#Knights Tale# 『ナイツ・テイル』開幕!堂本光一、井上芳雄ら初日を迎える喜びを語る(2021.09.13)
ミュージカル「ナイツ・テイル─騎士物語─」が、本日9月13日に大阪・梅田芸術劇場 メインホールで開幕した。
9月7日に大阪で開幕予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、7日から12日までの公演が中止になっていた。
本作は、シェイクスピア「二人の貴公子」を基礎とする2018年初演の本格オリジナルミュージカル。
KinKi Kidsの堂本光一と井上芳雄がタッグを組み、さらに世界的演出家であるジョン・ケアードが脚本・演出を務めることで話題を呼んだ。演劇界に衝撃をもたらした本作が、世界初演から3年経った今回、日本全国からのラブコールを受け、帝劇での公演にくわえ、大阪・梅田芸術劇場と福岡・博多座での初上演が実現する。
本作の主演を務めるのは、アーサイト役の堂本光一と、パラモン役の井上芳雄。そして、エミーリア役・音月桂、牢番の娘・役上白石萌音、シーシアス役・岸祐二、ジェロルド役・大澄賢也、ヒポリタ役・島田歌穂と、2018年初演のメインキャストは続投となる。
大きな拍手を浴びながらのカーテンコールでは、井上芳雄と堂本光一、音月桂、上白石萌音からあいさつが。終盤で井上芳雄のマイクが汗で故障するハプニングが起こったため、井上は堂本光一に寄り添い、堂本のマイクを通してあいさつをする一幕も。
堂本「皆さんご存知のように、初日という日が“今日”ということになってしまいましたが、こうして無事に幕が開けられたことを皆さまに感謝したいなと思っております。もちろん初日から中止になってしまった公演、その期間楽しみにしてくださっていた方々がいらっしゃると思います。その方たちにお見せできなかったことは非常に残念ですが、ジョン・ケアードさん、井上芳雄くんをはじめとして、本当に素晴らしいキャストと今こうして、このステージに立てることを心から嬉しく思っております。話は短めにと言われましたので、この辺に。(一同笑い)本日はありがとうございました。」感謝を述べた。
続いてあいさつをしようとする井上芳雄だが、フィナーレの歌の最中にマイクが故障してしまうというハプニングに見舞われ、「聞こえてます?」とマイクチェック。そんな井上をカバーしようと、自分の口元にあるマイクを差し出す堂本。右往左往する井上の姿に会場からあたたかい笑いが巻き起こり、堂本に寄り添う形であいさつをはじめる。
井上「あの・・これは別に(光一くんと)いちゃいちゃしたいってわけじゃないですよ(笑)。(一同笑い)。もう少しで初日が終わるところなのにマイクが持たなくてすみません。とにかく・・」
堂本「汗の量がね(すごい)。」
井上「そうね。本番ってやっぱりすごく汗を掻くから。」
二人の姿に笑いを抑えきれない音月桂。
井上「近寄りたいとかそういうのじゃないから(笑)。ただマイクが壊れてるだけなんですよ。(一同笑い)。とにかく、なんて本番が楽しんだろう!と感じ、オープニングもほんとに感動しました。今思うように公演ができないカンパニーもありますが、とにかく今日一日を無事に過ごすことだけを考えて、積み重ねていけたらと思っています。本当に皆さんありがとうございました!」喜びを語った。
音月「(堂本、井上を指して)一体我々はなにを見せられているんだろうと(笑)。でもほんとにこうやって劇場に立って、皆さまと同じ時間を共有するのはこんなに幸せなことだったんだ!と今日改めて感じました。客席、そして客席に来ることは叶わなくてもそれぞれの場所から熱いエールを、想いを寄せてくださる皆さま全員、そして元祖脱力系騎士の光一さんと芳雄さん、もちろん演出家のジョンといった、大好きなカンパニーでこの瞬間を迎えられて本当に幸せでした。私たちが表現する場所をこれからも全力で守っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました!」と感情をあらわにした。
