいのときで、それも恋愛の話だったんです。「好き」を言葉にしない、付き合う約束の一歩前という曖昧な関係の物語で。なので、今回脚本を読ませてもらったときに、「あ、また恋愛きたな」と思いました。30歳近くになった加藤さんと僕のひとつの到達点であり、始まりでもある感じがしたんですよね。

木竜: 私はここまで普段の自分たちが話す会話に近い言葉が文章になって、脚本化されていること自体がすごく新鮮でした。リハーサルも何度もしたんですが、これまで加藤さんと藤原さんが作り上げてきた共通言語や共通理解みたいなものがあって、いい意味でそこに巻き込んでいただいたなと思います。新しい体験ばかりで、面白く感じました。

──確かに、加藤さんの書くセリフは、すごく口語的ですよね。綺麗すぎる言葉に対して、違和感を感じたりすることもあるからなのでしょうか。

加藤: ありません。そういったものに対するカウンターではなくて、台詞やお芝居と思われないものが好みなので、このスタイルになっています。僕の言語感覚で書いているということですね。

──男女どちらの性もフラットに甘やかさずに描かれているのが印象的でした。もちろん、表現する人によりますが、無意識のバイアスから同性のジェンダーに甘くなったり、厳しくなったりしてしまうことは起きなくはないことだと思うので。

加藤: そもそも僕は男性が書いているから、女性が書いているからといって、どちらかの性別をよく見せようという意図が作家にあるとは思ってません。ただ、僕は性別を既に公表しているので、男性が書いた作品というバイアスがかかった状態で観客には届きます。もし僕が性別を隠して活動している人間だったら、女性監督、男性監督という前提なしに見られる立場だったら、どういうふうに捉えられたのかな、とは考えます。

藤原: 俳優である僕は、基本的に人が書いた物語に乗っかるので、もし前衛的な役ならそれを演じますし、旧来的な役だったらそれを演じています。ただ男性、女性というものに対してなるべくフラットに考えたいとは思いつつ、自分の中にジェンダーに対する価値観やバイアスが根強く残っているなというのはけっこう感じていて。それを完全に消すのは難しいかもしれないけれど、ちょっと悩んだりすると加藤さんに相談するんです。目線がすごくフラットですし、人間として先輩だと思ってるんで。

木竜: 自分が今まで生きてきたなかで、女の子とのほうが馴染めることもあれば男の子と話しているほうが楽だったこともありますが、例えば「男性脳」や「女性脳」といった表現を使ってしまう感覚をわかってしまう自分はいるんです。だから、読むものに対しても見るものに対しても、自分の視点には若干偏りがあるなと思います。どうしても自分の基準を通して物を見てしまうというか。ただ、今回加藤さんとご一緒してから、男女や性差についてもう少し距離感を意識して、自分から離してみたり、逆に近づけてみたり、ということをしたいなと思うようになりましたし、考えるきっかけをもらったような気がします。

──加藤さんの脚本や芝居は、エモーショナルな部分で戦うことを求められるので、いつもボロボロになるけれど、本作はいつも以上にボロボロになったと藤原さんがコメントされていましたが、木竜さんはいかがでしたか?

木竜: 撮影が終わった後に藤原さんのコメントを読んで、「確かに!」と思いました。リハーサルの前に、加藤さんから、「今回はどれだけ隠すかだから」というお話があったんです。言いたいけど言わないこと、言わないと決めたことをどれだけ隠すかを考えたときに、言葉に頼ることなく、発しない言葉のその奥で彼女は本当は何を思っていて、どういうことが積み重なっていて、という部分に自分が集中していくんだなということを実感して。氷山の一角しか見えていないんだったら、その覆われた下の部分を見つめることになるんだなと。

──言いたいことを我慢して飲み込むことが内面化している優実を見ていて、こういう子、身近にいるなと思ったんですよね。木竜さんは、ご自身にもそういう部分を見出したりしますか?

木竜: 優実は上手に言いたいことを隠せている気がします。私の場合は顔に出たり、様子が違うと気づかれてしまうことのほうが多いので。以前はそれがすごく嫌だったんですが、もうしょうがないとやっと最近腹をくくれるようになってきました。なので、優実は言わないんだなとか、言わないことに気づかない人を選ぶんだなと感じましたし、もし気づく人がいたらどうやって答えるのか、どういう選択をするのかといったことを想像しました。

──藤原さんが演じる直哉の言葉の選び方も、こういう人いる!というリアリティがあってイライラしました。所属している大学の劇団を「サークル」と呼ばれたら、即「カンパニーね」と言い直したり、あと「わかるわかる」ってすぐ言う感じとか。

藤原: わかるわかる(笑)。

──どんな人でも何かしら我慢をしている部分はあると思うのですが、藤原さんが日々我慢していることはありますか?

