【あなたに聴かせたい歌があるんだ】
藤原季節×上杉柊平対談
自分だったらどう演じるのか考えてしまう(藤原)
現在、Huluにて全話独占配信中(全8話)の「あなたに聴かせたい歌があるんだ」は、2017年、「ボクたちはみんな大人になれなかった」で鮮烈なデビューを果たした小説家・燃え殻による書き下ろしの群像劇だ。17歳のときは、他人事のように感じていた「27歳」という年齢。自分達がその年齢に達したとき、10歳年上で当時27歳だった教師の心を傷つけたことに気づき、それぞれの10年の間に抱いた夢と葛藤、後悔が交錯していく。そのときどきで蘇る「あなたに聴かせたい歌」として、キリンジの名曲「エイリアンズ」が効果的に使われる。
このドラマで藤原さんは、小説家志望の、図書館で見かける女の子に「芥川賞をとるから付き合ってください」と告白する片桐晃を、上杉さんは、ミュージシャンを夢見た後、家業のラーメン屋を継ぐ中澤悠斗を、それぞれ演じた。
――お二人が共演する前の、お互いに対する印象を教えてください。
上杉 この作品に限らず、季節くんの出ているものは結構よく見ていて、個人的にすごく好き……なお芝居をする俳優さんの一人です。文芸作品みたいなのが似合う人だよね。僕も、俳優のほかにも音楽をやっているせいか(※ヒップホップクルーのKANDYTOWNでMCを担当)、割と日本のエンタメ業界を客観的に見ていて、自分のことも「変な立ち位置だな」って思っているけど。なんか、季節くんも、面白い立ち位置の人だと思ったし、改めて、素敵なお芝居をするなって思いました。(隣の藤原さんの耳元に顔を寄せて)めっちゃ褒めといたわ(笑)。
藤原 あざす(笑)。僕も上杉くんのお芝居、結構観てて。(森山未來さん主演のボクシング映画)「アンダードッグ」の役なんて、上杉くん以外の誰もハマらない役だと思いました。未來さんが勤めてるデリヘルの常連客で、訳あって今は車椅子生活を送っている……という。蜷川実花さんの「Followers」も観て、それもユーチューバー役で屈託なさそうなんだけど、実は過去があって……みたいな。自分だったらどう演じるのか、考えました。
上杉 難しそうな芝居を見ると、俺もそれはよく考える。自分だったらどうするかなって。でも、季節くんは、「この人が演じているからスッと入ってくるんだ」って思える役者さんの一人。
意味なんかわからなくても、自然と腑に落ちてる(上杉)
藤原 (照れて)僕が、この作品に出演するにあたって楽しみだったことは、同世代の魅力的な俳優さんたちと共演できることだったんです。ドラマの中で、みんなで「エイリアンズ」を歌うシーンがあって、その歌い始めるのが上杉くんなんですけど、最初にレコーディングスタジオでその歌を聴いて「この人おもれー」って思いました(笑)。すべての想像を裏切ってきた。「これだったか、突破口は」と。でも、考えてみれば「これしかない」歌い出しなんです。役柄の個性を生かしつつ、自分にしかできない表現を探るとあれにたどり着くんだなと思って、痺れました。
上杉 あれは……違うんだよね。どちらかというと諦めの、「もう煮るなり焼くなり好きにしてください!」の声なんだよ(笑)。歌い出しのキーが高いから、ちゃんと歌おうと思ったら、出ないんだもん。「エイリアンズ」は、高校のシーンではずっと流れていたので、わからないなりにみんなで意味を考察してた。
藤原 「僕の短所をジョークにしても眉をひそめないで」っていう歌詞がすごく好き。
上杉 みんな、それぞれ好きな歌詞、好きなメロディが違うけど、それがあるってことは、意味なんかわからなくても、自然と腑に落ちてるってことだと思うんですよね。曲の世界観とか、それを表現する言葉がすごすぎて、こっちの言葉じゃ太刀打ちできない。あ、でもなんか、言葉については、今回の台本も、ポイントポイントで、今の自分に刺さるようなセリフがたくさんあったし、なんというか……いろんなところから刺激をもらった。
根拠が生まれたら、気づくとその先を見ている(藤原)
――お二人とも、夢との距離を測りながら葛藤する役でしたが、お二人は、俳優として、夢の途中にいるように見えます。台本の中のセリフは、具体的にはどんなところが刺さりましたか?