上白石「昨日初めてマスクを外して通し稽古をして、みんなの顔が全部見られるってこんなに嬉しんだ!っていうことを改めて思いました。」
堂本「3段階あるんだよね。」
上白石「え?」
堂本「稽古でさ・・あ、ごめん話長くなっちゃう。(一同笑い)。稽古でマスクしてるじゃん。で、顔がわかんないじゃん。でさ、舞台稽古でメイクをしてマスクしてるじゃん。余計に誰が誰かわかない。今度はメイクを完ぺきにしてマスクを外してるじゃん。また誰だかわかんない!(一同笑い)。」と持論を述べ、会場の笑いを誘った。
上白石「今日この場に立って、初日を迎えられて拍手の音ってこんな幸せな音だったんだ!っていうのをすごく感じました。まだ大変な時期ですけど、こういうことがあったから気付けたこともあって、悪いことばかりじゃないのかなって思ったりもしています。みんなで一回一回大切にお届けできるように頑張ります。ありがとうございました!」と語った。
堂本「ほんとに素晴らしいキャストの集まりです。(島田)歌穂さん、岸(祐二)さん、(大澄)賢也さんにも、改めて皆さん大きな拍手を――。」と、会場からキャスト全員を労う大きな拍手が起こり、続けて「ほんとに皆さんの強力があってこそこうして幕が開けられていると感じております。私たちからも皆さんに拍手をお送りしたいと思います。」と、客席に向けて拍手を送り、「ほんとにどうもありがとうございました!」と、最後を締めくくった。
ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』は、9月30日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演ののち、10月6日(水)から11月7日(日)まで東京・帝国劇場、11月13日(土)から11月29日(月)まで福岡・博多座で公演を行う。
ミュージカル「ナイツ・テイル─騎士物語─」が、本日9月13日に大阪・梅田芸術劇場 メインホールで開幕した。
9月7日に大阪で開幕予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、7日から12日までの公演が中止になっていた。
本作は、シェイクスピア「二人の貴公子」を基礎とする2018年初演の本格オリジナルミュージカル。
KinKi Kidsの堂本光一と井上芳雄がタッグを組み、さらに世界的演出家であるジョン・ケアードが脚本・演出を務めることで話題を呼んだ。演劇界に衝撃をもたらした本作が、世界初演から3年経った今回、日本全国からのラブコールを受け、帝劇での公演にくわえ、大阪・梅田芸術劇場と福岡・博多座での初上演が実現する。
本作の主演を務めるのは、アーサイト役の堂本光一と、パラモン役の井上芳雄。そして、エミーリア役・音月桂、牢番の娘・役上白石萌音、シーシアス役・岸祐二、ジェロルド役・大澄賢也、ヒポリタ役・島田歌穂と、2018年初演のメインキャストは続投となる。
大きな拍手を浴びながらのカーテンコールでは、井上芳雄と堂本光一、音月桂、上白石萌音からあいさつが。終盤で井上芳雄のマイクが汗で故障するハプニングが起こったため、井上は堂本光一に寄り添い、堂本のマイクを通してあいさつをする一幕も。
堂本「皆さんご存知のように、初日という日が“今日”ということになってしまいましたが、こうして無事に幕が開けられたことを皆さまに感謝したいなと思っております。もちろん初日から中止になってしまった公演、その期間楽しみにしてくださっていた方々がいらっしゃると思います。その方たちにお見せできなかったことは非常に残念ですが、ジョン・ケアードさん、井上芳雄くんをはじめとして、本当に素晴らしいキャストと今こうして、このステージに立てることを心から嬉しく思っております。話は短めにと言われましたので、この辺に。(一同笑い)本日はありがとうございました。」感謝を述べた。