藤原: 身近な話でいうと、俳優は食べたいものを食べたりできないじゃないですか。寒さもそうですけど、現場は基本我慢ですよね。辞めたいなと思うときもありますし、何のために我慢してるんだろうって思うときもあるんですけど、公開したくらいのタイミングでその辛さを忘れちゃうんですよね。それで、またやっちゃう(笑)。

──本当の自分が出せない、という我慢もあったり?

藤原: 本当の自分は全開ですね、僕は。

──そんな気がしてました(笑)。舞台でも映像でも、加藤さんの描く人物は、それぞれが何かを我慢しているような印象があるんですよね。

加藤: 登場人物がそれを我慢と認識しているかも場面によって違うと思います。認識して、我慢しようと選択したなら、もう少し違う物語展開になっていくのかもしれない。ストレスを感じないために我慢じゃないものに変換して、その場を凌いでしまっているけれど、それ本当は我慢だよね、というところからちょっとずつ歯車が狂っていくというか、気持ちがズレていくみたいなことを書いている話は多いかもしれません。

──この作品の中で起きていることに対しての距離感や、された側、した側といった立場によっても感想が変わりそうなので、語り合い甲斐があって面白いですよね。笑えるという人もいれば、笑えないという人もいるというか。

加藤: どうなんですかね。僕はフィクションをフィクションとして見てしまうところがありますが、もっと自分に近いものとして感じてしまうと辛かったりするのかもしれないですよね。直哉の変なマウントの取り方に対して、「まだそんなことやってるんだね」という引いた目線で観れると面白かったりするかもしれないですし、反応はさまざまだろうなという気がします。

──大人だけど大人じゃない、ヤングアダルトの時期に優実と直哉がいることから、『わたし達はおとな』というタイトルが付けられたそうですが、何をもって大人であると測るのかはすごく難しいですよね。

加藤: 大人って言葉自体、社会機能が生まれて人間が後からつけた区別なので、体の能力や脳の発達具合で、どこから大人かと線引きをするのはなかなか難しいですけど、この映画でいうと、一人の人間が子どもを宿す、というところで一つ線を引いているとは思います。

藤原: さっき加藤さんが、フィクションをフィクションとして享受する、と言ってましたが、それが大人になるということなのかもしれない。子どものときは、自分がファンタジー映画の主人公だと思って観ているわけじゃないですか。それがいつしか、クオリティ高けぇと俯瞰して観ている自分がいるわけですから。そういう視点の違いがあるのかもしれないですね。

木竜: 年齢を重ねて、出会う人も増えて、親や友達からしてもらうことが減って、逆に自分でできることが増えて、そういうことから大人になってるなと感じることはありますが、私の場合、その揺り戻しも同じだけあるんですよね。まだこんなことでジタバタしていると自分に対して思ったりもするので、それの繰り返しで、自分を大人だと認識できるときは来ないような気がしています。今のところはですけどね。

──邦画や日本のドラマで、避妊しないで性行為をした場合に用いるアフターピルを服用する描写や、ピルを常用している描写を見る機会はあまりなかった気がするのですが、本作では出てきますよね。これはあえて入れているわけではなく、生活の延長線上にあるごく自然な行為として描写されているのでしょうか。

加藤: そうですね。そこに対して、「みなさん、(避妊)大事ですよ」という意識は全くしてないです。

藤原: この間、ある作品を観ていて、ワンナイトラブの描写があったんですよ。流れでそういう関係になっちゃったというお話だったんですが、避妊具は全く映ってなくて。翌朝起きたら、綺麗な朝日が差し込んできて、二人で「おはよう」とか言い合ってるんですけど、観ているこっちは「あれ? 避妊具どうしたんだろう?」って思うじゃないですか。加藤さんは、映されていない部分のやり取りを書く人だから、それが僕は観たいなと思ってます。

──「大事ですよ」という意識はそこになくても、結果的に、セックス・エデュケーションの役割も果たしているなと思いました。女の子たちだけが集まるシーンで性に関してオープンな会話が繰り広げられるのも、同性コミュニティにおけるリアリティを感じさせましたし。