上杉 僕も、要所要所でいろんな決断をして、いろんなことを諦めて今があるから。演じながら、自分がやめてきちゃったことを色々考えました。「27歳になったときに少しでも後悔が少ないように」っていう先生のセリフがあるんですが、僕自身は、たしかに後悔はそんなにしてないけど、今の結果って、全部自分が選択したから生まれているもので……。「あのときこうしてたらよかった」じゃなくて、「ああ、あのとき思い描いていた夢とは、今はまた違うベクトルにいるんだな」ってことを、あらためて意識した感じはあります。
10代の頃は、将来俳優をやるなんて思ってなかったですけど、今も何かしらの夢の場所には近づいていて、そうするとまた、手の届かないところに違う夢ができる。それに近づけば、また今度は新しい夢が生まれて。ずっと、自分の中にある自信に根拠はないけど、遠かった夢が近づいてきたときに、やっと根拠が生まれてくるような感覚はありますね。
藤原 それ、めっちゃわかる。
上杉 結局、夢って1個じゃないんですよね。だから、いくつになっても根拠のない夢をベラベラ喋るし、思い描くし、考えすぎて眠れなくなることもある。ただ、大人になると現実も見えるようになるから、「自分にはできない」と決めつけることも増えてきていて。ある意味、選択肢は狭まったのかな。「あの夢は俺じゃないな」と。
藤原 手当たり次第ではなくなったってことじゃないかな。20代後半は、自分の“好き”も確立される時期だし、自分の領域や役割みたいなものは見えてくるかもしれない。根拠のない自信から、夢に近づくにつれて、根拠がついてくるっていうのはまさにそう。根拠がないときは技術も何もないのに、自分はスターになれるって思っている。そこに技術や身体性がついてくると、根拠がやっと生まれて、気づいたら、もっとその先を見ている。その繰り返しなので、根拠のない自信は多分変わっていない(笑)。
対話することで、考え方の角が取れる(上杉)
――もし、夢に近づくことが山を登っていることだとしたら、目線が高くなるに連れて、視野も広がっているんでしょうか?
上杉 広くなっているんですかね? それはわからないけど、若い頃と違って、自分の考えを言語化できるようになったことは、僕にとっての生きやすさにつながっています。自分がどう動きたいのか、何を考えているかを、頭で理解できて、人に言葉で伝えられるようになったことは大きい。
藤原 現場でもずっと本を読んでいたよね。あと、帰るのがめちゃくちゃ早い(笑)。
上杉 ハハハハ。基本は一人でいるのが好きなタイプなんです。自分の考えを言語化する上では、僕にとっては、取材を受けることがすごく役立っていますね。何かを質問されて、自分が考えていることをアウトプットするときは、対話の中での方が整理される。大体、「普段自分てこうだよな〜」なんて考えないじゃないですか。取材されるから、頑張って自分のことを掘り下げてるだけで。でもそれをすると、考え方の角が取れて、滑らかにシェイプされていく感じがすごくある。でも、話す時ってどうしてもカッコよく話しちゃったりしない? どうせならよく書かれたいから(笑)。それで、背伸びしたこと言って、言っちゃった手前頑張ろう、っていうことにもなるし。
藤原 さっきの「視野が広がっていく?」という質問の答えを上杉くんが濁したとき、上杉くんは、「自分は視野を広く持てているだろうか?」とちゃんと自分に対する疑いも持てている人だなと思いました。僕も「視野が広いですね」と言われて「はい、そうですね」とは言えない。謙遜じゃなくてね。根拠のない自信はあるけど、常に自分のことは疑っている。その二つの視点が同居している感じはあります。
上杉 ああ、そうかもね。疑うべきだとか、意識したことはないけど。自分の今いる場所、今獲得している何かに、満足したことはないかもしれない。
藤原 表現という枠組みにおいては、俳優も、いろんな眼差して世界を見つめた方がいいと僕は思っています。俳優は芝居だけやってればいいみたいな考え方じゃなくて、これからはもっと、いろんな表現がクロスオーバーしていく時代になっていくんじゃないかな。バンドメンバー役で出演していた中島広稀くん、友達なんだけど、撮影の前日に、上杉くんの音楽を「マジでカッコいいんだ」って言ってたし。
上杉 そうなんだ。嬉しいね。これからは、俺らみたいな俳優も、脇を固めるだけじゃなく、ちゃんと王道になれるよう、もっと大きく動いていきたいね。
■藤原季節さん
ヘアメイク:須賀元子
スタイリスト:八木啓紀
■上杉柊平さん
ヘアメイク:小嶋克佳(TRON)
スタイリスト:RIKU OSHIMA
【衣装クレジット】
■藤原季節さん
ジャケット73,700円、パンツ42,900円(ともにETHOSENS)