続いてあいさつをしようとする井上芳雄だが、フィナーレの歌の最中にマイクが故障してしまうというハプニングに見舞われ、「聞こえてます?」とマイクチェック。そんな井上をカバーしようと、自分の口元にあるマイクを差し出す堂本。右往左往する井上の姿に会場からあたたかい笑いが巻き起こり、堂本に寄り添う形であいさつをはじめる。
井上「あの・・これは別に(光一くんと)いちゃいちゃしたいってわけじゃないですよ(笑)。(一同笑い)。もう少しで初日が終わるところなのにマイクが持たなくてすみません。とにかく・・」
堂本「汗の量がね(すごい)。」
井上「そうね。本番ってやっぱりすごく汗を掻くから。」
二人の姿に笑いを抑えきれない音月桂。
井上「近寄りたいとかそういうのじゃないから(笑)。ただマイクが壊れてるだけなんですよ。(一同笑い)。とにかく、なんて本番が楽しんだろう!と感じ、オープニングもほんとに感動しました。今思うように公演ができないカンパニーもありますが、とにかく今日一日を無事に過ごすことだけを考えて、積み重ねていけたらと思っています。本当に皆さんありがとうございました!」喜びを語った。
音月「(堂本、井上を指して)一体我々はなにを見せられているんだろうと(笑)。でもほんとにこうやって劇場に立って、皆さまと同じ時間を共有するのはこんなに幸せなことだったんだ!と今日改めて感じました。客席、そして客席に来ることは叶わなくてもそれぞれの場所から熱いエールを、想いを寄せてくださる皆さま全員、そして元祖脱力系騎士の光一さんと芳雄さん、もちろん演出家のジョンといった、大好きなカンパニーでこの瞬間を迎えられて本当に幸せでした。私たちが表現する場所をこれからも全力で守っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました!」と感情をあらわにした。
上白石「昨日初めてマスクを外して通し稽古をして、みんなの顔が全部見られるってこんなに嬉しんだ!っていうことを改めて思いました。」
堂本「3段階あるんだよね。」
上白石「え?」
堂本「稽古でさ・・あ、ごめん話長くなっちゃう。(一同笑い)。稽古でマスクしてるじゃん。で、顔がわかんないじゃん。でさ、舞台稽古でメイクをしてマスクしてるじゃん。余計に誰が誰かわかない。今度はメイクを完ぺきにしてマスクを外してるじゃん。また誰だかわかんない!(一同笑い)。」と持論を述べ、会場の笑いを誘った。
上白石「今日この場に立って、初日を迎えられて拍手の音ってこんな幸せな音だったんだ!っていうのをすごく感じました。まだ大変な時期ですけど、こういうことがあったから気付けたこともあって、悪いことばかりじゃないのかなって思ったりもしています。みんなで一回一回大切にお届けできるように頑張ります。ありがとうございました!」と語った。
堂本「ほんとに素晴らしいキャストの集まりです。(島田)歌穂さん、岸(祐二)さん、(大澄)賢也さんにも、改めて皆さん大きな拍手を――。」と、会場からキャスト全員を労う大きな拍手が起こり、続けて「ほんとに皆さんの強力があってこそこうして幕が開けられていると感じております。私たちからも皆さんに拍手をお送りしたいと思います。」と、客席に向けて拍手を送り、「ほんとにどうもありがとうございました!」と、最後を締めくくった。
ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』は、9月30日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演ののち、10月6日(水)から11月7日(日)まで東京・帝国劇場、11月13日(土)から11月29日(月)まで福岡・博多座で公演を行う。
#许佳琪的小猪仔[超话]#0507积分帖
千姿一笑百媚生,百面一颦英颜现。是《芸汐传》中的异国公主楚清歌、《如意芳霏》中的大家闺秀傅宣、《平行迷途》里的音乐才女梁雪,也是担任女主即将与大家见面的《清风朗月花正开》中灵动的朗月公主,《幻乐森林》里多才多艺的苏若非。新人演员许佳琪正在奔赴盛大未来,敬请期待!