木竜: 私は女子大に行っていたんですけど、そういう会話をするグループと全然しないグループがどちらもあったんですよね。やっぱり、経験が多かったり知っている子の周りにはそういう子が集まるし、集まっているなかで知らない子がいたら、映画に出てくるような会話になるというか。そういう話題に触れたくなくて、朝日が差す描写でいいと思っている子たちももちろんいるので、その時々でグループの空気に合わせていくようなところはあるのかなと。ただ、女の子たちだけのときの会話がなかなかエグくなるというタイミングは現実でも絶対にあるので、そこを加藤さんは逃さずに描いていると思います。

加藤: エグさはないけど、そのようなシーンは1つ丸ごとオールカットになってしまいました。

木竜: 本当はもっといろいろな会話があったんですよね。

藤原: ヤバかったですよ。

木竜: でも実際そんな会話をしたことないのに、できてしまうのはなぜだろう? 面白いと思いながらやってました(笑)。

──実際にいる誰かが言っていた言葉だったりするのかなと想像をしていたのですが、全て加藤さんご自身から出てくるセリフなんですね。

加藤: こういう人いると思ってもらえるといいな、と思いながら書いてます。

Photo:Koichi Tanoue Styling:Momomi Kanda (Kiryu)、Hironori Yagi(Fujiwara) Hair&Make-up:Miki Nushiro (Kiryu)、Motoko Suga(Fujiwara) Text & Edit:Tomoko Ogawa

衣装:(木竜さん)パンツ¥48,500 malamute(ブランドニュース) 靴¥33,000 trippen(トリッペン原宿店) ネックレス¥15,400、イヤリング¥11,000(ともにpetite robe noire) 他スタイリスト私物
衣装:(藤原さん)ジャケット¥31,900、ベスト¥19,800(ともにRANDT) ハイネックニットTシャツ¥20,900、パンツ¥20,900ともにニードルズ(ネペンテス) ブレスレット¥30,800エンド(ギャラリー・オブ・オーセンティック) スニーカー スタイリスト私物

这遍19年的“町田康からbetcover!!へ” cinra对谈真棒。原来町田康喜欢betcover!!柳瀬二郎的歌曲歌词,觉得与众不同是因为很真,没有说谎的感觉(这点和折坂相似)。
这段心疼[苦涩]
“―ヤナセさんご自身は、歌詞に対してどのように向き合っていますか?
ヤナセ:僕が歌っているのは、根本的にはとても個人的なことなんです。僕は、父親に酒の問題があって、もう10年くらい会っていなかったり、兄には知的障害があったりして、家庭環境のなかに逃げ場がなかったんです。そんななかで、音楽を作っている間が一番楽しかった。でも、そういう僕の個人的な話は、世間には関係がないし、社会にはなにも影響を与えていないじゃないですか。
だから、僕の個人的なことを歌ったものが社会的なイメージを持てばいいなって思っているんです。僕の個人的な感覚や身内の事情が、巡り巡りって、一般論的なところにまで届けばいい。そういうことを意識しはじめたのが『サンダーボルトチェーンソー』なんですよね。あのなかで歌っているのは、ただただ家庭のことなんです。”
截几张图。

很遗憾,再次和北京联动失败,这一次不打算延期了,五月应该发生的事情就让它发生。北京乐队遗憾缺席,那就等到「秋后算帐」。伤心病团/KERRYCHERY强势救场,别叹气,疯狂的事情依旧在酝酿。https://t.cn/A6XSy0Ik ,贺獸vol.4,混乱时代的伤兵,依然坚果见!预受https://t.cn/A6XtaDM1 音乐人简介①反手一刀BACKHANDTHRUST,山城D-BEAT RAW PUNK,来自重庆独立朋克厂牌【山城组Mountain City United】。乐团集结于2015年末,通过简单有力的声音告诉大家我們激进的态度,极端、快速、直接,就是描述反手一刀最贴切的词语。短短6年时间里,乐团经历了重庆、成都、武汉、天津,杭州朋克音乐节的洗礼,来使自己迅速成长。虽有数次人员变化,但乐团从未改变其狂躁溃乱的朋克本色,反而变本加厉,变得更快更狠更混账!2019年初,乐团发布了自己的首張全长专辑《逃げ場のない》。乐器铺天盖地的制造音墙,嘶吼与咆哮,蛮荒巨兽般向你凶狠展示音乐的力量。用心去享受生活,用爱与暴力來诠释生命的真谛。我們是重庆朋克之魂,我們是反手一刀!