ブレス 28,600円(BRÚ NA BÓINNE DAIKANYAMA)
他スタイリスト私物
問い合わせ先/ETHOSENS of whitesauce 03-6809-0470
■上杉柊平さん
ジャケット125,400円、シャツ35,200円、パンツ65,450円/すべてAMI PARIS(アミ パリス ジャパン:03-3470-0505)、ネックレス125,950円、リング右手人差し指69,300円、リング右手薬指169,400円/すべてTOMWOOD(トムウッド プロジェクト:https://t.cn/R7CqZDd)
藤原季節×上杉柊平対談
自分だったらどう演じるのか考えてしまう(藤原)
現在、Huluにて全話独占配信中(全8話)の「あなたに聴かせたい歌があるんだ」は、2017年、「ボクたちはみんな大人になれなかった」で鮮烈なデビューを果たした小説家・燃え殻による書き下ろしの群像劇だ。17歳のときは、他人事のように感じていた「27歳」という年齢。自分達がその年齢に達したとき、10歳年上で当時27歳だった教師の心を傷つけたことに気づき、それぞれの10年の間に抱いた夢と葛藤、後悔が交錯していく。そのときどきで蘇る「あなたに聴かせたい歌」として、キリンジの名曲「エイリアンズ」が効果的に使われる。
このドラマで藤原さんは、小説家志望の、図書館で見かける女の子に「芥川賞をとるから付き合ってください」と告白する片桐晃を、上杉さんは、ミュージシャンを夢見た後、家業のラーメン屋を継ぐ中澤悠斗を、それぞれ演じた。
――お二人が共演する前の、お互いに対する印象を教えてください。
上杉 この作品に限らず、季節くんの出ているものは結構よく見ていて、個人的にすごく好き……なお芝居をする俳優さんの一人です。文芸作品みたいなのが似合う人だよね。僕も、俳優のほかにも音楽をやっているせいか(※ヒップホップクルーのKANDYTOWNでMCを担当)、割と日本のエンタメ業界を客観的に見ていて、自分のことも「変な立ち位置だな」って思っているけど。なんか、季節くんも、面白い立ち位置の人だと思ったし、改めて、素敵なお芝居をするなって思いました。(隣の藤原さんの耳元に顔を寄せて)めっちゃ褒めといたわ(笑)。
藤原 あざす(笑)。僕も上杉くんのお芝居、結構観てて。(森山未來さん主演のボクシング映画)「アンダードッグ」の役なんて、上杉くん以外の誰もハマらない役だと思いました。未來さんが勤めてるデリヘルの常連客で、訳あって今は車椅子生活を送っている……という。蜷川実花さんの「Followers」も観て、それもユーチューバー役で屈託なさそうなんだけど、実は過去があって……みたいな。自分だったらどう演じるのか、考えました。
上杉 難しそうな芝居を見ると、俺もそれはよく考える。自分だったらどうするかなって。でも、季節くんは、「この人が演じているからスッと入ってくるんだ」って思える役者さんの一人。
意味なんかわからなくても、自然と腑に落ちてる(上杉)
藤原 (照れて)僕が、この作品に出演するにあたって楽しみだったことは、同世代の魅力的な俳優さんたちと共演できることだったんです。ドラマの中で、みんなで「エイリアンズ」を歌うシーンがあって、その歌い始めるのが上杉くんなんですけど、最初にレコーディングスタジオでその歌を聴いて「この人おもれー」って思いました(笑)。すべての想像を裏切ってきた。「これだったか、突破口は」と。でも、考えてみれば「これしかない」歌い出しなんです。役柄の個性を生かしつつ、自分にしかできない表現を探るとあれにたどり着くんだなと思って、痺れました。
上杉 あれは……違うんだよね。どちらかというと諦めの、「もう煮るなり焼くなり好きにしてください!」の声なんだよ(笑)。歌い出しのキーが高いから、ちゃんと歌おうと思ったら、出ないんだもん。「エイリアンズ」は、高校のシーンではずっと流れていたので、わからないなりにみんなで意味を考察してた。
藤原 「僕の短所をジョークにしても眉をひそめないで」っていう歌詞がすごく好き。
上杉 みんな、それぞれ好きな歌詞、好きなメロディが違うけど、それがあるってことは、意味なんかわからなくても、自然と腑に落ちてるってことだと思うんですよね。曲の世界観とか、それを表現する言葉がすごすぎて、こっちの言葉じゃ太刀打ちできない。あ、でもなんか、言葉については、今回の台本も、ポイントポイントで、今の自分に刺さるようなセリフがたくさんあったし、なんというか……いろんなところから刺激をもらった。
根拠が生まれたら、気づくとその先を見ている(藤原)
――お二人とも、夢との距離を測りながら葛藤する役でしたが、お二人は、俳優として、夢の途中にいるように見えます。台本の中のセリフは、具体的にはどんなところが刺さりましたか?