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ぴあweb:
高杉真宙が貫く役者の心得「僕自身は目立たなくてもいい」
21/4/10(土) 12:00
求められたのは、その場で出し切る力だった
スクリーンの中でくるくると変わる表情。目を丸めて驚いたり。困ったようにオドオドしたり。映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら』で高杉真宙が見せる顔は、感情豊かで、ちょっと頼りなくて、一言で言うと“ヘタレ”キャラ。そう感想を伝えると、本人も笑って全面同意する。
「実際の僕も完全な“ヘタレ”なので。そこは僕自身が出ているのかもしれません(笑)」
なぜなら、映画で演じたのは、高杉真宙本人役。2017年のスタート以来、多くのファンを獲得してきた『バイプレイヤーズ』シリーズ。人気の秘密は、田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一ら名脇役たちが本人役として登場するという、リアルとフェイクが入り混じった世界観。高杉真宙も、先日最終回を迎えたシーズン3に続き、映画版でも奮闘している。
「ドラマのときは、ストーリー上の明確な目的があって、そのためのキャラクターとしていたので、本人役といってもそんなに高杉真宙っぽさを意識はしていなかったんですけど、映画は素の僕に近いところがあった気がします。喋り方なんてまんま僕ですし」
本人役ではあるけれど、本人そのものではもちろんない。虚実皮膜の楽しさは、観る側だけでなく、演じる側にもある。
「他の作品と比べても、つくり込む感覚は薄いと思います。事前に用意していくというより、その場で出たものを受け取って、それを返していくという感覚の方が近かったですね。その中で、この場面では何を伝えたいかとか、フィクションとしてどう見せたいかを考えたり。要は、そのバランスですよね。どれくらい役と本当の高杉真宙のブレンドをするかという作業でした」
今までとは違う筋肉が求められる現場でした
映画では、田口、松重、光石、遠藤という“元祖バイプレイヤーズ”をはじめ、勝村政信や渡辺いっけいら日本を代表する名脇役たちが名を連ねている。飄々とした味を醸しつつ、ギアが入ると一気にパワフルになるベテラン陣の演技は、24歳の高杉真宙にも大きな刺激を与えた。
「先輩方がかなり思い切りやられているんですよね。それを見て、自分ももっとやらなきゃなと思ったし、監督からも『負けないで』と言われていたので、出来るだけガツガツ行こうという気持ちでした。先輩方の一生懸命で楽しそうな姿が『バイプレイヤーズ』の魅力。あのパワーに対応しようと思ったら、僕も持っているものを出し切るしかない。そういう爆発力が大事な現場でした」
普段の高杉真宙は、どちらかと言うと内気でシャイ。生来の真面目さも手伝って、芝居の際はとにかくしっかり準備して臨むことが信条だったという。
「準備をしている時間も好きなんですよ。家でこんなふうにやろう、あんなふうにやろうって役のことを考えている時間が、いちばん好きだったりします」
そんな思考型の高杉にとって、瞬発力が求められる『バイプレイヤーズ』は、今までと違う筋肉が求められる現場だった。
「『バイプレイヤーズ』の撮影を終えて次の現場に行ったとき、言われたんですよ、『準備というより、反射で話すようになったね』って。何度かご一緒したことのある方たちだったので気づいたんだと思いますが。おかげで準備型に戻すのが大変でした(笑)。しっかり準備する方法も、その場の反射でやる方法も、役者ならどっちも必要。でも僕はその両方を同時に持っておくのが苦手で。融通が利かないというか、どっちかにしか偏れないんですよね。だから、もっと柔軟力がほしい。柔軟力は、この仕事を始めてからずっと課題です」
ラジオとコントで笑いの勉強をしています
映画づくりに邁進する俳優たちの舞台裏をコミカルに描いた本作。近年は『前田建設ファンタジー営業部』などコメディ作品でも活躍が光るが、本人曰く「コメディはめちゃくちゃ苦手」なんだとか。