发布     👍 0 举报 写留言 🖊   
✋热门推荐
  • 女35岁,急性化脓性扁桃体炎打针输液口服抗生素迁延不愈​2022年9月中旬就诊于我处,咽痛,体温38℃多,乏力甚,头晕,浑身困疼无力,查2度扁桃体肿大,多发黄白
  • 三、基本框架和主要内容《自治区公共信用信息管理条例》(送审稿)共8章45条,基本框架及主要内容如下:第一章总则,明确本条例的立法目的和原则、概念定义、适用范围、
  • 我突然发现量杯和吸管杯的水量差好大…又是了一个一管杯我更晕了[挖鼻][晕]晚上去阿姨家吃饭,和胖虎玩真开心,看它吃狗粮很卖力的样子我很羡慕,于是问及哥哥们去哪了
  • 虫族生活20年,慕安也到了觉醒期,为了保证自己的二次觉醒安全,身娇体弱的‘亚雌’慕安进入了第三军团战后审查部,但却意外的看上了一只雌虫。只有那些找不到雄虫的雌虫
  • 去年冬天奥斯卡在青岛丢了,我跟啊大猪带她一起去看唐岛湾的视频测试,当时是夜里一点多了,我俩在寒风中拼命的喊奥斯卡你在哪,边哭边喊,尤其是啊大猪,他哭的好伤心,
  • 地下的无一个不弯腰屈背,也有躲出去蹲着笑去的,也有忍着笑上来替他姊妹换衣裳的……这个给大家介绍过了:食牛的笑话,一直笑得……史大妹水涸湘江,迎春姐桃花带雨,探丫
  • 呼吸S u:m37°水分惊喜睡眠面mo,150ml,让肌fu水润有弹性,睡前涂一层,第二天超级惊喜![呲牙][呲牙][呲牙][呲牙]用惯兰芝睡眠面mo的朋友,想
  • #江野沢愛美[超话]#Instagram更新ラ ロッシュ ポゼのエファクラ ピールケア セラムという美容液を2週間使ってみました☺️私は毛穴やニキビができやすい
  • ✨【Dior迪奥小姐花漾甜心100ml 】 女士淡香水到货[色][色]粉色花样淡香氛 前调如初恋,清新西西里柑橘带着初恋般的一点青涩与甜蜜,如爱的轻抚,感受着
  • 浦玉忠希望广大教职工聚焦“立德树人”的根本任务,对标新时代“四有”好教师标准,珍惜荣誉,爱惜职业,牢记责任,严格要求自己,不断完善自己,在教书育人的岗位上,在办
  •   我闻听南无一一羌佛的法音,时常听得心潮澎湃,甚至泪湿眸眶,好像是期待得太久太久,盼望了千年万年的甘露洗涤,全身的每一个细胞都被一种法喜充盈著,激励著,延展著
  • 店铺:Elpress L原创Lolita洋装#袁冰妍#❄️#袁冰妍倾城亦清欢# “为什么我一直在努力工作呢?是因为我自尊心强,从小时候我就很不喜欢听到一些说「女
  • 疑心重射手:腿长,爱自由,爱玩乐,爱冒险,讨厌束缚,总是会有意想不到的好运。双子:聪敏,话多,吃不胖,巨蟹:白,恋家,看起来很乖的样子,但内心较叛逆 ,狮子:头
  • ▪️350元起/晚▪️浙江省温州市泰顺县雅阳镇雅承大道1号✨西安临潼悦柳酒店——温泉城边的简约住所悦柳GARRYA是悦榕集团旗下主打现代简约风格的新品牌,酒店位
  • #朱一龙演技#我发现看朱一龙的戏让我沉迷,井然那会儿的时候,我自认为还有一半的我是清醒的,知道这是朱一龙,然后猛嗑他的颜值,不停感叹朱一龙好帅;到了吴邪这里,我
  • 就算黑夜终究是会过去,可迎接你的却未必就是灿烂阳光。就算黑夜终究是会过去,可迎接你的却未必就是灿烂阳光。
  • 不清楚随时问我#成都牙齿矫正##成都正畸#前段时间一长辈问我,虽然看我是大大咧咧的人但实质也不是那种特别冲动的人为什么会有纹身,问我后不后悔等等问题。还有些纹身
  • 作为一个英语零基础的小孩,每天全程听外教上课,一定如同天书,可是,他在坚持,一天天地进步,直到今天,得到大家和老师的认可。声音碎片一直都在通过音乐表达自我,表达
  • 别找事又来教育别人不该在圈子里撕人赶粉,栓Q不同种类的茶适合不同的人喝1、绿茶属于不发酵茶类,性寒,适合体质偏热,经力旺盛,经常上火的人喝。4、乌龙茶属于半发酵
  • 从“业务教办”到“业务帮办”再到“业务代办”市社保中心工作人员以高度负责的态度、人性化的服务点亮群众满意的笑脸。从填表单、跑窗口到“预约办”“一窗综合办”从多部