上杉 僕も、要所要所でいろんな決断をして、いろんなことを諦めて今があるから。演じながら、自分がやめてきちゃったことを色々考えました。「27歳になったときに少しでも後悔が少ないように」っていう先生のセリフがあるんですが、僕自身は、たしかに後悔はそんなにしてないけど、今の結果って、全部自分が選択したから生まれているもので……。「あのときこうしてたらよかった」じゃなくて、「ああ、あのとき思い描いていた夢とは、今はまた違うベクトルにいるんだな」ってことを、あらためて意識した感じはあります。
10代の頃は、将来俳優をやるなんて思ってなかったですけど、今も何かしらの夢の場所には近づいていて、そうするとまた、手の届かないところに違う夢ができる。それに近づけば、また今度は新しい夢が生まれて。ずっと、自分の中にある自信に根拠はないけど、遠かった夢が近づいてきたときに、やっと根拠が生まれてくるような感覚はありますね。
藤原 それ、めっちゃわかる。
上杉 結局、夢って1個じゃないんですよね。だから、いくつになっても根拠のない夢をベラベラ喋るし、思い描くし、考えすぎて眠れなくなることもある。ただ、大人になると現実も見えるようになるから、「自分にはできない」と決めつけることも増えてきていて。ある意味、選択肢は狭まったのかな。「あの夢は俺じゃないな」と。
藤原 手当たり次第ではなくなったってことじゃないかな。20代後半は、自分の“好き”も確立される時期だし、自分の領域や役割みたいなものは見えてくるかもしれない。根拠のない自信から、夢に近づくにつれて、根拠がついてくるっていうのはまさにそう。根拠がないときは技術も何もないのに、自分はスターになれるって思っている。そこに技術や身体性がついてくると、根拠がやっと生まれて、気づいたら、もっとその先を見ている。その繰り返しなので、根拠のない自信は多分変わっていない(笑)。
対話することで、考え方の角が取れる(上杉)
――もし、夢に近づくことが山を登っていることだとしたら、目線が高くなるに連れて、視野も広がっているんでしょうか?