「コメディを演じるには、台詞の間とかテンポとか言い方とかいろいろあって、その上で重要になってくるのが発想力。僕はこの発想力が壊滅的にダメで(笑)。発想力がすごい方ってたくさんいらっしゃいますけど、見てると羨ましくて羨ましくて。僕が準備型なのも、その場で面白いことを思いつくのが絶望的に無理だからというのがあるんですけど」 目下、笑いのセンスを磨くべく勉強中。最近はお笑い芸人のトークやコントを教材にしている。
「もともと会話が苦手なんです。みんな何で会話のやり方を学んでいるんだろうと考えていたら、そうだ、僕、トーク番組というものをほとんど観たことがなかったなということに気づいて。そこからラジオをよく聴くようになりました。よく聴いているのは、バナナマンさんとかハライチさんとか。あとはコントからも笑いを学べるかなと思って、コントも見ています。中でも大好きなのが、うしろシティさん。あの意地悪な感じがいいですよね。東京03さんも好きです」
自分の伝えたい思いとリンクする作品に挑戦したい
自分のできないことや弱点を見つめつつ、成長のための積み重ねを決して怠らない。その真摯な姿勢が実を結んだのだろうか。ここ数年の高杉真宙には、何か覚醒したような面白さがある。
人目を引く端正な顔立ちから、多くの恋愛映画や青春映画で重宝される一方、舞台『カリギュラ』では父を殺した暴君を憎みながらも惹かれる詩人・シピオンを透明感たっぷりに演じ、舞台『てにあまる』では藤原竜也、柄本明という演劇界の怪物とがっぷり四つに組みながらも確かな存在感を示した。
俳優として新たな変化を迎えているように見える。そう話題を向けると「大声出してるだけじゃないですか。あはは」と茶化したあと、自分で自分に確かめるようにこう話しはじめた。
「今年で25歳になるんですけど、20歳を超えてからの芝居に対する認識の変わり方は尋常じゃなかったと思います。ここ最近は特に目立たなくていいやと思うようになりました。役が目立つのはいいことだけど、僕自身が目立つのはいらないなって。作品の中の、ひとつの役であれるようにしたいなと考えはじめてから、だいぶ変わったと思います」
あくまで、自分は作品のピースのひとつ。俳優部の一員としてはまっとうな考えだが、本人の人気がバロメーターとなりやすい若手俳優という領域では、なかなかそう構えるのは難しい。だが、高杉真宙はあくまで作品至上主義を貫く。
「そういうふうに考えるようになってからは、台本の読み方もだいぶ変わりましたね。今はまず自分の役がストーリーを動かす上でどういう役割を担っているのかを考える。何でここで出てくるんだろうとか、何のためにこのお話の中にいるんだろうとか、読み解いていくのが面白くて。そういうことを考えるのが、最近の僕の中のトレンドですね」
大きな瞳が、芝居の話になると、爛々と光を宿す。その頭の中は、大好きなお芝居で占められている。
「やっぱりお芝居は面白い。特に『バイプレイヤーズ』は映画づくりの舞台裏を描いた作品なので。フィクションではあるけれど、作品づくりに対する熱量はきっと観ている方たちに届くと思うし、僕も改めて映画をつくるのは面白いなと思いました」
7月で25歳。30代に向けて、20代も折り返しのコーナーを迎える。この先はどんなロードマップを思い描いているのだろうか。
「今まで僕は観ている人たちに干渉をするのが好きじゃなかったんですね。感動とか、勇気とか、口にするのは簡単だけど、作品を通して何かを与えるのは責任が伴う。その責任を持つことは自分にはできないと思っていたんです。でもせっかくこうしていろんな人に見てもらえる仕事についたなら、何かもっと自分の伝えたい思いを出していってもいいのかなと思いはじめて。たとえば『ギャングース』は裏社会で生きる犯罪少年たちのお話。映画としてエンタメに昇華されているけど、こんな世界もあるんだって、僕はあの映画で初めて知ったし、伝えたいと思った。そんなふうに自分の伝えたい気持ちとリンクする作品にこれから先はもっと挑戦したいですね」
高杉真宙を、ただの眉目秀麗な若手俳優や、内気な青年と見ていたら、大間違いだ。内側には、芝居への求道心が滾っている。その熱を前面に出すタイプではないのかもしれない。けれども、高杉真宙という炎は、静かに、青く、燃えている。
高杉真宙さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント! ぴあアプリをダウンロードすると、この記事内に応募ボタンがあります。
撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明