上杉 広くなっているんですかね? それはわからないけど、若い頃と違って、自分の考えを言語化できるようになったことは、僕にとっての生きやすさにつながっています。自分がどう動きたいのか、何を考えているかを、頭で理解できて、人に言葉で伝えられるようになったことは大きい。
藤原 現場でもずっと本を読んでいたよね。あと、帰るのがめちゃくちゃ早い(笑)。
上杉 ハハハハ。基本は一人でいるのが好きなタイプなんです。自分の考えを言語化する上では、僕にとっては、取材を受けることがすごく役立っていますね。何かを質問されて、自分が考えていることをアウトプットするときは、対話の中での方が整理される。大体、「普段自分てこうだよな〜」なんて考えないじゃないですか。取材されるから、頑張って自分のことを掘り下げてるだけで。でもそれをすると、考え方の角が取れて、滑らかにシェイプされていく感じがすごくある。でも、話す時ってどうしてもカッコよく話しちゃったりしない? どうせならよく書かれたいから(笑)。それで、背伸びしたこと言って、言っちゃった手前頑張ろう、っていうことにもなるし。
藤原 さっきの「視野が広がっていく?」という質問の答えを上杉くんが濁したとき、上杉くんは、「自分は視野を広く持てているだろうか?」とちゃんと自分に対する疑いも持てている人だなと思いました。僕も「視野が広いですね」と言われて「はい、そうですね」とは言えない。謙遜じゃなくてね。根拠のない自信はあるけど、常に自分のことは疑っている。その二つの視点が同居している感じはあります。
上杉 ああ、そうかもね。疑うべきだとか、意識したことはないけど。自分の今いる場所、今獲得している何かに、満足したことはないかもしれない。
藤原 表現という枠組みにおいては、俳優も、いろんな眼差して世界を見つめた方がいいと僕は思っています。俳優は芝居だけやってればいいみたいな考え方じゃなくて、これからはもっと、いろんな表現がクロスオーバーしていく時代になっていくんじゃないかな。バンドメンバー役で出演していた中島広稀くん、友達なんだけど、撮影の前日に、上杉くんの音楽を「マジでカッコいいんだ」って言ってたし。
上杉 そうなんだ。嬉しいね。これからは、俺らみたいな俳優も、脇を固めるだけじゃなく、ちゃんと王道になれるよう、もっと大きく動いていきたいね。
■藤原季節さん
ヘアメイク:須賀元子
スタイリスト:八木啓紀
■上杉柊平さん
ヘアメイク:小嶋克佳(TRON)
スタイリスト:RIKU OSHIMA
【衣装クレジット】
■藤原季節さん
ジャケット73,700円、パンツ42,900円(ともにETHOSENS)
ブレス 28,600円(BRÚ NA BÓINNE DAIKANYAMA)
他スタイリスト私物
問い合わせ先/ETHOSENS of whitesauce 03-6809-0470
■上杉柊平さん
ジャケット125,400円、シャツ35,200円、パンツ65,450円/すべてAMI PARIS(アミ パリス ジャパン:03-3470-0505)、ネックレス125,950円、リング右手人差し指69,300円、リング右手薬指169,400円/すべてTOMWOOD(トムウッド プロジェクト:https://t.cn/R7CqZDd)
我小时候很喜欢老版电视剧《封神榜》,还有那个仙风道骨的老爷子蓝天野,他扮演的姜子牙,端方而不古板,飘逸而不空洞。这个姜子牙在我心目中,就是真正的神仙模样。只要重播,我就会再追一遍。但这部电视剧,又有一个特别令我愤慨的大结局。凭什么?为什么?
这种愤慨,一直延续到我人到中年。
《封神榜》本身不是一个复杂的故事,主题非常主旋律,荒淫的商纣王帝辛,得罪了女娲娘娘,女娲派出狐狸精祸乱朝政,加速成汤六百年江山的灭亡。纣王无道,宠溺奸妃妲己。当然了,我们这些观众都知道,真实的苏护之女苏妲己,是个无辜的少女,已经被狐狸精谋害身亡。
有反派,就有正道。周文王周武王是正义的一派,推翻商朝。引发了神魔大战。周文王寻访贤能,找到了垂钓的姜子牙,依靠姜子牙,取得了最终的胜利。
在中国的主流叙述语境当中,姜子牙是千古标杆。赤胆忠心,大器晚成。一个人苦修大半生,等到了欣赏自己的人,成就一番惊天动地的大事业,几乎就是正义与美德的化身。
最后一集,众神归位。一世枭雄,虽败犹荣,残暴无道的纣王也被封神。就连奸诈小人大反派申公豹也有神位。
其它家世显赫,立下战功的也有一席之地。抛头颅洒热血,也能得到一个名分。只要够传奇,万口相传,就能在民间传说里不朽。总之,会混江湖的,有真才实学的,会玩噱头的,都有可能通往神位,条条大道通罗马。
唯有姜子牙这个封神的人,没有神位。一把年纪学道,大器晚成,辅助别人打天下,他是个配角。那天下,也不是他的。是周文王周武王的。
在许仲琳《封神演义》里,姜子牙很简单封了申公豹——“特敕封尔执掌东海,朝观日出,暮转天河,夏散冬凝,周而复始,为分水将军之职。尔其永钦成命,毋替厥职!”申公豹听罢封号,叩首谢恩,出坛去了。
电视剧把结局改编了。改成就连申公豹,都一脸小人得志,哈哈大笑地嘲笑姜子牙:“百年之后,你已经没有神位。”
为什么要如此安排大结局?漫天星斗,都是神仙,难道就缺那么一个位置?凭什么?为什么?日暮黄昏,姜子牙的背影,真可谓是茕茕孑立,形影相吊。看到那一幕时,我就忍不住潸然泪下。为姜子牙鸣不平。
此时此刻,姜子牙沉思良久,只是叹一口气:“我姜尚,难道是为了自己的荣华,为了自己的神位下山的吗?”
小时候的愤慨与不满,促使中年的我重新去翻原著小说,寻找答案。《封神演义》里如是写道:
一日,元始天尊坐八宝云光座上,命白鹤童子:“请你师叔姜尚来。”白鹤童子往桃园中来请子牙,口称:“师叔,老爷有请。”
子牙忙至宝殿座前行礼曰:“弟子姜尚拜见。”天尊曰:“你上昆仑几载了?”子牙曰:“弟子三十二岁上山,如今虚度七十二岁了。”
天尊曰:“你生来命薄,仙道难成,只可受人间之福。成汤数尽,周室将兴。你与我代劳封神,下山扶助明主,身为将相,也不枉你上山修行四十年之功。此处亦非汝久居之地,可早早收拾下山。”
子牙哀告曰:“弟子乃真心出家,苦熬岁月,今亦有年。修行虽是滚芥投针,望老爷大发慈悲,指迷归觉,弟子情愿在山苦行,必不敢贪恋红尘富贵,望尊师收录。”
天尊曰:“你命缘如此,必听于天,岂得违拗?”子牙恋恋难舍。有南极仙翁上前言曰:“子牙,机会难逢,时不可失,况天数已定,自难逃躲。你虽是下山,待你功成之时,自有上山之日。”
子牙只得下山。子牙收拾琴剑衣囊,起身拜别师尊,跪而泣曰:“弟子领师法旨下山,将来归着如何?”天尊曰:“子今下山,我有八句钤偈,后日有验,偈曰:二十年来窘迫联,耐心守分且安然。磻溪石上垂竿钓,自有高明访子贤。辅佐圣君为相父,九三拜将握兵权。诸侯会合逢戊甲,九八封神又四年。”
看看小说里的姜子牙,完全没有主动自觉的下山意愿。又是哀求,又是跪下来哭泣,只想着回山修仙。电视剧里对此细节,也按照原著拍的,七十岁的姜子牙,完全是遵守师命的好徒弟,如同一个工具人。什么都是天道的安排,位极人臣也不过是命中注定的荣华富贵。
《封神演义》末尾,姜子牙回归历史记载的人生,不再辅助周武王,到分封的齐国去养老,老死于齐国。贤德君王,忠心耿耿又有治理才华的将相,谱写了一个标准而完美的帝王将相的故事。这是一个传统而无趣的结局。
而电视剧结局,姜子牙封神结束,归还打神鞭给师尊元始天尊。元始天尊用一种调侃开玩笑的语气说:“人间沧桑,任重而道远,打神鞭还留在你手中,你虽没有神位,却可以管辖诸神,只要有你姜太公在,那就百无禁忌了。”
姜子牙如此回答:“我愿永守天门,使天下百姓自由自在,永享太平。”然后片尾曲《独占潇洒》响起:愿生命化作那朵莲花/ 功名利禄全抛下/让百世传诵神的逍遥/ 我辈只需独占世间潇洒……
少年的我,懵懂不明白。中年的我,激动无比。试问这是什么?这是社会主义的伟大改造啊!正是电视剧结局的改编,让姜子牙从一个工具人,变成了大写的人。光耀万丈,顶天立地。姜子牙因此真正成为了封神演义的主角,而不是封建制度下的一个配角。
来人间一趟,征战厮杀,无数血泪,终于匡扶正义,功成名就,完成师尊布置的任务。然后呢?姜尚啊姜尚,你所求为何?
天高地厚,明月清风,大袖一挥的姜子牙,他将手持打神鞭,永远对那些看似高高在上的众神,执行监督权。
元始天尊的话,也特别给力——只要有你姜太公在,那就百无禁忌。翻译为大白话不就是:我就是你的后台,没有人的级别比我更高!