高杉真宙が貫く役者の心得「僕自身は目立たなくてもいい」
21/4/10(土) 12:00
求められたのは、その場で出し切る力だった
スクリーンの中でくるくると変わる表情。目を丸めて驚いたり。困ったようにオドオドしたり。映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら』で高杉真宙が見せる顔は、感情豊かで、ちょっと頼りなくて、一言で言うと“ヘタレ”キャラ。そう感想を伝えると、本人も笑って全面同意する。
「実際の僕も完全な“ヘタレ”なので。そこは僕自身が出ているのかもしれません(笑)」
なぜなら、映画で演じたのは、高杉真宙本人役。2017年のスタート以来、多くのファンを獲得してきた『バイプレイヤーズ』シリーズ。人気の秘密は、田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一ら名脇役たちが本人役として登場するという、リアルとフェイクが入り混じった世界観。高杉真宙も、先日最終回を迎えたシーズン3に続き、映画版でも奮闘している。
「ドラマのときは、ストーリー上の明確な目的があって、そのためのキャラクターとしていたので、本人役といってもそんなに高杉真宙っぽさを意識はしていなかったんですけど、映画は素の僕に近いところがあった気がします。喋り方なんてまんま僕ですし」
本人役ではあるけれど、本人そのものではもちろんない。虚実皮膜の楽しさは、観る側だけでなく、演じる側にもある。
「他の作品と比べても、つくり込む感覚は薄いと思います。事前に用意していくというより、その場で出たものを受け取って、それを返していくという感覚の方が近かったですね。その中で、この場面では何を伝えたいかとか、フィクションとしてどう見せたいかを考えたり。要は、そのバランスですよね。どれくらい役と本当の高杉真宙のブレンドをするかという作業でした」
今までとは違う筋肉が求められる現場でした
映画では、田口、松重、光石、遠藤という“元祖バイプレイヤーズ”をはじめ、勝村政信や渡辺いっけいら日本を代表する名脇役たちが名を連ねている。飄々とした味を醸しつつ、ギアが入ると一気にパワフルになるベテラン陣の演技は、24歳の高杉真宙にも大きな刺激を与えた。
「先輩方がかなり思い切りやられているんですよね。それを見て、自分ももっとやらなきゃなと思ったし、監督からも『負けないで』と言われていたので、出来るだけガツガツ行こうという気持ちでした。先輩方の一生懸命で楽しそうな姿が『バイプレイヤーズ』の魅力。あのパワーに対応しようと思ったら、僕も持っているものを出し切るしかない。そういう爆発力が大事な現場でした」
普段の高杉真宙は、どちらかと言うと内気でシャイ。生来の真面目さも手伝って、芝居の際はとにかくしっかり準備して臨むことが信条だったという。
「準備をしている時間も好きなんですよ。家でこんなふうにやろう、あんなふうにやろうって役のことを考えている時間が、いちばん好きだったりします」
そんな思考型の高杉にとって、瞬発力が求められる『バイプレイヤーズ』は、今までと違う筋肉が求められる現場だった。
「『バイプレイヤーズ』の撮影を終えて次の現場に行ったとき、言われたんですよ、『準備というより、反射で話すようになったね』って。何度かご一緒したことのある方たちだったので気づいたんだと思いますが。おかげで準備型に戻すのが大変でした(笑)。しっかり準備する方法も、その場の反射でやる方法も、役者ならどっちも必要。でも僕はその両方を同時に持っておくのが苦手で。融通が利かないというか、どっちかにしか偏れないんですよね。だから、もっと柔軟力がほしい。柔軟力は、この仕事を始めてからずっと課題です」
ラジオとコントで笑いの勉強をしています
映画づくりに邁進する俳優たちの舞台裏をコミカルに描いた本作。近年は『前田建設ファンタジー営業部』などコメディ作品でも活躍が光るが、本人曰く「コメディはめちゃくちゃ苦手」なんだとか。
「コメディを演じるには、台詞の間とかテンポとか言い方とかいろいろあって、その上で重要になってくるのが発想力。僕はこの発想力が壊滅的にダメで(笑)。発想力がすごい方ってたくさんいらっしゃいますけど、見てると羨ましくて羨ましくて。僕が準備型なのも、その場で面白いことを思いつくのが絶望的に無理だからというのがあるんですけど」 目下、笑いのセンスを磨くべく勉強中。最近はお笑い芸人のトークやコントを教材にしている。