而姜子牙的表白,更是饮冰千年,难凉热血——为了天下百姓的福祉,他将永守天门,太公手里的鞭子,管他是哪一路神仙作妖,打。
少无适俗韵,性本爱丘山。误落尘网中,一去三十年。三十年后,我这个昔日法律门下的小小学童,看得热泪盈眶。编剧老师,我懂你。
人间正道是沧桑,这世界永远需要姜子牙这样的人。好的文艺作品,就是有这样不朽的魅力,一滴苦酒就是史书一册,一滴热血就是丰碑一座。不管前方是地雷阵,还是万丈深渊,总有人会义无反顾,勇往直前,鞠躬尽瘁,死而后已。
看千古烟波浩荡,听万民百世清唱,只留下神的飘逸,神的传说。
https://t.cn/A6q4BtFv
这种愤慨,一直延续到我人到中年。
《封神榜》本身不是一个复杂的故事,主题非常主旋律,荒淫的商纣王帝辛,得罪了女娲娘娘,女娲派出狐狸精祸乱朝政,加速成汤六百年江山的灭亡。纣王无道,宠溺奸妃妲己。当然了,我们这些观众都知道,真实的苏护之女苏妲己,是个无辜的少女,已经被狐狸精谋害身亡。
有反派,就有正道。周文王周武王是正义的一派,推翻商朝。引发了神魔大战。周文王寻访贤能,找到了垂钓的姜子牙,依靠姜子牙,取得了最终的胜利。
在中国的主流叙述语境当中,姜子牙是千古标杆。赤胆忠心,大器晚成。一个人苦修大半生,等到了欣赏自己的人,成就一番惊天动地的大事业,几乎就是正义与美德的化身。
最后一集,众神归位。一世枭雄,虽败犹荣,残暴无道的纣王也被封神。就连奸诈小人大反派申公豹也有神位。
其它家世显赫,立下战功的也有一席之地。抛头颅洒热血,也能得到一个名分。只要够传奇,万口相传,就能在民间传说里不朽。总之,会混江湖的,有真才实学的,会玩噱头的,都有可能通往神位,条条大道通罗马。
唯有姜子牙这个封神的人,没有神位。一把年纪学道,大器晚成,辅助别人打天下,他是个配角。那天下,也不是他的。是周文王周武王的。
在许仲琳《封神演义》里,姜子牙很简单封了申公豹——“特敕封尔执掌东海,朝观日出,暮转天河,夏散冬凝,周而复始,为分水将军之职。尔其永钦成命,毋替厥职!”申公豹听罢封号,叩首谢恩,出坛去了。
电视剧把结局改编了。改成就连申公豹,都一脸小人得志,哈哈大笑地嘲笑姜子牙:“百年之后,你已经没有神位。”
为什么要如此安排大结局?漫天星斗,都是神仙,难道就缺那么一个位置?凭什么?为什么?日暮黄昏,姜子牙的背影,真可谓是茕茕孑立,形影相吊。看到那一幕时,我就忍不住潸然泪下。为姜子牙鸣不平。
此时此刻,姜子牙沉思良久,只是叹一口气:“我姜尚,难道是为了自己的荣华,为了自己的神位下山的吗?”