「もともと会話が苦手なんです。みんな何で会話のやり方を学んでいるんだろうと考えていたら、そうだ、僕、トーク番組というものをほとんど観たことがなかったなということに気づいて。そこからラジオをよく聴くようになりました。よく聴いているのは、バナナマンさんとかハライチさんとか。あとはコントからも笑いを学べるかなと思って、コントも見ています。中でも大好きなのが、うしろシティさん。あの意地悪な感じがいいですよね。東京03さんも好きです」
自分の伝えたい思いとリンクする作品に挑戦したい
自分のできないことや弱点を見つめつつ、成長のための積み重ねを決して怠らない。その真摯な姿勢が実を結んだのだろうか。ここ数年の高杉真宙には、何か覚醒したような面白さがある。
人目を引く端正な顔立ちから、多くの恋愛映画や青春映画で重宝される一方、舞台『カリギュラ』では父を殺した暴君を憎みながらも惹かれる詩人・シピオンを透明感たっぷりに演じ、舞台『てにあまる』では藤原竜也、柄本明という演劇界の怪物とがっぷり四つに組みながらも確かな存在感を示した。
俳優として新たな変化を迎えているように見える。そう話題を向けると「大声出してるだけじゃないですか。あはは」と茶化したあと、自分で自分に確かめるようにこう話しはじめた。
「今年で25歳になるんですけど、20歳を超えてからの芝居に対する認識の変わり方は尋常じゃなかったと思います。ここ最近は特に目立たなくていいやと思うようになりました。役が目立つのはいいことだけど、僕自身が目立つのはいらないなって。作品の中の、ひとつの役であれるようにしたいなと考えはじめてから、だいぶ変わったと思います」
あくまで、自分は作品のピースのひとつ。俳優部の一員としてはまっとうな考えだが、本人の人気がバロメーターとなりやすい若手俳優という領域では、なかなかそう構えるのは難しい。だが、高杉真宙はあくまで作品至上主義を貫く。
「そういうふうに考えるようになってからは、台本の読み方もだいぶ変わりましたね。今はまず自分の役がストーリーを動かす上でどういう役割を担っているのかを考える。何でここで出てくるんだろうとか、何のためにこのお話の中にいるんだろうとか、読み解いていくのが面白くて。そういうことを考えるのが、最近の僕の中のトレンドですね」
大きな瞳が、芝居の話になると、爛々と光を宿す。その頭の中は、大好きなお芝居で占められている。
「やっぱりお芝居は面白い。特に『バイプレイヤーズ』は映画づくりの舞台裏を描いた作品なので。フィクションではあるけれど、作品づくりに対する熱量はきっと観ている方たちに届くと思うし、僕も改めて映画をつくるのは面白いなと思いました」
7月で25歳。30代に向けて、20代も折り返しのコーナーを迎える。この先はどんなロードマップを思い描いているのだろうか。
「今まで僕は観ている人たちに干渉をするのが好きじゃなかったんですね。感動とか、勇気とか、口にするのは簡単だけど、作品を通して何かを与えるのは責任が伴う。その責任を持つことは自分にはできないと思っていたんです。でもせっかくこうしていろんな人に見てもらえる仕事についたなら、何かもっと自分の伝えたい思いを出していってもいいのかなと思いはじめて。たとえば『ギャングース』は裏社会で生きる犯罪少年たちのお話。映画としてエンタメに昇華されているけど、こんな世界もあるんだって、僕はあの映画で初めて知ったし、伝えたいと思った。そんなふうに自分の伝えたい気持ちとリンクする作品にこれから先はもっと挑戦したいですね」
高杉真宙を、ただの眉目秀麗な若手俳優や、内気な青年と見ていたら、大間違いだ。内側には、芝居への求道心が滾っている。その熱を前面に出すタイプではないのかもしれない。けれども、高杉真宙という炎は、静かに、青く、燃えている。
高杉真宙さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント! ぴあアプリをダウンロードすると、この記事内に応募ボタンがあります。
撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明
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