小时候的愤慨与不满,促使中年的我重新去翻原著小说,寻找答案。《封神演义》里如是写道:
一日,元始天尊坐八宝云光座上,命白鹤童子:“请你师叔姜尚来。”白鹤童子往桃园中来请子牙,口称:“师叔,老爷有请。”
子牙忙至宝殿座前行礼曰:“弟子姜尚拜见。”天尊曰:“你上昆仑几载了?”子牙曰:“弟子三十二岁上山,如今虚度七十二岁了。”
天尊曰:“你生来命薄,仙道难成,只可受人间之福。成汤数尽,周室将兴。你与我代劳封神,下山扶助明主,身为将相,也不枉你上山修行四十年之功。此处亦非汝久居之地,可早早收拾下山。”
子牙哀告曰:“弟子乃真心出家,苦熬岁月,今亦有年。修行虽是滚芥投针,望老爷大发慈悲,指迷归觉,弟子情愿在山苦行,必不敢贪恋红尘富贵,望尊师收录。”
天尊曰:“你命缘如此,必听于天,岂得违拗?”子牙恋恋难舍。有南极仙翁上前言曰:“子牙,机会难逢,时不可失,况天数已定,自难逃躲。你虽是下山,待你功成之时,自有上山之日。”
子牙只得下山。子牙收拾琴剑衣囊,起身拜别师尊,跪而泣曰:“弟子领师法旨下山,将来归着如何?”天尊曰:“子今下山,我有八句钤偈,后日有验,偈曰:二十年来窘迫联,耐心守分且安然。磻溪石上垂竿钓,自有高明访子贤。辅佐圣君为相父,九三拜将握兵权。诸侯会合逢戊甲,九八封神又四年。”
看看小说里的姜子牙,完全没有主动自觉的下山意愿。又是哀求,又是跪下来哭泣,只想着回山修仙。电视剧里对此细节,也按照原著拍的,七十岁的姜子牙,完全是遵守师命的好徒弟,如同一个工具人。什么都是天道的安排,位极人臣也不过是命中注定的荣华富贵。
《封神演义》末尾,姜子牙回归历史记载的人生,不再辅助周武王,到分封的齐国去养老,老死于齐国。贤德君王,忠心耿耿又有治理才华的将相,谱写了一个标准而完美的帝王将相的故事。这是一个传统而无趣的结局。
而电视剧结局,姜子牙封神结束,归还打神鞭给师尊元始天尊。元始天尊用一种调侃开玩笑的语气说:“人间沧桑,任重而道远,打神鞭还留在你手中,你虽没有神位,却可以管辖诸神,只要有你姜太公在,那就百无禁忌了。”
姜子牙如此回答:“我愿永守天门,使天下百姓自由自在,永享太平。”然后片尾曲《独占潇洒》响起:愿生命化作那朵莲花/ 功名利禄全抛下/让百世传诵神的逍遥/ 我辈只需独占世间潇洒……
少年的我,懵懂不明白。中年的我,激动无比。试问这是什么?这是社会主义的伟大改造啊!正是电视剧结局的改编,让姜子牙从一个工具人,变成了大写的人。光耀万丈,顶天立地。姜子牙因此真正成为了封神演义的主角,而不是封建制度下的一个配角。
来人间一趟,征战厮杀,无数血泪,终于匡扶正义,功成名就,完成师尊布置的任务。然后呢?姜尚啊姜尚,你所求为何?
天高地厚,明月清风,大袖一挥的姜子牙,他将手持打神鞭,永远对那些看似高高在上的众神,执行监督权。
元始天尊的话,也特别给力——只要有你姜太公在,那就百无禁忌。翻译为大白话不就是:我就是你的后台,没有人的级别比我更高!
而姜子牙的表白,更是饮冰千年,难凉热血——为了天下百姓的福祉,他将永守天门,太公手里的鞭子,管他是哪一路神仙作妖,打。
少无适俗韵,性本爱丘山。误落尘网中,一去三十年。三十年后,我这个昔日法律门下的小小学童,看得热泪盈眶。编剧老师,我懂你。
人间正道是沧桑,这世界永远需要姜子牙这样的人。好的文艺作品,就是有这样不朽的魅力,一滴苦酒就是史书一册,一滴热血就是丰碑一座。不管前方是地雷阵,还是万丈深渊,总有人会义无反顾,勇往直前,鞠躬尽瘁,死而后已。
看千古烟波浩荡,听万民百世清唱,只留下神的飘逸,神的传说。
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芥川龙之介《妄想者手记》
芥川龙之介手记,手帖只有巴掌大小便于携带,旅行期间拿上一本相当怡情。并未收录芥川的代表作,以短篇居多。
书里有个奇妙的小世界。动物园里大不一样的动物们、于水墨画中品出的人物面庞上那抹“灵魂的微笑”、与夏目漱石的相处交往……读者会更细致更全面地认识芥川,以他的视角去感受他的生活,与他对话、透过他去感悟那个自由浪漫却极短暂的大正时代。
芥川龙之介《妄想者手记》
芥川龙之介手记,手帖只有巴掌大小便于携带,旅行期间拿上一本相当怡情。并未收录芥川的代表作,以短篇居多。
书里有个奇妙的小世界。动物园里大不一样的动物们、于水墨画中品出的人物面庞上那抹“灵魂的微笑”、与夏目漱石的相处交往……读者会更细致更全面地认识芥川,以他的视角去感受他的生活,与他对话、透过他去感悟那个自由浪漫却极短暂的大正时代。
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